みなさんこんにちは!

『ASTRAL CHAIN(アストラルチェイン)』 リードエンバイロメントアーティストの横山です。

本作ではアクションだけでなく、探索、収集要素など、寄り道を楽しめる要素が盛りだくさん!

そんな中、私イチオシの『カメラ機能』を通して、本作の世界の魅力をご紹介したいと思います。


  • 『ASTRAL CHAIN』のカメラ機能

『ASTRAL CHAIN』には『カメラ』という要素が存在し、ゲーム中カメラを構えることで、いろいろなフィルターをかけたりして、スクリーンショットを撮ることができます。

ただのおまけ機能だと思ったら大間違い!

ズームイン/アウトは勿論、被写界深度(ボケ表現)や色味を変えるフィルター、そしてなんと、自撮りまで出来てしまいます。

※各種機能の紹介やUIのこだわりなどが書かれたUIセクションの記事も、是非ご覧ください!

『ASTRAL CHAIN』のUIについて:前編(UIアーティスト 大西&斉藤)
『ASTRAL CHAIN』のUIについて:後編(UIアーティスト 大倉&小波)

  • ライティングとカラーグレーディングについて

と、カメラの話に入る前に、まずは本作の絵作りに大きな影響を与えている、ライティングとカラーグレーディングについて、少しだけ触れてみたいと思います。

ライティングが全くされていない状態。光源の影響がないため、奥行き感がなくのっぺりしています。ここに、Maya上で行ったライティングを焼き付けたり、ゲーム上でライトを置いたりしていきます。

ライティングを行い、光や反射が見られるようになった状態。面に光が当たることで、詳細なディテールが確認できるようになり、オブジェクトのシルエットに立体感が出てきました。

カラーグレーディングやフィルター調整が入った最終結果。Photoshopを触ったことがある方は、色調補正やトーンカーブをイメージして頂けたら良いかと。青をベースに赤を差し色としたツートーンにまとめました。色と明るさにコントラストが出て、全体的にメリハリがついたと思います。

このように、エンバイロメントではアセットの制作や配置をするだけでなく、その後の調整が、絵作りにとても重要な要素となっているのです。

さて、何故いきなりこんな説明をしたかというと、本作の『カメラ』撮影モードの機能『カラーフィルター』は、このカラーグレーディングを、まるっと追加してしまう機能だからなのです!

ということは……

ガラッと映像の印象を変えてお好みの絵柄が出せるということ! とてもたのしい!!

※何もかも自由に調整できるわけではないですが、いくつものパターンから選択することができます。


  • アークの街中

本作の舞台となる人工島アークは、その特徴的な構造から、地区によって全く異なった表情を見ることができます。

今回はその中からいくつかピックアップして、写真好きのアナタも、そうでないアナタも、ステージを歩くのが楽しくなるオススメの撮影ポイントをご紹介します!

※世界観については、須田さんの記事「美術設定から見る、アークの歩き方!(コンセプトアーティスト 須田)」で詳しく書かれていますので、是非そちらもご覧下さい!

以下のスクリーンショットは、全て実際にカメラ機能で撮影した「撮って出し」のものです。

【第33地区】
建物を埋め尽くすように並んだ看板が印象的な、通称ハーモニースクエア。物語中何度も訪れることになるこの街は、訪れるたび、異なった表情を見せてくれます。

個人的なお気に入りは、「ハーモニーメディアセンター」側から横断歩道側の看板をがっつりとらえた構図!情報量の多い看板は、どこから撮っても映えるので楽しいです。

歩道橋の下を撮るのも、なかなかマニアックな香りがします!ここはちょっと見つけ辛いですね。「LARGER BURGER」前から撮影しました。

【第36地区】
東洋風の塔や漢字の看板が特徴の第36地区。雑然と建物が増築されたこの街は、どう写真に切り取るかによって、大きく印象が変わります。

「ユニオンシティ」へと繋がるトンネル前からパシャリ!青と赤のコントラストが印象的な街です。

漢字の看板が印象的。モノトーンが好きなので、3種類もフィルターを用意してしまいましたが、「何が違うの?」とよく突っ込まれました……。

【第09地区】
屋上に増築された街並みと、それを見下ろすような巨大な壁が存在する第9地区。開けた視界と高低差のある建物のシルエットが印象的です。

壁の存在感が凄いです。思わず撮らずにはいられません。こちらは「伍番街新電脳廣場」の入口から、ぐるっと逆を向いたところです。

ジャンク街も第09地区の魅力の一つ。ちょっとレトロなフィルターで仕上げてみました。


  • 最後に……

駆け足となってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?少しでも歩いてみたいと思って頂ける場所があれば、とても嬉しいのですが……。

まだまだ、ご紹介できていない魅力的なところはたくさんあるので、物語を追いかける傍ら、是非、カメラを片手にふらっと歩きまわってみて下さい。

そして、今まで気づかなかった側面を楽しんで頂けることができたなら、エンバイロメントアーティストの一人として、とても光栄に思います。
『ASTRAL CHAIN』 を、どうぞよろしくお願いします。

整備中のヘリコプター。いつもお世話になっています。

出動待ちのバイク! ロボットみたいでかっこいいです。

事件現場を巡回する警察官。トランシーバーに手をかけた姿に、緊張感が漂っています。

民間人とネコ。とても仲が良さそうで、ゆったりとした時間の流れを感じます。

高所から街を見下ろす人影。彼はこの街に何を思うのでしょうか。




ishida横山直哉 Yokoyama Naoya
武蔵野美術大学を卒業後、2015年にプラチナゲームズ入社。
『Teenage Mutant Ninja Turtles: Mutants in Manhattan』 『NieR:Automata』ではステージ制作を担当。
本作『ASTRAL CHAIN』ではリードエンバイロメントアーティストとして、幅広い範囲を担当している。