苦しい時は

みなさま、ご機嫌いかがですか?
好きな言葉が、実は格言ではなくカウンセリングの一理論であったと知り、大いにヘコんだ新人2年目デザイナーの舟橋です。今回のフレッシュマンブログのお題がコレじゃなかったら、興味が沸いてネットで調べ、そんな事実を知る事はなかったのに……ッ!!

そんなわけで、今回のお題は『心に残った先輩の一言』。
プラチナゲームズの仲間に加わって1年と3ヶ月。たくさんの温かい言葉、激励の言葉、教訓、アドバイス、その他多数を頂いてきました。その中でも今もイチバン心に残っているのは、意外にも入社初日に私たち新人全員に掛けられた言葉です。

「自分たち(新人)が苦しい時は先輩も苦しい思いをしている」

入社直後、研修の皮切りに行われた講話での一言です。

言葉にしてみれば、正にほんの一言であり、講話の中でノートに書き取ったたくさんの言葉のうちの一つでしかありませんでした。けれど、時間の経過とともに、ふとしたタイミングにこの言葉を何度も思い出し、しかもその時々で受ける印象や考えた事柄が違うなどして、今では私の中でちょっとした不思議な力を持った教訓になっています。

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まずは、この言葉との出会いの瞬間の印象。

『あぁ、先輩方も一緒に悩んで下さるんだ。お優しい……』

いきなり甘ったれていやがる(汗)。偽っても仕方がないので正直に言いますが、ガチガチに緊張していたあの時期に、この言葉によって多かれ少なかれホッとさせられ、と同時に嬉しくなってしまったのは事実です。

自分の能力ひとつだけで勝負していく世界を生きていくんだ、という気概はもちろんありましたし、一日も早く先輩の手を煩わせないで済むスタッフにならなければとも思っていました。とは言え、会社は会社。互いの持ちつ持たれつの関係が実を結んで、ひとつの商品が生まれるわけですから、入社直後のどんなに非力な自分であれ、この大きな組織の一スタッフであり、自分個人としても、そして会社としても「置いてきぼりにされる(する)ことを許されない人間」になったのだと、その時は強く意識したものです。”組織の一員になる”という事をこの時、初めて実感しました。

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その後、研修、チームへの配属を経て、入社からおよそ半年後、与えられた仕事にドン詰まりしている私がいました。以前にもこちらのブログで触れましたが、仕事の要領が分からないが故に、延々とチェック→NG→修正を繰り返していた時期が2ヶ月ほどありました。

焦りと体力的な消耗で、初めて苦悩らしい苦労と出会ったわけですが、結局その時に私がすべき事を教えてくれたのも、スケジュールを組み直してくれたのも、処理しきれなくなった仕事を他のモデラーの方に割り振ってくれたのも、とにかくフォローというフォローはすべて先輩にしていただく展開となりました。

その時にふと「自分が苦しい時は……」という一言を思い出したのです。半年も経っているのに研修の最初の言葉がアタマに浮かんだのは意外でした。が、先述の通り、その時に受けた印象は、研修の時のそれとは全然違うもので、『新人と先輩という立場は半年が経っても何一つ変わっていないなぁ』と重くのしかかるものでした。

もちろん入社順の序列が逆転することはあり得ませんが、仕事をする上での責任や権限、信頼においてその歴然としたした差が、正に「新人と先輩」だったのです。結局、まだまだ自分は尻を拭われるような立場であり、ましたや対等などとは程遠い。

『一人前になった暁には、きっと「自分が苦しい」時に「先輩も苦しい」事など無いのではないか』

と件の一言を違うカタチで解釈する様になりました。

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そして最後に、これはまだ将来の話ではあるのですが、

『後輩が苦しい時に、自分も苦しくあれる先輩でありたい』

と考える様にもなっています。きっかけは一年下の後輩たちが入社してきたこと。

「チームの問題を認識できているか」、「周囲のスタッフのスケジュールを把握できているか」、「悩み考えることを放棄していないか」そうした最低限の啓発を常にできていれば、きっと苦しみの共有、悩みや問題の共有も実現されるでしょう。

こんな風に、入社後、間もなくして掛けられた一言が、少しずつカタチを変えながら今も私のココロの中に深く残っています。これから何年も何年もこの言葉を意識し続け、やがてそれが身につき、そして自然と意識から消え去っていった時、あるいはそれが研修終了なのかもしれません。……ちょっと膨らましすぎですかね(笑)

それでは、また次回ですッ!