こんにちは!ゲームデザイナーの答島です!
入社して1年ほどですが、携わったゲームの中の4つのステージをまかされました。
新米にこれだけ仕事をまかせてもらえるのも、プラチナゲームズならではだと思います!

前回は「入社前に想像しきれなかったゲームデザイナーの仕事内容」について書きましたが、今回の投稿でも「ゲームデザイナーにはどんな仕事が待ち受けているのか」をお伝えすることで、少しでも就職活動中の方々の参考になれればと思います。
(よければ前回の投稿もぜひ! → 入社前に想像しきれなかった、実際のゲームデザイナーの仕事

それでは、今回はステージを作る際に自分が体験したことの中から、「敵セットを組む」ということをピックアップして書いていきます。

kotajima

 
■違いを出す
敵セットを組むために必要な「敵」「ギミック」などの発注をするのは当然ですが、発注して出来たもので敵セットを組むのもゲームデザイナーの重要な仕事になります。
そして敵セットを一つ一つ面白くするためにはたくさんの工夫が必要でした。

最初、僕はなるべく「歯ごたえのある敵セット」を作ろうと思い、とにかくクリアが難しい敵セットを組んでいました。
しかし、ただ難しくしてもチームからは「難しいだけで面白くない」「いやらしい邪魔ばかりで、楽しくない」という意見がたくさん出てきました。

プレイヤーのプレイをただ邪魔するのではなく、プレイが楽しくなる絶妙な「壁」を作らなければ面白くはならないということを痛感しました。
「いけそう!簡単じゃん」と最初に思わせておいて、次のハードルが出てくる。
その波をプレイヤーに体感させるような仕掛けを作ることを意識しています。

波を作るために意識したことは、敵セットの展開に「違い」を持たせることです。
敵にたくさんの種類があると、ついつい一度の戦闘でたくさん登場させたくなってくるのですが、それでは敵セットのバリエーションが出せなくなってしまいます。
「さっきは接近攻撃型の敵が大勢出てきたな〜」
「でも今度は遠距離攻撃型の敵が出てきたか!」
といったように
プレイヤーが無意識にも違いを認識できるようにしなければ、すべて同じことを体験させられているような気持ちになってしまい、飽きてしまうのです。

 
■戦略を立てられるセット
プレイヤーが違いを認識できる敵セットは、それぞれ違った戦略を立てさせることにもつながります。
敵セットに違いがあるから、プレイヤーの戦略にも違いが生まれてくるのです。

「一度の戦闘で登場する敵の種類は、多くても3種類くらいまで」
先輩からのアドバイスで、これを一つの基準にして敵セットを組んでいきました。
4種類以上出してもただゴチャゴチャしてしまって、プレイヤーはどんな敵と戦っているか認識しづらくなってしまうためです。
ゴチャゴチャしていると、プレイヤーは作戦を立てようがなく、ただ闇雲にボタンを押すだけになってしまうものです。
そしてそんなゴチャゴチャ敵セットが続くと・・・気づいたら終わっているような戦闘ばかりになってしまいます。

もちろん例外として、たくさんの種類の敵が一度に出る部分もありますが、それは本当に限られた場所だけにしました。
また体力が高い敵を出しておいて、しばらく戦っているとプレイヤーに状態異常を与える敵を出すなど、それぞれの敵が出現する順番やタイミングも工夫しました。
たくさんの種類の敵を出すことを、戦闘に変化を与えるきっかけとしてうまく使うように意識しました。

 
■変化を楽しむ
一言でいえば、プレイヤーはゲームを遊ぶ際、「変化」を楽しんでいるんだと思います。
敵に勝つために自分の戦略で立ち向かい、クリアしかけたと思ったら、また新たな壁が出現する。
今度はどう攻略しようか・・・というように終わりなく「変化」を用意するのがゲームデザイナーの仕事なんだなと思いました。

でもこの「変化」を作ることが難しいです。
作る側がすごく変化をつけたつもりでも、プレイヤーには意外と伝わらなかったりします。
はっきりと「何が変わるのか」「何をさせたいのか」コンセプトを決めて、それを実現するための敵セットを吟味することが求められます。

ここの微調整は時間をかければかけるほど良くなっていくように思います。
ステージ4つ分ともなると敵セットの数も膨大で、全てを調整するのにかなりの根気が必要でした。
それでもひとつひとつ丁寧に時間をかけて、クオリティアップを目指しました。

ゲームデザイナーの「ものづくり」の仕事は目に見える形になりにくかったりしますが、敵セットはそのなかでも形になるものなので、作っていてとても楽しいです。
ゲームデザイナーには「コミュニケーション能力」が必要だというのはよく聞く話かもしれませんが、その根底には「ものづくり」を突き詰める欲求が必要不可欠だと思います。

ものをつくりたいという気持ちが一番大切だと思うので、ぜひ取り組みたい!楽しそう!と思える方は、プラチナゲームズのゲームデザイナーにぴったりではないでしょうか?
この投稿が少しでも「ゲームデザイナー、自分にあってるかも?」という物差しになってくれれば幸いです。

ではでは、またの機会に!
 


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