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– プラチナゲームズですが、実際入社してみた印象はどうでした?

藤宇:そうですね。――席が近いですよね(笑)。一番初めの席で、神谷さんがすごく近くて。そこでもう「(今作っている)ゲームをどうするか」の話が始まって――。

増尾:重要な話やんね。

藤宇:めちゃくちゃ興味出ました。だから、ほかの人をそんなに “ガン見” とかはできませんけど、仕事をやってる風景とかが見えるんで、楽しみになる情報がその辺に転がっている、っていう感じで。“居て楽しい“ というか、いい雰囲気には感じましたね。

– 増尾さんは。

増尾:プラチナゲームズ、思った以上にすごい門戸が開かれてて、“日本画”っていう全然ゲーム開発と関係ないアナログ畑からやってきても、手厚く研修してくれて「本当にちゃんと一人前になれるんだな」って確信できた、っていうのがあります。それと、本当にゲーム開発と全然関係ない経歴の人――管理栄養士とか、まったく関係ないところからいろんな人が来てて、“いろんな知識が集まってる” っていうイメージもあります。あと、すごいフランクに――自分が絵を描いてたりしたら、後ろから「あ、何それ。いいね」って、先輩とか上司とかがすぐに声を掛けてくる。すごい “あったかい会社” やな、って思いました。

本間:私も、やっぱり “風通しがいい” っていうか、わりと先輩とも話しやすいし、暇なときフラッといろいろ見たりできる感じはすごくいいなって。やっぱり周りで面白いものがいっぱい作られているのはすごく「ゲーム会社に居る価値」というか。居るだけであっちこっちで “いいもの” が見れて、何あれ、とか思いながら過ごせるのはすごい。先輩方みんな、すごいプロのクリエイターばっかりで――当たり前なんだけど、作っているものの完成度がみんな本当にすごい高くて、ちょっと見ただけで「あれすごい」って思えるものを、もう至るところで作っているから、それはすごく刺激になるし面白い。やっぱりゲーム会社いいな、って思います。

劉:僕が感じたのはやっぱり話しやすさですね。部署ごとにみんな自分のことだけやったりする、みたいなセクショナリズムとは違って、全ての人が「このゲームをうまく作りたい」っていう気持ちを持ってお互いの仕事をアドバイスしたりして――。みんな一緒に “力を合わせてゲームを作ってる” というのをすごく強く感じました。自分が今まで全然知らなかったことを、たくさん知る機会もあって、新しい挑戦とか刺激とかがすごく強くて――本間さんが言ったように、ほかの人が作っているものを見たら、「自分もこう作りたい」っていう気持ちも毎日わいてきて、本当に働きやすいというか、ゲームが好きな人だったらここに来れば楽しい、うれしいだろうなと思います。

– やっぱり席が近かったり、パーテーションが無かったりというのが大きい?

劉:はい。あと、同じ職種で固まったりするんじゃなくて、周りにほかの職種の人もいたりするので、今まで知らなかった世界の扉がどんどん開いていきます。

– なるほど。ちなみに今、皆さん実際どんなお仕事をされているんでしょう。よければその中でのこだわりや、やりがいについても。

藤宇:プレイヤーキャラクターのアニメーションとか、新しいシステムの検証用に必要なアニメーションを作らせてもらっていますね。それでまず一番初めに思ったのが、「新人でいきなりプレイヤーキャラのアニメーションを作らせてもらえるのか」と(笑)

劉:それは藤宇君だけだと思う(笑)

藤宇:一番メインとなるシステムは別にあって、そこのアニメーションは先輩アニメーターが担当しているし……たぶん今いろいろなめぐり合わせがあってやらせてもらっている、すごくうれしい状況で。―― “こだわり” としては、プレイヤーキャラクターって「ゲームをプレイしてくれている人が一番操作する」ところなんで、その “感触” を一番気にしていますね。やっぱり触ってて気持ち良くないと……例えば武器の場合だと、もうその武器使わない、とかになっちゃうんで。使ってもらう上で、“それを使うことによって、どう楽しくなるのか” を考えていくのが一番大事なところかなと。なので、そこを楽しませてもらっている感じです。

内定後、卒業制作として作成した3Dモデル。就職前から先輩社員に作品を見て貰う機会があったので、その際の話のきっかけになりました(藤宇)

初めて社内のモーションキャプチャー機材を触らせてもらい、作成したアニメーション。最終的には1から自分でモーションを作り直したものの、貴重な経験になりました(藤宇)

