おはこんばんちは。
プラチナゲームズのサービス精神に惚れた滝沢です。
特に、ゲームのオリジナルサウンドトラック(いわゆるサントラ)に対する注力の度合いには、BGM担当として、憧れと誇りを強く感じています。
プラチナゲームズのサントラは、やはりサービス精神てんこ盛りです。
例を挙げると、先日発売された『ベヨネッタ』のサントラなどは、CD5枚組・全150曲・収録時間にして318分に及ぶボリュームです。
数あるゲームのサントラの中でも、これほど大きなボリュームのものは珍しいと思います。
しかも、エンディングまでの一周をクリアするのに何百時間もかかる(その分、曲数も多くなる)ようなRPGなどのジャンルではなく、ベヨは平均12時間ほどでクリアが可能というアクションゲームです。
曲数が多いのは、「神谷さんの音に対するこだわりがもの凄いから」というのも理由のひとつかと思いますが、サントラの規模が巨大になることには、どうやら別の理由も絡んでいる模様です。
まず、サントラは完全版にしたい、というポリシーがあります。
上司の方のお話では、以前とあるゲームのサントラを作る際、CD一枚分に収めるために、代表的なBGMのみを抜粋して発売したところ、サントラを購入したユーザから、「あの曲が聴きたかった」とか、「目当ての曲が収録されていない」とか、そんな要望が来たそうです。
要望に応じるため、すべての使用楽曲を含めた完全版のサントラを追加で発売するに至ったそうですが、結局、ユーザにはふたつのサントラを買わせてしまうことになりました。
そのような経緯もあって、以後のサントラに関しては、当初からすべての楽曲を余すことなく収録する、というポリシーが徹底されています。
『大神』のサントラがCD5枚と豪華なのも、そういう流れがあったからです。
加えて忘れてはならないのが、ゲーム本編にはなく、サントラだけに収録されているオマケ楽曲の存在です。
今回も、レトロバージョンと題して、むかし懐かしの8bit音源を再現したベヨのアレンジ曲が収録されています。
こういった遊び心からも、サントラに対する愛情を感じずにはいられません。
また、ステージBGMなどのループ曲は、すべて2回ループされてからフェードアウトという仕様が守られた上で収録されているため、演奏時間は1回ループ→フェードアウトに節約された場合と比べて、およそ2倍に膨れ上がります。
それは、CD容量との兼ね合いを考えれば非効率的ですが、しかし2回ループの仕様がいかに大切かということは、ゲームのサントラを好んで聴いてきたわたくしにはよく分かります。なぜなら
「イントロからはじまる音楽」と「1度ループした後の2ループ目の音楽」は、同じ曲の一部で、中身が同じでも、聴いた印象が異なるからです。
例えば、曲の出だしにもっとも印象的なメロディーがある楽曲構成の場合
「出だしのメロディー」=「ループ直後のメロディー」が、ポップスで言うところの「サビ」に当たります。
そんな曲の場合、ループするということは、Bメロを経て「サビ」に到達するということに同義です。
従って、1回ループの仕様のように、最初のループ直後でフェードアウトを迎えさせるのは、肝心の「サビ」を満足に聴かせぬままに曲を終わらせてしまう、とても残念なやり方だと思いますし、逆に、2回ループによってもたらされる効果は、曲の「Bメロ→サビ」の流れを聴かせる、延いては、一曲一曲に独立した楽曲としての華を持たせる、というメリットに結びつくのではないでしょうか。
話がややこしい上に長くなってしまいましたが、とにかくわたくしが言いたいのは、プラチナゲームズのサントラは愛情のかたまりですよ、必聴ですよ、と。
そして、いつかわたくし自身が、自らの名の刻まれたサントラを作り上げた暁には、愛情たっぷりのそれを、親兄弟・友人・恩師・愛犬・愛娘・息子・初孫にプレゼントするのが夢(壮大な妄想)なんですよ、と。
大神のサントラはホントに豪華でしたね~