この記事に掲載されているインゲーム画像はゲーム内に搭載されている「Photo Settings(フォトセッティング)」を使用して撮影しています。フォトセッティングの活用方法についてはこちらをご覧ください:【魔女の解体新書】フォトセッティング

明日で『ベヨネッタ3』の発売から早くも1周年。

今回の【魔女の解体新書】では、開発中の当時を思い出しながら、半ばノリで実装されていったようなニッチな要素、いわゆる隠し要素や小ネタを紹介させていただきます。

それでは早速、ベヨネッタ3の最初のステージである「東京」を巡りながら見つかる小ネタに触れていきましょう。ガイドはゲームデザイナーの佐竹でお送りします。よろしくお願いします~。

出発は渋谷です。

街の破壊にこだわっている本作(※1)、召喚した魔獣で街をガシャガシャ壊して、お金や素材がじゃらじゃら出てくるのが最高に気持ち良いです。マルファスの吹き飛ばし(Yボタン)や、ファンタズマラネアで外壁を歩き回るのが個人的なおすすめです。

(※1)ベヨネッタ3の背景についてはこちら:【魔女の解体新書】エンバイロメント

この快感を味わってほしいために(魔力が無限状態になる)魔女の泉を近くに設置しておりますので、ぜひ活用してください。さて、こうした背景オブジェクト中には、特別な挙動をするものがあります。


PVでもおなじみラッピー君


警察署前に『ASTRAL CHAIN(アストラルチェイン)』のマスコット、ラッピー君!

彼は叩いても、魔獣をけしかけても絶対に壊れませんが、その代わりにヘイロウを落としてくれます。ありがとう~。

ただ、ASTRAL CHAINのシナリオ担当の方が『ベヨネッタ 3』のチームにいたのですが、「ラッピーを殴るなんてとんでもない……」と静かに怒りをこぼしていたのを私は忘れません。

ラッピー君以外にも、ちょっと特別なオブジェクトからヘイロウが出るようになっています。

あと、ささやかなネタなのですが、東京にあるATMと不動産の物件、壊すとやや多くのお金(エンブリオ)が出ます。他とアイテムの出方もちょっと違います。

本当にささやかです。

壊れ物の小話をしますと、壊れの気持ち良さには、ガシャッ!と爽快に壊れる背景モデルとVFX、そしてSEの仕事ぷりが伺えますが、地味なところで、耐久力による説得性や、ドロップするアイテムの出方や量の調整を行っています。大きな魔獣が歩くだけで物が壊れる、これがシンプルに気持ち良いのですが、強力な技でより派手に壊れたり、通常の攻撃では壊すのに数発かかるところ魔獣なら一撃で粉々になったりといった挙動は、説得力のある気持ちよさにつながります。

『魔獣が触れたら壊れる』を基本に、大きさや材質に応じてすべての壊れ物に「耐久値」を設けています。加えて、ヒット感を出すため攻撃した時に「揺れるか」や「ヒビ状の効果を出すか」なども壊れ物ごとに設定しています。

さらに、ドロップするアイテムもじゃらじゃら出て気持ち良いよう量や出方を調整しているのですが、壊れ物の数はステージごとにバラバラなので、バランス調整などを加味し、400種類ほどの壊れ物それぞれに耐久値とアイテムのドロップ確率を仕込める作りにしました。こうして、ちょっとユニークなドロップを壊れ物ごとに仕込む余地が出たわけです。薬局から回復アイテムが落ちるようになっていたり、ハンバーガー屋を壊すとハンバーガーが落ちたり……。

渋谷は壊れ物が多い名所ですが、中国STにも作中1、2位を争う壊れ物スポットがありかなり爽快なのでおすすめしておきます。この爽快感はぜひ動画で感じてください。


紫焔の竜巻


次に行きましょう。戦闘となりましたが、ここでちょっと面白い技を紹介します。

マルファスのスキル技 Lスティック回転+Y “テンペスト”

敵を巻き込む大きな竜巻を発生させる技ですが、「車」を巻き込むと火炎が上がり、炎の竜巻となって追加ダメージを与えられます(※2)。

(※2)ちなみに、マルファスとファンタズマラネアの組み合わせでも炎の竜巻をつくることができます。(【魔女の解体新書】デーモン・スレイブ 魔獣の切り替えについて

と、ここまでは知っている方も多いと思いますが、さらに……竜巻に召喚獣ゴモラの炎のブレスを巻き込むことで、美しくも強力な紫焔の竜巻が立ち昇ります。

マルファスで【回転Y】竜巻を起こした後すぐにゴモラの【Y】紫焔ブレスをあてるのは時間がややシビアで、実戦で使うのはなかなか難しいですが、このド迫力……!

もちろんダメージ量も抜群です。

この技は、開発のかなり初期に「魔獣を一度に複数体召喚するバトル」が構想され、魔獣の技の掛け合わせが検討されていた時の名残とのこと。とにかく見た目がかっこいい…!のでずっと残されてきた隠れ技です。


隠しピーティー


さっさと敵を倒して、ランドマークの101ビルへ。その入り口横の階段を進むと……

プラチナゲームズのデジタル生命体、白金ピーティー氏の看板がありますね~ハロ~

記念撮影、コスチュームとポーズを寄せてみました。

看板に触れた時の効果音にも注目です。

実はこのピーティー看板、東京を通して4つ隠されています。うち3つはステージ中に、1つはムービー中に登場します。

ここが一番見つけやすいでしょう。他の看板は皆さん思い当たりますか?