増尾:私はVFXのセクションで、エフェクト(特殊効果)を制作してるんですけど――昔からキャラクターの絵とかを描くのがすごい好きで、ちっちゃいころから設定を考えたりしてたし、それに植物とかも好きなんで、ゲームでもそういう “キャラクターデザイン” とか “背景” のほうに興味があったんですけど、まわり回って “エフェクト” を担当することになりました。新人研修でアーティスト系の全セクションについて一通り教えてもらえたんですけど、その中で「VFXに適性がある」と先輩に言われたのと、自分でもそのときに「すごい楽しいな」と思えたっていうことで、VFXに配属されることになったんです。 “プラチナゲームズのアクションゲーム” として、爽快感を大切にしているゲームにおける “エフェクトの重要さ”、というのをすごく考えて作るようにしていますね。どんな死に方をして、どんな爆発をしたら……敵が「ドーン!」って、どんな飛び散り方をしたらプレイヤーは「あ、気持ちいい!」って感じてもらえるか、とか、自分が攻撃したときに、どんな軌跡が「ザシュッ!」って入ったら “斬ってる感” が生まれるか、とか。VFXはアクションゲームの気持ちよさにすごい関わってくるものだな、っていうのを初めて知って――。“エフェクト” って、入社するまで注目してなかった部分だったので、やりがいをもって楽しんでやれるか、最初はすごい不安だったんですけど、そんなの全然! 不安も吹き飛ぶぐらい今は楽しいです。

本間:私はコンセプトアーティストとして働かせてもらっています。配属されて最初に感じたのは、コンセプトアーティストっていうのはすごい上流――いわゆる「ゲーム制作の中で最初のほうに仕事があるセクション」なんだな、ということで。だから、ディレクターとかと話し合うのはもちろん大切なんですけど、そこからまたその次のセクション、次のセクションへと、どんどん下流のセクションに成果物が流れていくので、上流のセクションだからこそ、下流のセクションに対して配慮を利かせたデザインを作ったり、分かりやすいように構造をちゃんと立体的に考えたり、メモを付け足したり、っていう気配りが大事だなと――。ただデザインをするだけじゃなくて、そのゲームをより良くするために、ほかのセクションにとっても、スムーズに仕事を進めやすいデザインを作るような心掛け。それを、最近少しずつ意識できるようになってきました。

デザインをする上でのこだわりについては、やっぱりそのキャラクターを見たときに “その世界観とか、そのゲームならではのデザイン” っていうのを感じられるようにすることで、そのための努力はしてます。“このゲームだからこそ、このデザイン” でなくてはいけないと思うし、そのキャラクターを見たときに「あ、あのゲームのあれだね」ってすぐ分かるような、印象深いキャラクターを作れるように努めてます。――それがすごく難しいんですけどね(笑)。そのためには本当にたくさん、物事、情報を整理して、ディレクターと打ち合わせしたり……かつ、ゲームデザインと世界観、両方理解していなきゃ、そういうものはできなくて。ただ自分の描きたいものを描いてた自主制作のころとは全然違って、本当にそのゲームのために、“このキャラは何のために必要なのか、何を表現したいのか” っていうのを常に意識して――必ず表現できるように努めてます。

劉:僕は今、キャラクターモデリングアーティストとしてNPCのキャラクターモデルを作ってます。ちゃんと説得力があってリアルで、ゲームに入れても違和感ないモデルを作る、っていうことがすごく楽しいです。やっぱり2Dのデザインから3Dモデルにするにしても、デザイン画そのままで作っちゃうとゲームの中の世界に合わない、みたいなことがよくありまして――そこから自分の考えで「こうしたらもっとゲームに合うかな?」とか、そういう工夫をする機会がたくさんあるのが、すごく楽しいです。

実際、自主制作のときと比べて違うところは、やっぱり今作っているものだけを考えるのではなくて、前工程のセクションの人とか後ろの工程のセクションの人と、いろんなやり取りをしないといけないときがあることで――もちろんゲーム全体も考えて。なので「このキャラクターはどういうモーションをするのか」アニメーターの人と相談したり、「ここのディテールはどんな感じなのか」コンセプトアーティストの人に相談にいったり、さらに「ゲーム全体の世界観に合ってるかどうか」そういうことをゲームデザイナーの人に相談したりするチャンスが毎日あって、実際に “ゲーム制作に参加してる” っていうことを本当に実感できます。

