アイディア勝負!

皆さんこんにちは、入社2年目のジーマです。
以前にVFX(ビジュアルエフェクト)アーティストの仕事について書いた者です。
前回の記事←VFXとはなんぞや?に関してはこちらに書いてあるので、よろしければご覧ください。)

いやー、早いもので前回のブログ記事から1年ほど経ちました。
VFXアーティストに配属になってからは1年半が経ったことになり、研修を終えて本格的に仕事をするようになってからついに実質1年が経過した計算になりますね。
まだまだ半人前(ひょっとしたらそれ以下…?)ですが、やっとVFXを仕事にしていると言えるようになってきたと思います。

今回はVFXアーティストでの一年間で感じたVFXの面白さ、「VFXってすげ~」と感じたことをお伝えしようと思います。

 
雰囲気を高められる
ゲーム制作では背景の空気感やキャラクターの生命感を表現する(=その世界なりの説得力を追求する)ことに全セクションが力を傾けています。
その中でビジュアル面での最後の仕上げとして施されるのがVFXなのですが、この段階で全体のテイストやそのモデル(キャラクターや空間)の雰囲気づくりが大きく前進します。
今僕は色々なロボットのVFXを作っているのですが、そのロボットの生命感(ロボットなので生命ではないのか…?)とにかく今にも動き出しそうな雰囲気というのはVFXをつけると大きくプラスされると感じています。目が光っていたり、体から煙が立ち上っていたり、動くときに火花を散らしたり…こういった要素がもとの3DCGモデルやモーションの印象と組み合わさって、大きなひとつの生命感につながっていくのです。特に動きがないモデル(設置してあるだけのメカや背景)はVFXをつけることで「内部的にはちゃんと動いてるんだろうなぁ」感が演出されて一気に印象が変わります。VFXは雰囲気作りという点では特に大きな影響力があるので、作っていると感動と同時にとても楽しく感じます。

 
表現の幅が広い
最近になってよく感じるようになったのは表現の幅広さです。
キャラクターや背景はリアリティを追求する方向での発展や研究が主流となっていますがVFXは必ずしもそうではなかったりします。
もちろんリアリティがある表現というのも必要なのですが、VFXの有効なビジュアルは「リアルさ」だけには限定できないのです。
たとえば、フォトリアルな画作りのファンタジーをテーマにしたハイエンドゲームを作るとします。そしてプレイヤーキャラクターがアイテムなどでパワーアップする設定があるとします。
このパワーアップをVFXで視認しやすく表現するとしたらどのような方法があるでしょうか?
(以下、画像付きで解説します。)

 
1.オーラ
リアルな煙や炎の動きを参考にして全身にオーラをまとわせる表現です。

powerup01

2.魔法
オーラとは違い、光の輪やキラキラとした粒子を中心にした表現です。

powerup02

3.アイコン
回復アイテムなどのアイコンを中心としたUIのイメージが強い表現です。

powerup03

こんな具合に、パワーアップひとつとっても表現を様々な方向に振ることができます。
これは作品のテイストが違えばまた大きく変化しますし、VFXを作る人間が違えば僕が考えてもみなかったような案も出てくるでしょう。
自分なりの表現や自分のカラーを前面に押し出せることがVFXの大きな魅力であり、VFX制作者の(変わった表現にしても作品にマッチさせることができる)腕の見せ所だと強く感じます。

ただ、VFXは調べるほど・経験を積むほどにその奥深さに触れて感心させられますが、自由度の高さゆえに制作者の力量も如実に反映されるので、作品とまったくテイストが合わせられず考えが堂々めぐりすることもあります。
先輩が担当した自社タイトルや、他社のタイトルを見ていると本当に勉強になります。
ただ完成度が高い・低いではなく、こんな表現があるのかと自分では思ってもみなかったものを見つけたときにはとても感動します。

例えば、先輩が作った「キャラクターが高速移動しながら敵を斬りつける技」のVFXを見たときのことです。
僕だったらキャラクターの動きに合わせて漫画の効果線をイメージした軌跡をつけるとか、ソニックブームをイメージして衝撃波をつけるだろうと思います。
しかし、その時先輩がつけたVFXは「キャラクターの姿を消す」というものでした。
動きの加速度がMAXになったところでキャラクター自体を見えない状態にしたうえで、VFXの軌跡だけつけることでキャラクターが目にも留まらぬ速さで移動していることを表現していました。
これは僕にとってはまったくの想定外で、しかも的確にスピード感を表現しており、まさに発想力の差だと思いました。

今も上に書いたようなことを日々考えながら、壁にぶつかりながら、先輩に助け上げてもらいながら、VFX制作の道を(鈍足ですが)進んでいます。
発想力が足りない!などと悩みながらの作業ですが、自分なりの表現や発想を活かすことができる環境での作業は刺激的でとてもやりがいがあります。
今、映像やゲームの業界を目指している就職活動中の皆さんも、「独自の発想や感性を持った人たちの中で自分のカラーを活かしたい!」という思いがあるのなら、是非ともプラチナゲームズの門を叩いてみてください!

 
最後に趣味で描いた絵を載せておきます。
powered-suit
落書きで描いたパワードスーツ?です。メカを描くのが一番好きなので、VFXもメカ系のものを作っているときが一番楽しいです…!
 


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