メンター・メンティーって何?メンター制度って実際どうなの?プラチナゲームズの「メンター制度」について、メンター・メンティー・運営の皆さんに採用グループからお話を伺いました!(後半)

2022.10.05

→メンターメンティ―制度座談会!!前編はこちら

メンターとメンティーは、職種が違うじゃないですか。仕事の悩みで意見に相違が出たりはしませんか?

小西:分野が異なるので、問題自体の解決が出来ないことはあります。ただ、重要なのは悩みを共有することだと思います。
自身が抱える悩みを誰かに話すことで少しでも気持ちが楽になればいいですよね。

中西:それと、人によっては自分の悩みの重要度がわからなくて不安になる方もいます。『こんな事が出来ないなんて自分はやばいんじゃないか?』という不安な気持ちを吐き出した時に、『全然普通だよ!』『自分もそういう経験あったよ!』という共感をメンターから得られることは安心に繋がると思います。

メンティーの方、入社1.2年目ではどんなところにストレスを感じていますか?メンターに吐き出してやろう!って、思った悩みについて(笑)、教えてください。

川辺:人間関係が多かったですかね(笑) 同じセクション内だと話しにくい相談があったりした時は、メンターの小西さんに話したりしていました。

ペク:ちょっと私は仕事の悩みがなさ過ぎて…(笑)

中西:お風呂の掃除方法とか、隣人トラブル対応とか…結構雑談中心でした(笑) プライベートな話が出来る貴重な時間でしたね!何かしらの役に立てていたらうれしいです(笑)

ペク:学生時代のバイト先にいた嫌な人の話とか…。

中西:そうそう!女子トークで盛り上がりました(笑)

仕事とプライベートのくくりに関係なく相談出来ていて良いですね!関西で1人暮らしをするのがはじめての方も多いので、そのあたりの悩みも相談出来るのはいいですね。
では、次はメンター運営陣の皆さん!3年前、当社では過去最高人数の32名の新卒入社があった年度がありますが、その当時の感想や苦労について、運営側からの意見を聞けますか?

田中:そうですね…。2020年の新卒入社は32人でしたから、メンターメンティー合わせて合計64名という大人数と、コロナの流行開始が同時に発生してとても苦労したはずですが…大変すぎて不思議とあんまり覚えていないですね(笑) ただ、人数が多いってことでメンターメンティーのマッチングが結構大変でしたかね。マッチングの際には、事前に受けていただいた適性検査の性格診断のデータを使用し相性などをチェックしているのですが、それを32名×32名分のパターンを作るとなるとかなりの労力が必要だな…と。僕はプログラマーなので、この時は自動でマッチングするシステムを作り活用しました。

川辺:マッチングアプリですね(笑)

田中:そうそう、マッチングアプリを作りました(笑)

相性っていうのは、どうやって判断しているんですか?

田中:それぞれの項目の数値ごとに相性の良し悪しが決まるので、それをベースに作成しました。極端に相性の悪いペアが出来ないような仕組みになっています。その上でなるべく相性の良いペアを作り、最後は運営チームで話し合って微調整をしています。

平岩:俺のパラメータってどうなってる?

大野:平岩さんは誰とでも大丈夫です(笑)

田中:そうですね(笑) 大体の人が2パターンに分かれていて、誰とでも大丈夫な人か、特化型の人か。誰とも相性が悪いって人はいないです。

川辺:不思議ですよね(笑)

田中:ですね(笑) マッチングする際に色んな人のパラメータを見るんですが、『あぁ、これはこの人の性格だなぁ』って感じるくらいに、その方の性格を表す数字がちゃんと出ているんですよ。適性検査はなかなかすごいシステムだと思います。

大野:自分の性格が客観的に見れるってことですもんね。

田中:そうですね。あとは、コロナ渦での面談方法ですかね。Zoomだとどうしても距離を感じてしまうので。
初回含め2.3回までは必ず対面にして、以降は出社日が合えば対面にしたりしました。初めに何度か顔を見ていれば、以降はZoomでも相談しやすいと思います。

平岩:大人数と面談をしたりする時は厳しかったですね。人数が多くなると皆の顔が一斉に見える訳では無いので、意思が伝わっているのかどうかなどがわかりづらいことがZoomのデメリットだと感じました。

メンター、メンティーともに外部研修を受けていましたけど、参考になりましたか?

小西:内容としては、相手の発言を否定しない・人間関係を円滑に作り上げる方法等を学びました。
日常生活では中々意識しないことなので、メンターという責任ある立場から改めて気にするきっかけになったと思います。

打ち解けてくると、ふとした瞬間に相手の事を否定したりしてしまいますよね。今日お話ししている中で、メンターの方々はそういった細かい所も意識しながら活動されているんだなと感じました。メンティーに対して話しやすい環境を作っているのも、日々の努力の賜物なのだと。
こういった経験は普段の業務や会議で活かされる部分があるでしょうし、メンターメンティー制度を通して業務に良い影響があればと思います。

中西:メンター皆が心理カウンセラーの資格を持っているようなプロではないので、質問に対して確実な答えを言えない場面もあります。例えそうだったとしても、きちんと共感性を持って一緒に考えることが大切だと研修で学びました。
新たにメンターになった方で自分に務まるかどうか不安に思う方もいるでしょうが、『一緒に考え、共に成長していく』という事がテーマでもあります。そこまで心配せずに、メンティーと協力し楽しみながら取り組んでいくっていうスタンスでいけば良いと学びました。

ありがとうございます。気負いせずに取り組んでいけるといいですよね!ちなみAさんはメンターメンティー制度には参加していませんが、メンター制度はどのように映りますか?

採用担当A:純粋に楽しそうだなって思いますね、お菓子を食べながら皆さん和気あいあいと話しているので(笑) 自販機前の休憩スペースでオープンに話しているのを見かけることもあります。週を追うごとに仲良くなっていく様子は微笑ましいとも感じます(笑) あとは私自身が中途入社なのですが、中途入社の方にもメンター制度があれば良いなと思います。

田中:そうですね!今はコロナで食事にも行きにくいし…コミュニティが制限されますよね。こういった中なので、PG Liveは結構いい効果があると思います。初日にみて貰えると社風も知ってもらえて、安心感も得られますし。

※PG Live。
毎月1回、全社員が参加するオンラインミーティングで、朝の情報番組風に、月替わりに抽選で選出されたコメンテーターと共に生配信される。各プロジェクトの最新ニュースや実況プレイ、社員による自己紹介プレゼンやペット紹介、健康増進のための体操コーナー、採用CMが流れたりと盛りだくさん。コメント欄も常時賑わっている。

ちなみに、メンターメンティー制度導入のきっかけって何ですか?

田中:こういった制度があることを知った社員が「うちでもやろう!」と提案した事がきっかけですね。
その後、当時の運営責任者から、ある日突然バトンタッチされました(笑) 最近は運営メンバーも増えて負担は大分軽減されて助かっています。お菓子係ともあります(笑)

大野:お菓子係です(笑) 地味に苦労する場面がいくつかあって…。メンターメンティーの人数が増えているので大量のお菓子を運んだり、各自の好みに合わせたものを用意したりと。あとは賞味期限に気を配ったりもします。

実際にメンター制度で消費されているお菓子達。いつも大量のお菓子が調達されている。

ペク:余ったお菓子とかどうするんですか?

田中:運営サイドで貰っています(笑) そこからプロジェクトチーム内に配ったりしていますね。

平岩:最近はあんまり残ることないですけどね(笑)

田中:そうですねー。皆どんなお菓子が好きですか?僕はグミ好きですが、不人気なんですよね(笑)

大野:ジャガビーは消費されるのが早いです、カントリーマアムとかベイクとかはそこまでリクエスト多くないです。

お菓子ランキングが作れそうですね(笑)夏はアイスとかかき氷とかもいいですね!会社近くにかき氷屋さんがあるので実際に行ってみたり、季節に合わせた過ごし方もいいですね。
では、メンティーの方の意見を更にお伺いしたいなと。メンターと話した事で何か考え方や仕事に対する取組みで意識が変わった事などありますか?

川辺:僕はメンター制度の面談の時間を休憩時間だと思っていました。仕事の合間に一息付けるので、メンターとの時間を楽しみにしていました(笑)

制度については入社前からご存じでしたか?

ペク:私は入社してから知りました。最初は制度に参加する不安を感じました。ただ、実際に参加したら本当に女子会をしているみたいで楽しく過ごせました(笑) 自分とタイプが違う方と話せて色んな刺激もありました。

今年のメンター制度のキックオフミーティングでのひとコマ
去年メンターだったペクさんと川辺さんも、今年はメンターとして頑張っています

中西:私がメンティーの時はメンターメンティー制度最終日に皆でゲームバーに行ったりしました!後は複数のペアでご飯に行ったり…コロナ渦になり、難しいかもしれないですがいつか再開したいですね。

 

田中:コロナのせいで物理的に距離を取らないといけないので、なかなか難しくて残念ですね。

平岩:まあそういった中でも、特にトラブル無く運営出来ていますよね。相性が悪かったペアとかはなかったですし…。

田中:運営側もやっぱりメンターを選ぶ時に、きちんと適性があるかどうかを見極めて選んでいますからね。なので、今後入ってくる新入社員の方々もそこは安心してこの制度に取り組んで頂きたいです。突然乱暴な先輩が付くことは絶対に無いので!(笑)

 

これから入社する方や新たに制度に参加する方も、不安を感じず積極的に取り組んで頂けますね!運営チームは週に1度ミーティングをしていますが、どういった話をしていますか?

平岩:3割位はメンターの状況の確認をしています。残りの時間も新人社員の話が中心で、メンター制度外でのトラブル等でフォローやサポートが必要な状況かどうかの話などを結構していますね。

田中:メンターメンティー制度の枠に囚われず、若手の社員が困っていることが無いかはチェックしていきたいと考えています。ミーティングではそういった事を意識しながら、現状報告の時間を作っています。

メンティーに限らず新人の方々のフォローをしましょうっていう意識が強いですね。運営の方が日頃から見守っていてくれているのがわかりました。メンターメンティー制度を通して、新入社員の方々が安心して入社出来る組織作りをこれからも心掛けていきましょう。本日は皆様ありがとうございました!

 

最後は仲良く、プラチナ(!?)ポーズで。「P」マークです!!

TAG

一覧トップに戻る

メンター・メンティーって何?メンター制度って実際どうなの?プラチナゲームズの「メンター制度」について、メンター・メンティー・運営の皆さんに採用グループからお話を伺いました!(前半)

2022.10.05

****************************************************
プラチナゲームズでは「メンター制度」を導入しています。
※メンター制度…後輩社員(メンティー)に別部署の先輩社員(メンター)が付いて、面談などを実施し、キャリア形成上の悩みの解決の手助け・サポートをする制度
社会人1年目は色々と悩みや不安もあるかと思いますが、そのニーズに応える制度であり、社内では好評なメンター制度。
今回は「プラチナゲームズのメンター制度って実際どうなの?」をテーマに、メンター・メンティー・運営メンバーの中から7名にお越しいただき、採用グループからお話を伺いました。
****************************************************

皆さん本日はお集まりいただきありがとうございます!まずは自己紹介をお願いします。メンター制度での役割も添えていただけますか。

小西:サウンドデザイナー、入社3年目の小西です。昨年は川辺くんのメンターをしていました。

川辺:キャラクターモデリングアーティスト、入社2年目(昨年度メンティー)の川辺です。

中西:ミュージックコンポーザーの中西です。入社4年目です。私はペクさんのメンターをしていました。今まで、新入社員2名のメンター経験があります。

ペク:VFXアーティストで、入社2年目(昨年度メンティー)のペクです。

田中:プログラマーの田中です。メンター制度の運営メンバーで、推進責任者です。

平岩:サウンドデザイナーの平岩です。今年から運営メンバーに加入しました。僕はメンター経験としては過去に5名ほど対応しています。

大野:労務担当を担当している大野です。労務担当は皆、メンター制度の運営メンバーです。

さっそくですが、「メンターメンティー制度」について、実際にどういう活動をされているのか教えてください。頻度、場所など。

田中:メンターとメンティーの面談を、週に1度、30分間行っています。基本的には会議室で実施していますが、外で散歩しながらしたりすることもありますね。

中西:出社している日は、会議室で行うことが多いですね。

平岩:在宅勤務の日は、Zoomを利用しながら行っています。

田中さん、会議室ではなく外で実施する理由は?

