止まらない物欲

 
この会社で働き始めて、お給料を頂けるようになりました(当たり前といえば当たり前)
機材とかソフトもちょくちょく買って自宅の制作環境もグレードアップさせていったりしております。
おうちでも学生の頃より良い環境で作曲とか音作りが出来るようになって幸せ。
サウンドデザイナー新人のイズミナです。

・サウンドの大先輩のありがたいお言葉
「独身の間に機材買いまくっとこう!貯金とか考えなくていい!」

僕はその点とても自由なのですが結婚なんて考えたことないしそもそも出来るかも
自由です!(考えるのをやめた)
 
 
しかし、お給料を頂いているからにはそれ相応の、いやそれ以上の仕事が出来るように励まないと!
 
 

研修が終わり、僕が初めて任せて頂いたお仕事は「足音」を作ることでした。
もちろん足音作りも初めてです。

足音といえばまぁドラえもんの足音は大変印象的ですよね。普通な感想ですいません。
あの「シュクルァシュイイイイイ」っていう独特の、あの言葉にできないあの足音!
新しいドラえもんは見ていないのですが、今もあの足音なのでしょうか?
 
 
足音って地味といえば地味なのかもしれませんが、
実はゲーム中で一番たくさん鳴る効果音なんじゃないの?
と思うとこいつぁ激アツな仕事だぜ
新人の僕がやっていいんだろうか..と緊張しつつもそれ以上にわくわくした気持ちで作りました。
 
 
足音といってもたくさんあって、
色んなキャラクターの重さ、靴の種類があり、ズシンズシン歩く大男もいればハイヒールでカツカツ歩くおねいさんもいるわけです。
また床の種類によっても足音は色々変わります。
土、石、ガラス、金属、草、水からさらには肉床という謎の素材まで!
全部で(8パターンの床)×(4パターンの靴)×(ランダムで鳴らす用の4パターン)でだいたい120個ぐらい作りました。
 
 
肉のやらかくてぐちゃっとした感じはどうすれば…
ばしゃばしゃいうけど耳障りじゃない気持ちいい水の音は…
ポリ袋みたいなカサカサじゃなくて草っぽいカサカサはどうすれば…
ランダムで鳴っても不自然じゃないようにするにはどうすれば…
重い感じを出すために重量級の足音は木の軋む音を入れたり、金属のひしゃげる音を入れたり、
肉などは泥の音、水の音、ゴムの曲がる音などを加工して組み合わせたり。

瓦礫が思っていたより難しく、
ガラスを踏む音や石の散らばる音などを使っていきましたが、
BGMを乗せたらガラスの高い音だけ聞こえてしまいなんだかちょっと変な感じに。
いろんな状況でバランスの良い瓦礫感が出るように色々試しました。

ゲームの効果音って決まった状況で決まった音が決まったタイミングで鳴るわけじゃないから
難しいけど面白いなぁ。

などなど色々考えながら足音を作っていたのですが、
それ以上に色んな素材の「それらしい」音の出し方、音の揃え方ばらつかせ方など
足音の作り方以上に学ぶものがありました。
 
 
今はぬめぬめした敵の音を作っているのですが、
肉床の足音を作った経験が結構活きています。
重いものがぶつかる音なんかは重量級の足音の作り方を思い出してみたり。
 
 
ただ、作り方がマンネリ化、パターン化していくのは良く無いとも思うので
ゲームやって映画見てアニメ見て音楽聞いて、刺激を受けて色々考えて
新しい音を作るための挑戦は忘れないようにしていきたいですね!
 
 
そのためにも!趣味に走った機材を買わねば…笑
今はこれが欲しい…