こんにちは、前作に引き続き『ベヨネッタ2』でもサウンドを担当させていただいた
サウンドデザイナーの酒田と申します。

サウンドデザイナーって何する人? という方もいらっしゃると思うので簡単に説明をしておきます。
プレイヤーや敵が何らかの行動をした時に出る効果音制作、雨が降る音や火が燃える音などの環境音制作キャラクターボイスの整音やカットシーンのMA(マルチオーディオ:映像用の音声編集)作業など、プラチナゲームズではBGM以外のサウンドを担当する人のことです。

そんな多岐にわたる仕事なのですが、今回は敵のSEについてお話しようと思います。


『ベヨネッタ2』では天使だけでなく悪魔という新たな敵が登場し、敵の数も前作から大幅に増えています。敵SE制作にあたっては、刃物を振る音とか、殴る音とかの土台となるサウンドと、天使、悪魔、それぞれの特徴をあらわすサウンドを考え、最終的に“ひとつの音”として落とし込むというプロセスで制作しました。

まず、土台となるサウンドとは・・・。
何でもいいんですけど、例えば手を叩く音(パン)とか、銃を撃つ音(バン、バンッ)とか、これは皆さんが普段の生活とか、他のゲームとか映画でも聞いているなじみのある音。多くの人がイメージできる音のことです。

次に、天使、悪魔の特徴をあらわすサウンドというのが、これと決まったものがないので説明しづらいのですが、例えるなら、「白ごはんの上に乗せるもの」それが漬物なのか、ふりかけなのか、海苔なのか・・・。上に乗せるものによって、白ごはんを食べてる事自体は変わらないですけど、トータルとしては違った味だったり、食感になりますよね。そういった選択肢がたくさんある味付け部分のサウンドのことです。

天使に関しては前作のコンセプトもありそのまま引き継ぐことになったのですが、問題は悪魔の特徴をサウンドでどう表現するかという所でした。

天使の「神々しい」「崇高」といったキーワードに対して、悪魔は「獰猛」「禍々しい」「恐怖」といったキーワードを出していき、まずはそこからイメージされる音をそれぞれのキャラに合わせて作っていくという作業を行いました。

橋本ディレクターと「あーでもない、こーでもない」と試行錯誤を繰り返しながら方向を探っていき、何とか出来上がったものはベヨネッタらしいサウンドになったと思います。制作終盤には

橋本ディレクター:「この武器振る音もう少し“デーモニック要素”強くしておいて」
酒田:「了解しました」

といったワードのやり取りで通じ合ったりしてました(笑)。
*ちなみに天使の特徴を表す言葉としては“マジカル要素”というワードをよく使っていました。

[jwplayer mediaid=”409″]※動画は開発環境で撮影されたものであり、製品とは異なります

[jwplayer mediaid=”410″]※動画は開発環境で撮影されたものであり、製品とは異なります

今回は敵SEのお話をしましたが、他のサウンドも魂込めて作っています
面白いかそうでないかはユーザーの皆様の判断になると思いますが、われわれは「遊んで良かった、面白かった」と感じてもらえるゲームをお届けしたいと日々取り組んでいます。ぜひ楽しんでください!!