皆様こんにちは。Bayonettaの武器全版のデザイン・CGモデル製作を担当している、小手川”ジョニー”宗行でございます。

前回からだいぶ間が空きましたが、今回はトレーラー動画でも大暴れしているジャンヌの銃について、それと他の武器について軽くお話します。

この銃、「Ａｌｌ　４　Ｏｎｅ」はキャラクター的にベヨネッタと対になるジャンヌに持たせる銃、というのがコンセプトです。
もちろん対になるキャラクターは同等かそれ以上の力を持っていなければ面白くありません。
ですが、方向性も同じ…なんてのはつまらない。そんな考えでデザインしました。

まず実際にある銃をベースに考えるのは前回の通り。
ベヨネッタが打撃用に最も単純な機構の連発銃ベース、ならば対となるのは最も複雑な拳銃を極限まで強化した物！
そんな考えでパラベラムピストル、いわゆるルガーをベースにしました。個人的趣味と（略

銃前方にフレームと一体の四角い巨大なウェイトを配置、これでルガーの特徴であるデリケートな尺取虫式機関部を守り、同時に打撃用のオモリとします。
また多くの自動拳銃はショートリコイルと言って撃つ時に若干銃身が後退するのですがそれも再現できるような構造にしています。例によってアクション中はほとんど見えませんが！（見えないコダワリ）
そしてスカボロウフェアと同等の能力を持つ弾丸召喚用の宝石を中央に配置します。通常のマガジン・激発機構も同じく通常弾も使用できるようになっているという設定です。
さらにこちらにもナックルガードにハイヒールのシルエットも入れていきます。

またベヨネッタは両腕に自前の髪が付いていてアクションの見易さに貢献していますが、ジャンヌは短髪なので銃に長い羽をつけたのは以前シマコの書いた通り。
カーニバルなんかで使うオストリッチファーを参考に作りました。多分倒した天使からむしったんだと思います。

カラーリングですが前回同様、色は手足の挙動がよく分かるようにジャンヌのボディカラーである真紅に映えるようにシルバーとします。
普通のシルバーだと頭や前述の羽毛と被るのでステンレス系の青みがかかった色に調整しました。
またグリップパネルは清潔感を狙いアイボリーとし、本体の象眼はゴールドのでアクセントに。
………どっかで見た気がするのは気のせいです多分。

今回のデザインはほぼスケッチから一発でＯＫが出ました。やはりメインのイメージが決まっていると決まりやすいというのは前回言った通りです。
シマコのエントリー「キャラデザ　その②[ジャンヌ]」にも書いていましたね。（……その割にはワタクシをはさんでの『バトル』は激しかった気がしますが。）

ところでベヨネッタ公式サイトから行けるカスタムショットバー「ゲイツ　オブ　ヘル」には行ってみましたでしょうか？
前回紹介したベヨネッタの銃「スカボロウフェア」そしてジャンヌの銃「Ａｌｌ　４　Ｏｎｅ」は、そこで待っている海坊主「ロダン」の手によるものです。
「Ａｌｌ　４　Ｏｎｅ」の名はダルタニャン物語中の三銃士の言葉、「Tous pour un, un pour tous」（みんなは一人の為に、一人はみんなの為に）から取っています。
ジャンヌ、ダルタニャン物語とフランス風なのにベース銃がドイツの物なのはロダンの趣味でしょうか。
ちなみにロダン製の武器には店のマークと製作者の刻印、さらに文章が彫り込まれています。幾つかは本編中で確認できるので探してみるのも面白いかもしれません。

ライバル同士に己の作った銃を持たせ、その出来を試すのが彼の目的でしょうか。それはまたゲーム中で見られると思いますのでお楽しみに。

さて、他の武器ですが上記の海坊主が今後解説してくれると思いますし、公式サイトの「Ａｃｔｉｏｎ」方でもどんどん追加されると思いますので幾つか軽くご紹介を。

「妖刀　修羅刃」

えーと「修羅場なのはこっちの方ですがな」というのは置いといて、これは「接近戦専用の装備が欲しい。ベヨネッタが持つなら剣よりやはりカタナだろう」ということで日本刀をデザインしました。
普通のカタナでは無く、怪しげな物がいいということで一部日本刀に見られる切っ先付近で段が付いている物に。（イメージだけで構造は全然違いますが）
巨大な鍔が魔女のマークになっています。また柄にはコンボ中に発動するあるギミックが仕込まれています。

「クルセドラ」

これに限らず、ベヨネッタの武器は「何かを封じ込めた」形になっています。そしてムチ状の、といえばやはり蛇の魔物を封じ込めた物になりました。
ご覧の通りコブラタイプの魔物なのですが実は一種類だけでは無く、状況に応じて色々な蛇に変わります。クルセドラは一匹だけではないのかもしれません。
ムチの種類というのは結構色々あります。そしてベヨネッタはほら、Ｓですから………

「キルゴア中佐」

（一部の）みんな大好き我等がトンファー。今回は隙が大きいが強力な攻撃が繰り出せるとしてロケット発射機としてデザインしました。もちろん足に装備して「トンファーキック」も可能。
便宜上ロケットやグレネードランチャーと言っていますが、ＲＰＧのように無反動砲とロケット発射機の折衷となっており何故か後半分が縮退したりします。
こいつを利用してリーチの長い打撃技なんて芸当も。あと、前方からの見栄えを重視して銃口にはライフリングを入れています。

ゲームではこのほかにも色々と出てきます。とんでもない物からから渋い物まで、あと一部の武器はギリギリまでネタに走ってたり…
神谷Ｄも書いていましたが２周目以降も武器の方で色々遊んで飽きないようにしています。やり込み派の人は期待していてください！
さて次回はBAYONETTAのハイライトの一つ、掟破りの逆魔女狩り「トーチャーアタック」についてです。