皆さんこんにちは、新人エンバイロメントアーティストの横山です。
今回は、実際に仕事を通して、思わぬやりがいを感じたことについてお話します。
(→前回の記事はこちら

大学までは3DCGで何かを作ることがあっても、その場限りで形になればそれでよかった面もあったと思います。
しかし、仕事となると規模も全然変わってきますし、自分だけで完結せず、他の人にデータを使ってもらうということも必要になってきます。
そのため、データを使いやすくまとめる必要がありますし、そもそもゲーム会社の場合はゲームとして動く(処理負荷の軽い)データでないといけません!
(しかもクオリティは今まで以上に高くしなければならない!)

なかなか無茶ですね!!

今の仕事では写実的なモデルを作る機会が多く、先日は道路と歩道を作ることになりました。
以前までは、平面にそれっぽいテクスチャを貼ればそれで良いと思っていましたが、実際の道路を見てみると結構複雑な形をしているんですね!
路面はちょっと盛り上がっていて、縁が目立っていたり、結構ヒビが入っていたり、、、

ゲームである以上、リアルタイムで動かさないといけないという制約の中、そうした現実に存在するリアルな要素をどこまで、どうやってとりいれるのか頭を悩まされました。

まずは実際の道路をもっと良く見てみないとなりません。
ということで、通勤や帰宅途中に道路を見たりするわけですが、改めて見ると道路って色々あるんですねー。
似ているようでどれも異なります。
光の反射も違うし、ヘコミ方も違いますね。
様々な補修後のつぎはぎも多いし、意外ときたないんだなと思いました!笑

yokoyama_kita
 
余談ですが、
これでも日本の道路って世界基準で見たらとても綺麗らしいですねー。
アメリカの車やバイクって、とても乗り心地がふわふわゆったりとしているものが多いのですが、その理由は道路が結構凸凹している上に直線的で長ーい道路が多いかららしいです。

フランス車なんかは石畳などの道も多くあるため、振動を吸収するしなやかな足周りになり、ドイツ車はアウトバーン(制限速度のない高速道路)を快適に走れるようにと考えられているようですよー。

そう考えると日本車の乗り心地ってどういう傾向なんでしょうねー??

車の話はさておき、
つぎはぎの具合からここが新しく埋められたのかーとか、
轍ができているから重い車が良く通るのかな?とか道路一つでも色々想像が膨らみますね。

今回の仕事は廃墟の道路だったので、なるべくヒビのある道路を探すために歩いていたら、
変な所に出会いました!なんだここは!!
廃墟と言わずとも、廃墟のような不思議な魅力のある空間って、身近にあるんですねぇ~。インパクト大。
yokoyama_hen

 
そんなこんなで楽しく資料を集めてきたわけですが、
見れば見るほど、これ誰か作ってくれないかな?と人任せにしたくなるくらいめんどu・・(略)

何が大変って、こういった交差点です!!

yokoyama_kai

縁石のところとかめっちゃカーブしてますよね。
そしてアスファルトをパターンテクスチャにしてしまったら、どうやって良い感じに曲げるのでしょうか。。。

容量の問題があるので、この交差点のためだけにテクスチャやマテリアルを用意することはできません。

ではどうやってこれを良い感じに作ればよいのか!?

・・・答えは、入社してからのお楽しみ!(おい)

 
いえいえ、重要なのは答えではないのです!

こうした悩みは常に起こります。
そのときどうしたらリアルにできるのかと、
様々なゲームや現実の構造を研究し、気がついた手法を実際に試してみたりします。

そしてまたわからないことがあれば資料を集めたり、実際にその場に行ってみたりします。

今回の道路では様々なオープンワールドのゲームを調べ、いくつかの手法に気がつきました。

・縁石は薄いモデルとして上に乗っかっている!
・ぶっちゃけ道路って切れてても違和感ないので、つぎはぎを作って馴染ませている!
・現実でも交差点が補修されている場合、メインとなる道と横につながる道の間に溝ができていたりする!
・白線やマンホール、つぎはぎのディテールなどは、ほとんどデカール!
・道路のフチすらもデカールだったりする!
…などなど。

ただ闇雲に作るのではなく、実際にこうして作られているということを調べて考えると、効率よく見た目的にも違和感が少ない作りにできますし、デカールについても今まで気がつかなかった使い方に驚かされ、道路一つを作るだけでも、様々なことを考えながら作る必要があると気付かされました!
そして、現実と向き合って、それをいかにデータに落とし込むのかという手法まで生み出していく過程に、とてもやりがいと達成感を感じました。
(ちょっと研究者気分?)

ほとんどの時間、淡々とアセットを作っているように思われがちなエンバイロメントの作業ですが、実はこのような研究と実験の時間もとても大切です!!

ゲームの「道」もまず一歩から!
ここまで読んで下さったあなたも、ゲーム制作へと一歩踏み出してみませんか?
 


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