先日、横浜で開催された、日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス CEDEC 2017 で、『NieR:Automata』のサウンド開発チームが、CEDEC AWARDSサウンド部門において、最優秀賞を受賞しました!
『NieR:Automata』の世界観を表現するインタラクティブな音楽演出と、音楽作品としての商業的な成功の両立を評価していただいたとのことで、プロデューサー齊藤さん、ディレクターのヨコオさんをはじめ、サウンドプロデューサー/メインコンポーザーの岡部さん、MONACAの皆さんと、受賞を喜び合いました!
「NieR:Automata」サウンド開発チーム
プロデュース:スクウェア・エニックス
楽曲制作:MONACA
開発:プラチナゲームズ
授賞理由:
ゲームの世界観とリンクする楽曲群はボーカルやPSG音源など個性的で印象に残るインタラクティブ演出を実現。またオリジナルサウンドトラックは単体の音楽作品としても成果を上げている。ゲーム内外双方で満足度の高い音楽プロデュースを評価。(CEDEC AWARDより)
左から:コンポーザー・岡部啓一さん(MONACA)、中康洋(PG)、進藤美咲(PG)、上田雅美(PG)、木幡周治(PG)、プロデューサー・齊藤陽介さん(スクウェア・エニックス)
CEDECにて、サウンド部門最優秀賞いただきました!!
嬉しい!!!齊藤さんと、プラチナ上田さんと一緒に!#CEDEC #NieR pic.twitter.com/UPp3sZFSUd
— 岡部 啓一(MONACA) (@MONACA_okabe) 2017年8月31日
弊社サウンドスタッフは、インプリメンテーション(BGM実装)とサウンドデザイン(SE)を担当。ゲーム史に残る名盤として有名な『ニーア レプリカント/ゲシュタルト』の続編ということで、楽曲の良さを引き出し、リアルな音響空間表現を追求すべく、様々なサウンド表現を模索し、新しい形のエフェクト処理や、インタラクティブな制御などに挑戦したそうです。
詳しくは、開発ブログや、ゲームメディアが書いてくださった以下の記事などをご覧いただければと思います。
-
- NieR:Automata 開発ブログ
-
- ゲームメディア
- 【CEDEC2017】『NieR:Automata』の世界を彩る効果音はどのように実装されたのか?デザインコンセプトとその仕組みについて[GameBusiness.jp]
- 「NieR:Automata」における音響空間表現――廃墟を歩く2Bのヒール音が鳴るまで[IGN Japan]
受賞者からのコメント
::::::::::::
『NieR:Automata』を遊んで下さった皆様、開発に携わった方々、そして岡部さん達の素敵な楽曲の数々のお陰で、快挙とも言える最優秀賞を頂くことができました。貴重な体験をさせて頂き本当に嬉しく思います。いつかまた作品を通じて皆様にお会いできる日が来ることを切に願います。その時には、また違った形で驚くような演出をお見せできるよう実装ネタを考えておきます。それではまた!
上田雅美 Masami Ueda [Facebook]
カプコン、クローバースタジオ、SEEDSを経てプラチナゲームズへ。ミュージックコンポーザーとして、『バイオハザード1~3』『デビルメイクライ』『ビューティフルジョー1~2』『大神』『ベヨネッタ』『ベヨネッタ2』など数々の作品のBGM制作を担当。『TRANSFORMERS: Devastation』『TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES: Mutants in Manhattan』ではサウンド全般のディレクション及びインプリメンテーションを手掛けるなど、楽曲制作にとどまらず、サウンド表現の可能性を追求し続けている。最新作は、インプリメンテーションを担当した『NieR:Automata』
サウンド部門での受賞となりましたが、『NieR:Automata』に関わった全ての方々と共に、この喜びを分かち合いたいです!サウンド以外の要素が素晴らしく、それらに助けられる形で、サウンドも大きく引き立たせていただいたように思います。
「いつか私たちもCEDECで賞をいただけるような新しいサウンド表現を」と常々から木幡と話しており、本作ではプレイヤーが楽曲に浸れるようSEの派手さを抑え、その代わり、プレイヤーの没入感を高め、環境を演出する音響空間表現にはとことんこだわろうと、挑戦的な技術を多数盛り込ませてもらいました。私たちを信じて任せてくださった、ヨコオさんには本当に感謝しています。素晴らしい作品に携わらせていただきありがとうございました!
個人的にも、サウンドデザイナーとしてこの業界に入って10年の節目の年で、このような賞をいただき、発表の瞬間は、これまでの思い出が一気に頭を駆け巡り、号泣してしまいました・・・。この経験を糧に、またここから5年、10年と、自分にしか出来ないアプローチでゲーム制作に携わっていけるよう頑張ります!!進藤美咲 Misaki Shindo
バンドでのインディーズ活動や、楽器販売店での勤務を経て、2008年にサウンドデザイナーとしてプラチナゲームズに入社。SE制作、Wwise実装、またリードサウンドデザイナーとしても多くのタイトルを担当し、サウンドディレクションも行う。
担当プロジェクト:『ベヨネッタ』『ベヨネッタ2』『The Wonderful 101』等
最新作『NieR:Automata』では、リードサウンドデザイナーとして、SE制作、Wwise実装、SE全体のシステム構築を担当。
このような大きな賞をいただくことができたのは、『NieR:Automata』 に関わってくださった多くの皆様のおかげです!深く感謝すると同時に、喜びを分かち合えたらと思います!!
また、数年にわたりこっそり行ってきた8-bit化や音響空間表現などの研究も日の目を見たということで、大変うれしく思っております。引き続き尖った開発をしていけるよう頑張ります!!木幡周治 Shuji Kohata
電子楽器の開発会社を経て2013年にプラチナゲームズへ。オーディオプログラマーとして、サウンド表現の技術面を支えている。『NieR:Automata』では、システムの整備やオーディオエフェクト(音響効果)の実装を担当。“新しい感触のサウンド表現の研究とゲームへの反映”を目標に、日々関連技術の研鑽に努めている。