おなじみの……


このまま101ビル内へ進むのが順路になりますが、せっかくの小ネタツアーなのでちょっと迂回します。修練「渋谷を象徴する一番高い建物に上る」の達成のため、101ビルの頂上に立ち寄ってみましょう。

道沿いのビルを足掛かりに上っていき、写真手前の突き出た電車からアクセスできます。

と、ここで何か視界の端に捉えたものが……

カブトムシ!

そう、プラチナのゲームのおなじみ要素となっているカブトムシ。今作ももれなく存在していました。ただ、ベヨネッタ1,2は一匹ずつだったと認識しているのですが、今作はどういう訳か、ゲームを通して大量のカブトムシが隠されています。

その数なんと40匹以上!?

私は10匹くらいだと思っていたので、実装者に改めて確認してビビりました。聞いたところ基本的には各チャプターのチェックポイントごとに1匹配置したそうです。ただし、動くステージなどで断念せざるを得ない場合もあったとのこと。

各セクションの実装〆がされていく佳境の中、毎日のように「またカブトムシが追加されたらしい」「また!?」という会話が開発内を飛び交っていたのを覚えています。

ディレクターさえもその存在を把握していない無法のカブトムシ。見つけたところでゲーム的な報酬はありませんが、ぜひ自慢してください。

せっかくなので、これだけはデバッグ(開発機能)でないと見られないかも、と教えてもらったカブトムシを紹介しておきます。ゲイツオブヘルのレコードの横に置いたけどほとんど見えなかったんだよね、とのこと。トレーニング部屋がゲイツオブヘルと繋がっているので、デバッグカメラで探してみると……確かにいました。

レコードを静かに見守っていますね。一応、ショップ出入りのイベントで映っていましたよ。


クリアタイムの短縮技


101ビルの頂上に来ました。壁に張りつけるマスカレイドで登ると簡単です。

さて、意外と気づきにくいのですが、屋上から101ビルの入口に戻る必要はありません。屋上の右側から次のエリアの地上に降りることができ、101ビル内の戦闘をスキップできます。

今作の必須戦闘は意外と少なく、工夫によってスキップが可能な戦闘が多々あり、クリアタイムの短縮ができる要素となっています。前作よりも広くなったマップの探索や、クリアタイムのランキングがある観点で、発見・工夫によって時間を短縮できる要素を意図的に実装しています。地味かもしれませんが、開発としてはかなり大変だった要素で、容量が大きい戦闘のデータをいくつも読み込んでおく必要があるのです。

今だから言えますが、1周通しチェックがノルマだったけれどどうにも忙しかった時期、この短縮要素には大変お世話になりました……。

速いクリアを目指す某大会で、各所で戦闘スキップが行われていることと、それに驚く反応が見られてかなり喜ばしかったです。ほかのステージでも、この戦闘飛ばせたんだ!というものがありますので、試してみてください。


カブトムシがここにも……


崩壊しかかっている道路を抜けた先、地下の下水道へと進みます。さてここにもカブトムシがいますが、詳しい場所は隠しておこうと思います。

写真をヒントに探してみてください。場所が限定されていても、かなり見つけにくいですよ。


踊る魔女の眷属


新宿に到着しました。

新宿駅の近くには2つ目のピーティー看板……と、今作の収集要素の一つ、ナイトクロウとダークキャットがいます。

魔女の眷属である、真っ黒なカラス・ネコ・カエルはチャプターごとに潜んでおり、探して捕まえることで、裏チャプターを開放する鍵となっています。

近づくと逃げてしまう彼らですが、特定の条件で「踊る」ことをご存じでしょうか。それぞれの眷属の近くに対応した魔獣を召喚すると、ちょっとした反応を見せるのです。

カラスは魔獣マルファスを近づけると慕うように羽ばたきます。

ネコは魔獣ラボラスが近づくと警戒したように飛び上がります。犬猫の仲。

カエルは、もちろん魔獣バアルを召喚すると、クラシカルな踊りを披露してくれます。小ネタ以上の要素はありませんが、ネコだらけの新宿や、カエルだらけの砂漠ステージなどでひょっとしたら探しやすくなるかも……


最後に


いかがだったでしょうか?渋谷から新宿は本編チャプター1~2にかけてですが、想像以上に記事が埋まりました。

世界各国のロケーションを巡るのが今作の特長のひとつですが、やはり日本・東京には開発陣のたくさんの遊び心が詰まっています。新宿にあるはずのないこの建物も、その一つです。我々にとってとても身近なビルの前でお別れとしましょう。

ここまで見ていただきありがとうございました。

/バイバイムズー!\

 


佐竹 夏実
Natsumi Satake

2021年にゲームデザイナーとしてプラチナゲームズに入社。『ベヨネッタ3』が当社での初参加作品となる。脇道のステージや各種パラメータ、システム、スキルの管理などを担当。