田中:社内だとどうしても仕事モードのままになってしまうので、切り替えるために一度外に出てリフレッシュして話せるようにしています。

 

後輩が先輩と話すのは緊張することもあるかと思いますが、会議室で面談をする際にリラックスできる雰囲気作りは心掛けていますか?

中西:おすすめのお菓子を持参したりしています!『これ美味しいから食べてみて!』みたいな感じで話し出すと、リラックスした雰囲気で始める事が出来ますし…。最近ではメンティーの子が自分のお気に入りのお菓子を持ってきてくれることもあって、お互いのおすすめのお菓子の話で盛り上がりました(笑)
あとは、会議室に入っていきなりは面談を始めずに、まずは天気や最近見たTV番組などの雑談から始め、和やかな会話でスタートするように心掛けています。

話しやすい雰囲気作りは大切ですね!ちなみに皆さんのおすすめのお菓子は何ですか?(笑)

中西:前に貰った韓国のお菓子ってなんだっけ?

ペク:『ククダス』ですね!とても柔らかくて、パッケージと密着しているので開けるのが難しいお菓子です。すぐに砕けてミーティングルームが汚れちゃいます(笑)

中西:こういった雑談で盛り上がりました(笑) とっても美味しいお菓子でした!

韓国発で人気のお菓子、ククダス

楽しそうで良いですね!他の方は何か工夫していることはありますか?

小西:僕達の場合は、初めは会議室で行っていました。ただ、話している中で川辺くんが散歩好きだとわかったので、リフレッシュの意味も込めて外を散歩しながら行うようになりました。川辺くんは関東出身なので関西出身の僕が会社近辺を案内したり、そこで見つけたレストランなどの話をしたりして息抜きが出来るように工夫しています。最近はグランフロント大阪の1階にあるカフェの新作ドリンクを購入して、飲みながらオフィスへ帰ってきたりしました。

話しやすいし、外で体を動かすことで体もほぐれて良いですね!
では次はメンティーの方にお話しを聞きたいと思います。メンターとの面談をする中で、話の話題に悩んだりした経験はありますか?

川辺:慣れるまでは時間の使い方に悩みました。30分という限られた時間をどうやって使うか、何の話をするかなど色々と考えてしまったりして…。

田中:平岩先生、何かおすすめの30分の過ごし方とかありますか?

平岩:うーん(笑) 話題作りの向き不向きも人によって違うので、30分という枠に囚われ過ぎないのがいいと思います。特になにも無ければ早めに終わったりしますし。

田中:確かに。『30分まで』とは決められているけど、きっちり時間通りにやる決まりはないですよね。

平岩:特に困っている事とかなければ、会社のお知らせとかで気になることが無いかの確認とかしますね。早めに切り上げることは双方にメリットもありますし、面談をコンパクトに収めることは結構ありました。

話すことが特に無い場合の過ごし方って、他の皆さんにもあったりしますか?

中西:メンター面談の時間を使って、ゲームをしているペアもいると聞いたことがあります。

ゲーム会社ならではですね!
ちなみにメンターの皆さんは普段業務で忙しくされていると思いますが、通常業務との兼ね合いはどうやって付けていますか?
もちろん周りの人の協力や理解もあると思いますが、当日までに仕上げたい仕事がある時などどうやって折り合いをつけているのかな?と…。

中西:私は臨機応変に調整しています。メンター面談の時間はしっかりと取りたいので、週に1度は必ず時間を取れるように時には面談をリスケしたりもします。

メンターが慌ただしくしていると、メンティーの方も何かを察してしまう可能性もありますよね。

中西:そうですね。メンターとメンティー、お互いが落ち着いて話せるよう時間を合わせて柔軟にやっていくのはアリだと思います。

小西:僕らの場合は事前に毎週の日時を決めてしまっているので、会議等が入ったりしたらその週の面談はスキップしていました。面談の時間だけが、メンターとメンティーの関係ではないと思います。川辺くんに辛いことや困ったことがあった時は気軽にSlackで話が出来るようにしていました。
※Slack…社内で社員間の連絡に使用しているチャットツール

中西:お昼ご飯を一緒に食べに行くことも良いですよね。機密情報があるので話せる内容は限られますが、メンターメンティーの枠に囚われすぎずに、より密なコミュニケーションが取れた感じがしました。

では実際に1年間活動されて、上手くいったことや課題だと感じたこと、メンター活動を通して自身が成長したと感じたことを教えていただけますか?

中西:プロジェクト外の他セクションの方との繋がりが出来たことが良かったですね。メンティーを通してコミュニティが広がったように感じました。また自分が新人時代に抱えていた不安や悩みをメンティーが感じているのをみることで、当時の事を思い出すことが出来ました。仕事で部下や後輩に接する際に、より同じ目線に立つ事が出来るのは、こういったメンターの経験があってのものだと感じています。

 

例えばどういった悩みがありますか?

中西:うーん…。『制作した内容等がディレクターや上司から何度もリテイクされ、業務が停滞しているのですがどうしたらいいですか?』という悩みは『あぁ~あったなー!』って感じました。そういう時は、ベタですが『一度、業務から離れてみたらいいよ?』と、アドバイスをしたりします。きっと抽象的な問題に悩んでいることが多いと思うので、『どこが問題になっているか』『どういったものにしたいのか』を見直した方がいいですし、ずっと同じ手順を繰り返すから上手くいっていない事もあります。メンティーから相談される悩みは自分自身でも感じることがありますし、普段の業務の中で後輩を気遣うきっかけにもなっています。

メンター制度を通して色々と学んでいますね!

中西:そうですね!学んだことはいつも頭の片隅においています。

田中:コロナ渦になって、社内イベントが無くなったじゃないですか。忘年会とかボウリング大会とか…。

川辺:そんなのあったんですね…!

田中:色々とやってたんですよ(笑) 社内イベントが無くなった今、仕事以外のコミュニケーションが取りづらくなっていると思います。
他の部署との繋がりも少ないですし。こういった状況だからこそ、メンター制度は社内コミュニケーションの一環として一役買っていると感じます。

小西:僕も中西さんと同じような意見ですね。やっぱり年数を重ねると、自分が入社当初に悩んでいた事を忘れていってしまうので…。新入社員が入った時に、抱えやすい悩みを理解した上で接することが出来るというのは重要なことだと思います。

TAG

一覧トップに戻る

プラチナゲームズのサウンドセクション座談会!(前編)入社5~6年の先輩サウンドデザイナーとコンポーザーに直撃!学生時代の体験談は?就活作品のどこに注目している?衝撃を受けた“ゲーム会社の音の作り方”って?気になる話を直接聞いてみた!

2019.03.20

ICHIでございます。これまでに4回続いてきたプラチナゲームズのフレッシュマン座談会も、今回が最終回。最後は趣向を変えて、新人ではなく先輩社員の視点からお話を伺います。

今回は特にゲーム業界のサウンドのお仕事の特徴や、先輩の立場から見た就活作品、どこに注目しているのか? などなど、ゲーム業界のサウンド職に興味がある人はもちろん、そうでない人にとっても参考になるお話が満載ですので、ぜひ最後までお楽しみください。

◆バックナンバー
→プラチナゲームズの新人ゲームデザイナー座談会! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート1! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート2! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人プログラマー座談会! 前編はこちら



– では最初に自己紹介ということで、出身と好きなゲームなど教えていただけますか。

平岩:サウンドデザイナーの平岩です。これまでに2つのプロジェクトに関わってきましたが、いま携わっているタイトルは――まだ言えないですね(笑)。出身地は東京都で、専門学校のミュージック学科に4年間通っていました。現在僕はサウンドデザイナーとしてSE制作を行っていますが、当時通っていた学校では基本的にSE単体の授業はなくて、MA作業とか、レコーディングとか、あとは楽曲の制作とか編曲とか、音楽理論とか――。

– ミュージック学科、わりと何でもやるんですね。

平岩:そうです。著作権とか――授業は、覚え切れないぐらい一杯あります。もう覚えてない事柄も多いです……。

五十嵐:コンポーザーになればよかったのでは……。

平岩:作曲は苦手だったんです(笑)――というのが学生時代でした。好きなゲームですが、一番遊んだゲームは『コール オブ デューティ ブラックオプスIII』。あとはちょっと変わった世界観のものが好きなので――『BioShock』とか、『サイコブレイク』とか『The Last of Us』も大好きです。

五十嵐:世界観面白い系、みたいな。

平岩:そう、ちょっと歪んでいるような。『INSIDE』とかもすごく好きです。

– なるほど。シューティングに限らず、世界観が。

平岩:世界観が気になったものは遊んでますね。

– ちなみに学生時代の授業では幅広く勉強していたみたいですけど、そこから今のゲーム業界を目指すようになった経緯は。

平岩:そうですね。本当にそもそもの話をすると――高校生の時は、“歌手” を目指していました。

– おおっ。

五十嵐:初耳。

平岩:意外な事実(笑)。記事として書いてもらったらカッコイイですかね??(笑)

– イイじゃないですか。

平岩:それで歌手になろうと思って、高校を卒業してからお金を貯めていたのですが――実際、歌手になって将来食べていくのは厳しいだろう、と。そして考えた結果、「だったら “歌を録音する側” に回ろう」と思い、レコーディングの勉強をするために専門学校に入りました。

– 歌が好きだったんですね。

平岩:ただ、最初は「エンジニアになろう」と思って勉強をしていたのですが――最初の年の後半で“MAの授業” が始まったんです。一回目の授業が「このCMに音をつけて下さい」みたいな、あらかじめ用意された “出来ている音” をハメ込むだけの作業だったのですが、それがまあ面白くて。そこから効果音の勉強をするようになって、今に至る、と。
――まあでも当時は「ゲーム業界に入ろう」というわけじゃなくて、「映像系だったらどこでもいい」ぐらいの気持ちで(笑)

五十嵐:“新卒募集” があるのは、ゲーム業界ぐらいだよね。基本的に。

平岩:そうですね。サウンドに関して言うと、もう全然。募集が来るのも遅いので……。

– とりあえず就活を始めて、最初に応募したのがゲーム業界だったと。

平岩:サウンドの募集自体がないので。あったとしてもかなり後半のほう。でも、プラチナゲームズは募集が早かったので、「とりあえず出してみるか」と(笑)

五十嵐:やっぱそうなるよね。

– ところで、“ゲームのMA” は学生時代と比べて、特に変わったことは無かったんでしょうか。

平岩:「ゲーム会社に入っても、ある程度は大丈夫だろう」という甘い考えでした(笑)。全然出来なかった……! 全然、違ってた……!

– なるほど(笑)そのあたりの話は、後ほどまた伺いたいと思います。五十嵐さんは。

五十嵐:ミュージックコンポーザーの五十嵐です。これまでに『ベヨネッタ2』『TRANSFORMERS: Devastation』『TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES: Mutants in Manhattan』『NieR:Automata』などのタイトルに関わってきました。出身は神奈川県なのですけど――高校までは地元に居て、そこから東京の4年制の大学の情報系学科に。プログラムの授業に特化した理系の学科、って感じでしたね。

– ――それがなぜ。

五十嵐:高校の部活に入るときに、僕、軽音楽部だったんですけど。「ギター始めたいな」っていうのがあって――何がきっかけだったのかは覚えてないんですけど。

– モテたかったとか?

