こんにちは、『ベヨネッタ オリジンズ: セレッサと迷子の悪魔』のディレクターのティナリです。発売後、開発チームのスタッフから様々なトピックスについてブログの更新がありました!絵本モチーフのグラフィック、音楽、視覚効果、タイトルロゴ…開発に関する秘話が盛り沢山(>記事を読む)。

今回は序盤のステージのデザインについて動画の中でお話ししています。制作の裏話やより深堀したお話に興味のある方のために、私自ら解説を入れながらゲームの序盤をプレイしました。既にプレイされている方はこの動画を見て新しい観点から楽しんでいただければと思います。まだプレイされていない方は、ニンテンドーeショップで無料体験版をダウンロードすると同じ範囲をプレイできますので、ぜひお試しください!

どのゲームにおいても、冒頭部分は非常に大事です。まずプレイヤーの興味を惹かないといけません。しかし、それと同時に操作の説明や紹介しないといけない新たな能力もいっぱいあります。この二つのバランスをとるのが、ゲームデザインの大きなチャレンジです。かっこいいアクションや派手な演出を入れたら興味が沸くだろうけど、教えるべきことを教えないで進ませるといざ操作をする時にプレイヤーは混乱します。一方で説明ばっかり入れるとゲームが学校の宿題のように感じてしまうかもしれないですよね…

『ベヨネッタ オリジンズ』の序盤のステージをデザインしている時にもこのバランスに苦労しました。特に今作は2人のキャラクターをLスティックとRスティックで同時に操るという、かなり独特な操作があるため、まず慣れるために操作をゆっくりと段階的に紹介したいと考えました。また、ストーリー重視のゲーム体験を実現すべく、セレッサの状況や心境を理解して共感してもらえるような要素も多く取り入れる必要がありました。

最終的に遊びをストーリーの流れに紐づけることで、チュートリアルステージが終わった時点でプレイヤーは主人公のセレッサとチェシャのキャラクターについて理解しつつ、二人を待ち受けている数々のチャレンジを乗り越えるための操作の基本も身につけているようにできたと思います。

今日のお話はここまでです。ゲームをプレイしたユーザーからのコメントはこまめにチェックしてますし、描いてくださったファンアートもたくさん見ています。発売から2か月経った今でもこのようなファンの声が続いていることが開発者として力となります。僕や他の開発スタッフから引き続きブログ記事を掲載していきたいと思いますので、今後もご期待ください!

 


ティナリ アビビ
Abebe Tinari

カナダのバンクーバー出身。2009年に来日し、2013年にローカライズスタッフとしてプラチナゲームズに入社。『ベヨネッタ2』の英訳に携わった後、ゲームデザイナーに転向。『スターフォックス ガード』をはじめとする複数のタイトル開発に参加し、『ベヨネッタ オリジンズ: セレッサと迷子の悪魔』で初のディレクターを務める。