本間:そういえばコンセプトアーティストのやりがいの1つに、ディレクターの要望を聞くだけじゃなくて「自分が考えた “このゲームにこんなのがあったらもっと面白いよね” っていうアイデアを特に言いやすい」というのがあって。「このゲームをより面白くするためには、絶対このキャラにこれがあったほうがいいよ」っていう意見を言えるのは、直接ゲームを面白くするために関われる方法なので、とてもやりがいを感じるし、それはすごくいいな、って思います。

– なるほど。アニメーションもそうですよね。

藤宇:そうですね。基本的にアニメーターはフローの最後のほうに作業をするところだったりするので、例えば「手で攻撃してくれ」って言われて作ったモーションに、後から「もう一手追加したい」ということになったとしても、比較的後工程への影響が少ないので、変更が間に合う余地もあったりして――そこはアクションのゲーム性にも大きく関わりますし、ゲームのアイデア出しにも深く関われるセクションでもあるというのは、楽しかったりするところかなと。

– なるほど。学生時代にゲーム制作を経験したことがなかった方は、実際に仕事としてゲームを作ってみたら、思ってたのとちょっと違ってた、っていう話も、わりと出てきましたね。

増尾:ただ作るものじゃなくて、“コミュニケーションがめちゃめちゃ大事” だなっていうのは実感した。

本間:そう。ゲーム制作の流れがあるから、その流れを常に意識して作っておかないと、あとで大変なことになる、っていうのは最近すごく学ぶ……。“修正しやすいデータを作っておく” 。

増尾:“後のことを考えて作る” 。

本間:(後からでも)対応できるように、今までとは “頭の別のところ” を使って考える感じ。キャラクターの設定だけじゃなくて、“仕事としてゲームを作るために、もっと効率よくするためにはどうすればいいか” とか――。

藤宇:僕の場合、学生時代にゲームを作ってた経験との差は結構ありまして。

– そうなんですね。

藤宇:一番大きなのは、“人数が違う” 。学生時代は8人ぐらいだったんで、「こういうのがやりたい」って言っても、プログラマーの人も学生だし、人も少ないから、ちょっと実装が厳しかったりもしてたんですけど、会社に入ったらプログラマーの人も多いし、僕が作ったモーションもプログラマーの先輩にすぐ実装してもらえるし、何か「やりたい」って相談しても「こうしたらできるから、いいよ」と引き受けてくれるとか、やれることの自由度がすごく高くてびっくりしました(笑)

劉:それ、共感できます。“先輩たちのサポートがすごい” っていう。学生時代は「こう作りたいけど、自分の技術が足りない」とか、「周りの人に聞いてもみんな分かんない」とか、よくあったんで。今は基本的に、質問したら「あ、できますよ」って。こういうサポートがもうすごく、心強い(笑)。いろんなことができて、自由度が高い、って感じますね。

本間:逆に私の場合、コンセプトアートだから、「これはできないんじゃないの?」って言われることがあって(笑)。それでも頑張って「そこを何とか、したいんですけど――」みたいな相談は、つねに。

– 本間さんのほうから、無茶を言う感じですか。

本間:無茶を言って、先輩から「それ難しいんじゃない?」っていう。でもそこから「あれならできるかもね」っていう話が出てきて、違う方法で補ったり、工夫したり。“なんとかして実現しよう” っていう感じではありますね。

– 面白くするためのアイデアを取りこぼさないように。

本間:そうですね。

– コミュニケーションという意味では “メンター制度*” というものもありますけど、仕事以外でも先輩とは話ができている感じでしょうか?
*新卒社員の一人ひとりに先輩社員のメンター(相談相手)がサポートに付く制度。基本的に週一回程度の頻度で “好きなことを話していい“ 対話の時間(会話の内容は守秘される)を各自設けている。プラチナゲームズのメンター制度は「経験を積んだ先輩(メンター)が、後輩(メンティ)の課題や悩みの解決を手助けし、成長をサポートする」ものであり、社内の信頼関係を築くことも目的としている。

本間:すごくリラックスタイム。癒しの時間みたいになってる。

増尾:VFXも締め切りのスパンが結構短く切られているので、「あ、締め切り、締め切り、締め切り」とか、「クオリティ、クオリティ、ああ、格好いい。うーん、これ駄目」みたいな、そういう緊張した状態から30分間解き放たれる。あと単純に “信頼の置ける先輩が1人いる” っていうのはもう、ものすごい心の安寧につながる。

