はじめまして。
モーションデザイナーのエージローです。

ベヨネッタでは、主に敵担当として、日々、ユーザーの皆さんを熱いバトルへと誘う、敵キャラクターのモーション製作に日々奮闘しています。

過去にも敵担当として様々な作品に関わってきたのですが、やはり、担当した敵は我が子の様な存在で、自然と誰かがプレイしているのを見かけると、ついついプレイヤーではなく担当した敵キャラクター
を応援してしまいがちです。

先日も、ある程度できあがった敵キャラとのバトルを同僚にテストして貰ったのですが、余りに親切設計過ぎたのかボコボコにされる有様でして、あげく同僚の

「弱すぎんちゃう?」

の一言に酷く心に傷を負ったものです。

やはり敵担当としては、ユーザーの皆さんに緊張感かつ爽快感のあるバトルを体験して頂きたいので、いたずらに敵の攻撃を強力にし過ぎる訳にはいきません。

ただ単に強力な攻撃だけをもつ敵なんてストレスにしかなりません。

個人的には、プレイヤーが自身の判断で選択をした結果、プレイヤーの攻撃がヒットしたとか、回避されて逆に攻撃を受けたとか次に取るべき行動を思索できる幅みたいなのがないと、爽快感と緊張感の両立はできないと思ってます。

と、文字にするとなんだか堅苦しい感じですけど、実際には敵が取る行動にちょっとした隙をあえて入れてやるということです。

例えば、ある敵の攻撃を例にしてみましょう。

これが、「今から攻撃を開始しますよー」という予兆行動です。
実際には、ここにエフェクト等がのってもっとわかり易くなります。
ここで、プレイヤーの皆さんには、リスクを取って攻撃をするか安全策として回避で距離をとる等の選択を行ってもらう訳です。
今回の攻撃の場合は約1秒間考える余地があります。

先程の予兆の後に実際の攻撃が繰り出されるわけです。
この時にプレイヤーの皆さんが取った選択の結果が自分と敵のどちらかにとって正解だったかが判明するわけです。

この予兆に関しては、ものすごく調整がデリケートなところで、予兆をわかりやすくし過ぎると緊張感に欠けますし、予兆をマニアックなわかり難いものすると爽快感が欠けてしまいます。

先程の同僚の無慈悲な一言を聞いた直後などは、えてして後者に走りがちです(笑)
ただ行き過ぎると、そこは一緒に調整していくプログラマーのきついお叱りが待ち受けていますので、大抵の場合はいい感じの塩梅に調整されていくのですが。
今回も試行錯誤を繰り返して、いい感じに調整を行ってますので楽しみにしておいてください。

最後に発売までまだまだ時間がありますが、この先店頭やショーなどでベヨネッタをプレイする機会があるかもしれません。
その時にゲームオーバー画面になった時、周りを見渡してみてみてください。
ニヤニヤしいる人物がいれば、それは僕かもしれません(笑)