みなさんはじめまして、新人アーティストの横山と申します。
エンバイロメント(背景)セクションに配属されています。

面接でも背景がやりたい、研修中も背景がやりたいと言い続け、ついに念願の背景制作専門のエンバイロメントアーティストとして仕事ができるようになりました。

そんな背景一筋の私ですが、「背景やりたいの?珍しいね。」と言われることも度々・・・。

折角なので、この場で語らせて頂きましょう!

もう「やっぱりキャラが花形でしょ」とは言わせない!
画面の8割を埋め尽くすのが背景です!

今回のフレッシュマンブログは、ゲーム背景の魅力について少しだけ語らせて頂こうと思います。
どうか最後までお付き合いください。

 

■背景って?

まず「背景」といってもなんか漠然としていますよね。
どっからどこまで背景でしょう。

動いてるキャラクターとか、煙やキラキラ光るエフェクトとか、体力ゲージみたいなUIとか・・・そういうの除けば大体背景です!

・・・ということは、
それだけ画面に占める割合が多く、ゲームそのものの印象に大きく関わってくるのです。
「あのゲーム、なんだか見ていて気持ち良かったな」と思い当たれば、是非、その背景をじっくり見てください。
一見すると引き立て役の裏方ですが、とーっても大事なものなんです。
(決して、ずーーっとタイヤとか椅子とか作ってるわけではないですよ!)

 

■キッカケ

そんな背景ですが、どうにも興味を持つ機会って少ない気がします。

自分が背景に興味をもったキッカケは、学生の頃3DCGに触れて、映像作品や簡単なゲームを作っていたときでした。

それまでロボットがとにかく好きで、美大受験ですらロボットの絵を描いてしまうくらいでした。
ところが、そんなロボットが出てくる作品を作っていると、真っ白な背景じゃ物足りないと思うわけです。

右も左もわからずに、雰囲気よくなれー!と好きな風景を画面に突っ込んでいくと・・・

ただそこにロボットが居るというだけだった画面に、なんとも物語を感じさせるような密度が、ギューっとでてきたではありませんか!!

たださびれた椅子にロボットが座っているだけでも、
なぜこんなロボットが居るのか、なぜそんなさびれた椅子に座っているのか、何を想っているのかと、
どんどん想像が膨らんでいくのです!!

これが背景の力に気がついた瞬間でした。

 

■魅力

ところで・・・、

もしあなたが、深く爽やかな晴れの日、青々とした緑の山に行って、透き通った綺麗な川で遊び、燃えるような美しい夕日を見たとします。

それはとても気持ちの良いものではないでしょうか?

もしくは、もう一度だけ行ってみたい、思い出の場所でも良いでしょう。
そんな心地の良い場所を自分の手で作り出せるとしたら、どうでしょうか?

背景というのは、何かを引き立てるだけのために作らされるものではありません。
自分が最高に気持ちが良いと思える場所を作り出せるのです!(しかもお金がもらえる)

あなたが旅先で「ここはなんて美しいところなんだ!」と思うことがあれば・・・、

オーケー、合格です。背景を作りましょう。

 

yokoyama大学で展示したリアルタイムの3DCG作品です。初めてガッツリ背景作ってみよう!としたものです。
この風景の中を、コントローラで自由に歩き回ることができます。

 

■ゲームならでは

背景を作るだけならゲームでなくともできますが、映画やアニメなどの映像と、ゲームが大きく異なる点はリアルタイムであるということです。

動画として既に最初から最後までアングルが決まっている映像作品と異なり、ゲームはプレイヤーが干渉することで進行していきます。

プレイヤーは、その世界を自由に歩き回り、自由に見渡すことができます。
その世界に干渉をして、何らかの変化を起こすこともできます。

ゲームにはそういった、自分の手で操作することによってこそ得られる、とても直感的な感動があります。
それこそ、気持ちの良い風景の中を、ただ歩くだけでも楽しく感じてしまうのです。
(実際、風景を歩くだけのゲームというものも増えてきており、一部でウォーキングシミュレーターとか言われていたりします・・・もはやゲームでない・・!?)

また、特にプラチナゲームズのゲームでは、ひとつの戦闘中ですら同じシーンとは思えないほどに、背景が変化することもあります。
これがゲームをぐっと盛り上げて、心を揺さぶってくるものなのです。

これはもう、言葉では説明できません・・・。
ゲームの感動は、ゲームという媒体そのものを通してしか伝えることができないのです!
是非、自分の手で遊んでみて下さい。

 

■入社してみて

余談になりますが、新人の3DCG系の仕事といえば、なんかタイヤか椅子みたいな小物を延々と作っているイメージでした。

安心して下さい。いや覚悟して下さい(?)。
配属されて一ヶ月後には、既に2つのステージと2つのボス戦を任されていました・・・。

本当に自分がクオリティを出せるのか、これでいいのかと不安でしたが、自分が思ったイメージを自由に作らせてもらえて、とてもやりがいがありました。

これは作品の規模にもよりまして、今は大きなステージの一部を作っていますが、それはそれで一人では絶対に作ることができない大きなものを作っていくワクワク感があります。

物量の大変さはありますが、背景を作ることは楽しいです。
そして、純粋に見ていて気持ちが良いものです!

この記事を通して、少しでもゲームの背景に興味を持って頂けたら幸いです。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。
それでは。
 


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