はじめまして。コンセプトアーティストの幸田です。光栄なことに、当記事を執筆させていただくことになりました。短い間ですがお付き合いください。

今回はどのようにアートが出来ていくかをご紹介しようと思います。


上の画像は誌面などで公開された実際のゲーム画面です。遊園地のようなマップとなっています。この時間帯の遊園地って催し物があったり、帰る時間帯だったりしてドラマチックですよね。個人的にはこういう雰囲気が一番好みです。

今回紹介するアートは、その雰囲気を作る元になったものです。(ゲーム中ではアート以上の情感が出ており、背景スタッフには頭が上がりません)


実はこのアート、実際のゲームに即した見た目にするために、試作段階のゲーム画面をキャプチャーし、その上から描いています。以下、絵の制作過程を画像を列挙しながら紹介していきたいと思います。

1. キャプチャーした画像

この画像はゲームの開発初期段階の画像です。絵のかっこよさは二の次で、ゲームの遊び部分を重点的に作っている状態です。絵を描く側からすると、ここから最終形を考えなければならないため、実は最も頭が疲れるパートです。 (初めてマップを見た時、画像のように背景に自分のアートがデカデカと貼られていたので、晒し者にされている気分でした。田浦さんコノヤロウ!)

2. 構図の決定

画像を切り貼りしてかっこいい構図を作り出していきます。今回は城の威容や、マップの奥行きを感じてもらえるような構図を目指しました。ちなみに、真ん中にあるガレリア風の施設はレベルデザイナーの方のアイディアでした。ナイス過ぎます。

ちなみに城自体は以前描いたアートから切り出して貼り付けています。

3. ライティング、テクスチャリング

空を作り、エントランス周りの商業施設に手を入れ始めました。イメージさえ固まっていれば機械的に作業ができるので楽なパートです。

4. ヨコオさんによるチェック

この段階で方向が間違っていないか、他にどういったことをしたいか等をヨコオさんと相談しながら決めていきます。
今回は「地面の反射をなくして欲しい」「もっと照明が多い方が良い」「地面をガレキまみれにして欲しい」などのフィードバックを頂きました。

5. 完成

そうして完成したものがこちらです。一見華やかですが、ガレキまみれで実は不気味な感じになりました。

いかがでしたでしょうか。
当マップにお越しの際は、よろしければこのアートのことを頭の片隅に置いてプレイしてみていただければと思います。
ありがとうございました!

PlayStation Blog より転載