コンシューマーゲームの開発現場では、配属されるチームの進行状況によって、新人がゲームづくりのゼロから完成までの一通りを経験するのに何年もかかることが少なくありません。そのため、新人たちに早い段階で「ゲームをゼロから作る体験をさせてあげたい」という声があり、初めての試みとして、ドロッセルマイヤーズさんにボードゲーム制作のワークショップをお願いすることになりました!

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ドロッセルマイヤーズさんは元々、輸入ボードゲームの販売をされていたのですが、今ではそれに限らず、オリジナルボードゲームの企画・制作・販売や、オリジナル書籍やグッズの制作、イベントの開催など幅広く活動されています。今回の様なボードゲーム制作のワークショップはゲーム業界に限らず様々な分野の企業から企業内研修として開催の依頼があるそうです。(4gamer記事)

さて、その大人気の『ドロッセルマイヤーズ ワークショップ』とは?

”4時間という限られた時間でみんなで1個のボードゲームを完成させる”という
結構無茶なイベントです。(゚Д゚;)

講師としてお迎えしたのは、同社代表の渡辺範明さん
(スクウェア・エニックスで10年間プロデューサーを勤めた後、独立。現在も様々な形でゲーム制作に携わっておられます。)

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初めに渡辺さんがお話されたのは”ゲームとは何か”という
定義について。

それを探るために、「先ずは一つ、ゲームをやってみよう!」ということで、『いいセンいきまSHOW』(ゲームデザイン:川崎晋)という紙と鉛筆だけで楽しめるパーティーゲームを遊んでみました。

このゲームは”出題された問題に対する皆の予想を書き出し、ちょうど真ん中になる数値を予想した人が勝ち”という、いいセン(中央値)を狙うゲームです。「プラチナゲームズで一番給料をもらっている人の年収は?」”という問題には、“750万円”~“9,500万円”という新人20名のとんでもない幅の予想が出され大盛り上がりしました♪(真ん中の数値は2,000万円だったかな…w)

ここから渡辺さんが導き出したのは

  • ゲームとは?
    ルールによって「おもしろさ」が生まれている
    全ての遊び
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  • ゲームデザインとは?
    ゲームのルール(=ゲームシステム)によって
    「おもしろさ」を作り出すこと

渡辺さんもおっしゃっていましたが、コンパや宴会で行われる『王様ゲーム』『せんだみつおゲーム』など、(平成生まれの方には馴染みが無いかもしれませんが)それぞれにルールがあって、そのルールによって”おもしろさ”が作り出されているわけですね!(・∀・)

そこで、職種も職歴も関係なく、ただ”ゲームの「おもしろさ」を作り出す”ことだけを考えて、20名で一つのボードゲームを作ってみましょう♪という流れになりました!
このワークショップの掟は、原則として全てを“多数決”で決めるということ。今回のテーマは“就職活動”です。テーマの中で、①ゲーム性を発見し、②ゲームシステムへ落とし込んでいきます。その後、④試作/テストを繰り返し、⑤改良案を検討していくのです。最後にタイトルがつけられて完成となります。

各ステップで20名から様々な案が出され、それぞれ多数決で決められて行くのですが… さて、どんなゲームができたと思いますか?w

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ここで発表させていただこうと思っていましたが、今回と同様のワークショップにより生まれた作品『巨竜の歯磨き』が、その後実際に商品化され、海外にも輸出されているという耳寄りな情報をゲットしました!そうです、今回のゲームも商品化の可能性がある!?(>∇<)

ということで、ここでネタばらしするのはやめて、タイトルだけにしておきましょう♪(商品化は無いと思いますがw)

タイトルは…

『即○面接』!!!

”面接官の立場で学生たちを見分ける、選ぶ”というゲーム性に注目したゲームだそうです♡

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ワークショップ終了後は、新人たちが口々に「まだ改善できそうな個所がある」「まだ不十分な点が多い」と話していたので、”面白くするにはどうしたらいいのか?”というゲームの根幹となる問いを職種に限らず全員で共有でたのではないかと思います。

また、「短時間ではあったが、ゲーム制作の縮図を体験することができた」「面白いアイディアがあったのに、皆に伝えきれなかった。プレゼン力の無さを痛感した」「実際に作ってから、おもしろくしていくという工程の大切さを学んだ」など、それぞれが何かを掴んでくれていたようです。渡辺さん、素晴らしいワークショップを開催してくださり、ありがとうございました!

この経験を糧に、”おもしろいゲーム”を今後も作っていきたいと思います!新情報はもう少々お待ちください!( ̄ー ̄)v