こんにちは。『MAX ANARCHY』背景担当の大西です。

今まで、いろんなジャンルのゲームの背景を制作してきました。発売された物だけで20作位、ボツになった物まで入れると、もう分かんないですね。

今回は初のオンラインゲーム制作、しかも乱戦格闘アクションということで、いろんな制約がある中、よくここまで多様な要素を盛り込めたと思います。

同じステージ中の、高層ビルや地下鉄・スラム街・工場・スクラップ場・公園などのあらゆる場所で戦闘が可能で、しかも、この広いマップをただ走って移動するだけでなく、ワイヤーにぶら下がったり、遠くへ飛べる装置などで、高速移動も出来るので、ストレスなくいろんな場所で遊べる空間に出来たと思います。

職業柄、遊ぶゲームは背景や世界観で選ぶ事が多いのですが、何処に行っても同じ印象の空間はつまらないですからね。MAPを見ないと移動できない時点で、遊ぶのを止めちゃいますね。

それと1番背景泣かせなのは、ヘリにぶら下がって自由に飛び回れるということです。

高層ビルの屋上といった高い場所から地下鉄の駅や工場の中など、いろんな場所を飛行できるので、アタリ(※)が大変でした。最近のゲームは地形が複雑でアタリ抜けや背景の裏側が見えたりすることが多いですからね。
(※:接触判定の設定)

『MAX ANARCHY』の制作をしていて、背景デザイナーの中で1番盛り上がったのは、アジアンタウンです。他の場所の背景ネタは、絞り出すのに苦労したのですが、アジアンタウンはネタもグラフィックも考えるのが楽しかったですね。

ゲームの設定で、アメリカやヨーロッパの街並みは良く出てきますよね。日本人が知ってる情報は、映画や旅行に行った時に見る風景位で、表現方法が間違っていないか慎重に制作しなければならないし、情報量がどうしても薄くなりがちです。アジアだと安心して制作できるしネタも盛り込みやすかったですね。

その中でも、1番盛り上がったのは、大仏です。今回の『MAX ANARCHY』では戦闘中に、背景物が動いたり攻撃してきたりします。アジアンタウンではお寺に大仏が鎮座しているのですが、その大仏の目からビームを出したらいいんじゃないかとか、大仏が立ち上がったら迫力があるんじゃないかとか、おもしろネタがいろいろ出ました。最終的には口から巨大ビームを吐いて攻撃してくることに決まりましたが、その外にもおもしろネタを仕込んでいるので、堪能してほしいです。

アジアは楽しいですね。香港、上海や日本など、ネタは豊富にありますからね。

今後もアジアネタが活かせるタイトルが来ないか楽しみです。