アトリエのアナタにお勧めしたい

初めまして、グラフィックデザイナーUI(ユーザーインターフェイス)セクションの大西るいといいます。

一応14年度入社のグラフィックデザイナーで一人だけの女性なんですが、確実にもはや女性と思われていません(断言)。
それはこのブログを半分ぐらいまで読んだら察して頂けると思います、そういう内容です、よろしくお願いします。

内容の大まかなテーマとしては「美大生(絵画科とかのほう)への(拙い)アドバイス」な感じです。
自分の経験とか語りつつやっていこうと思います。


自分は東京の美大に通って大学院まで行かせてもらい、「ゲーム会社」に興味を持ってプラチナゲームズに入社志望しました。
美大では絵画科油画専攻に行っていましたが、特にデジタルなものづくりは行いませんでした。専攻が専攻だったのはありますが、この時は純粋に鉛筆やペンや絵の具でガリガリものを描くのにハマってました。

・・・とこの文章のままいけば「普通に油絵作り続けていましたが、デジタルでのものづくりやゲーム業界に興味持ったんです。」
みたいな普通のアナログ人間ぽい感じで平和的に終われそうで、あわよくばそうあってほしいところですが残念ながらそうはいかないようです。

簡潔に言うとこの「東京の大学の絵画科油画専攻」の時点で(油画専攻としては)残念な方向に作品を作り続けていたわけです。

 
 
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インクと絵の具で描いたメカとか

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メカとか

onishi_3
メカとか

 
 
自分が行っていた油画専攻はそういうところに緩かったというか自由だったので、教授がいつもしっかり評価してくれてました。
あとポートフォリオも99%こういう成分↑で出来てました。

つまり「オタクな方向に作品を作り続けた油画専攻人」でした。
そして私がこの記事に目を通しちゃった「何かにハマって貫いてて、ゲーム業界に興味持っている人」に知ってほしいのは、

ある分野にめっちゃハマっちゃった+ゲーム業界で活かしたい・ゲーム業界に興味大いに有り=プラチナゲームズの門を叩く価値あり

という単純なことです。

 
多分これを読んでいる大半の方がそうであるように、私もある分野にハマってしまった人間です。
自分がハマった分野は主に怪獣とかロボでした。

いまだに時たま祖母に、
「るいちゃんは小さい頃から、キングギドラとかいう怪獣の玩具だっこして「かわいい~」とか言ってたわよねぇ。(苦笑)」
とか言われてるので、このあたりで変態ぐあいを察して下さい。

キングギドラに一目ぼれした残念な子はその後もひたすら怪獣とかロボにハマって行きました。
アニメや漫画で言うと「トランスフォーマー」とか「ゲッターロボ」が断トツでハマりました。
ゲッターロボではとにかく石川賢先生の迫力あふれすぎな画風がドハマりで!
トランスフォーマーに至ってはハマり方が少し偏っていて、アニメに出ないけど好きになったキャラをひたすら描くというどれだけ俺得なハマり方をしていました;
どちらにしてもデザイン的には「面白カッコイイもの」「ギミックがついてるロボメカ」なジャンルが好きになりやすいんだと思います。

加えてゲームも好きだったので、自然とロボとかメカ系のゲームを遊んだりして気に入ったものがあればやりこんでました。
自分が特にハマったのは「カスタムロボ」で、ロボのデザインとかゲーム内の遊び等にハマって一時期やりこみました。
3DCGのロボが「かっこええ!」と思えたのもこの作品からで、その後は3DCGアニメの「シャドウレイダース」や「ゼントリックス」でCGにすごく興味を覚えました。

就職活動の時はゲーム方向かアニメ方向か迷ってましたが、「ゲームの方がいろんなメカとかロボがたくさん出てきて面白そう」という自分の燃え優先な考え+「ベヨネッタ」を遊んだ時からとても気になっていた会社でもあったので、プラチナゲームズの門を叩かせて頂きました(自分が特に興味を持ったのは敵デザインでした)。

