はじめまして、藤井と申します。
グラフィカルユーザインタフェース、いわゆるGUIのデザインを担当しています。
GUIデザインと言っても今作では、各種メニュー画面やヘッドアップディスプレイの他に、ムービーシーンでエレナが操作するコンソール類のフェイクインターフェースも作成しています。

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『VANQUISH』のGUIは1280x720pixelの解像度で制作しています。
いわゆるHD解像度では文字やサイン記号など、コントラストの強い物はくっきりと見えるのでデザイナーとしてもうれしい限りなんですが、輪郭がより鮮明になるのはメリットでもある反面、その中身の部分に「ピクセルのベタ面」が出来てしまいます。くっきりと表示されたものがその場で制止し続けている生々しさをどうにかしたいなと考えて『VANQUISH』では、ボケや歪み、ノイズ、擬似的な光学現象など、文字やアイコンなどに意図的にゲーム画面が不鮮明になるような要素を盛り込んでいます。

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不鮮明にすることで、ある種の情報の複雑化を行っているのとは逆にヘッドアップディスプレイのレイアウトやサイズに関しては表示物の多さ、ゲームのテンポの早さなどを考慮して、ユーザーがプレイだけに集中できるようにとの三上さんの方針の下、とても機能重視なつくりになっています。

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注意して見ないと差異はわからない、決して派手ではないけど、それをやるとやらないでは感じ方が全く違う。そういう信念の下に本作に取り組みました。
もちろんユーザーの皆さんが『VANQUISH』をプレイされる時には、ここに書き連ねてきたような講釈は一切気にしないで、本能のままに楽しんでいただけると制作者の一人として冥利に尽きます。