はじめましてコンニチハ。デザイナーの入江です。

アコガレのゲーム業界で働きはじめた第一作目からいきなり『VANQUISH』という大作に関わることができ、とても楽しいチームで働く事ができました。

今回『VANQUISH』では序盤は背景、後半では主要な乗り物や戦艦、終盤では販促用のアート作業を担当しました。
DARPAのロゴや、味方と敵の小型輸送機、バーンズ艦などがみなさんに一番見てもらえるものかもしれません。
中でもバーンズ艦隊の様な、巨大な物はステージに出した時に存在感が強烈で制作していてとても楽しいものでした。

さて、ゲーム制作中の話などいろいろと話したいことは多いのですが、今回はその中でもアート作業の制作課程について少しだけふれてみたいと思います。

『VANQUISH』のアート作業では、ゲーム中の雰囲気をよりリアルに体感してもらうために、ゲームモデルを元に3Dソフトで新たに画像を制作した物を使用しています。

ゲーム中でも十分な絵としてのクオリティは出ているのですが、なにぶん印刷にする場合には大きな画像サイズが必要となります。
また、最近ではハイレベルのアートがライバルゲームからも続々と公開されています。
『VANQUISH』でもそれに負けないだけのクオリティを出すには、細かい設定やレタッチをする必要があると考えました。

制作過程その①
まずコンセプトデザイナーの臼井さんに構図、アートの方向性を描きだしてもらい、各スタッフの協力を得て、実際の3D上での構図やポーズを詳細に決め、大まかなレイアウトを完成させます。

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この絵を元に、細かなポーズ、構図をつめていきます。

制作過程その②
これだけ高密度のモデルだと一枚でレンダリングを行うには時間がかかりすぎるので、各素材ごとにわけてレンダリングを行います。

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3Dソフト上でのレイアウト完成画像。

制作過程その③
最初の状態では空気感やディテール部分にまだまだ甘い部分があります。
ここからペイントソフトを使用し、さらに細かく画面構成やレタッチをおこなっていきます。

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加工前と後の比較、雰囲気がグッと上がってます。

制作過程その④
空気感やライト、様々なエフェクトを与えてアートの雰囲気を出していきます。

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完成画像。かなり元のデータから変わりました。

制作過程その⑤
大きな画像では最終的に重ねて使用している画像枚数は100枚を簡単に超えてしまいます、複雑になったデータを時間がゆるすかぎりチマチマといじり最終的な完成となります。

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重ねている画像の一部。

『VANQUISH』のアートワークでは雑誌やHPにのっているキャラクターなどもこだわりをもって制作しています。
特にロボットの質感やパーツなどは、かなり細かいところまで手を加えてディテールアップをはかっているので、ゲームを楽しんだあとはそういった所にも注目していただけると嬉しいです。

『VANQUISH』発売から一カ月が経とうとしてますが、すでに一度クリアした人も、TACTICAL CHALLENGEやゴッドハードモードはかなり遊びごたえがあるのでぜひ挑戦してみてくださいね!
ちなみに自分はなんとか全てクリアしました!ゴッドハードでは書けないほどのコンティニューを繰り返しましたが…(笑)

それではまた次のゲームでお会いできることを楽しみにしています。