本間:分かる。

藤宇:僕の場合は席の周りにいるのが、もうベテラン勢ばかりで(笑)。取締役の方とか普通に近くに座ってるんで、ちょっと――。

– プレッシャーが。

藤宇:プレッシャーがある中、そこまで年齢が離れているわけでもないメンターの人と話せる時間は、だいぶ(笑)貴重な状態になってます。そこはすごくありがたいと。

劉:僕の場合、日本に来てからの生活に関するいろんな疑問、問題も聞けますし、仕事のことももちろん、分からないことがたくさんあっても聞けます。それプラス、僕はそもそもいろんなことをやってる人としゃべることが好きなんです。同じキャラクターモデリングアーティストだけではなく、ほかのセクション、ほかのプロジェクト、ほかのことをやっている人としゃべれる、というのは “心の道がたくさん開く” 感じがするので、毎回いろいろしゃべってます。

– メンターはみんな自分と違う職種の人が付くんですよね。

劉:そうですね。そこがとてもいいと思います。

藤宇:男性は基本的に違う職種の先輩がメンターに付くんですけど、“女性には女性が付く” というルールがあるらしいので――。

増尾:女性は分母が少ない。

藤宇:分母が少ないんで、女性は同じセクションの先輩がメンターに付く場合もあるらしいです。

本間:
でも結構、「今何やってるんですか」って聞くとなんか面白い。また違うこと聞けていいよね。

増尾:あ、楽しいよね。分かる。

劉:普段なかなか拾えない情報とか、知らないことも、たくさん知れる機会です。ただ、僕とメンターの先輩はたまたまどちらも “車とかバイク好き” だったので、ほぼほぼ毎回(笑)車の話ばっかりして終わってます。

本間:いいじゃないですか。

増尾:あとメンターの先輩は社会人としての経験がすでにあるので、そういう経験からのアドバイスとか、時間の使い方、会社でどうしていくかとか、本当に身になるアドバイスをくれるのがありがたい。不安なことは全部聞いてくれるし、なんか元気づけてくれる感じ。

– なるほど。ちなみに皆さん、現在目標にしていることはありますか。

増尾:一人前の、VFXアーティスト!(拳を突き上げながら)

藤宇:僕はもう少し “ゲーム内容に踏み込んでいけるようになりたい” なと。アイデア出しとかが、まだうまくできてないんで、そういうところを改善したり、思い付いたことをちゃんと人に伝える能力を磨いて、話し合いで自身のアイデアをうまいこと入れられるようになっていきたいな、っていうのが目標かな。特に今の僕の立ち位置は、チャンスが大量にある状態なんで、そこも活かしていきたいなと思っています。できるかはちょっと……頑張ります。

増尾:いけるいける(笑)。私もいろんなセクションの人とコミュニケーション取って、いろんなところに首突っ込みたいな、っていう気持ちがすごくあって――。背景の、植物とか自然物とかも大好きで興味あるし、キャラクターのモデルとかにも興味あるし。いろんなところで話し合いながら、いろんないいものを作れたらな、ってすごく思います。

– プラチナゲームズみたいな環境だとやりやすいですからね。

増尾:もうそれが推奨されてて、「どんどん来いよ! 新人来いや!」っていう環境もすごい、ありがたい、って思います。

– 本間さんは。

本間:やっぱりコンセプトアーティストとしても、ゲーム作りをする者としても、ほかのセクションのことをもっとよく知って、“何がどう作られてる” とか、そういう技術や仕事の流れとかも知りつつ、ゲームの作り方をもっと学んで、より面白いゲームを作りたいと思いますね。あとは、やっぱコンセプトアーティストとして、ゲームをより良くするための発想力とか表現力も大事なんですけど、“面白いデザイン“、“印象に残るデザイン” も、たぶん感動の1つのきっかけだと思うんで、そういう “いいものを作って人を感動させられるようになりたい” ですね。頑張ります。

劉:僕はもう、これからの目標はさらに自分の技術を高くして――で、“ゲームの主人公を作りたい” です。みんながコントローラーで実際に触って走らせる “プレイヤーキャラを作りたい” っていうのが、今の目標です。

