皆さんこんにちは!
NINJA GAIDEN 4のプロデューサー/ディレクターの中尾です。
いよいよNINJA GAIDEN 4が本日発売となりました!
皆さん、楽しんでいただけたら幸いです。
本日は発売日ということで再びいろいろとお話できればと思います。
以前、アクションについては少しお話させてもらいましたが今回はヤクモとリュウそれぞれに分けて、こだわった部分などに触れていきます。
ヤクモ
ヤクモは、鴉の一族として生を受けた悲しき宿命の忍者です。龍の一族を光とするならば、いわば影の忍者として、これまでの歴史上には登場していなかった一族です。
リュウ・ハヤブサの正反対のキャラクターとして描くために、様々な部分が対になるようにデザインしています。
熟達した忍者<―>若き忍者
歴史の表<―>歴史の裏
という設定の部分から
パワフル<―>スマート
などといったアクションにおけるテイストの部分にわたっても、まるで「陰と陽」に感じるような差別化をしています。(ステージの要所やストーリー展開にも散りばめております、ご期待ください)
そんな中、アクションについてはシリーズの特徴を「繊細」と解釈し、ヤクモを「大胆」というテーマにして、制作を進めることにしました。
何と言っても「鵺の型」はまさに「大胆」の象徴とも呼べるもので、これまでのNINJA GAIDENでは無かった広範囲、高火力の技の数々を繰り出すことで、新しく気持ちの良いプラチナゲームズ流NINJA GAIDENを体験できます。ただ…現在の遊び心地や最適なバランスを作り上げるのは、簡単な道ではありませんでした…
NINJA GAIDENシリーズは、あくまでも「繊細」で確かな手触りがウリの3Dアクションゲームです。プラチナゲームズらしい「派手さ」は良いものの、やりすぎるとシリーズ特有の「対人戦のような緻密な攻防のバランス」が崩れてしまいます。そこで、あくまでもこれまでのNINJA GAIDENのスタンダードな戦闘形態は「そのまま」であることを重視し、いわゆるボムの様に使える派手な形態を使い分ける方式にすることで、NINJA GAIDENの戦闘体験に自然に溶け込ませることができました。
更に、それぞれが独立したものになりすぎないように、シリーズおなじのみの「滅却」によって鵺の型の使用に必要となる血楔ゲージを回復し、血楔ゲージが溜まったらまた鵺の型で敵を殲滅する、そして血塊を吸収して絶技引導をする…といった「繊細」と「大胆」をシームレスに行き来する、気持ちの良いサイクルになるように設計しています。
リュウ・ハヤブサという絶対的主人公がいる本シリーズの良さは大事にしつつ、新要素を追加するという試みは、前述のようなそれぞれのシステムの「つながり」を常に意識することで生まれたものだったため、現在の形に落とし込めて良かったと思っています。
ただし、そんな「鵺の型」に対抗するかのように敵もそれなりに強くなっておりますので、ぜひ挑戦してみてください!
リュウ・ハヤブサ
リュウについては、かなり悩んで作った記憶があります…と、言うのも…大ファンの僕からすると、リュウはあまりにも完成されすぎていました。今から新しくするのも恐れ多い…もとい、僕自身がファンとして
リュウの原体験はそのままにしたいという気持ちが強かったので、一部の技を除き、基本的にはそのままのリュウが体験できるようにしています。
※技は同じにしつつ、扱いやすさの向上に努めました
一方で、ヤクモの「鵺の型」に対して、リュウがそのままというだけでは面白くない…どうせだったら時間が経った東京の地で「最強になったリュウ」を存分に使いたい…いや使ってほしい…いや使いたい…とも思っていました。ではファンの皆さんにとって、僕にとって、リュウがどうなったら最強に見えるか…思案を始めた矢先、僕の頭の中では真っ先に「真龍閃華」が浮かんでいました。
※画像はNINJA GAIDEN 2 Blackのスクリーンショットです
真龍閃華って強いしめちゃくちゃかっこいいけどNINJA GAIDEN 2だと回転絶技だから実戦運用はそれなりに難しいし、後半に出る技だからもっと使いたい!って当時思ってたなあ…あの残像突進が自由自在だったら楽しいだろうなあ…ごにょごにょ…(知らない方はごめんなさい笑)などと思い悩みながら「真龍閃華」をプラチナゲームズなりの解釈で昇華する、という形で進めることにしました。
ここについては、開発の最初の方からTeam NINJAさんへも相談しつつ、最高のリュウにするべくじっくりと作っていきました。Team NINJAさんも、相当なこだわりを持って性能面、ビジュアル面ともに一緒に磨き上げていった感覚が特に強い部分でもあります。
結果として、これによってこれまで通りのリュウの味わいに加え、あの超強力な真龍閃華を自由自在に操るという、まさに「超忍」らしいリュウ・ハヤブサを作り上げることができました。
また、それぞれの攻撃で発生する残像表現など、ビジュアルもかなりこだわっているので、ぜひお手にとって体験してもらえると嬉しいです。
また、「通常状態」についても、新たにコマンドで発生する技、というのをシステムとして追加していたり、空中攻撃にコンボ派生を追加していたりなど、遊びやすさやアクションを途切れさせないマイナーチェンジも施していますので、そちらにもご注目ください。
さて、改めましてNINJA GAIDEN 4はXbox Series X|S、PlayStation5、Steamにて本日より発売となります。なんとGame Passにご加入の方は今すぐプレイ可能!
Xbox Game Studiosさん、コーエーテクモゲームス Team NINJAさん、プラチナゲームズ3社が協力して制作した意欲作、皆さん是非プレイしてください!
それではこの辺で!
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中尾裕治 (Yuji Nakao) 前職でディレクターとして複数のキャラクター版権ゲームに携わった後、プラチナゲームズに入社し、プロデューサーへと転向。プラチナゲームズ初の自社パブリッシングタイトル『The Wonderful 101: Remastered』のプロデューサーや、『ソルクレスタ』のコ・プロデューサーを担当。『ベヨネッタ3』ではプロデューサーとしてプロジェクト全体を統括し、最新作となる『NINJA GAIDEN 4』ではプロデューサー兼ディレクターに就任。プロジェクトの運営のみならず、組織を牽引する立場として後進の育成にも尽力している。 |