こんにちは、VFXアーティストの佐々木です。ベヨネッタ3では主にプレイヤーや敵などのバトル周りのエフェクトを担当させていただきました。今回はベヨネッタ3の主役とも言える魔獣と今作の敵であるホムンクルスのエフェクトを一部取り上げて紹介させていただきます。

 


魔獣の召喚/消滅のエフェクト


最初に、魔獣の召喚/消滅のVFX(エフェクト)について紹介させていただきます。

プレイされた方ならご存知の通り、今作の魔獣は前作までとは違いプレイヤー自身が自由自在に操作することができます。しかも、必殺技などで発動し操作できるのではなく・・・広い場所ならいつでも自由に召喚可能です。

魔獣という大きいものをいつでも出し入れできる・・・ゲームとしてはとても面白いですが、これを操作するプレイヤーが違和感・ストレスなく操作できるようにしないといけません。

・・・大変。

ですが自分の中で試行錯誤していい着地をできたと思います。

今回は数多い魔獣の中から、ゴモラを例に紹介させていただきます。

■魔獣の召喚

ではまず召喚のVFXから。

魔獣召喚時のVFX

いかがでしょうか?

魔法陣を中心に髪の毛のようなエフェクトを勢いよく出し(※1)、今回は主体となる血の池(※2)のような魔界へのゲートから出るようになっています。

(※1)動画では灰色ですが、召喚者の髪色によって変化します。
(※2)この血の池と飛び散る血柱はVATという(VFXで作るモデルのようなもの)でできており流体感に一役買ってます。

血の池のようなエフェクト

開発環境で血の池のみ表示

魔獣召喚のVFXは勢いを大事にしつつ完全にゲームの邪魔にならないように注意しました。

魔獣の召喚は魔法陣から魔獣が登場するアニメーションもあり、勢いよくかっこよく登場しますね。VFXもそれに合わせて作れるので、ある意味やることが明確で助かりました。

今作数多くいる魔獣ですが、登場の演出もそれぞれ個性豊かです。ゴモラは地面で召喚した場合、地面から勢いよく這い上がる登場の仕方をしますが、空中で召喚した場合は上から落ちるように登場します。飛行可能な魔獣はまた違った演出があったりなど、プレイヤーを飽きさせないものとなっておりますので、各魔獣の召喚演出はぜひ注目して見てみてください。

ゴモラを空中で召喚すると上から落ちるように登場する

■魔獣の消滅

お次は魔獣消滅のVFXです。

魔獣消滅は召喚とは違います。決まったアクションで出現する召喚と違い、消滅は魔獣がどのような状況で消滅するかは決まりがありません。

攻撃中かもしれないし、待機中かもしれない・・・魔獣がどのような状態でも汎用的に”魔獣さん”にはお帰りいただかないといけません。

魔獣のように画面に大きく映るものを違和感なくかつなるべくかっこよく消滅させたい・・・そう考えながら作成した消滅エフェクトがこちらです。

魔獣の消滅(上から下に消滅)

これだけではわかりずらいので、実際のゲーム中で使用しているものもご覧ください。

ゲーム中における魔獣の消滅

いかがでしょうか?

ゴモラがどんな状態の時でもしっかりと消えてくれていますね。

今回、魔獣消滅に使ったエフェクトはディゾルブという機能です(ゲームでよく見るモデルがじわぁ・・・と消えるやつですね。)

ただ全身を消していくのではなく魔獣の足元に専用の関節を作ってもらい、それを基準に上から勢いよく消えるようにしています。その時にただ消えるだけでは画面占有率の高い魔獣がいきなり消えることになりますので、画面からみた魔獣の2Dマスクから粒子を発生させ消滅時の気持ちよさを演出しています。粒子もすべてを同じタイミングで発生させるのではなく上から下に消えるのに合わせて粒子の発生も調整をしています。

さらに上から下に消えるだけでは対応できないものには魔獣の中心にむかって消えるパターンのものも用意しています。

魔獣の消滅 別パターン(中心に向かって消滅)

魔獣はみなサイズがバラバラなので、その魔獣1つ1つに対し調整が必要で大変でしたが、おかげで満足のいくエフェクトになってくれたと思います。

 


ホムンクルスのエフェクト


次にホムンクルスの一部エフェクトについても紹介をさせていただきます。

今作のメイン敵であるホムンクルスですが、このホムンクルスたちは人型のホムンクルスが集合してさまざまな形態になっているという設定があります。ホムンクルスの出現シーンなどでも人型のホムンクルスがうごめいているのが見て取れると思いますが、そちらの設定をバトル中にも取り入れています。

それがこちらです。

ホムンクルスがダメージを受けた時のエフェクト

お分かりいただけましたでしょうか?

なんとホムンクルスが大きなダメージを受けた時に体液とともに人型のホムンクルスが飛び散っています。しかもこのホムンクルスうねうね動いており、しかも地面に当たったときに石化して砕けるのです。ディレクターの熱い要望で設定をエフェクトに取り込むことができました。

ホムンクルスというキャラクターの特徴にもなっており、地味ながらも気が付いたら面白いものとなっていると思います。

エフェクト単体の映像はこちらです。

エフェクト単体(ホムンクルスがダメージを受けた時に使用)

 


最後に


以上となります。いかがでしたでしょうか?

VFXというとどんなことをやっているのかパッと思いつかない分野だと思いますが、このようにゲームの手触りの良さに大きくかかわっていたり、設定をきちんと盛り込んだうえで作られていたりします。

どうしてもキャラクターのモデルやモーションなどに目が行ってしまいますが、エフェクトもゲームのかっこよさに一役も二役も買っているんです!ということが伝われば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 


佐々木 哉太
Kanata Sasaki

某特撮作品のVFXに携わった後、2017年にプラチナゲームズに入社。VFXアーティストとして『ASTRAL CHAIN』に参加し、『BAYONETTA 3』では主にPL(プレイヤー)、魔獣、エネミーのVFXを担当。