皆さん、お久しぶりです。『ザ・ワンダフル ワン・オー・ワン』ディレクターの神谷です。
本作の発売から丸一年が経ちますが、最近は『マリオカート8』の「一か月無料お試しキャンペーン」のラインナップに本作が選ばれたこともあり、新たに遊んで下さっている方も増えているようで、嬉しい限りです。

…そうなんです。先月の8月24日は、『ザ・ワンダフル ワン・オー・ワン』国内発売一周年記念日だったのです! 今でも毎日のように、国内だけでなく海外のユーザーの方からも本作への応援メッセージを頂いているので、発売から一年経ったという実感がないのですが…こうして改めて一周年を迎えてみると、末永く皆さんに愛して頂いていることを、本当に嬉しく思います。

…という月並みな挨拶は置いておいて、本題に入りましょう。今日は皆さんにお知らせしたいことがあります。何とか形にできないか水面下で検討を進めていた『ザ・ワンダフル ワン・オー・ワン』のサウンドトラックが、ついにダウンロード販売という形で実現することになりました!
総数127曲! CDなら5枚分に相当する楽曲を、Vol.1、Vol.2の2つにまとめて、それぞれ1,600円! これでたっぷり、本作の音楽をご家庭で堪能いただけます。
音質も、ゲーム本編に収録されているものよりも高品質になっていますので、サウンドテストモードで既に本作の楽曲を聴き尽したという方にもきっとご満足頂けることでしょう。
更に、主題歌「戦え! ワンダフル・ワンダブルオー」が、ゲーム中では延々とループするよう編集されていましたが、今回のサントラ化に当たって、最後にちゃんと完結するよう作曲者のヒロシ(注:BGMセクションリーダー)によって新たに手が加えられているところも、サウンドトラックだけの聴きどころです。

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↑アルバムジャケット画像

本作のサウンド制作について、ディレクターの立場から少しお話しますと、開発スタート時、僕は「壮大な戦いを演出するためにオーケストラ調で行きたい」というコンセプトをヒロシに伝えました。
本作は、ゲーム画面をパッと見ると、かわいいキャラクターたちがワイワイ暴れているポップな世界観、という印象を受けることと思います。しかし僕は、ポップな絵柄の裏側で、地球を脅かす侵略者とのハードな戦いを描き、そのギャップで独特の作品観を作りたいと考えていました。そのために、本作にはヒーロー譚を演出する勇壮なオーケストラの楽曲が必要だったのです。言わば「羊の皮をかぶった狼」という趣向ですね。難易度まで猛獣のごとき激しさになってしまったのは若干計算外でしたが…(笑)

そして特筆すべきエピソードは、「主題歌」制作時の混乱ですね。まぁ混乱を招いたのは、僕がマスターアップ間際になって、それまでに完成しかけていたものをひっくり返したからなんですけど…。

当初から僕は、本作にはボーカル入りの主題歌が必要だと考えてはいたのですが、どういうテイストの曲が似合うのか決めあぐねていて、そのまま何となく、内部開発スタッフのボーカルを乗せた、現代アニメソング調のものが完成になりつつあった開発末期、突然「60年代アニメ/特撮主題歌調で行こう!」と閃いてしまったのです。「キャプテンウルトラ」「キャプテン・スカーレット(米国オリジナル版)」「海底大戦争スティングレイ」「海賊王子」「スーパージェッター」「ウルトラマン」…60年代のアニメ/特撮の曲は、そのクラシカルな雰囲気が今聴くと逆に新鮮で、且つヒーローのカッコよさが素直に、はっきりと、濃密に表現されており、聴き込めば聴き込むほどヒーロー魂が刺激されます。このテイストこそ、『ザ・ワンダフル ワン・オー・ワン』にふさわしい! と、確信してしまったのです。アップ間際に…。そしてそれを急遽、マスターアップを控えてピリピリしているヒロシに伝えると、「今頃何を言ってるんだこいつは」と門前払い………せずに、受けて立ってくれました!(笑)

…とは言っても、残された時間の中でプロのボーカリストへの依頼(それも日本語/英語両方)はもちろんのこと、何よりも“60年代アニメ/特撮主題歌調”というものを、ただでさえ忙しいヒロシが掴んで曲をアレンジし直さねばならず、非常に厳しい作業になりました。この“60年代”というのがポイントで、70年代でも、ましてやイマドキのアニソンでもない微妙な趣を、1979年生まれのヒロシが求められるわけですから(それもアップ間際に)、難航して当然なのでしょうけど、これまでにも幾多の無理難題に応えてきてくれたヒロシですから、僕も全幅の信頼を寄せて、心を鬼にしてNGを連発しました(笑)。その結果、どれほど熱く、ヒーロー魂を揺さぶる主題歌が生まれたのかは…皆さんがお聴きのとおりです。

それにしても、また今回の『ザ・ワンダフル ワン・オー・ワン』も、CDにして5枚分の楽曲数になってしまいました。毎度のことながら、こうして形になると、担当してくれたサウンドスタッフには尊敬の念を禁じえませんね。リーダーのヒロシはもう長い付き合いになり、皆さんの中にも彼の作った楽曲をご存じの方も多いかも知れませんが、ヒロシを脇で支えた滝沢は、変化球に富んだ本作独特のノリを掴んでイロモノの曲にも果敢に取り組んでくれましたし、サウンドチームの紅一点、黒川は、小動物のような小柄な外見とは裏腹に、ヒーローもののなんたるかを実によく分かった、とてもパワフルな曲を作ってくれましたし、外部スタッフの近藤嶺さん(『大神』の名曲でご存知の方も多いのではないでしょうか)、日比野則彦さん(『ベヨネッタ』から引き続きお世話になっています)、甲田雅人くん(カプコン時代の同期で、『Devil May Cry』以来久しぶりにご一緒しました)も、無理を言う我々に力を貸して下さり、長い開発期間を共に戦って下さいました。
膨大な数に上る楽曲は、本作を最大限に演出し、プレーヤーに最高のゲーム体験を味わってほしいと、彼らが心を砕いた証にほかなりません。皆さんには是非、各場面を思い浮かべながらじっくり聴き込んで、心の中でユナイトアップ! して頂きたいと思います。

配信は9月15日にスタートの予定です。僕のツイッター(@PG_Kamiya)やVoicemateなどにも、是非ご感想をお寄せ下さいね。それでは、また!

≪配信予定サイト≫
iTunes Store / Sumthing.com / Music Unlimited /レコチョク
アニメうた王国↑ / アニメうた王国フル↑ / アニメうた王国↑コール♪
アニメ着着うたMAX / アニソン★キングダム / TSUTAYAミュージコ♪
GAMERSmobile / ふるふる / オリコンスタイルフル / オリコンサウンド
オリコン公式アニメフル / オリコンミュージックストア /JOYSOUND[メロ×うた]
JOYSOUND[うた] / JOYSOUND[フル×歌詞] / MySoundメロ / MySoundウタ
MySoundフル / MySound洋楽×Club / 美音セレブオルゴール / 懐メロMySound
アニメMySound / musicbus / musicbusフル / GIGAうたフル / GIGAエンタメロディ

※本文中に表記の価格(1,600円)は、iTunes Storeでのアルバム1枚の価格です。
配信サイトによって配信開始日・販売楽曲・販売価格が異なる場合がございます。

※当初iTunes Storeでのアルバム価格を1,500円と記載しておりましたが、正しくは1,600円となります。お詫びして訂正いたします。