皆さんこんにちは、JPです。長くなりますが、サウンドトラックのビハインド・ザ・シーンについてお話したいと思います。前回は、ミュージックディレクターの田中直人がこのプロジェクトに携わった何人かのコンポーザーをご紹介しましたが、今回はそこで紹介しきれなかった『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』の素晴らしいサウンドを作り上げてくれたメンバーたちを、私の方からご紹介したいと思います。

フェリー・コーステン (Ferry Corsten)

※字幕をONにすると、日本語字幕付きでご視聴いただけます

System F(システムエフ)の名義でも知られるフェリー・コーステンは世界で最も有名なDJの一人です。DJ Magazine Top 100 DJsに長年ランクインされているだけでなく、世界中で自身のラジオ番組をホストし、かつてないほどの素晴らしいダンスミュージック曲をリリースしています。つい先日(3月20日)も、DJ/producer のマーカス・シュルツ(Markus Schulz)と新たに立ち上げたダンスミュージックのスーパーグループニューワールド・パンクス(New World Punx) のライブが、NYのマディソンスクエア・ガーデンで開催され、会場を沸かせていました。

世界最大規模のフェスティバルでのDJや、U2、The Killersなどのアーティスト達のリミックスを行うだけでなく、素晴らしいアーティスト達の楽曲プロデュースなど、ダンスミュージック界の最前線で活躍しています。

フェリーとは以前から友人として仲良くさせてもらっていたので、『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』のボス戦の曲にエレクトロニック感を出そうという話になった際、彼が加わってくれれば最高のモノになると確信していました。「The Hot Wind Blowing」はそうやって出来たコラボレーションです。他の曲とは違ったヴァイブを感じてもらえるのではないでしょうか。カッコいいシンセサイザー音を入れること自体はダンスミュージック界ではよくある手法ですが、フェリー自身が動画内でも触れている通り、それをメタル調の『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』独自のスタイルと融合させるというのは、挑戦でした。しかし、その挑戦やジェイミー・クリストファーソン(Jamie Christopherson)との制作をフェリーはとても楽しんでくれ、最高のサウンドが出来ました。DLC第3弾『Blade Wolf』が公開されれば、お手持ちのスピーカーで最高に沸かせてくれることだと思います。

フェリー・コーステン(Ferry Corsten)
URL: http://www.ferrycorsten.com
Twitter: @FerryCorsten
Facebook: Facebook.com/ferrycorsten

ジョン・ブッシュ(John Bush)

『Metal Gear Rising Revengeance』ワールドツアー・ローンチイベントにて。ジョン(左端)

ジョン・ブッシュは、メタル界で最も伝説的なヴォーカリストの内の一人です。彼自身のバンドであるアーマード・セイント(Armored Saint)、アンスラックス(Anthrax)のリードヴォーカルどちらで歌っても、ジョンの歌声にはメタル界で最高の敬意が払われています。ジェイムズ・ヘットフィールド(James Hetfield)でメタリカ(Metallica)が結成される前は、なんと彼に声がかかっていたそうです。『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』では、2曲歌ってくれました。「The Hot Wind Blowing」と「Return to Ashes」です。この2曲を聴いてもらえれば、クラシックなジョン・ブッシュの歌声を聴くことが出来ます。彼の歌声には躊躇が無く、彼が歌う全ての曲には信じられないほどのパワーを感じます。メタル・ブレード・レコード(Metal Blade Records)のご厚意によりジョン・ブッシュの参加が実現しました。彼の功績は、アーマード・セイントの公式サイトでご覧いただけます。

ジョン・ブッシュ(John Bush)
URL: http://www.armoredsaint.com/

フリー・ドミンゲス(Free Dominguez)

『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』のサウンドトラックの中では、フリー・ドミンゲスが唯一の女性ヴォーカリストで、ミストラルのテーマ曲「A Stranger I Remain」を歌ってくれました。彼女は、ギタリスト兼エンジニアのブルース・サマーズ(Bruce Somers)と結成したインダストリアル・メタルバンドのキドニーシーブス(Kidneythieves)で広く知られています。長年(1988年から)、個人的にキドニーシーブスの大ファンだったので、ミストラルの曲を作ると決まった当初から彼女に歌ってもらえたらと夢見ていました。幸運にも、彼女が適任であるとミュージックディレクターの田中さんと齋藤ディレクターを説得することができました。実際にこれは彼女の夢でもあったそうです。というのも、2010年に彼女はこう書いているのです「次に歌う曲について、巨大なヴィジョンを思いつきました。未来的なカーリー(インド神話に登場する女神。その姿は10の顔と6本~10本の腕を持った姿で描かれることも)が、スイート・ララバイを口ずさみながら明け方4時に都市の路上で斬りまくっている。ほんの一部を残し、大半を破壊しつくすような光景」と。まさにセレンディプシャス(幸福な偶然)ですね。「A Stranger I Remain」はスイート・ララバイです。。。仔月光の腕と高周波ブレードも確かに出てきます。(^-^)
フリーはもうすぐソロアルバムをリリース予定です。詳しくは、フリー・ドミンゲスの公式サイトや、Twitterをチェックしてくださいね。

フリー・ドミンゲス(Free Dominguez)
URL: http://freedominguez.com/
Twitter: @FreeDominguez

タイソン・イェン(Tyson Yen)

『Metal Gear Rising Revengeance』ワールドツアー・ローンチイベントのリハーサル中のタイソン。

タイソン・イェンは、彼が以前に所属していたバンド、ドリスト(Drist)の「デコントロール(Decontrol)」が音楽ゲームに収録されており、音楽ゲームのファンにはよく知られていると思います。私が彼の声を初めて聞いたのも音楽ゲームでした。ドリストを離れてからタイソンは、ステート・ライン・エンパイア(State Line Empire)というバンドを結成し、ギター・センター(Guitar Center)が主催する『Your Next Record with Slash』コンテストで優勝しています。今回タイソンが歌ってくれたのはサムのテーマです。DLC第2弾『JETSTREAM』に収録されている「The Only Thing I Know For Real」や、スペシャルバージョンの「A Soul Can’t Be Cut」で、彼の歌声を聴くことが出来ます。タイソンの声はグラッフィーながらもシャープで、まるでサムのうすら笑いのようです。是非フォローしてください。

タイソン・イェン(Tyson Yen)
URL:http://www.tysonyen.com/
Twitter: @TysonYen

他のシンガー達については、近々また書きますね。サウンドトラック完成に向けて尽力してくれたミュージシャン達をまだまだご紹介します。