サウンドデザイナーの妹尾です。

■自己紹介
私はもともと音にまつわる仕事がしたいと思い、舞台の音響を専攻していましたが、そこでクリエイティブな仕事に興味を持ち、ゲーム業界を目指しました。大学卒業後は色々な経緯を辿り、2016年に前々から憧れていたプラチナゲームズに入社しました。

今回は初ブログですが、プラチナゲームズのサウンドデザイナーの仕事を簡単に紹介したいと思います。どうぞよろしくお願いします。

■自席について
皆さん唐突ですが、ゲーム会社のサウンドの席って、パーテーションで、周囲から仕切られているイメージってないですか? いえいえ、プラチナゲームズのサウンドはまわりから仕切る、パーテーションは一切無いのです。パーテーションがあった方が音を作るのに、集中できたりするのかもしれませんが、実際は特に無くても集中できます。まわりとのコミュニケーションがとりやすくて、個人的にはこっちの方が良いですね。それにフロアが奥の方まで見渡せるので、気持ちが良いですよ。

■サウンドデザイナーの機材(ヘッドフォン、ソフト音源)

まずはサウンドの仕事で使用する機材についてご紹介しましょう(今回は自席の機材のみの紹介とします)。

以下の写真は私の自席です。(ザ・シンプル!)

特にヘッドフォンやイヤフォンは、これが無いと仕事が出来ないので、必須の持ち物です。自分のヘッドフォンはソニーのMDR-Z1000という機種で、自分の中では最高のヘッドフォンです。面接の時に「ヘッドフォンは何を使いたい?」と聞かれ、この機種を即答すると、なんと会社で買ってもらえたのです! 出社初日に机の上に置かれていて、テンション爆上がりでした笑

サウンドは毎日装着して仕事をするわけですから、サウンド職を志望する人はマイベストヘッドフォンを見つけておくことをお勧めしますよ。

さらに、この写真の中央には鍵盤がありますが、これはMIDIキーボードというものです。これ自体音は鳴りませんが、DAWソフト内で音源を立ち上げ、鍵盤を叩くと音が鳴ります。鍵盤ということは、音楽を作るの?と思った方がいるかもしれませんが、いえいえ、サウンドデザイナーの主な仕事はゲーム中の効果音を作ることです。

効果音は素材をもとに組み合わせたり、エフェクト加工したりして、作り上げていきます。その元となる、素材はどこから引っ張ってくるのかというと、大きく分けて3点。ライブラリー(素材集)や、フォーリーで収録した素材、そして最後に、ソフト音源(シンセサイザー、サンプラー)から作る手法があります。つまり、サウンドデザイナーのPCにも、音源が入っているわけで、音を効率良く確認するために、このMIDIキーボードが必要なのです。今のサンプラーは音が良いので、ドラム音源を立ち上げて、鍵盤を叩くと、リアルなドラムを鳴らすことが出来て気持ちが良いですよ…、って遊んではないですよ、音の確認をね、しているわけです。

■お仕事紹介(ボイス制作)
さて、サウンドデザイナーのお仕事について、具体的に紹介していきたいと思いますが、今回はボイス制作について軽くお話しします。「ボイス」と聞くとキャラクターの声をイメージするかと思いますが、今回はボイス制作の中でも、クリーチャーボイスと呼ばれる、敵キャラの声についてのお話です。

主人公などのプレイヤーキャラは、プロの声優を起用することが一般的ですが、モブキャラや、ザコ敵などはスタッフの声を収録し、その素材を加工して使うことがあります。もちろんすべての敵キャラがこの手法ではないのですが、収録した声の方が、キャラの個性付けが容易だったり、バリエーションを複数作ることができ、何かと効率が良かったりするのです。奇声をあげてもらったり、獣のような唸り声をだしてもらったりと、多数の方に協力してもらい、とっても良いボイス素材を頂いています。

もちろん自分の声も録りますよ。一時期カラオケに行った帰りのように、常に声がガラガラの時もありました。クリーチャーボイス制作はキャラに個性を付けるわけなので、決して簡単な作業ではないです。OKをもらうのに時間もかかります。それでもバッチリハマった時や、声を聴いて楽しんでもらえたときは、本当に嬉しいです。辛かったことがすべて吹っ飛び、次を作るモチベーションになります。自分は、サウンドデザイナーの仕事の中で、クリーチャーボイス制作は難しいけど、やりがいのある仕事だと感じています。

最後に、プラチナゲームズに入社を希望されるすべての職種の方へ!
アニメのキャラクターのモノマネが得意、動物の鳴き声が得意、声で何かの効果音が出せるなど、声にまつわる特技はサウンド的に大歓迎です!(採用で優遇されたりはしませんが……)入社されたら、是非サウンドまでお声掛けください、採用されればアナタの声がゲームに載っちゃうかもしれませんよ。




senoo妹尾拓磨 Takuma Senoo
2016年プラチナゲームズ入社。サウンドデザイナーとして、現在はゲーム内における、敵、プレイヤー、UI等の、効果音およびボイスの制作、実装を担当している。