五十嵐:いや、そうではなかったですね。僕その頃ヘビィメタルにすごくハマっていて。それまではビートルズぐらいしか、音楽をあまり知らなかったのですけど、「こんなのもあるんだ」って結構ビックリして。多分それがきっかけでギターを始めたのだと思います。

それで結構ギターに夢中になっていたのですけど――僕、もともとゲームが好きで、ゲーム音楽自体もすごく好きだったんです。それでバンドをやっているうちに、「ゲーム音楽って、打ち込みで作られているものが多いから、PCでも音楽を作れるんじゃないかな?」という方向に興味がだんだんシフトしていって。ちょうど大学受験ぐらいの時期に、フリーソフトで曲を作り始めて。

– 大学受験の時なのに(笑)

五十嵐:それはまあ――無事に大学は入れたんですけども。大学でもまた「バンドやろうかな」と思ってたら――やっぱり自分よりギターのうまい人が一杯いて。高校では自分はどちらかというとギター弾けるほうだったんですけど、それも地元の、小さい高校だったから。でもその頃はもう、作曲のほうに興味があったので「もういいや」と。ギターをポイッと捨てて、それからは作曲のほうにシフトした感じですね。

結局大学の間、ずっと夢中になってやってて、ネットにも自分で曲を上げたりして――それを4年間続けて、就活も「もともとゲーム音楽好きだったし、受けてみようかな」と思ってゲーム会社を受験してみたわけです。なので、僕は趣味の延長です。

– 大学受験のときは、ゲーム会社を目指していたわけじゃなかったんですね。

五十嵐:作曲は受験の時期に始めたばっかりで、まだ “ちょっと興味があります” レベルだったので。ある程度曲を作れて自信があったら、その選択もできたかもしれないですけど――その時点では「音楽をやりたい」っていう理由で大学を選ぶことはできなくて。

– それじゃ “情報系の学科” を選んだ理由は。

五十嵐:もともとやりたいことがなかったんですけども、「どれかといったら……プログラムかな?」といった、すごいフワッとした感じの動機です。

– で、とりあえず情報系だと。

五十嵐:――その結果、大学では音楽ばっかりやっていて、あまり勉強してなくて。一応、卒業はしましたが。

– 大学での就活の時は、音楽業界といっても一応 “ゲーム系” と決めていた?

五十嵐:選択肢としては、いくつかあったんですけど―― “新卒採用” という枠で、企業として募集をかけている会社って、ゲーム業界しかないんですよ。コンポーザーって。いわゆる「音楽事務所」とかになると、応募要項とかを見ても「デモテープを送ってください」としか書かれてなかったりして。

– 新卒も中途も関係ないんですね。

五十嵐:そう、関係ないんですよ。なのでこう――新卒採用としての募集から内定をもらって――っていう、“ちゃんとした採用のステップを踏んで入社する安心感” というのがあったほうが、ちゃんとした企業に入った感じで、親も安心するだろうし。

– なるほど。ただ新卒でゲーム会社といっても、いくつかありますよね。

五十嵐:でも僕、エントリーしたのがプラチナゲームズを含む3社だけで。しかもデモテープまで出したのは、プラチナゲームズだけです。他の2社は作品提出の前に筆記試験があって――それを見たときに少し熱が冷めてしまって。それで結局、作品も出さなかった。そこは規模が大きな会社さんだったので、試験があることは理解できましたが……。

– それじゃ結果的にはもう、決め打ちに近いですね。その3社はどういう基準で?

五十嵐:僕はわりと映画っぽいサウンドが好きで――逆にデフォルメされたサウンドはあまり作りたいものではなかったんですね。そう考えたとき、プラチナゲームズはハイエンド機向けに、しっかり作れるというのを売りにもしていたので、それもあって「面白そうだな」と思って選びました。

– それまでに何かプラチナ作品はプレイされていたんですか?

五十嵐:『BAYONETTA』と『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』――あ、でも僕、応募のときはまだプレイしていなかったですね。プラチナを知ったのは、たまたまYoutubeか何かで『BAYONETTA』のトレイラーを観たのがきっかけです。すごくアクションが派手じゃないですか。しかも、音も面白いし――というので知って、凄いなと思って。

– ゲームはどういったものが好きなんでしょう。

五十嵐:昔はRPGが好きだったんです。それこそ『ドラゴンクエスト』とか『ファイナルファンタジー』、あと『ヴァルキリープロファイル』とか。そういうのがきっかけで、ゲーム音楽が好きになって作曲を始めた、みたいなところがあって。でもだんだん映画みたいなストイックな音楽が好きになってきたんで――最近だと『Bloodborne』とか好きですね。ゲームのジャンルで言うと割とまちまちだったりします。僕も結構アートワークとか世界観で興味を持つことが多いので。

– ゲームのジャンルというよりは、世界観。

五十嵐:そう。そこがダメだと、ゲーム性が面白くてもハマり切れないところがあるんで。

– なるほど。平岩さんは、ゲーム会社はどこで選んでいたんですか?

平岩:ほぼほぼ、選んでないです。早い段階でプラチナゲームズに拾ってもらえたので……(笑)

– 他の会社に作品は送っていなかったんですか?

平岩:プラチナゲームズって、就職作品に “今まで作っていたもの” を出せるんですよ。他の会社で僕が送ろうとしていたところは「お題」があったんですが、なかなか向き合うことが出来なくて……。

五十嵐:あ、僕もそう。お題を見て、やめちゃいました。

– そのあたりの形式はSEもコンポーザーも同じなんですね。

平岩:たぶん同じだと思いますよ。そこらへんの判断材料は。でもそのときは結局、短時間での制作になってしまいました。もし当時に戻れたらしっかりやるように説教したいです(笑)

五十嵐:たしかプラチナゲームズはデモテープで何曲、とかだったので。

– でも他の会社も、そこで「お題」を出して作らせる、というのは意図があるんですよね。

平岩:学生時代は “自分の作りたいもの”を作れるんです。でも会社に入ったら “「作って」と言われたものを作る” という風に対応しなきゃいけないので。お題については、そういったときに “どういうものを作るのか” を判断したいということなのかな、と思いますけどね。

– その点、プラチナゲームズが “これまでに作ってきたものでいい” というのは、どういう意図があるんでしょう。

五十嵐:お題とかで例えば「こういうジャンルの曲を作ってください」とか、「このシチュエーションに合わせた曲を作ってください」とか、そういうのに対応する能力は結局、“現場で揉まれて伸びる” 部分があるな、と個人的には思っていて。でも、そういう器用さに長けた人よりは、「これが自分の曲だ!」みたいな “芯のある曲” を送ってくる人のほうが面白い曲を作るな、と―― “曲として面白いもの” を作れる人のほうが、後々の伸びしろがあるのかな、と僕は考えています。それに、あまりにもお題に対して不器用な人というのは、「曲を聴けば分かる」みたいなところがあるので。

– あ、そうなんですね?

五十嵐:はい。“器用に作れる人” というのは、お題があったほうがジャッジしやすいのかもしれないですけど――これしか作れない人、というのは「聴けば分かる」というところがあるんで。これは僕の考えですけど。

– なるほど。これは面白い話が聞けました。ちなみに平岩さん、プラチナゲームズはどうして知ったんでしょう。

平岩:専門学校の会社説明会に来てもらえて、僕はそこで初めてプラチナゲームズを知りました。講堂みたいなホールで「こんな会社です」という映像を見せてもらって――「めっちゃ面白い人がいるな」と衝撃を受けた記憶があります。

– ちなみに先ほどの話に出ていた「MAの仕事ってこうだろう」と思っていたけど、「入社してみたら全然そんなことは無かった」というのは。

平岩:MAって、音楽とSEが担当している部分と、ボイスなどがあったりして、タイムラインがわーっと流れて “何かが起こった時” のその音量って、コントロールして出せるので、“融通が利く” というか “自分が狙った音” で出せるんですが、ゲームのSEとなってくると、当然ゲーム中なので、色んな場面で同じSEが鳴ります。周囲が超うるさい場面でも、超静かなところでも、同じように音が鳴る可能性があるので、すごく苦労していて……。

– 同じ音でも、いろんなシチュエーションで鳴るので苦労する、という。

平岩:僕が最初に配属されたとき、「敵の足音から、まず作ってみよう!」ということになったんです。で、僕は「足音かー。鎧付いてるからガチャガチャ鳴らしておけば……」みたいな感じで作ったんです。そしたら先輩が「平岩な。……これは、聞こえん」って(笑)。「どういうこと?」ってなったのを覚えています(笑)。
それで「まあこれ、一回入れてみよう」って話でゲームに入れて聞いてみたら――全然聞こえない!

– 埋没しちゃうんですね。

平岩:で、先輩が作った「俺だったらこう作る」っていうのを聴かせてもらいましたが、初めて聞いた時は結構驚きました。すごく誇張されたように感じたので……。でもゲームに入れたら、僕が “これぐらいで鳴らしたい” と思っていた感じのものが再現できていたんです。すごく驚きましたね。「これくらいで作らないと存在感が生まれてこないんだ」というのをその時強く感じました。

– そこまで誇張してようやく。

平岩:もう本当に。そこはすごく苦労した記憶が……。

五十嵐:そこは “マスキング前提で作る” っていう。

– マスキング、というのは?

五十嵐:BGMとかと、音がかぶって埋もれちゃうのをマスキングって言うんですけど。食い合って聞こえなくなっちゃう。

平岩:環境音とかもそうですね。

五十嵐:そういうのを前提として。

平岩:あとSEはゲームの “アイコンとしての役目” があるじゃないですか。「敵が後ろから近づいてきた」というのを音で分からせるためには、足音はやっぱり聞こえてなくてはいけなくて。あんまり存在感の無い――フサフサした音とかだとやっぱり気付かないんで。ある程度ゲーム上のアイコンとして必要なところ。攻撃とか、近寄る動作とか。結構派手に作ってるんだなあ――っていう感覚ではありましたね。

五十嵐:MAだったら、カブるところは切っちゃえばいいんで。後ろのBGMとか。

平岩:「ここ!」っていうときに、スコーンッ、と音量を下げて。何なら足音もバーン!と上げられるんで。ゲームだとそういうのがこちらの都合では出来ない、という。

– 五十嵐さんはどうです?実際仕事でやってみて。

五十嵐:僕も研修っていうより “いきなり実践” って感じだったんですけど――最初の曲、1ヶ月かけて作って、結局OK出なくて。

– 最初の曲で。

五十嵐:で、別の曲をまた1ヶ月かけて作って、ようやくOKが出た、みたいな感じでした。やっぱ全然違ったんですよね。――学生時代って、映像のために曲を作ってたわけじゃなく、“自分がカッコイイと思う曲” を作っていたんで。

最初に作った曲はボス戦とかそういう曲じゃなくて、わりと地味なステージの曲だったんですけど、気合を入れて作ったら、「ちょっとドラマチックすぎない?」とか、「カッコよすぎるね」とか、「綺麗すぎるよね」とか。そっちのほうが曲としては聴き応えがあると思うんですけど――でも要するにステージ、“絵に合っていない” と。

じゃあ、ってことで色々要素を抜いていくと、今度はつまらない曲になっちゃうんです。そうすると「全然面白みがないね」って言われて――「どうすればいいの!?」ってなって。なんか自分が、“いい曲”、“面白い曲” って思うものを作ると、やっぱカッコ良くなっちゃったりとか、しちゃうんですけど――。

– 一見、褒め言葉のように聞こえますけどね。

五十嵐:“カッコイイ” は――例えばゲームがすごい盛り上がっているシーンとかだったら、カッコイイっていうのは合うんですけど、別になんでもない普通のただの墓地とかのステージだったら、カッコイイ必要は確かにない。でもそのカッコよさを排除したうえで、“面白みのある曲” ってどうやって作るの? と。ゲームの場合、ループして何度も聴くことになるから。やっぱり “ループしても聴いていて耐えられる曲”、面白さみたいなものを「入れなきゃいけない」って言われて。そのバランス感覚がメチャメチャ難しくって。

– ……話を聞いているだけでも難しそうですね。

五十嵐:それが本当に、最初は大変でしたね。分かるようになると、「なるほど」っていうところはあるんですけど――これは本当に、現場に入らないと分からないことだな、と。「これは絶対1人じゃ身に付かないセンスだったな」と感じましたね。

– なるほど。そういったこともあって、先ほどの応募作品の話でも――。

五十嵐:そうですね。そこにつながりますね。
学生さんが仕事でもないもので「絵にイメージつけて(曲を)書きました」って言われても、練度が高くないので、あんまり意味がないな、と。それよりデモテープではやっぱ “面白いものを持っている” というのを出したほうがいいな、と感じるんですよね。

– 自分が得意としている、面白いと思うものを出せる力、それが役に立つ場面があるということなんですね。

五十嵐:その人のセンスみたいなものって、絶対に何が何でも滲み出てくるものだと思うんですよね。それが強い人は、どんなものを作っても絶対出てくるものだと思うので。「この人はこういう曲を作るよね」っていうのはウチのスタッフでも絶対。全員、色があるんで。それはボス曲を作っても、ステージ曲を作っても、会話中のシチュエーション曲を作っても、何をしても “その人のカラー” というものはある。

– ゲーム内で求められているシチュエーションに合わせつつも。

五十嵐:ちゃんとその枠内で、ということですね。「枠内に収まっているけど、ちゃんと自分の色も出ている」という。

– 逆にその人の持っている良さのピークを求められることは?

