『ASTRAL CHAIN(アストラルチェイン)』メインシナリオ担当 仲です。

8月末の発売からあっという間に月日が流れましたので、再度登場させていただきました。まだまだこれから遊んでくださる方もいらっしゃると思いますので、今回は主人公たちを取り巻くさまざまな設定についての小ネタを書いてみようと思います。

 
– 隊員[たい・いん]

まずはネウロン隊員について。
メインシナリオ以外に各種ケースにおいても彼らに関わることがあるかと思いますが、お気に入りの隊員は居ますか?

私は、オカルト好きの不思議さんシズと何をやるにもダルそうなケイ、二人の眼鏡さんが気に入っています。

ここではそんな彼らの設定をどのように考えていったのかを書いてみます。……といっても私のキャラクターの作り方はとてもシンプルで、性格や話し方のイメージを「一言」にする、というものです。

「インテリ」「虚弱」「元気が取り柄」「動物好き」「チャラい」などなど。最終的にはディレクター、アーティストと話す中で変更も入るのですが、ベースは変わっていません。
当時の資料を見直してみると、先に挙げたシズは「オカルト好き」で最後まで変わらず、ケイは「アイテムマニア」とあり、キャラクターの役割としてはそのままに、実装された喋り方やモーションを見て、後から特徴をつけていった形です。

名前についても特にモデルはなく、出来上がったイメージに合わせてつけていきました。街の人たちのほぼ全てに名前を付ける必要があったため、名前の候補はかなりの量をリストアップしており、そこから選んだりもしています。

また実は2名ほど、開発スタッフから名前をもらったキャラクターがいます。誰とは書きませんが、クレジットと見比べていただくと分かるはずです。
クレジットはFile01のゲーム中にも見ることができるので、本体のスクショ&動画撮影機能を駆使すれば確認できるのですが、バイク運転中なのでそれどころではないかも知れません……無理な場合は頑張ってクリアしてください。

ちなみにバイクですが……個人的に『マッハライダー』のオマージュだと信じています。機銃が据え付けられたバイクに、やられた際の爆発……きっと間違いありません。

……話が逸れました。隊員の話題に戻します。

隊員達は原則ペアという設定があったのですが、全員がレギオンを持っているという設定ではなくなったため、二人一組程度では力不足ということもあり、原則ペアの設定もなくなってしまいました。
ですがその名残として、ゲーム中の会話からもわかるようにレオナとジュリアが一緒に住んでいたり、サラのように普段「…………」と三点リーダーのみで話し、ジョイを通じてでないと意思疎通が難しい人がいたり、ミツルのようにパートナーキャラについて悩んでいる人もいたりします。

そういえばサラは本編中一度だけ、一言だけ喋ることがあるのですが気づきましたか?

 
– 饒舌[じょう・ぜつ]

次は人気キャラクター? 喋る自動販売機こと『ベンダー3号』について。

警察署にいる「ノーマル」以外に、「おどおど」「朗らか」「ロボ」「ツンツン」「ネクラ」「クール」、それにアストラル界に引き込まれたベンダー……と、いろんな性格のベンダーさんが存在するのですが、実はこんなに種類ができるなんて想定していませんでした。

喋る自販機を置く、ということは開発当初から揺ぎなく決めていたのですが、それも警察署の中にいるベンダー3号と、廃棄されたものがハーミットたちに拾われて改造されたベンダー0号の2種類のみのはずでした。

それが最終的にはいろんな人の頑張りによって、ベンダー3号のバリエーションが7種類も追加されることに……ましてやアストラル界にまで設置されるというのは全くの想定外でした。

数が数だったので、ボイス付きの台詞を短くするなどの修正もしていたのですが、後から「折角のフェイシャルが全然再生されない」と怒られ、ボイス収録の台本締め切り直前に全て再修正したのも今となっては良い思い出です……

ゲーム中ではロケーションごとに違った性格のベンダーが置かれているので、探して話しかけてみてください。

ベンダーに限ったことではありませんが、音声付きの台詞については、音声の言語設定を切り替えることで、いつもとは違った印象も楽しめるのではないかと思いますので、是非試していただければと思います。

 
– 双子[ふた・ご]

アキラと主人公が当初は双子ではなかった、という話を田浦ディレクターが桂先生との対談でしていましたが、その当時は「オリーヴ」と「ブレンダ」が双子でした。

その後、アキラと主人公が双子という設定になったときに、警察内の同じ部署という限られた関係の中に双子がたくさんいるのもどうだろうと思い、二人には他人になってもらいました。ですが、仲が良いのは今も変わっておりません。

 
– 認証[にん・しょう]

File6で確認できる「業務報告」の中に、閲覧のためパスコードの入力が必要なものが3つほど存在しています。
この活動記録は全てマックスのものです。
仮にも2児の父であるマックスが使いそうな4桁の数字と言えば……

 
– 些末[さ・まつ]

本作の舞台設定は、かなり近い未来を想定しています。
ネウロンの最年長者であるヨゼフは、アイリスで覗いてみてもらえばわかりますが、実は我々の生きる現代で既に生まれていることになっています。

 
最後に。


とあるタイミングで、イージス研究所にて目撃できます。
なお彼を見つけても何もありません、悪しからず……

最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回はここまでです。




naka仲 晃照 Akiteru Naka
2011年にプラチナゲームズに入社。ゲームデザイナーとして『MAX ANARCHY』、『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』、『BAYONETTA 2』、『スターフォックス ゼロ』などで、主にUIやテキスト編集・管理を担当。現在は、『ASTRAL CHAIN(アストラルチェイン)』でメインシナリオおよびサブシナリオ監修に携わった。