– では最後にひと言ずつ、今就活してる学生さんに向けてメッセージをいただけますか。

本間:ゲームを作ろう。

藤宇:「ゲームを作ろう」は大事だと思います。ほんまに。“作ったから分かること” が、のちのちに絶対関係してくるんで、絶対要るかなって。個人的に一番思うのは、「自分は何が好きか」っていうのをはっきり言えるようになって欲しい。はっきり言えて、それが伝わるものさえできれば、絶対、企業の誰かは見てくれて、見た中の誰かが絶対その話をしに来てくれたりするんで。好きなことを突き詰めて、“好きなことを人に見せられるようになる” のは一番大事。それができれば、ゲーム業界に入れるんじゃないかなと思ってます。

増尾:日本画とかファイン系とか、そういう出身をまったく気にしなくていい、っていうのがプラチナゲームズのいいところかな、ってすごく思います。 “いろんなことやってきた人たちの、いろんな好きなもの” を、ちゃんと「好きなんだね」って言って見てくれる。そこのクオリティをちゃんと見てくれる、っていうか。だから素直に――自分を偽ったらもうバレるんで。思った以上に。――自分の好きなことを好きなだけ、好きなふうに、「こんなふうにやってきました」って素直に自分を出したら、「おまえ、面白いじゃん」って言ってくれる会社だと思います。就活生の皆さん、頑張ってください。ファイン系の人も頑張ってください。以上です。

本間:やっぱ自分が “何を好きか” とか、“何を表現したいか” っていうことを真剣にちゃんと持ってないと、やってけないと思うんです。結局、入社したとしても “ゲーム会社でどんなものを作りたいのか” とか、“何がしたいのか”、“自分の好きなものはこれだ”、っていうのがないと、たぶんつらくなってきてしまうと思うんで。私、今やってる仕事でも、結構「ああ、駄目だあ!」って思うんですけど、でもやっぱ「ああいうの作りたいから頑張ろう!」って思える情熱というか――。“好きなものがちゃんと自分で分かってるから、それを作るために努力ができる” っていうところがあるんで。“自分は何が好きか、何を表現したいか” っていうことは必ず持って。それがあれば本当になんでも、必ずそれは伝わるはずなんで。逆に好きなものがない人の作品を見ても、何も伝わってこないんで、たぶんそれが全てなんで、本当にちゃんと自分の好きなものを。――あとポートフォリオは何回もちゃんと、直そう(笑)

増尾:それな。

本間:私、まじで、たぶん、面接3日前までポートフォリオ印刷してたから。

増尾:分かる。

本間:何回直したかな――20回ぐらい、20回以上はたぶん直してるから――。それぐらい、1回自分の好きなものを整理したり、突き詰めたり、「もっと伝えるためにはどうしたらいいんだろう?」っていうことをきちんと考えれば大丈夫だと思います。

試行錯誤していたポートフォリオの表紙。これは途中経過のものです(本間)

増尾:ただ並べるより、自分の好きなものをどんなふうに伝えたいかとか、伝わり方を考えて作ったほうが絶対に伝わる。

本間:だらっと並べるんじゃなくて、ちゃんと「見た人にこれは伝わるのか」っていうのを本当に考えないと、あんまり意味がないものになってしまうんで、気を付けましょう、っていう話です。

藤宇:アニメーター志望の場合はデモリールが肝なんで、今言われてたポートフォリオのこととは逆になるかもしれないんですけど、ポートフォリオよりも “デモリールにちゃんと集中したほうがいい” と思う。

本間:伝えるために最適な手段を取ったほうが一番いい、本当に。

劉:僕が就活してきた経験からしたら、まず自分の作品が「今、クオリティ低いから出せない」とか尻込みしなくてもいいと思います。プロから見ると、学生の作品のクオリティが低いのは当たり前なんで(笑)――自分の作品で自分がどれだけ時間を掛けてどのぐらい成長したのか、それを見せれば問題ないと思いますので。「今のポートフォリオ、まだ良くないな」とか、「レベル低いな、応募やめようか」とか思わなくていいです。
あと僕は外国人ですが、もし志望者の中にそういう留学生がいたとしても、本当にプラチナゲームズには、いろんな国の人がいて、いろんな文化が混ざって、すごく居心地いい、文化の壁を感じないグローバルな会社ですので、心配は必要ないと思います。

以上、今回は新人アーティスト4人による座談会をお届けしました。前回を上回る大ボリュームになりましたが、お楽しみいただけましたら幸いです。

さて、次回は――……。実は次回も、新人アーティスト座談会です!
今回紹介しきれなかったアーティスト職、エンバイロメントアーティストや、UIアーティストも含めた4人による座談会をお届けする予定となっておりますので、楽しみにお待ちください。
それではまた!



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