こんにちは、コンセプチュアルデザイナーの大倉です。
前作では新人でUI*担当として携わっていました。当時プロデューサーで、新人の私に大変手を焼いたであろう橋本ディレクターと、まさかこんな形で再び仕事をすることになろうとは、思いもよりませんでした。
『ベヨネッタ』は1も2もとても思い出深い作品です。
*ユーザーインターフェース。体力・魔力・コンボのゲージや操作説明、メニュー画面のデザインなど)

ところで、コンセプチュアルデザイナーってなにする人?

そうなんです。わかりにくいとは思いますが…
ゲームだけではなく映画とかでも言えることですが、“ベヨネッタ”というゲームの中にもさらに世界がいくつかあり、それぞれの世界観に合わせて、キャラクターや敵、オブジェデザインはもちろんUIデザインに至るまで決められたデザインルールのようなものがあります。
ざっくり言えば、そのルールをまとめ「この世界はこういうデザインなんだ」と見る人がしっくりくるようにすることが仕事なんです。
前作ではコンセプチュアルデザインを担当したわけではありませんが、UIを制作するにあたってコンセプチュアルデザイナーの先輩から、いかにコンセプトをきちんと決めて世界観を構築することが大事であるかを学びました。
まだコンセプチュアルデザイナーとしては新米で今は雑用係なようなものですが(笑)このブログで少しでも皆さんに『ベヨネッタ2』の世界観の魅力についてお話できたらなと思います。

大きくは2つあるんですが、
まず、コンセプトカラーについて前作は赤・黒が基調でしたが、本作ではロゴからも見て取れるようにベヨ自身の青と、敵側の金が基調になっていて、全体的にもより鮮やかな印象に仕上がってます。

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ここで難しかったのがベヨサイドの青を基調にしたのはいいものの、エーシルの力のイメージカラーも青であったことです。
結局、「謎の力のイメージ」→「エメラルドグリーン」と、少し青とは違う印象のカラーに落ち着きましたが、それだけではやはりプレイされる方には伝わりづらいので。エーシルをイメージするライン(図形)でフォローしています。

あとは画面全体のコントラストです。全体的に前作の少し浅いコントラストからはっきりくっきりと明るくなっている印象です。前作ではヨーロッパの古き良き時代の空気感と、画家のミュシャや建築家ガウディの作品にみられる曲線の美しさを意識した、優雅なアールヌーヴォー調のデザインがメインでした。
しかし、今回ではエーシルのデザインにもみられるように、直線で構成された幾何学的な模様が印象に残ります。またベヨ自身のイメージチェンジもそうですが、キャラ本体のカラーはもちろん特殊効果もUIもカラーのバリエーションも前作に比べて多くなっています。
新たなキャラクターが増えたこともその印象を強める一つの要因といえますね。
前作とは違い、クラシカルなイメージからより現代的で艶やかなイメージに仕上がってるのがお判りいただけるかと思います。
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上:『ベヨネッタ』、下:『ベヨネッタ 2』
まだ細かく言い出すとこだわりの部分はたくさんあるのですが…とりあえずここまで。

同じ作品、同じ主人公であっても違う魅力がある作品に仕上げたつもりです。
ゆっくりじっくり『ベヨネッタ2』の世界観をご堪能ください。

ではでは。


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キャラクターCG、設定画稿のほか、「ラグナ位階論」「偽典レメゲトン」などに記されているテキストの数々に加え、開発スタッフによる解説やメッセージも収録。
コンセプチュアルデザイナー大倉の描いたコンセプトアートも多数掲載されています。お見逃しなく!