PlatinumGames

Kunihiko Tsuda Interview

津田 国彦 インタビュー

ゲームを進める
“動機”をつくる

 

津田 国彦

ゲームクリエイティブディビジョン/大阪スタジオ/第6グループ グループ長/シネマティックチーム チーム長/シニアシネマティックアーティスト

ゲーム性にふさわしい監督を

『BAYONETTA(以下、ベヨネッタ)』シリーズや『NieR:Automata』『ASTRAL CHAIN』など、プラチナゲームズのタイトルの多くについて、カットシーンを制作してきました。カットシーンの制作にあたっては、ゲームディレクターとは別にカットシーンディレクター(監督)を立てることが多いです。ゲームや演出内容に応じて、その分野の演出が得意な監督に依頼します。たとえば『ベヨネッタ』シリーズなら、アクションメインのゲーム性・演出であったことから、映画やテレビでもアクション監督として活躍されている下村勇二監督にお願いしています。 『MAX ANARCHY』では、初の試みとしてディレクション業務を私が担当し、プリビズ制作からMoCap収録、本制作に至るまで、全てを監督しました。シナリオ段階ではアクションシーンに関する細かな記載はなかったものの、主人公ジャックはパワフルな力強さのあるアクションを、レオには華麗でスピード感あふれるアクションを追加し、それぞれのキャラクター性をより引き立たせることができたと思います。また、「Main Mission3」でジャックがマックスに襲いかかるシーケンスでは、前作『MADWORLD』の特徴である白黒のビジュアル表現も交えてジャックの感情の昂り、冷酷さを演出するなど、映像表現的にもこだわって制作できたのではないかと思います。

ユーザーの感情に訴えかけるシーン

こうしたカットシーンの役割は、ゲームの中でユーザーの感情に訴えかけることにあると考えています。「うれしい」「悲しい」「かっこいい」といった感情を呼び起こし、もっと「ゲームを進めたい」という動機へとつなげていく。そうしたこちらの意図が、しっかりとプレイヤーに伝わったときは、本当にうれしいですね。例えば『ベヨネッタ』では、アイテムショップ「ゲイツオブヘル」で最初に四丁拳銃「スカボロウフェア」を手に入れたとき、あるいは敵キャラクター「ジョイ」との戦闘前など、さまざまな局面でなぜか踊り始めます。突拍子もない演出ですが、これによって『ベヨネッタ』の世界観やキャラクター性がユーザーにもスムーズに伝わったのではないかと思っています。こういうシーンを考えているときはもちろん、期待どおりのリアクションが得られたときが、何より楽しいです。

各スタッフのアイディアで演出を底上げ

最近は、カメラの演出や映像の見せ方などについて、周囲からアドバイスを求められることが多いですね。今後はカットシーンに限らず、インゲーム中の演出においても深く関わっていき、もっと幅広く、全体的なクオリティアップに貢献できればと考えています。 カットシーンは映像表現なので、やはり映画や映像分野の手法、演出表現への関心が強い方と働けたらうれしいですね。『ASTRAL CHAIN』などでは、カットシーン制作のプリプロ段階の手法として、プリビズ制作を取り入れています。この段階では、CGで演出表現を検討して固めていくのですが、監督だけでなく、各スタッフにも演出提案をしてもらえたらと考えています。より数多くのアイディアを提示してもらえれば、総合的なクオリティアップにつながるからです。演出に興味のある方、アイディアの引き出しが多い方に来ていただければ、既存スタッフにも良い刺激になり、開発現場がさらに活性化していくと思います。

 

 

PROFILE

Kunihiko Tsuda

ゲームクリエイティブディビジョン/大阪スタジオ/第6グループ グループ長/シネマティックチーム チーム長/シニアシネマティックアーティスト

カプコン、クローバースタジオ、SEEDを経てプラチナゲームズへ。アーティストとして『Devil May Cry』『バイオハザード4』(カットシーンアーティスト)、『大神』『BAYONETTA(ベヨネッタ)』(リードカットシーンアーティスト)などの開発に携わる。『MAX ANARCHY』『ASTRAL CHAIN』ではカットシーンディレクションも務め、ゲーム内の演出向上に貢献。現在はシネマティックセクションのリーダーとして、工程管理や人材採用にも尽力している。