五十嵐:その人の個性が全開で出せる曲がゲーム中にあるかどうかっていうのは、正直わかんないですけど――たとえばヘビィメタルとかがメチャメチャ好きな人が、一切エレキギターとかを使わないような演出をするゲームの曲を作ることになったとき。その人が一番カッコイイと思うのはヘビィメタルかもしれないけど、それでは作れないじゃないですか。それでもそのエレキギターとかに依存しない部分、その人のメロディのフレージングのクセだったりとか、何かしら絶対あるんですよね。魅力的な曲を作れる人っていうのは、そういうのがあるんで。絶対に何作っても、その人の良さは出てくると思っています。

– 就活作品ではそういうところを見ている、と。

五十嵐:僕はそういうところを大事にしたいですね。

(後編につづく)


2020年新卒 会社説明会 予約受付中!
≫≫ [PG MYPAGE]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪
≫≫ [リクナビ2020]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪

※プラチナゲームズにご応募いただくには会社説明会への参加が必須となります。
※当社専用採用ページ[PG MYPAGE]にて、当社説明会をご予約済みの方は、リクナビから重複してのご予約はご遠慮ください。リクナビから説明会をご予約・ご参加いただいた方には後日[PG MYPAGE]を案内いたしますので、ご安心ください。
※席数に限りがありますので、重複してのご予約はご遠慮ください。
※一部職種についてはすでに満席となっている回もありますが、キャンセルが出る場合もありますので、随時ご確認いただければと思います。



◆バックナンバー
→プラチナゲームズの新人ゲームデザイナー座談会! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート1! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート2! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人プログラマー座談会! 前編はこちら

TAG

一覧トップに戻る

プラチナゲームズのサウンドセクション座談会!(後編)入社5~6年の先輩サウンドデザイナーとコンポーザーに直撃!ゲーム会社のサウンド制作の工程は?仕事に対するこだわりは?就活生へのアドバイスは? 気になる話を直接聞いてみた!

2019.03.20

→プラチナゲームズのサウンドセクション座談会! 前編はこちら



– それでは実際のゲーム制作の中での仕事の流れなど、よく知らない方も多いと思いますので、教えていただけますか。

平岩:SEは基本的にゲームデザイナーが考えたものをキャラクターモデリングアーティストやアニメーターに伝えて、それをプログラマーが動かして――といった、上流の工程が進まないと作れないことが多いです。

– 画面上でモデルが出て、実際に動いた時点で依頼が来る、と。「この動きに対して音を付けて欲しい」という感じで。

平岩:動いた時点で「こんなのあるんで、お願いしまーす」と。そんなに細かく発注は来ないですけどね(笑)

五十嵐:サウンドは必要な箇所を自分で見つけて、実質こっちからどんどん進めていく、っていう感じ。

平岩:そうですね。「これ(音が)付いてないじゃん」みたいな感じで。

– ちゃんとした発注が来ることも?

平岩:「こういうの付けてもらえますか」みたいなのもありますけど、今携わっているプロジェクトだと少ないです。

– じゃあ普段は皆さんがゲームを実際にチェックしながら。

平岩:――っていうのが多いですかね。あとはSlack*とかで情報が流れているのでそこから自分でピックアップしてくる感じです。
*全社で使われているメッセンジャーツール。単なる雑談部屋のほか、各プロジェクトやチームごとにも個別の部屋が立てられて情報共有が行われている。

– それで実際に音を作られた後は?

平岩:自分達で組み込み、鳴らします。――プログラマーに鳴らしてもらう、というパターンもあるんですけど、自分達で出来るものは自分達で組み込んで鳴るところまで確認して、データをアップデートします。

– ものによってはプログラマーに頼むこともあるけど、基本はワンストップで、作ったものを自分で実装するところまで出来るようになっていると。

平岩:そうですね。

– ということは、仕事を頼まれる時には上長から割り振られてくるというよりは――。

平岩:そこは担当者によると感じます。

– サウンドのリーダーの。

五十嵐:相手が新人だったら多分細かく「これやって」、「この音作って」、って言うと思うんだけど。ある程度仕事歴があったら、もう「このステージやっといて」みたいな(笑)

平岩:今のプロジェクトでは「気付いたらやる」みたいな感じのものが多いです。でも他の人の作業を見ていると、「このキャラをこの日までに」、「この何々の動作音をこの日までにやってね」というのも、もちろんあるようです。

– 自主的に仕事を見つけて、自分で解決して。

五十嵐:それをやらないと、あとで首が絞まる。結局作らなきゃなんないのに「こんなに残ってるじゃん」って。

平岩:自分達で見つけないと大変なことに(笑)

– コンポーザーもそんな感じなんですか?

五十嵐:そうですね。大体、仕様書とかから大体の物量は出すんですけど――何ステージで、ボスが何体いるから何曲ぐらい要るよね――みたいなのをざっくり出して。曲調に関しては最初にラフなものを作ってディレクターと相談して決める、みたいなところはありつつ。

で、最初に出したリストから――BGMの場合は映像がないと作りづらいので、ボス曲だったらボスが出来ていれば。ステージ曲だったらステージの背景があれば。作りやすいものから作っていく、って感じですね。それすらない時はコンセプトアートで作るとか。

で、実際にゲームに入れるとたぶん――違うんで(笑)調整する、みたいな感じなんですけど――曲ができたらディレクターのチェックを受けて、「OKです」、となったら自分で実装。ミドルウェアを使って組み込むんですけど、最初の実装の時に “このタイミングでこれを呼ぶ” といった部分はプログラマーに頼んで進める、みたいな感じですね。実装した後は音量を調節したりとか、演出で曲を鳴らすタイミングを微調整したりとか、そういう作業になります。

– SEみたいに発注漏れがあったりは?

五十嵐:プロジェクトにもよると思いますが、BGMはそもそも発注が来ないです。

一同:(笑)

– 自主的に「ここに曲が要るんじゃないか」という。

五十嵐:そうですね。基本的に自分で全部出してからディレクターと相談して。で、たまにディレクターとかから「ここの曲を変えて欲しい」とか「ここに曲が欲しい」といった要望があると「対応します」という感じですね。

– 良く言えば「自主的に仕事を取りにいくスタイル」みたいな。

五十嵐: “任されてる感” はある。

平岩:ディレクターによるところもあると思います。

– どっちがいいと思います?

平岩:どっちかなぁ……。ここも個人によって意見は分かれると思います。僕の場合で言うと精神的な楽さは、たぶん任されたほうが楽ではあると思うけど。でも「もっとこういう感じにしてよ」みたいなのを細かく言われたら、その分「勉強にはなる」と思いますけどね。「あ、そういう感じ?」、「なるほどね~」みたいな。そこにキュッとフォーカスを絞って作っていかなきゃいけないので、精神的余裕はかなり減るけど、“自分が思いつかないもの” を作ることになるので、技術的には上がるんじゃないかなと思います。

– 進め方はプロジェクトやディレクターによって違う、ということですね。ちなみに仕事でのこだわりとか、やりがいのある部分というのはどういうところでしょう。

平岩:サウンドに対してのこだわりは、多分みんなそれぞれあると思うんですよ。僕の場合、こだわりといったものでは無いかもしれませんが、“上流を突っつきに行く”ということを気にして仕事しています。

– “上流を突っつきに行く” というのは。

平岩:それがいいことか悪いことかは、人によって判断は違うと思うんですけど――結構僕はモーションとか、エフェクトとか、自分の我儘を言わせてもらってます(笑)「このエフェクト、シュッてなってパッってなってますけど、グルグルッってなってシュッ、にできませんか?」みたいな(笑)。モーションも同様に、「こう引っ掻かないで、こう引っ掻いた方が良くないですか??」みたいな。ちょっとした提案とかをしたら、「わかりました。やってみます」といってくれる方が多くて、ものすごく感謝してます。僕はどちらかというと “ゲーム制作自体に関わっていくスタイルを取っている”、っていうところがこだわりになるのかな。

– その提案って、“サウンドの立場として” こうして欲しい、というものだけではなく?

平岩:そういうのもありますけど、そうではないものも多いです。「こっちのほうがカッコイイ」とか。実際に触って思ったりすると、とりあえず言ってみる。付けて欲しいエフェクトとかがあったら、頼んじゃう(笑)それはSE的な都合もありますけどね。「これ予兆の音がないと絶対避けられないだろう」っていうような攻撃なのに、予兆のモーションがあまり無かったり――モーションが無いとエフェクトも載せづらいので、どうにかして付けてください、みたいな。「パッと光らせられないですか!パッと!」、とか。そうするとそれに対して音も付けやすいので。他の人に頼って楽をしていくスタイル(笑)

五十嵐:ウチの特徴ではあるよね、結構。“他のセクションの人も最大限に利用する” という。

平岩:モロに使っていく。心のゆとりのために。

– セクションの壁を越えて、いいと思ったことを反映させていく。

平岩:越えまくってますね(笑)

– ディレクターに直接言いに行ったりとかも。

平岩:ディレクターに相談することもありますね。「こうしていいですか」みたいな。「うん、好きにすればいい」、「とりあえずやってみたら」っていう(笑)

– それは面白いですね。ゲームならではの。

平岩:そうですね。そこはいいところだと思います。

– 五十嵐さんはいかがです? コンポーザーも同じような感じですか?

五十嵐:僕はそこまでガツガツは行かないですけどね。でも同じようなことはあります。例えばイベントで “こういう演出がある” というときに、「ここにこういう曲を入れたいんだけど、もうちょっと “その演出に入る前触れ” みたいなのが必要だから、そういう部分を作って欲しいな」みたいなのがあったりすると、お願いしにいったりとかはしますね。

– “前触れ” というのは。

五十嵐:ある曲から次の曲に切り替える時に、いきなりガチャッと切り替えると、突然切り替わったみたいになるじゃないですか。そこにクッションというか、“綺麗に繋がるようにするための部分” を入れるためには、映像のほうにも “それにあたる部分” がないと困る、っていう。映像がいきなりガシャッってくっついていると、曲もガシャッって頭で合わせなきゃいけないんで。そうすると綺麗にくっつかないんですよ。曲が。違和感が出ちゃったりするので、そのクッション的な部分を作りたいから、映像的にもそこを作ってくれ、みたいなのとか――。そういうサウンド発信で「サウンド的にこのほうが綺麗だから、映像も合わせてくれないか」みたいな相談とかは普通にあります。

後はまあ、勝手に「こういう曲作ってみましたけど、どうですか」みたいなのを結構(笑)ディレクターに。ディレクターによっては怒られるかもしれないけど――でもまあ、プラスアルファの部分は勝手にやっても怒られることはないかなと。喜ばれることが多い。「“ここは別に曲要らない” って言われたけど、あったほうがいいと思ったので作りました」みたいなのとか。そういうのは結構、「どんどんやれ」、みたいな感じはあるかなと。

– “ゲームならでは” のコンポーザーとして面白いところはあったりするんでしょうか。

五十嵐:“曲を作る” っていうところと “実装する” っていうところを両方持っているのがデカイと思っていて。“ゲームならでは“というよりプラチナゲームズならでは、なのかもしれませんが。――これは僕は経験がないので予想になるんですけど、映画とかって、曲を作る人と曲を演出する人が別の人である場合って多いじゃないですか。シーンに合わせて曲を作るとは思うんですけど、例えばアニメとかだったら、全部が全部 “フィルムスコアリング”(実際の映像に音を付ける)ってわけじゃなくて、「こういうシーンの曲」、「こういうシーンの曲」っていうのを作って、それを渡して、作曲者とは別の人が映像に対して曲をアテていくっていう作業をすると思うんですけど――それだと “曲を作った人がその曲を演出する” ことは出来ないじゃないですか。

– どこで使われるか分からない。

五十嵐:そう、どこで使われるか分からないんですけど、うちのゲームの場合って、“自分で曲を作って自分で実装する” ので、“自分の曲をどう演出するか” まで考えることが出来るし、「こういう演出をしたいからこういう曲を作ろう」みたいなこともできるから。そういうところは “ゲーム会社ならでは” で面白いと思いますね。

