みなさんこんにちは。
『ベヨネッタ2』でモーションデザインを担当した山口 孝明です。
アクションゲームのモーションを作り続けて十余年、最近は事あるごとにオッサンであることを感じる毎日です。

さて、そもそもモーションデザインってなにをしているのでしょうか。

他のモーションデザイナーが前作『ベヨネッタ』のブログでも語っていますが(*)、とにかくゲーム内の動くもの全般のほとんどの『動き』を作るのが仕事となります。

*ベヨネッタのデザイン:モーション (http://blog.bayonetta.jp/archives/443)
*敵モーション (http://blog.bayonetta.jp/archives/451)
*ボスor召喚モーション (http://blog.bayonetta.jp/archives/1537)

なので、キャラクターのかっこよさなどを表現するのはもちろん、
主人公を操作した時の触り心地から
敵の攻撃の見やすさなど、
色々なことに大きく関わってくるセクションになります。

今回制作した『ベヨネッタ2』は『ベヨネッタ』の続編なので、全体のノリなどは引き継ぎつつ、そうした色々なことをもっと良くすることを目指して、それぞれのモーションを作ってきました。

そんな中で、ここでは
『敵キャラクターのダメージモーション』
についてお話しようと思います。
そう、敵キャラクターに攻撃をヒットさせたときの、相手の
『ひゃー!やられた!』
というあの動きです。

『敵のダメージの話だって? 地味!』
と思われるかもしれませんが、ところがどっこい、アクションゲームの爽快感にかかわる、とても大事なモーションの一つなのです。
敵のダメージモーションを適当に済ましてしまうと、敵を攻撃してもちっとも気持ち良くない、爽快感のないゲームができてしまいます。

これまで自分が関わってきたゲームでもダメージモーションの気持ち良さは大事にしていて、あの手この手でもっと気持ち良い表現はないものかと毎回チャレンジしています。

そんな中、今回やってみた方法は、一言でいえば
『攻撃にぴったり合ったダメージモーションをできる限りつくっちゃう』
というもの。

もちろん『ベヨネッタ』でも、主人公の攻撃に合わせて敵はいろんなリアクションをとっていて、レスポンスの良さなどと合わせて、とても爽快感のある仕上がりになっているのですが、そこをもっと充実させてみようと考えました。

細かく説明するのもなんですから、ひとまず以下の動画をどうぞ。

これが『ベヨネッタ』

※動画は開発環境で撮影されたものであり、製品とは異なります

こっちが『ベヨネッタ2』

※動画は開発環境で撮影されたものであり、製品とは異なります

どうでしょう?
ついついベヨネッタさんに目が行ってしまいがちですが、『ベヨネッタ』のほうは敵キャラクターのダメージモーションが毎回同じなのに比べ、『ベヨネッタ2』の場合はベヨネッタの攻撃アニメーションに合わせて敵のダメージモーションまで変わっているのが分かりますでしょうか?

これはほんの一例なのですが、こんな感じでモーションを細かく作り込むことで、攻撃の爽快感をさらに増すことができました。
各敵キャラクターは『ベヨネッタ』と比べて
なんと! 約3.5倍(当社比)
のダメージモーションを持っています。

と、こんな風に細かく説明してみてなんですが、僕らが作っているのはゲームなので、このような動画では本当の爽快感は伝わりません。
実際にコントローラーを握り、敵を攻撃したときに初めて実感してもらえると思います。映像表現ではない、ゲームならではのモーションの役割は、触ってはじめて活きるものと考えて、いつも制作しています。

興味を持たれた方はぜひぜひ!
実際にプレイしてみてください!