Tomoyuki Kondo Interview

近藤 知之 インタビュー

仕様とデザインの
パズルを組むように

 

近藤 知之

ゲームクリエイティブディビジョン/大阪スタジオ/第7グループ/UIチーム チーム長/シニアUIアーティスト

製品としての完成度・斬新さを追求

リードUIアーティストとして、これまでさまざまなタイトルの開発に携わり、それらタイトルに関してはほぼすべてのUIデザインについて実装と監修を行ってきました。特に印象に残っているのは、「スマートフォンに伝統工芸の魅力を」というコンセプトに則り、徹底した画作りの和風UIを実現した『World of Demons』です。そのデザインにあたっては、「純和風のテイストを守る」「スマートフォンのUIとしてわかりやすい」というディレクターからの要望に応えるだけなく、「製品としての完成度・斬新さ」に強い責任感を持って臨みました。UIの操作性はもちろん、チュートリアルの巫女のイラストを瞬きさせたり、プロローグに登場する大量の妖怪たちの絵を一つひとつ動かしたりといった、ユーザーに楽しんでもらえる演出表現もふんだんに盛り込んでいきましたね。最終的に、とても遊び心のあるUIに仕上げることができたと感じています。また、このタイトルでは、当時社内でノウハウのなかった「UIの外部発注」にもチャレンジしました。課題となったのは、発注先の方にいかにクオリティを損なわず効率よく作業していただくかということ。そこで事細かにデザイン/レイアウトのガイドラインをまとめ、それに則して作業していただくことに。その結果、クオリティを損なわずに、最大5タスク並行しての作業を可能にすることができました。

個人でもチームでも、確信を持てる仕事を

仕様とデザインをパズルのように組み合わせていくのが、UIという仕事です。そのパズルのピースをうまく組み合わせて「わかりやすいUI」「見て・触って楽しいUI」をつくっていくことは、とても楽しいですね。また、多職種のチームの仕事が組み合わさることで、自分だけでは成し得ないクオリティを実現できるのも、ゲームづくりの楽しさだと思います。たとえば『World of Demons』のリザルト演出では、モーション、エフェクト、UIの素材が組み合わさり、非常に気持ちいい流れを構成することができました。また、プロローグ作成時にも関係スタッフで意見を出し合い、さまざまなアイディアを盛り込み、かなり見応えのあるものができたと感じています。個人としてもチームとしても、「ユーザーに自信を持って届けられる」と確信できるような仕事をできた時が、自分にとって最も楽しい瞬間です。

UXの観点からゲーム体験を楽しく

プラチナゲームズには新卒で入社しましたが、この6年間、多くの先輩方から指導を受けたおかげで「こだわり抜いたUIデザイン/UIアニメーションをつくること」「仕様を読み解き、整理して、快適なUI設計を心がけること」が身についたと感じています。わかりやすくかっこいいUIができるかどうかは、自分たちUIアーティストにかかっているので、常に「UXの観点からユーザーのゲーム体験を楽しくうれしいものにしよう」という意識で、仕事に取り組んでいます。これから入社されるUIアーティストの方にも、同様の意識で取り組んでもらえたらうれしいです。 ゲーム開発の現場では、コミュニケーションの中でブラッシュアップを繰り返していくことが重要です。ゲームを楽しくプレイしてもらえる仕様をまとめるために、スタッフ数名で会議室に一日中籠もって話し合うことも少なくありません。職種を問わずアイディアを出し合っていくことで、ユーザーがゲームをプレイするうえでプラスになる要素を追求していける方、何よりユーザーに喜んでもらえることを第一に考えられる方と一緒に働きたいと考えています。

 

PROFILE

Tomoyuki Kondo

ゲームクリエイティブディビジョン/大阪スタジオ/第7グループ/UIチーム チーム長/シニアUIアーティスト

2014年、プラチナゲームズにUIアーティストとして入社。『スターフォックス ゼロ』『World of Demons』にリードUIアーティストとして開発に携わる。現在は『BABYLON’S FALL』のリードUIアーティストとして、UIデザイン全体の制作と監修を担当している。