先日、デジタルハリウッド・東京本校で開催された『ZBrush Merge – Summer 2017』。

当社のキャラクターモデリングアーティスト・松平が『NieR:Automata』のメインキャラクター2Bの制作プロセス・モデリングのワークフローについて、プレゼンテーションをさせていただきました。

興味のある方は、冒頭の動画(1時間程度)をご覧いただければと思いますが、全体としては、①~⑤のモデリング工程のうち、ZBrushを使って行う ①仮モデル(ラフモデル)、②ハイモデル、④テクスチャリングのプロセスについて重点的に解説をしています。

注目すべきは、2Bの仮モデル制作にあたって、松平が考えた、2Bのフォーカルポイント。

ゲーム画面で皆の視線がどこに集まるのか、そんなことを色々考えなららモデリングしていくそうです。

・・・ということで、スカートの裾の辺りに質感の変わる刺繍のようなディテールを入れることを提案したんだとか。なるほど。つい覗き込みたくなります・・

顔については、設定がアンドロイドということで、作りもの感を出すために、ビスクドールなどを参考にしつつ、前作の世界観も引き継げるよう、キャラクターとしてのデフォルメ具合にこだわったという話も。

そして、こだわりのデフォルメ感を形づくる要素を一つ一つ解説した後は「今からリアルに寄せていきます」と、頬骨、ほほのライン、こめかみ、鼻、頭の形、肌などを次々にリアルな女性に近づけるというクイックデモンストレーションを披露。

最終的には、ドール感が消えて、いつもイベント会場を盛り上げてくださるコスプレイヤーさんのような感じに。美人さんです。「僕はもう、全然イケる感じですw」と、好みの顔(?)になったようで、松平も満足そうでした!

他にも、服のしわ・質感・透け感、まつ毛、髪の毛の透け感・ライティング、服の濡れ表現などについても、ゲームモデルならでは、2Bならではのこだわりの箇所を詳しく解説していました。

プレゼンテーションの全容はこちら↓↓

キャラクターモデルのメイキングについては、開発ブログのこちらの記事でもご紹介しています。

▼『NieR:Automata』キャラクターモデルメイキング
https://www.platinumgames.co.jp/magazine/detail/?id=11_106

最後に、本人からひと言!

ゲームのモデルについて話題にしていただけることは珍しいので、このようにプレゼンの機会をいただき、また、お尻など、私自身もこだわりを持ってつくったところに、多くの方が注目してくださり、嬉しい限りです!

これからも、面白いと言っていただけるゲームをつくっていきたいですし、モデリングアーティストとして、魅力的な造形を伝えられるよう頑張りたいです。


matsudaira松平仁 Hito Matsudaira
2013年にプラチナゲームズに入社。『ベヨネッタ2』では背景アーティストとして開発に従事するが、その後キャラクターモデリングアーティストに転向。最新作『NieR:Automata』では、ルックディベロップメントやメインのキャラクターモデルを中心に制作。その造形におけるこだわりから一躍“シリモデリングアーティスト”として注目を集めた。

過去記事:
『NieR:Automata』キャラクターモデルメイキング