皆さんこんにちは、『MAX ANARCHY』でサウンドデザインを担当した酒田と申します。
今日は『MAX ANARCHY』で使われている効果音についてお話ししたいと思います。

『MAX ANARCHY』の効果音はリアル系のサウンドがベースではあるのですが、キャラクターの体に武器が仕込まれていたり、ロボットが出てきたりという世界なので、音はリアルさを残しつつもデフォルメした音にしています。
例えば、「ジャックのチェーンソウは見た目にも大きく威圧感がある。現実のチェーンソウのエンジン音では絵に負けてしまうので、バイクのエンジン音をベースにしよう。」といった具合です。

数ある効果音の中でも、アクションゲームや格闘ゲームで切っても切り離せないのが「ヒット音」。敵を殴ったり、斬った時に鳴る「ドカ、バキ、ザシュ」っていうアレです。
『MAX ANARCHY』では、リアルなヒット音を追求するよりも、ゲームをプレイしていて殴ったり、斬ったりした時の「手応え」を感じられるような音にしようと制作しました。

殴る音ひとつに対しバリエーションを数パターン制作し、ディレクターと「ああでもない」「こうでもない」と擦り合わせて行きます。自分の考えている音とディレクターの考えている音がマッチすれば良いのですが、一見単純そうな音でも、意外とイメージが合わないことがあり、当り前な音ほど作るのが難しかったりします。

ディレクターとのやり取りの中でも、音を口で伝えるのには限界があり、「○○の映画のあのシーンのようなイメージで」というオーダーなどは比較的分かりやすいのですが、「はじけるような“パーン”って感じ、何かこう“パーン”って感じ」といったほぼイメージのみのオーダーの時は、「全然分からん」と思う時もありますが自分の想像力を「もう何も出ません」っていうところまで絞り切って音を作り上げます。

そんなやり取りを経て作られたヒット音の一部をムービーにまとめました。

最後にキャラクターヴォイスのことにも少し触れておきたいと思います。
『MAX ANARCHY』は1枚のディスクで、日本語、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語の5ヶ国の言語が選択できます
同じキャラクターでも5種類のヴォイスが用意されているので、カットシーンはもちろん、ゲーム中も各国言語に対応した言葉を喋ります。どのキャラクターも個性あふれる声優さんが演じてくださっているので、一つの言語だけでなく他の言語でプレイしてみるのも面白いと思いますよ。