みなさん、こんにちは。
ベヨネッタがamiibo(アミーボ)』化されることを夢見ているディレクターの橋本です。

今回は前作『ベヨネッタ』でも担当した敵デザインについて少しお話ししたいと思います。(前作の敵デザインについてはコチラ


さて、『ベヨネッタ2』の敵デザインですが、
ひと言で言うと“難産”という言葉がピッッッタリ当てはまります。
なぜ難産だったかと言うと…
① ディレクターでありデザイナー
② 前作でネタを出し切っていた…
③ 天使だけじゃない“悪魔”の存在

ざっくり挙げると、上記のような理由があったからです。

ただでさえ考える時間がないのに、ディレクター業と敵デザインの両立を試みるなんて…ディレクター未経験者の“ノリ”というのは恐ろしいものです…。

さて、話を敵デザインに戻しまして、
まずは前作でデザイン画はあったけど登場が見送られ、2になって復活した天使たちを紹介します!

■ヴァリアンス
kubinashi
通称“首ナシ”天使と呼んでいるこのキャラクターは、豪腕かつ豪快で見た目はかっこいいけどバカな奴というイメージです。
顔の付いている剣自体が本体で、剣からボディをコントロールしているという設定です。
なので、身体は何度壊れても剣を破壊しない限り復活しまくる?と、勝手な妄想をしながらデザインしました。

続いて、“杖”で様々な魔法を繰り出す通称“魔法天使”
■エンラプチャー
mahou
このキャラクターは、仲間である天使の攻撃力を上げたり、体力を回復したりと、編隊の中にいるだけで戦況が変化する存在を入れたら、戦闘がより面白くなるのでは?とデザインしました。

と、ここまでは前作の発想貯金があったので何とかなりましたが…
『ベヨネッタ2』では、前提として「1と2を並べた時に明確な違いがわかるようにする!」ということをコンセプトにしています。このコンセプトはキャラクターデザインだけではなく、全体の色彩やシチュエーション、キャラクターの動きなど様々な部分に手を加えています。

ここからの話になるのですが、
正直、天使のデザインについては前作でネタを出し尽くした感があり、敵は前作の敵+α(当初は悪魔のみを想定していました)をデザインすれば大丈夫かな?と制作を進めていたのですが、考えが甘かった…というか激甘でしたね(笑)
制作が進むにつれて主人公があれだけ様変わりしているのに雑魚キャラクターが前作と一緒…では当たり前に物足りなく感じてくる。
そして、ディレクターとして前作の雑魚に代わる新たな“やられ役”の存在が欲しくなってきました。
結果的には“人型”というデザイン枠を外し、規格外の形状を目指したことで誕生したのが、この“馬天使”です!

■アクセプタンス
uma
ご覧のとおり“人+馬”をコンセプトにした今作のメイン雑魚キャラクター。
ベヨネッタというアクションゲームは敵の攻撃をギリギリで避けることが重要な要素のひとつになっています。同時に敵をデザインする上で敵のシルエットや攻撃を分かりやすくということも意識しなければいけません(この部分はベヨネッタというアクションゲームに限ったことではありませんが…)。今作の雑魚キャラクターは“人型”の分かりやすい要素を残しつつ、ベヨネッタの攻撃が腹にヒットすることを想定し、敵のリアクションが面白くなればと顔を配置しています。
また、全体的な装備や装飾、前作の雑魚であるアフィニティよりも豪華な雰囲気(2なので…)が出るようにデザインしました。

僕はラフ画などを捨ててしまう方なので、“人型”からこの“馬型”になるまでの過程を説明することはできませんが、今回の敵デザインでは一番時間がかかったキャラクターだと思います。
デザインを見たスタッフからは「聖○士○矢?」や「雑魚なのにちょっと大きくないですか?」と様々な事を言われましたが、かなり気に入っているキャラクターです!(キリッ)

こうして、新たな雑魚キャラクター誕生を皮切りに「前作からの天使を一新しよう!」という考えに移行していきます。

次にデザインした重量級の天使たちがコチラ↓

■アーベイン
tecq
パッと見て属性を持っていることと、パワータイプであることが分かるように上半身にボリュームをもたせ両手に鉄球を装備したデザインにしています。ゲーム中では炎と氷の2種類のタイプが存在するキャラクターですよ。

続いて、初期トレーラーから登場しているベリーフ!
■ベリーフ
muchi
シルエットは“左右非対称”で攻撃方法が分かりやすい!がコンセプトの敵キャラクターです。前作では意外と左右非対称の敵キャラクターはいなかったので、デザインもやりやすく、動きや攻撃のネタ(足でグーパンチなど)も考えやすかったキャラクターですね。

前作のマンタ天使のような海の生物っぽい新天使!
■フィデリティ
sakana
今回は水の都が舞台ということもあり、水中でのシチュエーションが多くあるので、水の中と外で敵自体の行動や攻撃パターンが変化すると面白いかも?という形でデザインしました。

最後に、本作でのボス敵のひとりでもあるグラマー!
■グラマー
ryu
コンセプトが竜ということもあり、デザイン面では前作のフォルティトゥードとは異なるシルエットと攻撃方法にすることに注力したキャラクターですね。

さて、ここからはについて話そうと思ったのですが、
かなり長くなってしまったので、悪魔については次の機会にゆっくりお話ししたいと思います!

最後に、ちょっとした小話をひとつ。
じつは今回、とある方にもコラボという形で敵デザインをしていただきました。
E3 2014のトレーラー0:50 あたりに登場している敵キャラクターがそうだったりするのですが…詳細はまたの機会に!

ヒント:その昔、いただいた絵をツイッターにアップしていたり…


>>2の敵デザインについて(後編)<<