窓と耳に想いを馳せて

―――南砂町を過ぎるとテンション上がるよねッ!?

う~ん・・・。上がらないねぇ―――

(学生時代の一幕)

みなさま、ご機嫌いかがですか?
近頃、右腕が常に筋肉痛の新人デザイナー舟橋です。

特に運動したわけではありません。毎晩趣味の時間にチマチマと木版にレリーフを彫っているのですが、たったそれでけで次の日には腕と首筋あたりに鈍い痛みが残ります(笑)まさか「保健体育」や「技術家庭」でなく「図画工作」で筋肉痛になる日が来ようとはッ!。私の細い腕を見て「舟橋はペンダブのペンより重いものは持てないんだよ」なんて冗談を言っていた友人も居ましたが、いよいよ笑っていられない状況に差し掛かってきているみたい・・・。

就職するにあたり会社のすぐそばに部屋を借りる事にして毎朝歩いて通勤しているのですが、それがホントに短い距離。運動とは到底言えません。自転車に乗って最寄の駅まで行ったり、満員電車の中で何十分も爪先立ちのまま揺られていたりした通学時間も、実は運動になっていたんだなぁと思う今日この頃です。

今、ある生物のモデリングをしています。先日、同期のコに「机の上に鏡とか置かないの?」と唐突に聞かれました。彼曰く、自分の表情とか見ながらモデリングした方がより効率的且つ自然に作業できるのではないか、との事でした。「あぁ・・・」とトボけた相槌しか打てませんでしたが、実はちょっと虚を突かれた様な思いがしました。詳しくは話せませんが、その生物というのは人間ではありません。人間でないものをモデリングする際に自分の顔を、表情を参考にしようとは露ほども思っていなかったので、それは冗談抜きで、ちょっとした衝撃だったのです。

提案してくれた彼本人は、決して大真面目で言ってくれていたわけではない様だったし、私としてもその生物に鏡を使うことが本当に有効かどうかというと、首を傾げたくなります。が、そうした事は一切別にして、その衝撃はやはり私にとっては衝撃でした。これまで結びつけて考えた事の無かったモノ同士が、あるキッカケを境に関係性を帯びる。新たに脳の回路がひとつ繋がった!!であろうこの瞬間は、本当にいつでも不意に訪れますね。「月と視聴率」とか「地獄とエレベーター」とか「環境汚染と海の王者」とか、思いつきでくっつけみた要素を題材にアニメーションを作る方法を、学生の頃は頻繁に採っていました。

きっと今見ているものと、1分後に何気なく目にする何かを無理やり関連付けても、上手いことやれば面白いものが生まれるのだろうになぁ、なんて時々考えたりしますが、結局見落とすばかりの日々であったことを、今回も誰かの発言で気付かされてしまった様です。

「2つのものを結びつけて考える」。根拠は無いけれど、これが常にヒントとして私の人生について回る気がしています。その練習が簡単に出来るうってつけの空間は地上を走る電車の窓から見る景色だったので、通学の時間は勝手にテンション高かったです。東京メトロが地上に出ると挙動が可笑しくなっていた、なんて目撃証言もあったり(笑)。窓が見えない満員の電車の中でも、このヘンテコなトレーニングは欠かせず、ふくらはぎをプルプルさせながら目の前のオジサンの耳をガン見して、そこから色々と連想したりしていました。キレイなお姉さんをガン見していたら怪しませそうなものですが、耳なら誰が相手であろうと堂々と見ていられるから不思議。かくして舟橋は耳フェチに(ry

しかし、開発室に自分のデスクに鏡を置いている人は果たして何人居るのだろうか。試しにアリかもしれないなぁ。鏡。

鏡にしたって車窓にしたって、予想は出来ても実際に見てみるまで、そこに何が映るか誰にも分かりませんからね。

それでは、また次回。

091007

One thought on “窓と耳に想いを馳せて

  1. ただ移動としか思ってなかった通学が、実はそれが運動になっていたんですね。
    今思うと週5日間、1日往復で4時間以上の電車通学はばかにならなかったと思いますねぇ。
    予想というものは実に信用できず、そして信用できないからこそ新たな発見もあって面白いものです。

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