Takuo Yamamoto Interview

山本 拓生 インタビュー

世界最高峰の
インタラクティブな爽快感を

 

山本 拓生

ゲームクリエイティブディビジョン/大阪スタジオ/第7グループ グループ長/VFXチーム チーム長/シニアVFXアーティスト

VFXを武器に爽快感を実現していく

これまでVFXセクションの統括として、『BAYONETTA(以下、ベヨネッタ)』『VANQUISH』『METAL GEAR RISING REVENGEANCE(以下、MGR)』『ベヨネッタ2』や『スターフォックス ゼロ』『ASTRAL CHAIN』などの開発に携わってきました。それぞれのタイトルで担ってきた箇所は異なりますが、どのタイトルでもアクション全般における爽快感や手触りの良さを実現させてきたと自負しています。
また、VFXセクションの実装力や表現力・機動力を活かしながら各セクションと連携を取ることで、漠然としたオーダーであったとしても必ず形にしてきました。たとえば『ベヨネッタ』シリーズなら一連のクライマックスシーンやウィッチタイム、戦闘結界演出、『MGR』なら斬撃表現演出、最新作の『ASTRAL CHAIN』ならIRIS表現やレギオン、敵の行動演出全般などがそうです。いずれもディレクターからコンセプトの提示はあるものの、具体的な表現方法についてはVFXを軸に実際のゲーム画面の中でイテレーションを重ねながら検討していったものです。「クオリティを上げるためなら、ギリギリのタイミングでのディレクターオーダーであっても決して実装を諦めない」というスピリットは、VFXメンバーにも浸透していると思います。(いつも助けられています……!)

VFXのコンセプトから自分たちで生み出す

プラチナゲームズは、ゲーム開発における各スタッフの裁量が大きいのが特長です。VFXのコンセプトについても、VFXアーティストである自分たちが考えています。これまで関わってきたタイトルを例にあげれば、『ベヨネッタ』なら「ド派手/おしゃれ/クライマックス感」、『ベヨネッタ2』なら「超クライマックス/色味/リッチさ」、『VANQUISH』なら「リアルさ/密度/圧倒的なVFX量」、『MGR』なら「クオリティ/極限の爽快感/超高速なイテレーション」、『ASTRAL CHAIN』なら「特撮/リアル系アニメ/デジタル/キューブ/ハードの限界に挑戦」などです。こうしたVFXコンセプトを実現するために、新たな表現や仕組みをプログラマーとともに日々検証し、最速で実装していける環境が整っているのはプラチナゲームズならでは。そのコンセプトをバッチリ表現できたときは無上の喜びですね。自分たちで1からつくり上げているからこそ、周りのスタッフにお披露目したときに「スゲー!」といった声が上がると、とてもテンションが上がります。

ユーザーの手触り感を何より大切に

プラチナゲームズにおいて、ゲームのクオリティをビジュアル面、手触り感の双方から調整して向上させる「最後の砦」を自認しています。現在はVFXの統括として監修することも多いですが、現場に身を置くマネージャーとして、開発スタッフのモチベーションを高く維持させながらパフォーマンスを最大限に引き出すことができればと考えています。
VFXアーティストとして大切にしているのは、「極限まで ”驚嘆に値するリアクション” を突き詰める!」ということ。VFXは、いわばプレイヤーの操作によって起こるリアクションです。単なる記号としてのVFXではなく、驚嘆に値するビジュアル変化によって感情を大きく揺さぶっていくことが重要だと考えています。技術的な表現を実装することで満足するのではなく、ユーザーの手触り感を最重要視するVFXアーティストの方とともに、世界最高峰の「インタラクティブな爽快感」を今以上に突き詰めていきたいと思っています。

 

 

PROFILE

Takuo Yamamoto

ゲームクリエイティブディビジョン/大阪スタジオ/第7グループ グループ長/VFXチーム チーム長/シニアVFXアーティスト

カプコン、クローバースタジオ、SEEDSを経てプラチナゲームズへ。前職では『バイオハザード3』『Devil May Cry』『バイオハザードGC』『バイオハザード4』『大神』などの開発に携わる。プラチナゲームズに入社後は、マネージメント業務とゲーム開発業務を兼任しながら、VFXセクションの統括として『BAYONETTA(ベヨネッタ)』『VANQUISH』『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』『ベヨネッタ2』や『スターフォックス ゼロ』『NieR:Automata』『ASTRAL CHAIN』などの開発に携わる。