こんにちは。
『メタルギア ライジング リベンジェンス』(以下、MGR)でキャラクターデザインを担当させて頂きました趙です。
私が担当しましたのは敵サイボーグ兵士やサブキャラクター、そしてボスキャラクターなどです。
まず、みなさんもご存じのように、これまでの「メタルギア」シリーズはKONAMIの小島プロダクションで新川洋司さんが生み出した人物や世界観によってビジュアルが作られており、世界的にも数多くのファンを持っています。(私も含め・・笑)
そんな中、わたしにはMGRのデザイナーとして最優先するべき課題がありました。
それは、
これまでの「メタルギア ソリッド」シリーズという既存のテイストと、
新しいアクションゲーム「メタルギア ライジング」としての新しいテイスト、
この二つを活かすことでした。
もちろん私も前から「メタルギア」シリーズの大ファンでしたので、ある程度の世界観は理解していましたが、今回はクリエイターからの目線で理解する必要があったため、もう一度過去の作品を触ることになりました。
開発がスタートした当時はとりあえずアイディア出しで自由にMGRの世界観をイメージングすることができました。
*ゲームには登場しませんが、こういったラフからデザインが決まったりもします。
多分デザイナーとしてはこのときが一番楽しい時期でしょうね。
実はこの時期が頭の回転が一番いい時期なので、いいアイディアがあればドンドンアピールする必要があります。
こういったイメージングのあとは本格的なデザイン作業に入ります。
今回はその中から女性サイボーグの敵キャラクター、「ミストラル」についてお話しようと思います。
ミストラルというキャラクターのテーマは
「触手のようなムチを体から取り出して武器として使わせたい!」
っていうのが齋藤ディレクターからの要望でした。今までの「メタルギア」シリーズを考えてみると、敵として登場する女性キャラは「危ないけどどこか悲しい過去を持っている」のが特徴で魅力だと思っていましたので、今回のミストラルもそこは守ろうとしました。
*一番最初に思いついたミストラルのイメージ。
*マネキンをテーマにしたミストラル。
雷電のようにサイボーグに改造され、顔はどこか病的な感じがいいなと思っていました。ですが、これよりもっと変態的なイメージがほしかったので、もう一度根本的なテーマから考えようと思いました。
そこで初めて齋藤ディレクターの目を引いたのはこのイメージです。
体に仔月光の腕が何本も付いていて、その腕を取って繋げるとメイン武器になるという設定でした。
ようやくミストラルの初期バージョンが決まったわけです。この段階からデザインをもっとよくするために細かいパーツや色を変えてみたりもします。個人的にはミストラルの頭部にヘルメットをつけたかったのですが、「顔は隠したくない」とディレクターの要望があり、なくなりました。
最終的に決まったデザインではもっと肉感的でセクシーなイメージになりましたね。
全体のキャラクターデザインが終わったら次は詳細設定です。
MGRは、サイボーグやメカニックなどがメインになっている情報量の多い世界観であるため、しっかりと詳細まで設定しておかないと3Dモデリングでの作業がかなり難しくなってしまいます。
最終的にOKが出たミストラルの全身イメージです。
他のキャラクタ―デザインもこういった流れによって決めていきます。
ミストラルは一応敵ですが悲しい過去を持っている可哀そうなキャラクターでもあります。
どうかミストラルを気に入ってくださる方がいるようにと願っています。
いよいよMGRの発売も近づいて来ました!
本編をお楽しみに!