ベヨブログをご覧の皆様、初めまして。ICHIと申します。
『BAYONETTA』開発中には、制作進行などをさせていただいておりました。

さて皆様、ベヨネッタはお楽しみいただけましたでしょうか?

どうしてもクリアできなくてTVの横に積まれていたりしませんか?
それとも一度エンディングを迎えてからはスッカリ満足して、今では賢者のように澄んだ瞳でこのブログをご覧になっていらっしゃるのでしょうか。

…NO!

ご存知でしょうか?『BAYONETTA』は沢山のサービスで溢れかえっています。
隠し武器、隠しキャラクターは言うに及ばず、隠しステージやクスッと笑えるネタ要素まで…

それら全てを余すところなくムシャブリ尽くした!という方だけ、ここから先は読まなくても構いません。

さあ、もう一度愛機に火を入れましょう!
今回ワタクシは、『BAYONETTA』の 攻 略 本 についてお話させていただきます。

攻略本…それは例えるならば宝島の地図でしょうか。
たいていは厳かな装丁、歴史の年輪を感じさせる絶妙のヨゴレやら破れやらススケにホコリ。(雰囲気は重要ですね)
そして、それを手に財宝のありかへの危険な道のりをどう乗り越えるか、旅人は思いを馳せるワケです。

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当然攻略本ですから、ここはコイツが急に飛び出してきてビックリするから気をつけろだとか、ビックリしたらこのボタンをいっこ押せだとか、微に入り細を穿つがごとく記載されているハズです。

しかしイメトレでいくらクリアした気分にはなれても、実際に財宝を手に入れたワケではない。やはり最後は、自分の手で危険をかいくぐった末にクリアの栄冠を勝ち取る必要があるんですね。

目の前に広がるのは絶望的な数のトラップや敵、あまた迫り来る宿題、育児に休日出勤…!
だが我々は手にした!今まさに希望という名の一筋の光を。攻略本という名の宝の地図を!

何?なんなの?この湧き上がる高揚感は!?
…これが武者ブルイというやつなのね!?

かくして勇者がまた一人、宝島へと舞い戻るわけです。すばらしい。ビバ攻略本。我らが光明。

さあ、そんな攻略本で使われているデータですが、後先をちゃんと考えるエライ人たちの手によって、開発の終盤にさしかかる頃から、資料として整理されはじめます。しかし忙しさが増すにつれ、資料を作る暇はなくなり、しまいにはゲーム自体に修正が入りすぎて、資料はまったく信用のおけない物体Xに成り果てるんですね。もう嘘まみれ。
このままではとても人様にお見せできるようなシロモノではない――のですが、ドッコイ。

こうした物体Xにはバグチェック期間中にちゃんと救済の手が差し伸べられ、整合性が取られます。
ちなみにこの期間は「一体何が正しいのか」が明言される、重要かつ悲しい期間でもあります。(哲学的ですね)

サテ、こうした経緯を経て立派に正しい資料が出来上がるわけですが、中には資料として残されていないデータもあります。
そういったものについては、必要に応じて開発機で検証を行ってデータを計測しています。

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ワタクシは今回、攻略本の監修などもさせていただいたりしておりますが、関わることができたのはホンの一部です。
さらにこの後、生き馬の目を抜くような原稿の執筆と修正が、色んな会社の色んな人たちの手によってなされ、出版となるのです。

今も皆様のお近くのドコかのお店に、攻略本と名の付く書物が並んでいることでしょう。ぜひ気の向いたヤツを手に取って、めくるめく冒険に思いを馳せてみてください。

WEBなど、Twitterなど、拝見しておりますと、たまにこういったご意見を見かけます。

「○○なんて出現条件、人間には無理だろ!つか、出せたヤツはもれなく人間じゃねえ」(一部脚色)

…確かに。お気持ちよく分かります。ワタクシもそう思います。世の中オカシイ人だらけですよね。

開発スタッフだって、せっかく作ったアレやコレやを、好きで出し惜しみしているワケではありません。
全部見てもらいたい!隅から隅まで楽しんでもらいたい!そう思っております。

ですがしかし、労せずして得られた宝は、宝ではない。

最初は無理だと思っていた敵も、どうにかギリギリ倒すことが出来るようになったよ!ヤッタヨ!

その達成感と喜びこそが、実は私たちが一番差し上げたい皆様への贈り物であり、一番の宝物であって欲しいのです。

とはいえ、操作のうまさや、向き不向きには個人差があります。
そこをもうチョイ何とかしたい、出来るだけ多くの人にクリアする達成感と全ての要素を味わってもらいたい。

そのためにあるのが攻略本だと思っております。

今このブログを書いている現在、実は欧州の攻略本で監修の真っ最中だったりします。

……イイですね!

なんだか出版社の方々から、ベヨネッタへの愛を感じる内容です。
こういう原稿を見ると、こちらも否応なくテンションが上がるというものです。

もう開発チームも解散して随分経つんですけどね。こちらはまだまだベヨ祭り中です。

国内の発売から3ヶ月。海外の発売からも半月が過ぎ、『BAYONETTA』は歴史の一部となりました。
このブログをご覧になっている皆様にとっても、ふとしたハズミにプレイしたくなる「思い出のゲーム史」に刻まれていると、いいなあと思います。

あ!

最後にひとつだけ。
公式サイトの「ゲイツ オブ ヘル」というコンテンツをご存知でしょうか?

もしまだご覧いただけていないようであれば、ぜひご来店ください。

超!オススメです。

※過去ログ(News Archive)がありますので、お手数ですが思い切り遡ってご覧ください。
リアルタイムでお楽しみいただけた方々は、ラッキーだったかもしれませんね。