皆さん、コンバンワ。
ベヨネッタのコンセプトアートデザイナーの中村育美(以下、193←神谷さん命名)です。
ベヨネッタの予約特典〔Rodin’s Selection 〕サウンドトラックの事は皆さんご存知でしょうか?
実は、その予約特典を作成するにあたり大変奇妙な出来事がありましたので、どのような経緯で作成されたのかをお話したいと思います。

今を遡ること数年…私の元に一本の電話が入った。

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ロダン「あんた193だな。頼みたい仕事がある。」
193 「えっ? 誰ですか?ウチ布団は間に合ってますよ…」
ロダン「うらぶれた街のしがないバーテンさ。あんたの腕を見込んで、ウチの店のメニューのデザインを頼みたい。最高にホットで、デンジャラスなやつをな」

プチ…ツーツーツーツー
電話は切れた。

数日後、何故か、私はアメリカのとあるスラム街に立っていた。スラム街をうろついていると目の前に突如魔法陣が現れ、とりあえず魔法陣の上に立ってみると、体が吸い込まれるような感覚に陥った。
気がつくと…

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ロダン「来たな。193」
193 「はい。仕事だと聞いたので。(この人…髪の毛が無いのにすごい威圧感だ…神谷さんみたいだ…)」
ロダン「聞こえてるぜ。俺には人の心が読めるからな。それで、手紙で伝えておいたとおり、例のモノは出来てるだろうな?」
193 「ええ。こちらがそのメニューです。」

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193 「まずメニューファイルの方ですが…ロダンさんは、革がお好きとききましたので、革張りのような素材感にし、お店のロゴをエンボス刻印しました。年期の入った加工も施し、お店のイメージに合わせました。そしてご要望があったとおり、〔The Gates of Hell Fine cocktails & Spirits〕(訳注:カクテル&アルコール類)の文字も入れました。」

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menu_book_01-300x207※写真がブレているわけではなく、メニューを持つ私の手が恐怖のあまりに震えているのです。

193 「次に中のメニュー冊子ですが、ロダンさんは良く地獄に行くと聞いたので表紙には威圧感のある地獄の門をあしらいました。
[Abandon all hope ye who enter here] -希望を捨てろ、ここから入るすべての者たちよ-という意味で、メニューを開ける者が開けるのを躊躇するような文章も入れました。
ロダンさんのイメージにピッタリだと思います。裏にはお店の住所などの情報を明記してあります。」

ロダン「中のレイアウトはどうなっている?」
193 「中は…私は一般人ですので、怖くて開けられません…ロダンさんが見て下さい…」

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ロダン「よし、気に入った!」

こうして商談は成立した。

それから数年後、先日のことだ。

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※予約特典に悩む神谷英樹氏
神谷「予約特典何にしよう~…うーんうーん…サントラでデザインはどうしよう…」
頭の輝きを一層増して考え込む神谷さんを見て、私は数年前の仕事を思い出し、慌てて電話をかけた。

193 「ロダンさん!!!急なお話があるのですが…以前デザインしたお店のメニューをベヨネッタの予約特典に利用したいのです。」
ロダン「193か。いいだろう、取ってある予備をいくらか分けてやる。まだデザイン料を払ってなかったからその代わりだ」
193 「とにかくなんだか急展開でよくわかんないけどありがとうございます!」
ロダン「それ完成したら、俺にも送ってくれよ」

(中略)
-現在-

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そんなわけで完成した[ゲイツオブヘル]のメニュー。この実際にお店に置かれているメニューを使って、スペシャル・サントラのジャケットを作りました。

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〔Rodin’s Selection〕

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※何やら親密な会話をしているベヨとロダンの上に天国・魔界・人間界が描かれた三位一体の図の天井が!

CDのレーベルには、[ゲイツオブヘル]の天井に描かれている、地獄、天国、人間界の三位一体図を使用させてもらいました。またこのCDにはベヨネッタで使用しているBGMをロダンさんが選曲し、その曲を特別収録してあります。是非、心の準備をしてから聞いて下さいね。

というわけで、Bayonetta予約特典〔Rodin’s Selection〕ロダンズセレクション
予約で購入した方しか入手出来ない代物ですので、お早めの予約をオススメします。

produced by Hideki Kamiya