はじめましてプログラマーの三條です。
いきなりですが、実は私はほかの同期とは違い、かなり遠回りをして入社しています。具体的には栄養士として病院給食を管理した後、プログラムの専門学校に通って入社しました。今日はそんな私が就職の時に自己PRとして作成した就職作品についてお話ししたいと思います。皆さんは就職作品と聞いてどんなものを想像しますか?アクション?RPG?

私が就職作品として制作したゲームは、おもちゃの車が部屋の中を走って遊べるゲームです! うわぁ(*▽*)いきなりわかりにくい。とにかく『スーパーマリオサンシャイン』や『スーパーマリオギャラクシー』のように1つのステージで遊びまくれるゲームを作りたいと考えました! なぜか車で!! 今考えると何がしたかったのか、自分でもわからないですね。

でもね! 聞いてください! これには深い理由があるんです!! そう……あの時期の私はものすごく焦っていました…… というのも、通常学校では8月頃から就職作品を作り始めるのですが、何と私が作り始めたのは10月末! 学校の中間発表が11月末! とにかくもう作り始めるしかありませんでした。なんでこの時期になってしまったかは、もし別の機会があればお話ししたいと思います。決してサボっていたわけではないんです!! ただ……就職とは関係のない作品制作が楽しすぎて夢中になっていただけなんです! 私は無実です!!

というわけで、この時の私は「制作期間もかなり短いし、自分がそこまで興味の無い、あまりこだわらずに済みそうなジャンルにしよう……作ったことないけど車だったらアニメーションとかもないし、時間なくてもなんとかいけるっしょ!ハハッ!」とかなり後ろ向きな理由での作品選択をしてしまったのです。

そんな出だしではあったものの、まずは中間発表までに最低限の機能は必要でしょ? え~っと当たり判定と~ゲームのオブジェクトを管理するシステムと~、という感じで、とりあえずはじめのうちは実装もどんどん進み制作も順調でした。車も動くし! ステージとなる部屋にも家具を置いていい感じ! しかもしかも車が家具とかから落ちる挙動をうまく表現するために物理エンジンも入れたし!! レイ判定(当たり判定)もばっちりじゃーん! でもなんかおかしいな……何かが……!? と思いながらも中間発表会を迎えます……

先生「へ~まぁいいんじゃない?(。´・ω・)車もかわいいし。
  ただこれってゲーム? 何するのが目的?
ぼく「はい?」
先生「いや、車がちゃんと走れるのは分かったから何が目的か教えて」
ぼく「…」
ぼく「……」
先生「?」

ゲームにするのを完全に忘れてた!!!

それからというものコインを取らせてみたり、部屋にいるロボットに体当たりしてボーリングみたいにしたり、いろいろと試しましたがなかなかおもしろいゲームにできないまま、非情にも時間は過ぎていきました。もうこうなったらとにかく作ってて楽しい、自分のこだわりが出せる部分を進めまくるしかない! と方向転換をして作品を制作していくことにしました。

お気づきの方も居るかもしれませんが、制作をはじめる時と言っていることが逆ですね……。実は作品の質を一番上げることができるのは、自分のこだわりがある部分だったんです。就職活動中にプラチナゲームズの(今は先輩社員である)方にも作品を見ていただく機会がありましたが、ここの動きが良いね! おもしろい! これいい感じだけどどうしてこうしたの? 等、私の細かいこだわりを説明したわけでも無いのにすぐに気づいてくれていました。

ゲームルールはゲームの面白さを表現するのにとても大事ですが、ゲームの面白さを表現できる部分は、ルールだけではなくゲームのあらゆる所にあるということも、就職作品制作を通じて強く感じた部分です。

就職作品は文章や言葉で説明すると嘘っぽく聞こえたり、表現しにくいところを、しっかりと紹介できるとても便利なものだと思います。ゲーム会社だからこそ出せる履歴書のようなものです。

会社に入ったらこんな仕事を任せてほしい! 
ゲーム制作のこういうトコロを作るのが好きなんです!

と就活ついでに作品でアピールしちゃいましょう。

これからプラチナゲームズへ向けた就職作品を作るなら、とにかく作品にはありったけのこだわりと情熱、自分自身が楽しんで作っていることが分かる物をつめこんでほしいです!

そして、その為に一番作りたい、自分がこだわれる部分をありったけ詰め込める大好きなジャンルを是非選んでほしいです!!

とにかく就職は大変かもしれませんが、作品は肩ひじ張らずに色んな人に見てもらってワイワイ言いながら、こだわりまくって楽しんで制作していってください~!





sanjo三條明寛 Akihiro Sanjo
2017年にプラチナゲームズにプログラマーとして入社。現在は新規プロジェクトの開発ツール等の作成を担当しています。