ども、企画のやまちゃんでございます。
今回ベヨネッタの「企画」についてブログを書いてくれと言われたわけですが・・・
作業がフィニッシュしてからも、あんな思惑やらこんな思惑やらで結構時間が経ってしまったのもあるのですが、どうも事が終わるとスッパリとやってきたことを忘れる性質のようで、今回も例に漏れず既に記憶がおぼろげだったり。
そんなわけで自分が過去に作った資料やらなにやらいろいろとほじくり返していたら「あぁ~こんなのあったあった!」というものが出てきましたのでそれらを後悔、あ、間違えた。公開してみなさんと一緒に初期のベヨネッタの試行錯誤状態を体験していただけたらなんて思います。


●ヴィグリッド駅の出入り口付近の大きさは当初の1.5倍

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 が最初の大きさ、下が1.5倍に拡大された製品版と同じサイズのもの。体力ゲージも古いなぁ。基本的に絵を作るときはリアル志向でサイズも決めています。予想以上にベヨのアクションが大きかったので窮屈になってしまい、拡大することに。移動速度も速くてマップの読み込みをするために距離が欲しかったのもあります。色味が変わってるのはフィルターが実装されたからですね。

●ウィッチタイム像は当初は「水晶のドクロ」だった

通常武器のように持ち歩くことが出来、PK同時押しで地面に叩きつけて割るとウィッチタイムが発動する予定でした。

●当初はウィッチウォークは場所限定ではなくあらゆる場所で使える予定だった

そのときのチャプター2にあたる企画書がコチラ!

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 上の資料は全部で13ページの企画書から6~10ページを抜粋したものです。大人の事情があって全部まるまるお見せできないのが口惜しい。製品版では魔女と賢者の遺跡ですが当初は教会で、壁張り付き(ウィッチウォーク)をガンガン使うステージに設定されていました。パズル要素が強いマップですね。ウィッチウォークを常時使うとどうしてもこのようにパズル要素が前に出てきてしまい、テンポが悪くなったりアクションと無関係の場所で詰まってしまったりしてどんどんコンセプトからかけ離れていくため限定された状況のみで使うことに決定したわけです。ウィッチウォークは単体でもうちょっとスローテンポな3Dパズルゲームとして作ってみたほうがいいかも知れないですな。あ、ちなみに最終的には風ステージ(遺跡)のマップは柴田さんが担当しました。オイラはチュートリアルを含めてフォルティトゥードまでの序盤とかですね。あと終局近く。今の時期だとネタバレになっちゃうから詳しくは言えません。

●トーチャーアタックは初期のころ「倦怠ブレイク」「堕天使バスター」などの名称で呼ばれていた

 うちはキン肉マン世代が集まってるからなぁ。

●「ウィッチハート」は「ブルーオーブ」だった時代がある。

 アイテムの名前ってのは意外と終盤までテキトーだったりします。敵の名前も開発中にはころころ姿が変わったりするからコンセプトから想像されるものや見た目まんまで呼んだりしますね。ドンさんがブログを書くに当たって「敵の名前なんか知らんわー」ゆってました。オレも知りません(オイ)。

 他にも初期のころの全体マップなんてネタもあったのですが。さすがに今の時期ではネタバレすぎるだろうと制止されました。資料本とか出してもらえるようになったらそのときの機会にお見せできるのではないかと思います。
 あとですね、神谷さんが海外出張時にオイラとやりとりしたメール文章全文公開!なんてのもあったんですが「やりすぎじゃい!」とすっぱりカットされてしまいました。やっぱ長いのダメですかねぇ。


 さていかがでしたでしょうか。
 ゲーム製作の過程では生まれては消えていくアイディアが数多くあり、消えてしまったものにも意味があったりなかったり。意気を高揚させたり消沈させたり。さまざまなドラマがあったりします。
 開発ハードの移行やプレイヤー層の移り変わり・・・時代の流れとでも言うのでしょうか。そういったものも絡み付いて今やゲーム開発は純粋な楽しさの追求のための試行錯誤だけではなく、そことは関係ない作業が強いられるものも多くあります。実作業的にも精神的にも。

 正直やってられるか!と思うことも多々あったりするのですが、そのときはいつも「面白いゲームを作りたい!」という原点に立ち返ってここまでやってきたような気がします。
これからもプラチナゲームズは「面白いゲームをつくる」をコンセプトにすることだけは変わらないでしょう。
 ベヨネッタはいかがでしたでしょうか?面白いと思っていただけなら幸いです。
 それではまた機会がありましたら!では。