 
・・・で前述の通り就職活動の時のポートフォリオは99%成分がアレ↑だったので、「デッサンとか人物画とかなくていいのか、ヲイ自分!?」という案外普通の不安を感じてはいましたが、作ってきたもので勝負したりプレゼンするしかないしな、と半ば開き直って挑みました。
自分はポートフォリオの作成はそこまで凝りはしませんでしたが、(やっと)ここで少し「ポートフォリオを作成して就活するぜ、おっとテレピン油が切れてるぜ」な絵画科系の方にアドバイスを出来ればと思います。

 
「ポートフォリオは作品を白紙に一枚ずつ羅列させただけ」では勿体ないです。

 
これは自分が油画専攻で過ごしたり就活したりする中で特に感じたことです。
デザイン科の方が作成するポートフォリオにはレイアウトや作品の説明が凝っているものが多いのですが、絵画科では作品の写真とタイトルなどの簡単な情報のみ単純に一枚ずつ並べているものをよく見ました。
「見てほしいのは自分の作品。レイアウトや外装で作品の価値が左右される訳じゃない。」という思いは自分も持ってはいたので、作品を極端にレイアウトしたり、説明文をやたらとつけることに抵抗がある絵画科の方は少なくないと思います。

しかし自分たちの作品をより分かりやすく、魅力的に見せる工夫を凝らすことも大事だし、必要になると思われます。
作品が折角良くても、あんなプレゼン力が半端ないデザイン出身ポートフォリオ相手に丸裸では少し辛い局面もあると思います。
デザイン科のポートフォリオはそれに応じた作品の見せ方があるので、完全に真似は出来ませんが、それでも絵画作品等をよりよく見せるための工夫(説明文の載せ方や背景色の使い方等々)の参考になる点は色々あると思います。

これは絵画作品の展示でいうところの、自分の作品を見せるための環境を整えるようなものだと思います。
展示する場所は綺麗か、こういう壁の色の方が良いのかしらとか、俺の作品水平に展示されてる!?とか、やだっ私の作品の解説分かりづらいっ!?とか、展示においての基本を見直してみるみたいな感じかと。

正直この文章を先輩が見たら「てめえが言ってんじゃねえ!」というレールガンが発射されそうですが、ポートフォリオを作る時はそういう点を工夫するのもいいと思います。

なんかキングギドラとポートフォリオの話しかしてないような気もしますが、とにかく自分が思うことは

ある分野にめっちゃハマっちゃった+ゲーム業界で活かしたい・ゲーム業界に興味大いに有り=プラチナゲームズの門を叩く価値あり

・・・です。

「ハマっていたもの」を活かせる機会は結構巡ってきます。そのハマったものは絵とかデザインだけでなく、例えばファッションとか写真とか、動物とか機械に滅茶苦茶詳しい等でも活かせる分野は多いと思います。
仕事に活かすだけではなく、自分の好きなものについて先輩や同期の人たちと話すのももちろん滅茶苦茶楽しいし、こちらが新しく知ることも多くて新鮮です。

自分のハマっているもの作り続けているものをゲーム業界で活かしたい、新しい事も学びたいと考えていて、「でもどうアピールすればいいのかちょっと分からんぞ?」と感じている絵画科系の方は、会社説明会とかだけでなくデザイン科の生徒や教授など他の分野の方や、同じくゲーム業界を目指している方に相談してみたり、そういう人たちは作品をどういう風に発表したり説明しているのか等に注目してみると、自分の作品を活かした方向性やポートフォリオ上での魅せ方をいい感じに探っていけると思います。

・・・で迷走しかけたら自分の作品を見直したり、作りたいもの作ったり、好きなゲームを遊んだりして息抜きするといいと思います。

 
というわけで最後は自分の好きなロボと猫の画でサヨナラしたいと思います。

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