making1_Lフレッシュな新人によるフレッシュな新人へ向けたフレッシュな記事をお届けするフレッシュマンブログ。昭和生まれの古びたフレッシュマンICHIによる記事がもうしばらく続きますが、ご容赦ください。

さてゲーム開発者というと、絵を描く人とかプログラムを組む人とか、あと音や曲を作る人モデリングする人? それからゲームのルールを決めたり “急に思い付いちゃって” オマケを増やしてくれるディレクターという人もいるらしい。重要なのはプロデューサーで、この人は怖いもの知らずのディレクターに「スケジュール」という言葉を教えるために居るんだとか――。

とまあ、ゲーム作りにどんな人たちが関わっているのかは、だいたい皆さんもご存じかと思います。でもチーム全体がどういう流れでゲームを作り上げていくのかは、よく分からない方も多いんじゃないでしょうか。
今回はそこのところをザックリと、あらかた省略してご紹介しますので。「何かできる仕事ねえかな?」という気持ちよりも、「この役やりたい!」という気持ちを抱いてもらえるとウレシイな、と思います。
題して「プラチナゲームズ風・アクションゲームのできるまで」(あくまで一例なので、作品によって作り方はある程度変わります。他社とも違う可能性大)。

 
プロジェクトが立ち上がると、ディレクター(映画で言うところの「監督」にあたる役割)を中心とした少人数のチームが結成されます。企画書でドデカイ風呂敷を広げた「ゲームの核になる面白い部分」、これをまず体験できるところまで持っていくのが最初のミッション。仮のキャラクターモデルに仮の音と仮のステージで、とにかく動くモノを作って色々と実験するわけです。

※出典:BAYO Blog(ベヨネッタのデザイン:モーション)

ディレクターやゲームデザイナーがテストプレイをしながら必要な要素を考えて、プログラマーがそれを実装。
新しいキャラクターモデルやアニメーション、エフェクト、サウンドなども必要に応じて制作されますが、この時点ではまだ実験段階なので、完成度は求められません。とにかくスピード重視でドンドン作ってドンドン突っ込む。毎日のように新しい要素が突っ込まれたり消えたりして、一夜明けると「別ゲー!?」みたいになっていることも。
突拍子もないアイデアも、とにかく面白いかどうかを実験してみて判断するので、ある意味これがゲームを作っていて一番面白い時期かもしれません。(※ 面白さが見えてこないと雪山で遭難した気分が味わえます)

しかしあんまり野放図に好きなモノばかり作って遊んでいるわけにもいかない。そのうちプロデューサー(開発チームの人員や予算を管理しています)がブチギレるので、その一歩手前で「何か出来ている感」を出さねばなりません。

おおよそのゲームのルール(プレイヤーには何が出来て、どんな障害があり、どう工夫して先に進むのか)を決めつつ、「ゲームの基本となるステージ」を作るのが当面の目標となります。

例えばアクションゲームなら、ゲームの核となる部分(バトルシステムや基本的な敵との駆け引き、ステージの規模や登場するギミック、ゲームプレイのテンポなど)が一通り体験できるように詰め込まれたステージ、つまりゲーム全体を象徴したステージを目指します。(ゲームプレイのテストモデルとして作られるものなので、そのままの形で製品に入ることはありません。シナリオやゲーム内容が固まるにつれ、大幅にカットされたり改修されていきます)

併せてゲーム全編を通したステージの構成、それらのビジュアルを固めていくためのコンセプトアート制作や、主要キャラクターのデザインなどにも早いタイミングから取り掛かります。しかしこの時点では具体的なシナリオはまだ全くと言っていいほど決まっていません。(こんな事やりたい! こんなステージや見せ場が欲しい! という断片的なイメージから先行して展開が構築されていきます)

やがて制作が進むにつれて、仮で入っていた素材がひとつひとつ「本物」に差し変わっていくタイミングがあるわけですが、それがもう、絵にしろ音にしろ動きにしろ、予想以上のものがゲーム内に出てくるのでテンションが上がる。仲間の頑張りが直に伝わってくるので、自分の仕事にも一段と気合が入ります。(※ 自分の作業が進んでいないと焼け火箸をケツから突っ込まれる気分が味わえます)

自分たちの作っているものがひとつひとつ完成に向かって形をなしていくのは、本当に愉快で嬉しいものです。たとえば主人公のキャラクターはディレクターが考えたものですが、その姿を生み出すのはキャラクターデザイナーだし、それを立体化してくれるのはキャラクターモデラーです。そしてキャラクターに動きを付けてくれるのはモーションアクター(俳優)アニメーターで、実際のゲーム内に表示して戦えるようにしてくれるのはプログラマー。キャラクターの攻撃で衝撃波や爆発が発生するのはエフェクト(特殊効果)デザイナーのおかげだし、パンチの風切りや炸裂音、薬莢が落ちる音などを作ってくれるのはサウンドデザイナー。そしてキャラクターの声はボイスアクター(声優)が演じてくれています。

他にもインターフェイスやステージの背景、カットシーンにBGMなど、すべてのお仕事に多くの仲間が関わっていて、常にみんなが他の誰かと繋がっている。自分の作ったものが他の人の手に委ねられ、さらに磨かれていくわけですから、それを目にするのは本当にありがたいことだし恐ろしいものでもあります。ゲーム制作の醍醐味ですね。

さて、制作はまだまだ始まったばかりですが、思いのほか文章が長くなってしまいましたので、続きは次回にしたいと思います。

ここまで読んでプラチナゲームズでの「ゲーム作りのお仕事」に興味を持ってくださった方、よろしければ以下のコンテンツも、ぜひご覧になってみてください。

 
■つくる人たちの一日(先輩社員の一日の過ごし方)
http://www.platinumgames.co.jp/recruit2016/interview/
■プラチナゲームズ入社体験スゴロク
http://www.platinumgames.co.jp/recruit2014/
■[コミック] 炎のインターン! ~白金芸夢の挑戦~
http://www.platinumgames.co.jp/comic/
■[コンセプトムービー] GAME FOR THE GAME
http://youtu.be/GiSlUyjD_ZM
■働く環境(プラチナゲームズの福利厚生)
http://www.platinumgames.co.jp/#!/item_work-environment/

 
それではまた来週!