皆様はじめまして。ゲームデザイナー2年目の藤田です。
今回はゲームデザイナーの仕事について、今考えていることを書いてみたいと思います。お付き合いいただけると嬉しいです。

私は2年前、生まれ育った福岡から遠く離れた大阪に単身乗り込み、ゲーム作りや企画についてはほとんど無知の状態で社会人生活をスタートさせました。“やらない後悔よりもやる後悔”が信条なのですが、かつては自分がゲーム作りに無知であることに対して不安を抱えていたので、この記事が同じような人に少しでも役立てば良いなと思います。

まず、ゲームデザイナーの具体的な作業を挙げてみると、ステージに敵をセットしたり、プレイヤーのパラメータを調整したり、プレイヤーの技を考えたり、1日中バグのチェックをしたり、ムービーに字幕を付けたり・・・ばらばらと色々出てきます。しかし、沢山ある具体的な作業を全て挙げても、これがゲームデザイナーの仕事です! とまとめられないような気がします。

では、私が今考えている「ゲームデザイナーの仕事」とは何かと言いますと、「ゲームを面白くするために必要なこと全て」です。これは私が1年目の時に先輩に言われた言葉です。
この時私は “選択中のキャラクターにカメラを向ける”といった仕組みを入れようとしていて、“カメラを向ける”部分を自分でやろうとしていました。カメラワークを付けること自体は社内ツールで簡単にできるんですが、いきなりカメラワークの才能に目覚めるわけでもなく、何度やっても出来がいまひとつでした。
本当に良いカメラを付けようと思ったら、プロであるシネマティックアーティストに依頼すべきです。しかしこの時の私は、自分が入れたカメラだからちゃんと自力で仕上げなければ!という意識にとらわれていて、なかなかそれに疑問を持てませんでした。
そこへ先輩から「自分で出来ないことは出来る人に頼んでみたらいいんじゃない?」と言われてようやく気付き、その後、シネマティックアーティストに依頼して素敵なカメラ演出を入れていただくことができました。この時に言われたのが、最初に紹介した「ゲームデザイナーの仕事は、ゲームを面白くするために必要なこと全て」という言葉です。(出来る人がいなければ自分でやる場合もあります。とにかくゲームを面白くするためなら、なりふり構わず最善を尽くす!という意味です)

ゲームは本当に多くの人が一緒になって作っていきます。ゲームを面白くするために自分一人だけでできることは、本当に少ないです。一人では実現できないアイディアや、一人では気付けなかった誰かのアイディアでゲームが面白くなることがほとんどです。アイディアをそのままにしておかないで、チームを動かして実現して行くのが、ゲームデザイナーの仕事だと思います。(これがかなり難しい・・・絶賛修行中です・・・)

image01
例えば、「この敵の特殊攻撃にカメラ演出があったら解りやすい&恰好よさそうだ!」と思ったとします。そうしたら、具体的にどんなカメラ演出が必要なのかを考えます。(「敵が前方にミサイルを発射して、道が壊れる場面を見せたいです!」といった感じです)考えたことを色々なセクションの担当者に説明し、ゲームに入ったものを確認してクオリティを高めていきます。

これはとても大変です。自分が良いと思ったことでも他人からしたら良くないことや、自分が疑問に思ったことでも他人からしたら気にならないことがたくさんあります。ゲームの面白さやインターフェースの使いやすさといった感覚や価値観は人それぞれなので。先ほどの例だと、「敵との戦闘中に急にカメラが変わるのは気持ち悪い」という意見の方もいるわけです。
でも、自分が良いと思ったことを説明して、ゲームに入れて「あ、これ良いじゃん」って言われたときはすごく気持ちがいいです。何より自分が納得しているから、他人から褒められた時に素直に嬉しい。良くなかったとしても、何がだめだったかを突き詰めると勉強になって、成長できます。

好きな仕事を集中してやっている時は、とても楽しいです。(ちなみに、私は敵の仕様出しが一番楽しかったです。どの敵がどういう攻撃をしてきて、何に気を付けて戦わないといけないのかを考えるのは、わくわくします)でも、そうではない仕事でも自分から首を突っ込んでいくと、意外な所で面白さを見つけることがあります。

私は初め敵セットに苦手意識があったのですが、やっていくうちにだんだんと面白くなってきて、今では好きな仕事の一つになりました。昔から“物を置く”のが苦手で、自宅にも人形などの飾り物がほとんどありません。そのため、初めはステージのどこに敵を置いても違和感を覚えて、全然作業が進みませんでした。

ただ、しばらく置いたり消したりを繰り返していると自分の中にルールができてきて、「この敵はこいつと組み合わせると、ちょっと戦闘が変わる」といった組み合わせの妙みたいなものが何となく体感できるように。そうすると次は「このタイミングで新しい敵が乱入してくるとどうなるだろう?」といった具合に、色々試したくなっていました。今は組んだセットを人に遊んでもらって、リアクションを見るのが楽しいです。
ただし、敵セット、本当に楽しいのですが、ユーザーと勝負しているわけではないので、「俺の考えた最強のセット」みたいなものをホイホイ置いてはいけません。ユーザーの熟練度を考慮して、たまに倒せるか倒せないかギリギリを狙っていくのが熱いと思います。(かくいう私は「藤田はめちゃくちゃにセットするからな」と言われています・・・)

まとめると、ゲームデザイナーの仕事とはつまり「なんでも屋」です。ゲームに必要なあらゆる要素を、沢山の人の手を借りながら実装し、ゲームを面白くしていく仕事です。何年目かなど関係なく良いアイディアは採用されるので、とてもやりがいがあります。自分から発信していくことばかりなので、いろんなことに挑戦したい人に、特におススメです。知識がないから・・・としり込みする必要はありません。今から身につければいいんです。一緒に頑張りましょう!

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました!

 
fujita私に似ていると。同期にもらった置物の画像です。似顔絵の代わりに・・・
 


>>> 2017年新卒採用エントリーはこちら! <<<
https://www.platinumgames.co.jp/jobs/new-recruits/