『ASTRAL CHAIN(アストラルチェイン)』でキャラクターモデリングのリードアーティストを務めさせていただいた石田です。
私からはキャラクターモデルの見た目(シェーダー)をブラッシュアップしていった経緯についてお話しします。
『ASTRAL CHAIN』の初期構想の段階ではキャラクターデザインがまだ固まっておらず、“夜の都市で渋い兄ちゃんが街を守るリアルSF警察“ という雰囲気で進められていました。
そしてキャラクターデザインを桂先生が引き受けてくださったあとも、世界観については変わらず “ネオンが輝く夜の街” でしたので、キャラクター側もそれに見合う表現が必要になり、そのためプロトタイプの頃から「夜でもキャラクターを見やすくカッコよく」というのは、いろいろな問題の中でも常に一番の課題になりました。
キャラクター用のライティングを何も設定しない状態だと、とにかく暗くてせっかくのキャラクターたちがもったいなく……むしろリアル路線なモデリングに寄せていくか……いっそ振り切ってセルアニメ調に……でも背景のリアルな感じは捨てがたい……と、いろいろな葛藤の末、「物理ベースのライティングを基礎に、キャラクター用のライト設定を追加することでアニメ風にする」というハイブリッドな(全部乗せとも言う)設計になりました。桂先生のキャラクターデザインが活きるのはやっぱりアニメや漫画だよね。
キャラクター用ライティング設定を何もしていない状態がこちら
これに以下の要素を加えていきます。
- リムライト(左側面の光)
- キーライト(右正面からの光)
- 目と髪のハイライト
- 肌のスキャッターカラー(肌の影あたりの色)
- アウトライン





そして、組み合わせた結果がこちら
他にも各ライトの色は場面によって調整可能で、顔の陰影はノーマルマップ(凹凸情報)以外にアニメチックな陰影の入り具合を調整する仕組みなど、いろんなものを盛り込んでいます。
さらに今回はプレイヤーキャラクターのカスタマイズにも挑戦しています。
髪型を決めて、
アクセサリーやカラーをカスタマイズして自分好みのキャラクターを見つけてみてはいかがでしょう?
石田 功士 Koji Ishida
2011年に入社。『ベヨネッタ2』『The Legend of Korra』『スターフォックス ゼロ』『スターフォックス ガード』の制作に携わる。