皆さん、お久しぶりです。プラチナゲームズ、チーフゲームデザイナーの神谷英樹です。
今から約7年前、僕は『The Wonderful 101』というゲームを作りました。

今でこそ、僕は会社のエラい人の立場におりますが、当時は商売のことは深く考えず(今もですが)、ただ我武者羅にゲーム作りに打ち込み、絶対の自信作と言える作品を作り上げました。それが僕の監督作6作目に当たる『The Wonderful 101』だったわけですが、残念ながら、この作品は商業的に成功と言えるほどの結果を出すことはできませんでした。

ただ、僕はこれを「失敗」とは思いませんでした。もちろん今も思っていません。なぜならゲームを作る人間にとって、「失敗」とはそのゲームを遊んでくれた人を失望させることであり、『The Wonderful 101』は、そもそも作品への評価自体を多く集めるに至っておらず、その答えがまだ明らかになっていないからです。

ところが今回、この『The Wonderful 101』は、その評価を再び世に問うチャンスを得ることが出来ました。

ユーザーの「遊んでみたい」というたくさんの声と、我々製作に関わったスタッフの情熱が奇跡を起こし、Nintendo Switch、PlayStation 4、そしてSteamのマルチプラットフォームで蘇ることになったのです。

しかもただの移植ではありません。各プラットフォームに合わせた操作性の改善や、遊びやすさ・分かりやすさを広げる数々の改修・調整を行い『The Wonderful 101: Remastered』と名前も新たに、決定版とも言える作品へと生まれ変わりました。ハードウェア性能の向上に合わせ、画質やフレームレートも高品質にアップグレードされています。

この作品には、我々の持てる力の粋を集めた「プラチナ魂」が込められています。

皆さん、どうかこの作品を遊んで、我々プラチナゲームズへの評価を存分に下してください。我々は、逃げも隠れもいたしません。

 

『The Wonderful 101』ディレクター
神谷英樹