– “自分で出来る演出” というと。

五十嵐:ゲームはめちゃめちゃ多いですよね。それこそ鳴らすタイミングひとつ取っても、“数秒違うだけで全然印象が違ってきたりする” んで。「ここで鳴らして欲しくないのに……」とか、「このイントロの曲はここで鳴ったほうが絶対カッコイイ」と思って作ってるのに、違うところへアテちゃったら「違うじゃん」っていう。そういうところもちゃんと “自分でコントロールできる” っていう。

– ステージ曲だったらどこに来たところで曲が流れ出すか、とか。イベントでもどこで曲が切り替わるか、とか。

五十嵐:めちゃめちゃ魅力的な曲でも、演出次第で “全然ダメ” にも “メチャクチャ良く” もなるんで。演出ってすごく大事なんですけど、そこを曲を作る立場でありながら全部コントロールできるのは、大きいメリットだと思います。

– 外部の作曲家の方だったら依頼された曲を提供しても、最終的にその曲がどこで使われたのか、把握できなかったりもしますからね。

五十嵐:戦闘曲でも、もともとは “中ボス用の曲” として作ったのに、敵が変わって――みたいなこともあるし。敵の見た目が全然違ってて、「めっちゃデカくなってるじゃないか」とか(笑)イメージと違ってくるんで。でもやっぱり “中ボス曲” として作ったから、“デカくなってるけど、そのまま曲をはめる” ってこともあるかもしれないし。

– そんなことがあっても手を入れられるのは、スタジオの中にいるコンポーザーの強み、ということですね。
――では、これからプラチナゲームズに “どんな人に来てもらいたいのか、どういう人が合うのか” というところをいただけますか。

平岩:やっぱ “動ける人” というか――僕の仕事に対するスタンスの話にも繋がるんですけど、サウンド制作に関しては “仕事を続けていれば技術は上がって来る” とは思うんですよ。向いてるかどうかは、やっぱり “人柄” によるところが。プラチナゲームズでは、自分から動いた方が良い結果になることも多いですし、“自分から動くことによるメリット” っていうのもあるので。やっぱり “出来るだけ他のセクションの人とコミュニケーションをうまくとれる人” が向いてるのかな、って僕は思います。

五十嵐:そこはもちろん。そこが一番でかいと思う。サウンドだけ作るんじゃなくて、“ゲーム作りにちゃんと参加する” ことを推奨されている部分もあるし。

– 五十嵐さんも。

五十嵐:そうですね。ほぼほぼ一緒です。

– じゃあ最後に、今就活をされている学生の皆さんに、就活のアドバイスや応援のメッセージなどをいただけますか。

平岩:そうですね……就職作品のことで言うと、さきほど五十嵐さんが言っていたことに通じるものもあるんですけど、“しっかり時間をかけて作ったほうが、やっぱりいい” ですね。専門学校ってすごく恵まれているというか――環境も揃っているし、“自分が作ったものに対して評価してくれる人” もいるわけで。そういう人を大いに使って、フィードバックとかをもらって、就職作品を作るほうが良いと思います。あんまり速さは求めないで。とにかく時間をかけて、「もうこれ以上こねくり回せないです」ってところまでやったほうが、後悔はないんじゃないかって思います。

あと今のうちにやっといたほうがいいよ、っていうのは――これ結構色んな人に言うんですけど、「とにかく外に出て、二十歳以上だったら呑みに行け」って(笑)。どうしてもサウンドの――僕の学校は、だったんですけど、ちょっと気持ちを内向きにする子が多い、というふうに見ていて思ったんですよね。

意外と “話せる” とか、“明るい雰囲気にできる” っていうのは武器になる。それは練習というか、“場数をこなさないとできない” ことなので、とにかく色んなところに行って――友達とでもいいんで、出かけて、人と話す。――僕は専門学校のとき、40代とか50代の人と毎週のように呑んでました(笑)

– どうやってそんな友達作ったんですか!?

平岩:知り合いづくりは色々と(笑)。でも若いうちから人生の先輩方に話を聞くということは、すごく良い経験になりますし、今の僕の武器にも大きく関係していると感じています。

– 見ず知らずの他人に声を掛けていけ、と。

平岩:そうですね……話してみて知り合いになってみると、意外と面白い人って一杯いたりするんで―― “人との関わり” は大事です。とにかく関わり方、接し方とかは学生とか若いうちに、会社に入る前に学んでおいたほうがいいです。会社に入ったら難しくなります。――若いうちにやっておいたほうが得かなと。

– 平岩さん、以前のフレッシュマンブログでも言ってましたね。リンク張っておきましょうか。
→社内を駆け回れ! サウンドデザイナーは足で稼ぐ仕事!?

平岩:難しいですけどね。できたほうが――たとえば同じぐらい良いクオリティの曲を書く人だったら、コミュニケーションをよく取れるほうが絶対良いと思います。そういう能力は “あるに越したことは無い” っていう。

– 分かっていても、実践は難しい。

平岩:それもよく分かってはいるんですけどね(笑)。バイトをすることもお薦めします。チェーン店とかでバイトするだけでも、いろんな人を見れるじゃないですか。いろんな人の行動とか。そういうのを考える経験とか思考って、バイトをしていた人と、していなかった人で大きく差が出るように感じます。

五十嵐:さきほど言った通りなんですけど、就職作品に関して言えば、“自分の個性が見えるもの”、「これが自分だ!」って言えるものをちゃんと作れるようになるべき、と僕は思います。“絵に合わせる” とか “シチュエーションに合わせる” っていうのは、“現場で揉まれてこそ身に付く能力” だと思うんで。

そういう経験はたぶん、学生のうちから仕事している人は身に付くのかもしれないですけど、普通にやってたらまず自分だけではなかなか身に付けられないものなので、そこじゃなくて “個性” のほうを伸ばして欲しいな、と思いますね。

– アーティストの座談会でも話題に出たんですけど、その人が “何が好きか” っていうのが見えてこないと判断がしづらいと。

五十嵐:多分そういうことですね。その人の “好き” が見える曲、っていう。
あとはちゃんと作品を作ったら、発表して欲しいな、と。専門学校とかだったら「先生に見せる」とか、「評価をもらう」、っていうことができるんですけど、そうじゃない人は、そういう機会がまず無いので。でも今だったらネットにYoutubeにでも何にでもアップロードしたら、聴いてくれる人はいると思います。――ジャンルによっては難しいものもあるとは思うんですけど、それでも評価されるものはされるし、されないものはされない。それってある意味、先生に評価もらうより厳しいと思います。でもそこで萎えずに続けられていったら、それは絶対強いんで。「作品作って、完成させて、人に見せて」っていうところまでを “続ける”、っていうのはすごく大事かなと思います。

– あんまりそういうこと(個人的に作品を作って人に見せる)をやってこなかった人もいるんでしょうか。

五十嵐:専門学校に入っている場合、そんなにやらない人も居るのでは。

平岩:外に、とかはあんまり無いですね。

– ネットで作品を公開したりとか。

五十嵐:課題とかが忙しい、って聞くんで。ある意味、自分で作品を出す、というのは、“ひとりでアーティスト活動する” みたいなもんなんで。相当な熱量や時間がないと、出来ないことなんですけど。でもそういうのがあったほうが強いだろうな、とは思います。実際、“仕事で使う技術は仕事で覚えることができる” と思うので、僕はそういうのをすごくオススメしたいです。

また作品を外に出すと、人との繋がりもできるんで。実際に会ったり、直接喋ることは、多くはないかもしれないですけど――クリエイター同士で繋がったりして、切磋琢磨できる関係――僕は実際、そういうのがあったので。たぶん自分1人だったらそんなに成長できなかっただろう、というのもあります。作品を出して、感想とかもらったら、それが制作のモチベーションになるし。

– 自作の曲をアップロードして、みんなに聴いてもらえる場所が。

五十嵐:僕が学生の時はニコニコ動画やSoundcloudに作品発表する人が多かったですけど、今はYoutubeやTwitterもあるし、どこでもできると思います。

以上、全5回にわたってお送りしてきたフレッシュマンブログの座談会も、今回でひとまず終了となりますが、お楽しみいただけましたでしょうか?

今年度は少し趣向を変えて、共通の話題をもとに同じセクション間の新人たちに語っていただく、というスタイルでお届けしました。前年度までのように、新人たちがみずから記事を執筆するというスタイルも個性がにじみ出て面白いものでしたが、今回の座談会スタイルはひとつの話題をより深く掘り下げることができるため、濃密な(そしてやや圧倒的なボリュームで)情報をお伝えできたかと思います。それぞれの学生時代の体験も、十人十色で面白かったですね!

今後も就職活動のお供に、ぜひ繰り返しご覧いただければと思います。もちろん前年度までのフレッシュマンブログにも、今回取り上げられなかったさまざまな話題が満載ですので、よろしければそちらも併せてご覧ください。それではまた!



2020年新卒 会社説明会 予約受付中!
≫≫ [PG MYPAGE]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪
≫≫ [リクナビ2020]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪

※プラチナゲームズにご応募いただくには会社説明会への参加が必須となります。
※当社専用採用ページ[PG MYPAGE]にて、当社説明会をご予約済みの方は、リクナビから重複してのご予約はご遠慮ください。リクナビから説明会をご予約・ご参加いただいた方には後日[PG MYPAGE]を案内いたしますので、ご安心ください。
※席数に限りがありますので、重複してのご予約はご遠慮ください。
※一部職種についてはすでに満席となっている回もありますが、キャンセルが出る場合もありますので、随時ご確認いただければと思います。



◆バックナンバー
→プラチナゲームズの新人ゲームデザイナー座談会! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート1! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート2! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人プログラマー座談会! 前編はこちら
→プラチナゲームズのサウンドセクション座談会! 前編はこちら

TAG

一覧トップに戻る

プラチナゲームズの新人プログラマー座談会!(前編)1~2年目のプログラマーに直撃!ゲーム業界を目指したきっかけや、作品制作のエピソード、会社説明会の印象は?気になる話を直接聞いてみた!

2019.03.15

お待たせしました。ICHIでございます。
プラチナゲームズのフレッシュマン座談会、今回はプログラマー5人(!)でお届けします。これまでにもゲームデザイナー4名、アーティストは4名×2回の座談会を行ってきたわけですが、新人同士の仲の良さは毎回感じさせられますね。今回も個性的な5人が登場しますが、これまでの例に漏れず、容赦のないツッコミや和気藹々とした掛け合いを聞かせてもらえました。ゲームプログラマー志望の方も、そうでない方も、お楽しみいただければ幸いです。

◆バックナンバー
→プラチナゲームズの新人ゲームデザイナー座談会! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート1! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート2! 前編はこちら

– それではまず、自己紹介からお願いできますか。

竹田:竹田です。よろしくお願いします。地元は兵庫県で、IT系の専門学校に通っていました。好きなゲームは『ドラゴンクエスト』シリーズで、昔からよく遊んでました。

– 学生時代はどんな活動を。

竹田:専門学校に入って初めてプログラムに触ったんで、シェーダーとかも全然分からなくて、ずっとプログラミングの勉強を。学校でどんなゲームを作ったかというと―― “野菜を掘るゲーム” としか言えないんですけど。

一同:(笑)

– そもそも「専門学校でプログラミングをやろう」と思ったきっかけは?

竹田:高校から “就職か進学か” を選ぶときに、「自分は将来何がしたいんだろうな……」って考えたら、やっぱり “昔から好きだったこと” に関わりたいな、と思って。それでいろいろ調べていたらプログラマーという職業を見つけて、「格好いいな」と思ったんで、専門学校に入って勉強しようと思いました。

– プログラマーは “格好いいな” と。

竹田:そうですね(笑)

– 実際やってみてどうでした?

竹田:――難しいっすね(笑)

山田:“自分はカッコイイのか” でしょ?

大川:そう、「竹田:いま俺、カッコイイな」って(笑)

竹田:(笑)

– (笑)。尾崎さんは。

尾崎:尾崎と申します。出身は竹田と同じく兵庫県、さらに専門学校も同じで、好きなゲームは『ストリートファイターIV』。それが初めて触った格闘ゲームなんです。学生時代、僕は “自分が知らない技術を学んで、それをゲームに実装する” っていうのが楽しくて――特に “グラフィック周りの処理” は、実装するとすぐ見た目に違いが出るので楽しくて、そこを中心に勉強してましたね。

– プログラマーを目指したきっかけは?

