工場勤務から専門学校を経てアニメーターになりました。新人の岡井と言います。

好きな漫画やアニメのキャラクターが夢で動きだしたりしませんか?それをディスプレイの中で再現出来るのがアニメーションだと私は思います。私はそんなアニメーション作りがとびっきり好きで、学生の時は夏休みに入っても皆勤賞をとるほど学校に行き作品を作っていました。これには払った学費分の元を取りたいという考えもありましたが、センスの無い私でもアニメーションを長時間作ることで上手くなれるに違いないという考えもあったからです。家に帰っても毎日眠くなるまで作りこむ不健康な生活を続け、自分ではアニメーションが上手くなったつもりでいました。ところが、プラチナゲームズに入社したことにより、それが実はそうでもなかったということに気付かされました。現役アニメーターからアニメーション上達の極意を教わることが出来たからです。

新人の私が先輩に師事し学んだ「良いアニメーション」にまず必要なことは、ソフトの習熟度や操作ではなく、物理や自ら動くことなどのアナログスキルでした。

正式入社の前にアルバイトで研修を受けていた頃、人間がパンチをするアニメーションを作り、アニメーター全員からフィードバックを個別にいただくという機会がありました。まさにサンドバッグ状態にされましたが、どの先輩方も口にしたのが、足のつくタイミングや下半身から上半身への身体の連動を物理的に正しく行うようにということでした。これを怠ってしまうと途端に違和感のあるアニメーションになってしまい、弱く見えてしまいます。フィードバックをもとにアニメーションを直していくと、なかなか気持ちの良いパンチが作れました。これは閉鎖されたコミュニティの中、一人で作業していた学生時代には作れなかったものだと思います。私のように、自己完結でアニメーションを作り終えてしまっては上達しません。目の肥えた人に見てもらいフィードバックをもらうこと、それこそが学生の時に行うべき一番のアニメーション上達方法でした。

なによりアニメーションを学ぶには基礎を学ぶことが非常に大事です。こういったパンチなどのアニメーションをデモリールに入れる際は、自ら動いてみて違和感が無くなるまで重心移動やカーブをいじって他人を「スゲーッ!」と言わせて下さい。(プレゼンも大事!)見る側に作り手のアニメーションに対する愛情を感じさせることができれば、好印象間違いなしです。私のデモリールも今見ると学生の時にもっと作りこめたと思い非常に後悔しております。どうか、プラチナゲームズに応募する時は私の屍を越えてきてくださいね!


趣味で作っているアニメーションです。