作業用BGM

みなさま、ご機嫌いかがですか?   
フレッシュマン滝沢くんのヘタうま自画像に、思わず価値観が揺らいでしまいました。新人デザイナーの舟橋です。相も変わらず本題に入るのはずっと先ですが、どうぞお付き合い願います(笑)
    
   
会社に行けば、先輩方の超一流の仕事を日々目の当たりに出来るわけですが、思いも寄らない身近なところにも、刺激をあたえてくれるモノは転がっているものですね(彼はちゃんと席に着いています)。デザイナーの描く絵だけが肥やしになるとは限りません!

滝沢くんといえば、ミュージックコンポーザー。何やら様々な機器に囲まれて、毎日幸せそうに音楽と戯れていますが、やっぱりどんな曲を作っているのか気になって、研修中に作った作品をいくつか聞かせてもらったりしていました。私が言うのも可笑しな話ですが、まだまだ未熟な分、先輩の指導の下、見る見るうちに彼の曲が肉厚になり、物語性を帯びていくのを感じるのは、それだけでもドキドキする体験でした。

   
「絵にしてみたい」「映像にしたい」と思う情景がアタマの中に広がる瞬間は、私の場合、音楽を聴いている時であることがほとんどです。5分前後の短い時間の中に凝縮されたドラマティックな感情の起伏に包まれると、アタマの中の想像の世界も、自然と動き始めます。「サビに向かって、一番劇的な画をもっていきたい!」「曲の終わった余韻の中だからこそ活きてくる画にしたい!」アニメ監督やVJ気取りのそんなワガママな気持ちと共に、ココロの情景はめくるめく忙しなく変化を続け、あとは最高の場面が訪れた瞬間にその景色を記録するだけ。いつだって上手くいくわけではないけれど、音楽を聴いていなかったら作ることのなかった作品もあったことは事実です。聞きなれた曲でも、都度再生されるビジュアルが変わるのも面白い!

   
描きたい絵に合わせて、J-POPであったり、はたまた映画やゲームのサントラであったりをお好みで爆音に(笑)。場合によって色々ですが、やっぱりゲームの音楽が一番ですね。プレイしたこともないゲームでも、サントラだけは買ってしまうこともあります。少し前のことですが“VIDEO GAMES LIVE IN JAPAN”にも行ってきました。楽しかった!

   
散々「作業にはBGMが欠かせない」みたいに言っていますが、実は今日、初めて仕事中にMP3プレイヤーを起動しました。1時間ほど、おなじみの曲を聴いて作業をしていたのですが、いやぁ・・・全っ然集中できなかった

   
何なんでしょうか。とても不安で気持ちが悪くなるのです。周りにも音楽を聴きながら作業をしている方は大勢居るので、人の視線が気になるわけではありません。いつもより小さな音量ではあるけれど、暴力的な爆音でない分、作業には向いていそうなもの。それなのに何故??

   
仕方なくイヤホンを外すと、いつもの開発室のざわめきが戻ってきました。自分でもビックリしたのですが、この時すごく気持ちが落ち着きました。入社して約半年、知らぬ間にこのざわめきが、身体に馴染んでしまっていたんですね。

   
入社直後の研修で、仕事中の音楽鑑賞についての話も挙がりました。迷惑を掛けない程度の音量で再生する分に問題は無い。けれど新人のうちは、自分の仕事に集中するのももちろんだけれど、自分のチームが、さらには他のチームや管理部の方々が、はたまた来社した社外の人たちが何についてやりとりをして、何について考え、どんな答えを導こうとしているのか、よく耳をこらして、一緒に自分も考え、場合によってはチームやセクションの垣根を越えてアイディアを提案する。それこそが「本当に仕事が出来る」ということなのだと教わりました。やりとりがより自由になるようにと、開発室には会議用の小さなスペース以外には一切のパーティションが設けられていません。こうした考えにも感銘を受け、この半年間、資料の動画を見る時以外は常に周囲の会話を聞ける状態にしてきました。

   
正直なところ、提案するまでいくのは中々難しいです。会話の内容を理解することすら出来ないことも多々あるほど。けれど、研修時にはこうも教わりました。「自分が作ったデータを人に渡したら、そこで終わりだと思わず、その後どういった手が加えられていくか見守りなさい」と。これなら何とか出来そう!

   
どんなに短い手順でも、私の作ったキャラクタモデルは、モーション班へ、その後プログラマの方々へと渡っていきます。入社する以前の想像には反し、思った以上に早く、そして広く自分の成果物が行き渡っていきます。データに不備があればもちろん直接改善の指示をいただくのですが、そうではないところ、少し離れたところで交わされているやりとりをよくよく聞いてみると、意外とそれは自分の領分で改善できることであったりもするのです。で、さりげな~く改良しておいたりするわけです。

 
グルッと見渡せば、そこここのモニタには自分の作ったモデルが表示されていていたり、「舟橋の作った○○をどうのこうの」なんて会話を耳に出来たり・・・評判の良し悪しを通り越して、それだけでテンションはうなぎのぼり(ウブですね。フフッ)。これもパーティションが無いことによる恩恵ですね。

 
ノルマがある中、人のモニタに見入って自分の仕事の「その後」をずっと見届け続けるなんてことは出来ない。けれど、せめてイヤホンを外して「聞き届けていく」ことはしたい、と最近は強く思います。相談や歓談や共有のやりとりの中、時々やる気につながる一言が聞こえてくる。これが今自分にとって、一番の作業用BGMなのかな、とそんな風に思うのでした。

   
それでは、また来週。

2 thoughts on “作業用BGM

  1. 舟橋さん



    かっけーー!
    そこでしか聞けない貴重なBGMですね。[E:catface]

  2. いわゆる環境音が作業用BGMなんですね。
    今回の内容はクリエイターにしかわからない内容で凄く興味深かったです。

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