尾崎:プログラム自体はもともと専門学校に入る前に少し触っていまして、そのときに「プログラムを組むのは楽しい」って思ったのと、ゲームも元から好きだったので、「ゲームとプログラミングを合わせて、それを仕事にできたらな」と思ってゲームプログラマーを目指した次第です。

– 最初にプログラミングを始めたのは、専門学校に入る前ですか。

尾崎:はい。きっかけは『Minecraft』っていうゲームで、そのとき “MOD*” という―― “ユーザーがMODを作ってゲームをいじれる” という文化に初めて触れてびっくりして。MODがどうやって出来ているのかを調べたら、「“Java” というプログラム言語で書かれている」ということが分かりました。

「じゃあ自分もプログラムの勉強をしてみよう」と思ったんですが、いきなりJavaはハードルが高かったので、まずはJavaScriptから始めてみようかと。――それでJavaScriptでちょっとホームページの処理を書いてみて、「楽しいな」っていうのに気付いたのが最初のきっかけですね。
*MOD:Modificationの略で、ゲームのデータを改造する行為や、その改造ファイルを指す。多くは非公式だが、なかにはMODの使用を公式に認めているゲームも存在する。

– なるほど。高校生ぐらいのときに?

尾崎:高校2年生のころですね。次にC++の勉強を始めて――「あれ? 最初のJavaはどこ行ったの?」って思うかもしれませんけど、そのころにはもうMODを作りたいというより「まずプログラムの勉強をしっかりしたいな」と気持ちが移り変わっていたので、C++の勉強をしてから専門学校に入った、という流れですね。

– “ありがとう『Minecraft』!” って感じですね(笑)

尾崎:そうですね、本当に。いいきっかけをくれました。

山田:山田と申します。和歌山県出身で、“医療と保育の専門学校のクリエイターコース” っていう、よくわからないコースから来ました。

– 医療と保育。

山田:医療保育とか、あとは事務系の――電卓を打ったりとか、簿記がメインの学校のクリエイターコースから来ました。本当に僕はそれまでプログラムを触ったこともなかったんですけど、2年制の学校だったので2年目はほとんど就活の時間になるし、そうなると勉強は1年目に凝縮しまくってするしかなく、本当に基礎的なことしか知らなくて――もう “掛け算を知らないから足し算でごり押す”、みたいな組み方でなんとかやっていました。好きなゲームはいろいろあるんですけど――『METAL GEAR』シリーズとかが好きですね。

– じゃあ『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』も。

山田:やりました。

– ありがとうございます(笑)。――ところで、その学校を選んだ理由は。

山田:クリエイターコースがあることは知ってたんですけど、いろんな学校のオープンキャンパスみたいなのに行ったうえで、“そこの先生が良かったから” っていう理由だけですね。生徒もそれほど多くなくて。だけど、その先生がまあ――。

尾崎:居なくなったんでしたっけ。

山田:途中で――8カ月ぐらい学んだころに辞めちゃったんで、そこから結局また独学になって。――それはともかく、やっぱり “先生が良かった” っていうのが大きくて。ほかの生徒が多そうな学校にも、一応見に行ってはみたんですけど――例えば “1クラス40人” とか――別にクラスの人数は関係ないのかな? でもやっぱり先生の教え方が “マニュアルに則って” というか、“大勢への教え方” みたいになるじゃないですか。“浅く広く” みたいな感じで。

– 均一化したマニュアル的な。

山田:そうですね。なので、「この先生いいな」と思った。生徒が少ないから、結構、親切に教えてくださるというのもあって。それで、“先生で決めた” っていうのが一番大きいですね。

– “クリエイターコース” というのは、プログラミングをメインに?

山田:これ言っちゃっていいのか分かんないですけど、ヤバかったらカットしてください。

– 大丈夫ですよ、はい。

山田:僕、もともとプログラマーになりたかったわけではなくて。「ゲームに関わりたいな」っていうことでいろいろ探してたときに――アーティストコースとかは「でも絵、描けないな」と思って。それならプログラマーコースはというと、「プログラミングもできねえ」。それでゲームデザイナー、企画ですね。それは別に “プログラムができなくても、絵が描けなくてもいい” っていうコースだったんで、「もう僕の、今までの人生で活かせることは、ゲームをしてきたことだけだな」と思って、企画のコースで入ったんですよ、最初は。で、その学校に “企画のコースで入った” んですけど、「うちには企画のコースは無い」って言われて。

– ――入学してから!?

山田:入学してからです。

一同:(笑)

山田:最初、なんか言葉を濁されて。本当は企画のコースは存在しなかったんですけど、「企画もプログラミングできたほうがいいよ」みたいに誘われて。それで「企画もプログラムをやるんだ」と思って、プログラミングを勉強して。本当は企画コースなら企画に特化した――例えば設定を書いたり仕様書を書いたり――っていう授業があるはずだと思うんですけど、その学校にはそういうのがなくて。「実はプログラミングコースしかないんだよ」みたいな “衝撃の告白” を聞いて。

でも、そういうきっかけでプログラミングを始めることにはなったんですけど、やってるうちに楽しくなってきて、「別にこれで良かったかな」みたいな、“結果オーライ” みたいなところはありました。

– ああ、良かったですね……。

宇佐美:宇佐美と申します。よろしくお願いします。大阪出身で、大阪の専門学校のゲーム制作学科4年制に通ってました。好きなゲームはいろいろあるんですけど、『ポケットモンスター』シリーズとか、あとは『ロックマンエグゼ』シリーズが好きでしたね。

プログラマーを目指したきっかけは――最初は「高卒で就職しようかな」と思っていたんですけど、親から「とりあえず進学はしてくれ」って言われたので、チラシに入ってた専門学校から適当に選んで、体験入学に行ってみたのが始まりです。そこでちょっとしたプログラミングをする授業を受けたら「あ、ちょっと楽しいな」って思ったんで、その学校に行くということを決めて。

そのとき僕は「プログラミングができるなら(業種は)何でもいいかな」と思ってたんで、最初からゲーム業界を目指してたわけじゃないんですけれども。――ただ学校の授業の一環で、チームや個人でゲームを作ったりとか、シェーダーを触ったりしていくなかで、「やっぱゲームのほうがいいな」っていう思いが強くなってきたので、就職活動はゲームに絞ったんです。

– ゲームはそれまで結構プレイされてたんでしょうか。

宇佐美:中学校ぐらいまでは結構してました。高校に入ってからは、ほぼほぼ寝てたんで――。

– 3年間寝てた?(笑)

宇佐美:たぶんそうですね。学校に行ってた時間より寝てた時間のほうが多いぐらいで。専門学校に入ってからは、ゲームをするよりプログラミングのほうを主にしていた感じですね。

– ものをつくったりするのは、もともと好きだったんでしょうか。

宇佐美:図画工作は好きでした。5段階中の5は取れなかった気がしますけれども、なにかをつくるのは好きでした。つくって壊すのが好きでしたね。

– なるほど。

大川:大川です。愛媛県から来ました。学校は基本的にプログラマーばっかりの専門学校で、自分はそこのゲームクリエイター科出身です。アクションゲームが結構好きで、『モンスターハンター』シリーズとか『GOD EATER』シリーズとかを結構やってたんですけど、最近は『ドラゴンクエストX』にドハマリしてますね。アクションゲームじゃないんですけど。

– オンラインゲームの。

大川:はい。で、専門学校のときには、プログラムの中でもゲームエンジンとかのシステム周りや、シェーダーとかの描画周りを中心に触ってて――ただ、どっちかと言うと僕はゲームの遊びの部分、“プレイヤーキャラを作ったり” とか “エネミーを作ったり” とかが実は好きなんで、卒業制作ではそっちをやらせてもらいました。それがもう「楽しい楽しい!」って思ったんで、今の仕事でもそっちを触らせてもらっています。

– その専門学校に入ろうと思ったきっかけは。

大川:もともと高校時代は “総合学科” っていう、色々な専門職のさわりの部分だけを勉強するような学科の情報処理コースに所属していて――「工業系の専門学校に進学しようかな」と思っていたんですけど、IT系の専門学校の体験入学でゲーム科の授業を受けて「あ、これ楽しいな」って思ったのと、それがすんなり頭に入ってきたんで「自分に向いてるんだな」ということで、そこに決めました。

– 皆さんがゲームプログラマーを目指した経緯をお伺いしたんですけれども、就職活動ではどういった取り組みをされたんでしょう。

竹田:作品制作では「この会社を目指したい」と思って作ったことは特になくて。専門学校2年のときに1人でゲームを作ることになって、「じゃあ何を作ろうかな?」って考えたときに、正直まったく何を作ったらいいのか思い浮かばなかったので、とりあえず “何でもいいから思いついた単語” をばーっとノートに書いて、先生のところに見せに行って。

– なるほど、発想法ですね。

竹田:そうですね。で、先生に「全然ゲームの案が思い浮かばなくて――」っていう感じで相談に行ったら、「これ何なん?」って言われた単語が “農業” で。

僕、高校のときに農業科の学校で農業したことがあるんで、そういうゲームをつくれたら――って話をしていたら、そこから話が進んでいって、「じゃあこういうゲームを作ろう」という流れで就活のゲームを作った感じです。こだわりは…… “音” ですかね。

– 音?

竹田:プラチナゲームズの面接のときにも「この “野菜を取ったときの音” が気持ちいい」みたいなことを言われたんで。「プラチナゲームズを目指すからアクションゲームを作るんだ」とか、たとえば「RPGで有名な大手に入りたいからRPGを頑張って作るんだ」とか、そういう感じではなかったですね。本当に「作りたいから、これを作ろう」って、直感で決めたものを作っていました。

プレイヤーはこの乗り物(?)を操作して、指定された数の野菜を集めます(竹田)

テンポよく収穫!(音が良いんです)(竹田)

依頼を達成してお金をたくさん稼ぎます(竹田)

– 志望する会社はどうやって決めたんでしょうか。

竹田:正直、まだ行きたい会社も決まってない、ちょうどそんなときに学内のプラチナゲームズの説明会に参加して。もともと学校の先輩も結構プラチナゲームズに行ってらしたんで、そこで先輩の話や会社の評判を聞いたりしているうちに「ここを目指したいな」と思って、そこからプラチナゲームズ一択になりましたね。もう「ここが駄目だったらゲーム業界諦めようかな」と思ったぐらい。

– なるほど。インターンシップは参加されました?

竹田:応募はしたんですけど、応募者が多かったせいで参加できなくて。そのあとに大阪でプラチナゲームズ主催のセミナーみたいなのがあったので、そこで役員や先輩プログラマーの方々が壇上で話をしてるのを聞いて「社員同士の雰囲気もいいな」とか、「とても楽しそうな会社だな」と思いました。

– もともとプラチナゲームズのことはどの程度知っていました?

竹田:最初は先輩からの情報で興味があったぐらいだったんですが、いざ就職活動を始めるってときには「ゲームしないといけないな」と思って『BAYONETTA』とか『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』とかを片っ端からかき集めてやりましたね。海外でしか発売されていないタイトル以外はだいたい揃えた感じです。

– プレイしてみて、いかがでした?

