プラチナゲームズ代表の佐藤です。

6月に入りましたがみなさんいかがお過ごしでしょうか?

プラチナゲームズは会計年度のスタートをこの6月に置いています。つまり今月から会社としての新しい1年を始めます。年度の方針や目標を設定するのがこの時期。先日の全社ミーティングで今期のキーワードを「Growing Up」とすることを全社員に伝えました。「社員の成長なくして会社の成長はない」というごく当たり前のメッセージかもしれませんが、いまプラチナゲームズは、自社タイトルを自分たちの手で世に送り出そうという、新たな目標に向かってチャレンジをしている最中です。新しいチャレンジには、苦難はつきものです。苦難を目の前にして、慌てることなく、社員全員がそれぞれの与えられた立場、役割の中でいかに成長できるか、その成長の積み重ねが会社を成長させ、その苦難を乗り越えることができるということを社内に対して伝えました。それがこの6月です。
ゲーム会社は良いゲームを生み出すことで評価されると思いますが、同時に、それを継続的に生み出せるかどうかという点も重要です。良いゲームを継続的に生み出すためには会社の体調管理が必要で、そのためにやっているのが1年間の目標設定ですから、この6月は気合が入ります。
1月はお正月。新入社員が入社する4月。そしてこの6月。1年の始まりのセレモニーが3回あることになりますが、この6月こそ会社としての新年スタート。さあ今年もがんばるぞ、といったところです。

日本では多くの企業が4月始まりですが、当社が6月を開始月にしている最大のメリットは「忙しさの分散」です。いわゆる「期末の忙しさ」というのが日本の一般企業では3月にやってくるのですが、当社ではそれがありません(もちろんそれは5月にやってきます)。3月は新入社員受け入れの準備の時期。この準備により注力して、準備万端で4月に新人を迎えることができる、というわけです。
ゲーム開発は人間がやることです。人材に関することは優先順位をあげて行動していきたいと思っていますが、いまのところこの「6月スタート」は効果をあげており、いい感じで当社に定着していると思っています。

さて、6月に入ったということで一番気になる世間の話題は「東京オリンピック」です。いよいよというか、もう、来月に迫りました。コロナ禍のため開催そのものに不安があり、連日いろんな立場からいろんな意見が聞かれるのはご存知のところです。「中止すべき」という意見もあります。
これほど気持ちをどう持てばいいのかわからないオリンピックは初めてではないでしょうか。古い話で恐縮ですが、過去日本が参加しなかったモスクワオリンピックのときは、「不参加なら不参加でしょうがないね」と、残念ではあっても理解はできたと記憶しています。今回、もし仮に「中止」となった場合、多くの人の心の中は非常に難しい状況になってしまうと思います。一方、対策が不十分な状態でオリンピック開催ということになると、何が起きるかわからない得体のしれない不安があります。

冷静に考えたいのは、「2021年7月23日に東京オリンピックを開催する」というのは現時点で唯一の結論だということ。そして、オリンピック以外のスポーツの国際大会は今年に入ってからも世界中でいくつも開催されているということです。もちろん十分な対策をしたうえで。
エンターテインメント業界にいる者として、そして日本に住む者として、東京オリンピックはぜひ開催してほしい。スポーツが人々に活力をくれるのは、この1年でよくわかったことの一つです。ぜひ、じゅうぶんな対策をしたうえで、安全な東京オリンピックをやりとげていただきたいと思います。
ゲーム会社としては、人々に活力を与えるような「ゲーム作り」に勤しみます。

ではまた。

 

佐藤賢一
代表取締役社長

1962年 東京都生まれ。
1986年に株式会社伊勢丹に入社後、1996年にゲーム業界に転身。株式会社セガ・エンタープライゼス(現:株式会社セガ)にて、ドリームキャストのマーケティング業務に携わったのち、2000年に株式会社キャビア(現:株式会社マーベラス)の設立メンバーとして招聘され、会社運営全般の業務に携わる。2006年に有限会社ODD(現:プラチナゲームズ株式会社)を設立。取締役/管理本部長として、経営部門全般の責任者を務め、2016年4月代表取締役に就任。