竹田:いや、楽しかったです。『BAYONETTA』をやったときは――当時から僕アクションゲームがちょっと得意ではなかったんで――「難しいな」と思ったんですけど、Nintendo Switchでもあらためてやりましたし、『NieR:Automata』も『The Wonderful 101』もやりました。うまく説明できませんけど、「ほかのゲームとは違うな」と思いましたね。

– 尾崎さんは。

尾崎:竹田と同じ学校だったんで、同じように2年生から1人で就活作品を作り始めたんです。当初は具体的な就職先の目標はなくて、それならば「“自分らしさ” で勝負しよう」、「自分のアピールできるところを作品に詰め込もう」と考えたんですが――周りには結構、ゲームの企画面で面白いことを考えているプログラマーの同期がたくさんいたので、そこで同じ土俵に立って勝負しても、うまく立ち回れるか自信がなかった。

それで僕は「技術的なアピールを自分の作品に詰め込もう」、その上で「『DARK SOULS』みたいなゲームにしよう」と決めて。その制作の中でキャラクターを動かすスキンメッシュだったりとか、衝突判定だったり、描画とかを勉強して、得られた技術を詰め込むことで「僕はこれぐらい技術力がありますよ」っていうのをアピールしよう、という目標を立てて作り始めました。

そうしたら、それを作っていく過程でプラチナゲームズの方に作品を見ていただく機会がありまして――その流れで応募することになりました。

就職作品として制作した3Dダンジョンのアクションゲームです。学んだ技術を詰め込み作成しました。特に描画処理に力を入れています(尾崎)

– アクションゲームを作ったのは、やっぱりアクションゲームが好きだから。

尾崎:そうですね。プレイしてきたものを振り返ると、やっぱりアクションゲームが一番多いと思ったんで。あと、純粋にそのときハマってたというのもあって、“『DARK SOULS』みたいなゲーム“ に行き着きました。

– 志望する会社を選ぶときは、いろいろと候補もあったと思いますが。

尾崎:まず1つ目に「最新のハードで制作が行われていて、その中で自分もその技術に触れながら、スキルアップしつつ貢献できる会社がいい」と考えていたのと、2つ目に学校の先輩から「この会社いいよ」ってプラチナゲームズを教えられて、先生からも「卒業生がたくさん在籍してるうえ、離職する人が少ない。かなり働きやすい環境だよ」って聞いたのが後押しになったのと。最後に、そのとき『NieR:Automata』の体験版が配信されていて、それを触ったときに “アクションゲームとしての気持ち良さ” と、“グラフィック表現としてのクオリティの高さ” を感じて「この会社に行きたいな」って思ったという――3つの要素から決めました。

– なるほど。それで会社説明会に?

尾崎:学校では企業の方に来ていただいて作品を見てもらえる「作品指導会」があるんですよ。そのタイミングでプラチナゲームズの方とお話する機会があって――その後に会社説明会に参加しました。

– 説明会でプラチナゲームズへの印象は変わったりしました?

尾崎:いや、事前に先輩や先生方から聞いてた印象どおりだったので「安心した」っていう感じですね。働きやすそうな環境も説明から伝わってきましたし。あと “プログラマーでもどんどん意見を言える” っていうのも、働きやすさに繋がっているんだろうな、と感じました。

– で、「あんまり離職してないよ」っていう。

尾崎:そうですね。

– 山田さんは。

山田:就活作品――……就活する直前ぐらいまで、僕、授業をあんまり受けてこれなかった。先ほども言ったんですけど、先生が好きで入ったのに、その先生が途中で辞めちゃって――たった1人の先生だったんで、僕ら先生を失って。

– しかもゲームデザイナーで入ったはずなのに――。

山田:プログラマーになって。――で、プログラミングを教えてくれてた先生が辞めて、どうしようもない状態になった。でも就活そろそろ用意しなきゃな、と。1年目の後半に準備して2年目からは就活をするんですけど、「用意しなきゃ」ってときに――基本的に3DのゲームってC++言語で書くんですけど――僕はまだその初心者版というか、C言語しか理解していなくて。3Dの知識もほとんどなくて3Dゲームも作れず、2Dのゲームしか作れなくて――これは「死んだな」と。「これは就活できねえな」と思って。

周りにいろいろ話を聞いてみても「やっぱり3Dゲームを就活作品として送ったほうがいいよね」みたいなことを言われて……。でもせっかくだから「ゲーム業界に入りたいな」と思ったんで、そこで独学でC++を勉強して、3Dのベクトル計算だったり――っていうのも勉強して、本当に、独学とゴリ押しでゲームを作って。で、「これでも評価してくれる会社を探そう」と思って、いろんなところに作品を送って。

でも――。送ったんですけど、そのときに、たぶん僕が送ったデータがぶっ壊れてて「見られない」状態だった。それを一斉に撒いたんです、いろんな会社に「見てくれ」って。

– その “ぶっ壊れた” やつを。

山田:ぶっ壊れたやつを。で、何社かからは「これぶっ壊れてますよ」って言われたんですけど、なんでぶっ壊れてるか分かんなかったんで、結局「ぶっ壊れたやつを送り直し」て。――実は “CD-ROMへの焼き方が悪かった” んですけど、そのときは同じ物を送り直したんで、おそらくそれも見られなかったでしょう。

そもそも「見られない」とさえ言ってくれない会社もあって――たぶんその会社からはその時点で蹴られたんでしょうけど――普通の会社でも1回送り直してそれで駄目だったら、“もう面倒くさい” と思うだろうに、プラチナゲームズは「CD-ROMで駄目だったらデータ添付で送ってください」とか「オンラインストレージに送ってそのURLを共有してみてください」とか、いろんな方法で必死に作品を見てくれようとしてくれて。そういうところにすごく “作品を大切に扱ってくれている” っていうのを感じて、「ああ、もうここに――僕はここに行けたらいいな」と思って、すごくやる気が出たんです。

それで、その後も独学ですけど、本を読んだりネットを見て勉強したり、入社できたときのためにも「自分の持てる力でできる限りのことをしよう」と思って、作品を送った後もゲームを作り続けました。

個人制作の就活作品。相手の写真を撮るゲームでローカル対戦もできます。画像ではわかりませんが、足音も実装していて相手の位置を計算し、音量や左右から出る音の比率を変更しています(山田)

– 作品を送る会社は、どのように選んでいました?

山田:僕、今も和歌山から通ってるんですけど、和歌山ってゲーム会社がなくて。実家をあまり離れられない事情もあって、大阪で探したいな、と思っていたんで、最初は本当にいろんなところに――ぶっ壊れたデータを(笑)――ウイルスのように送りまくったんですけど。

– 大阪の会社に。

山田:そうですね。だから最初からプラチナゲームズに決めてたわけじゃないですけど、就活をするなかで “ちょうどそのとき『BAYONETTA』をプレイしていた” っていうのと、“大切に作品を扱ってくれる、必死に見ようとしてくれている” 対応を見て「ここに行けたらいいな」と目指すようになっていきました。

– 会社説明会はどうでした?

山田:他の会社は「こんなゲームを作ってます」とか「こんな採用形態です」とか、そういう話で終わりだったんですけど、プラチナゲームズの説明会では「ゲーム作りは楽しいけど、新人でもいっぱい仕事を任せるし、しんどいことも多いですよ」みたいな話もあって。

説明会の段階で “楽しいだけじゃなくしんどいこともある” みたいなことをズバッと言っている会社というのは、僕が行った中では他にはなかったですね。しんどさも最初に伝えて、でもそれを乗り越えた先には大きなものが待ってるよ、みたいな雰囲気で、それがすごく衝撃的でインパクトがあったので――最初は広く当たっていたんですけど、そういった色んな要素が重なり合って、プラチナゲームズを目指すようになりました。

– 宇佐美さんは。

宇佐美:就活ではゲームを主に作ろうかな、っていうところから入ったんですけど、まず作り始めたのは、ゲームというよりかは “フレームワーク周り” でした。“こうやったら楽だな” みたいなものをまず初めに組んでおかないと、後でしんどくなるな、と思って取りあえず作ったんですけど、それでかなり時間が食われまして――「うわ、ヤバ」と思いながら(笑)

ただゲームとしても一応遊べるようにはなっていたので、これでやっていこう、と進めていったんですけど―― “面白くならない” んですよね。「うわ、これ大変だ」と思って……ほかの人たちに「こうしたほうがいい」って言われたものもしっくりこないし、「もう面白くするのは諦めよう」と思ってしまって。

で、そこからは以前からちょっとやりたかった “シェーダー” をやりたいな、と思って。そうすると「それをやるためにはフレームワークも変えなあかんな」とか、色々考えながらやっていくうちに「こんな考え方もあるやん」とか――新しい技術を知ることで “ゲームにこういうルールを追加したら面白そう” っていうアイデアも出てきたんで、その辺もやってたんですけど。

――結局ゲームは面白くならなかったですね。そこは反省しているんですけど、得られた技術とかは自分の力になったと思うので、後悔はしてないです。ただ「ゲームプログラマーを目指すんだったら、もうちょっと面白くするべきだったな」とは思いました。

– ちなみにどんなゲームだったんでしょう。

宇佐美:シューティングなんですけど、「めっちゃ敵出てきて、めっちゃ弾撃って、めっちゃ反射してめっちゃパーティクル出る、終わり」みたいな感じです。ホンマ単純にそれだけなんで、面白いこととかは特になくて――そうですね、パーティクルを出して「めっちゃ重いやん、これ」ってなったときに、その軽量化周りでシェーダーをガッツリ、ガーッと診たりとかはしました。「こんな技術あるよ」とかも教えてもらったりしたんで、「そういう技術を組み込むためにはこの知識が要るな」みたいな感じで勉強してましたね。

タイトル画面。自作のシェーダーを使って、ノイズが走っているように見えるよう工夫しました(宇佐美)

WAVE制を意識したシューティングゲームです。とにかく派手なゲームを作りたいと考えました。ライトブルームを使ってオブジェクトを光らせています(宇佐美)

– なるほど。ゲーム性よりは、そういう技術的な部分に力を入れて。

宇佐美:そうですね、技術的なものを。ただ、就活を始めたときにはもう「ゲーム会社に行きたい」っていう気持ちだったんで、ゲームも面白くしたかったんですけど――「あ、無理やこれ」って(笑)。かといって、ゲームのシステム周りを全部組み替える、とかも時間的に無理だったんで、じゃあ「いろいろ考えて無駄な時間を過ごすぐらいだったら、技術的なものを勉強しよう」と思って作っていましたね。

– チーム制作ではなかった?

宇佐美:就職作品は個人で作りました。チームで作っていたときも、基本的にフレームワーク周りは僕しか触ってなかったりします。「作ったからこれ使ってください」みたいな感じでチームに共有して、「これをこうしたら、こういうことができます」とかを説明して――っていう形でしたね。

– 応募する会社はどうやって選びました?

宇佐美:こだわりはなかったです。“ゲーム会社ならどこでもいい” っていうような感じでポンポン出してたら――。

大川:ウイルスパターン(笑)

宇佐美:取りあえず履歴書をウイルスみたいにばらまいて(笑)書類選考に通った会社を受けに行って――。ただ “僕が好きなゲームを作っている会社” 、という点では、ちょっと絞りました。乙女ゲーとかノベルゲーとか、あの辺りは興味なかったし、スマートフォンもどちらかと言ったら興味なかったんで、「コンシューマーで、かつ “僕の好きなゲームを作ってる会社”」という前提でいろいろ調べて、めっちゃ送りまくって、めっちゃ落ちて。

– 会社説明会はどうでした?

宇佐美:『NieR:Automata』をプレイしていたんで、プラチナゲームズは「面白いゲームを作る会社だな」とは思ってたんですけど、説明会に出た第一印象は「うわ、スキンヘッドが居る!」からの――。

山田:やめろやめろ!(笑)

宇佐美:「――うわ、もう1人居る!」みたいな(笑)

大川:カット、カット!

宇佐美:「めっちゃ怖いやん!」とか思いながら――。

山田:確かにちょっと怖いイメージはあるよね。少しは。

宇佐美:で、山田も言ってたんですけど、説明会で「ゲーム作りは楽しいだけじゃない。仕事もどんどん任せるし、しんどいこともある」って聞いたときは……正直、“ウッ” って思いました。

一同:(笑)

宇佐美:――思ったんですけど(笑)、ただ「新人のうちにいろいろやれたほうが今後のためになる」って思ったんで、“受けない” って選択はなかったですね。“ウッ” とは思ったんですけど、「だからこそ受けるべきだ」って思いましたし、実際に「いろんな仕事をやるべきだ」って思ったんで。

– “厳しい会社” だとは思ったけど。

宇佐美:思ったけど、「だからって逃げてるようじゃ、たぶん成長できないな」とも思ったんで、じゃあ受けよう、って。もちろん受かるつもりでしたけど、それまでにも落ちまくってるんで、正直そんなに自信はなかったです。――ただ、それまでにいろいろ学んだことも含めて全部ぶつけたつもりなので、そこを評価してもらえて、受かったのかなとは思ってます。

– 大川さんは。

大川:就活への取り組みに関しては、専門学校の先生から「ゲーム業界は書類よりも “提出する作品が全て” みたいなところがあるから、“作品” をちゃんと作っていきましょう」と聞いていました。

学校では「エンジン周りを触ってた」って言ったんですけど、今後はそこよりもアプリケーションの部分、“ゲームの遊びの部分” がやりたい、ってことをアピールしたかったんで、就職作品では自分が手がけていたチーム制作の作品をそのまま引き継いで、それを「拡張して出す」っていう形にしましたね。もともとエンジン部分を手がけてたんで、そこをアピールしないのはもったいないかな、というのが1つ目の理由で、もう1つはゲームの遊びの部分をアピールするにしても、そのためにエンジンを新しく作り直すのは時間がもったいない、という理由で。

そうやってチーム制作の作品を引き継いで、新しい遊びの部分を自分でポンポン詰め込んでいく作り方をすることで、“エンジンでこんな技術使ってます” というアピールと、“こういう部分にこだわっていて、こういう遊びをさせたい、という思いで作りました” というアピールを両方しよう、と意識してましたね。

– チーム制作のバージョンと一緒に渡して、比較できるようにしたりは?

大川:してないです。テキストで「これはチーム制作のもので、“自分はここと、ここと、ここを担当しました” 」っていうのをちゃんと明記して。拡張した部分に関しては――新しくボス戦を作ったんですけど、それに関しては “こういう理由があったので、こういうふうにしました” って、実装した理由をきちんと書くようにしました。

就活作品プレイ画面。光のあふれ表現をシェーダーで実装したものです。シェーダーを使ってみると一気にゲームの印象が変わるので、触ってみて損はないと思います!(大川)

就活作品開発画面。近くの景色に比べて遠くの景色の方がぼけて見えると思います。これはカメラのピンボケ現象をシェーダーで表現したものです(大川)

– なるほど。受ける会社はどういう基準で選びました?

大川:もともと自分も山田とか宇佐美と一緒のウイルスタイプで(笑)――はっきり言ってしまうと、「ゲーム業界だったらどこでもいいかな」、「技術力が高い会社だとなお良いな」ぐらいの気持ちだったんです。だけど学校の先生から「大川くんはたぶんプラチナゲームズがすごく向いてると思う」と言われたので、じゃあ説明会に行ってみようか、っていう感じで行ったんですよね。そしたら――これも山田と一緒なんですけど、先輩社員の言葉が結構印象に残って。「新人でもいろいろ仕事を任せるよ」みたいなことを言われたときに、自分は、“ウッ”、と思ったんじゃなくて、“おっ”、と思ったんで(笑)。――新人であっても、ゲームのクリエイティブな部分とか遊びの部分にはこだわりを持って作りたかったし、その点は “キャリアに関係なく、意見を汲み取ってくれる” という意味だと受け取りました。

あとは説明会で “デメリットになるようなことも言う会社” ってほとんどなかったのに、そこもはっきり言ってくれるのは “正直な会社” だな、と思ったのも志望した大きな理由です。

– プラチナゲームズ作品もプレイされたんでしょうか。

大川:しました、しました。説明会のあとだったんですけど、『NieR:Automata』をやって、もっと好きになった感じですね。

(後編につづく)


2020年新卒 会社説明会 予約受付中!
≫≫ [PG MYPAGE]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪
≫≫ [リクナビ2020]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪

※プラチナゲームズにご応募いただくには会社説明会への参加が必須となります。
※当社専用採用ページ[PG MYPAGE]にて、当社説明会をご予約済みの方は、リクナビから重複してのご予約はご遠慮ください。リクナビから説明会をご予約・ご参加いただいた方には後日[PG MYPAGE]を案内いたしますので、ご安心ください。
※席数に限りがありますので、重複してのご予約はご遠慮ください。
※一部職種についてはすでに満席となっている回もありますが、キャンセルが出る場合もありますので、随時ご確認いただければと思います。


◆バックナンバー
→プラチナゲームズの新人ゲームデザイナー座談会! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート1! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート2! 前編はこちら

TAG

一覧トップに戻る

プラチナゲームズの新人プログラマー座談会!(後編)1~2年目のプログラマーに直撃!プラチナ社内の雰囲気は?メンター制度って何?仕事のどこにやりがいを感じる?気になる話を直接聞いてみた!

2019.03.15

→プラチナゲームズの新人プログラマー座談会! 前編はこちら



– それでは皆さん、プラチナゲームズで実際に働いてみた、職場の印象についてはいかがですか?

竹田:いや、もう “すごい楽しい” の一言かなと僕は思ってて。入社前から聞いていたとおりで働きやすく、仕事外でも先輩とかと話す機会もたくさんありましたし。それで仕事終わってから「つらいな」とか、そういうこともなく、普通に毎日楽しく過ごせた感じで。あとは――そうですね。印象といえば、もちろんいい意味で、すごい “変わった人” というか、“変な人が多いなあ” っていうのが。

– “変な人”。

竹田:そう。“こだわりが強い” とか、ゲームを良くするための考え方とかで、すごく変というか――“すごい人” が多いな、っていう。

– たとえば。

山田:たとえば誰? 誰? 誰?

大川:個人名を出せと(笑)

山田:それ、聞きたい。だって “いい意味” だから、別に。

宇佐美:まあね、“いい意味” で。

尾崎:“いい意味” で。

– 別に名前は出さなくてもいいですよ。「この人、変だな」って思ったことがあったんですよね(笑)

竹田:変、変……変じゃないかもしれないです!!

一同:(笑)

山田:おい、おい、おい。

尾崎:おい、おい。

竹田:いろんな人がいるな、って(笑)

大川:変な人がいるよ~。

宇佐美:え? 大川も変やん。

山田:俺が一番普通だな。

宇佐美:え? いや……――え!?(二度見しながら)

一同:(笑)

– 自覚がないみたいですね、みなさん。

山田:全員かい!

– 尾崎さんはいかがですか。

尾崎:もう本当に入社前に思ってたとおりの印象で、働きやすいな、っていうのは入社してから実感しました。先輩にも気軽に相談できるし、技術戦略室とかにもすぐに「分かんないんですけど教えてください」とか「ここ、どうしたらいいですか」っていうのを聞きに行けるし。世代間の差がそんなにないというか、相談しやすい環境があって、すごく働きやすいな、っていう印象ですね。

さらに言えばメンター制度*みたいな、“仕事以外のところでも、新人に対してフォローをしてくれる制度” まであるというのは知らなくて、「こんなに新人を大切に扱ってくれるんだ」っていうのは、いい意味で入社前の印象と違ってたところですね。
*新卒社員の一人ひとりに先輩社員のメンター(相談相手)がサポートに付く制度。基本的に週一回程度の頻度で “好きなことを話していい“ 対話の時間(会話の内容は守秘される)を各自設けている。プラチナゲームズのメンター制度は「経験を積んだ先輩(メンター)が、後輩(メンティ)の課題や悩みの解決を手助けし、成長をサポートする」ものであり、社内の信頼関係を築くことも目的としている。

– メンター制度に関しては、竹田さんも?

竹田:ですね。本当、仕事の息抜きというか、リフレッシュにもなるんで、作業もはかどりますし。「こういうのにハマってる」とか「こういうことがあった」っていうのも、なんでも気軽に話せて、気持ちの転換とかになるんで、すごくいい。

– 趣味の話とかも。

竹田:そうですね。だいたい趣味とか、こういうのにハマってるとか、そういう話です。

– 尾崎さんはどんな話を?

尾崎:趣味の話もしますし、仕事上での「こういうところが不安で、うまくできてないかも」っていう相談もできますし、先輩方も手がけてきた忘年会の準備*とかで分からないこととかも含めて、いろんなことを相談できていて。もしそれがすぐには解消できないことであったとしても、話すだけでもだいぶ楽になるんで、かなり助かってますね。
*プラチナゲームズの忘年会は、毎年その年に入社した新人たちによって運営されている。

– なるほど。山田さんは。

山田:僕の学校の先輩は違う業界に就職した人ばっかりだし、“プラチナゲームズに対する入社前のイメージ” というのはなかったですね。“ゲーム会社” に対しては全体的に、やっぱり忙しそうなイメージというか、殺伐とした、あんまりいいイメージではなかったです。ゲーム会社の先輩がいないということもあって、全然情報がなかったんで、もう勝手な偏見なんですけど。

でも入社してみると全然そんなことなくて。オープンな感じで、フロア自体も壁をぶち抜いてひとつながりのところで、“誰にでも隔たりなく話せる” っていうのが、入社後のプラチナゲームズのイメージですけど、自分の持ってた印象とはもう真逆でしたね。いい意味で真逆でした。

– メンター制度についてはどうでした?

山田:メンター制度も、いいですね。息抜きになる、っていうのもありますし、やっぱり趣味だったりとか――あと “先輩の失敗談・成功談” みたいなのをいろいろ聞いて、アドバイスとかも、もらったり。先ほど尾崎くんも言ってたんですけど、やっぱり悩みを聞いてもらえるだけでも、かなり違うと思うんで。そのうえで “そこで聞いた話は外に出さない” という守秘義務もちゃんとあって、なんでも話せる、っていうことがすごいメリットだなと思ってます。

– なるほど。宇佐美さんは。

宇佐美:“楽しい職場” ではあるなと、やっぱり思います。率先して「したい」って言ったことに対して――仕事の具合にもよりますけど、“優先的にさせてくれる会社” だなと思ってますし、上司の方も「こういうのをしたいって、前、言ってたよね」というような形で、仕事を振ってくれる人が多いイメージがあって、そこはすごくいい点だなと思ってて。

あと、これは別にどこの会社へ行っても同じだとは思うんですけど、やっぱり “意見のぶつかり合い” というものはあります。ただ、そのぶつかり合いも、そもそも自分の譲れない部分を言い合った結果ぶつかってるんで、駄目な意味でぶつかっているわけではない。そういうところも含めて「いいな」って思ってるんで。真面目なところは真面目にしっかりやるし、ゆったりしてもいい場面では、もちろんちゃんと息抜きができるような、いい会社だな、って思ってますね。

– メンター制度はいかがですか。

宇佐美:ほかの人も言ってたんですけど、行き詰まったときとかでもわりと “相談できる場” なのかなと思っていて。プライベートなことだけじゃなく、仕事面でも「プロジェクトでこんなことがあって――」とか、「今後の会社の方針はどういう感じですか」みたいなことも含めて自分の意見を率直に話したりするし、向こうもそれに対して思ったことを言ってくれて―― “自分と違った人の意見を聞ける” というのはすごくいいな、って思ってますね。

– 大川さん、職場の印象はいかがでしょう。

大川:自分も山田と一緒で、通ってた専門学校からプラチナゲームズに就職したのは自分が初めてなので、先輩からの情報って全然ないんですよね。なので、会社説明会のときに抱いた印象との比較になるんですけど――おおむね思ったとおりのところでした。先輩社員が言っていたように「新人でもばんばん仕事を任せて」くれるし、意見もしっかり聞いてくれて。

――最近、企画の人と仕様の話をしたんですけど、自分が言った意見でもちゃんと納得してくれて、「そうやね。じゃあ、そうしたほうがいいね」とかも言ってくれるんで、“新人だから” っていう理由で意見を言っちゃいけないとか、全然そういう風潮はないです。「むしろ言え!」っていう感じの会社なんで、そこはすごくいいなと思いますね。一時期、新人だからってちょっと遠慮してた時期もあったんですけど、上司との面談でも「遠慮することはない」とか言ってくれるんで、それを聞くとやっぱり「ここはちょっと言ってみようかな」っていう気にもなるし、すごくいいと思います。

– 先生からも「プラチナゲームズが向いてるんじゃないか」って言われたんですよね。

大川:そうですね。“そういう部分” が合うと思ったのかな、という気はします。

– メンター制度に関してはどうでした?

大川:ありがたいな、とは思いますね。自分があんまり悩みを持たないタイプなんで、メンターの人に「なんか悩みないの?」って聞かれても、いつも「……ないかなぁ」っていう感じになって、基本的にどうでもいい話しかしてないんですけど。ただ、やっぱり息抜きにはなりますし、面談の時間に一緒にコンビニへ行ったりとか――結構そういうこともできるみたいなんで。

宇佐美:そうなんや。

尾崎:知らんかった。

大川:前も30分ぐらいなんですけど、近くのコンビニに行って、ちょっとスイーツとかを食べながらしゃべる、みたいなこともできましたし。

– 一緒に何をするか、というのはわりと自由なんですよね。

大川:はい。4Kテレビ前のゲームとかもやっていいとか、いろいろ話も聞けるんで「へぇ」みたいな。ただの話し合いに飽きてきたら、そういう気分転換もできるんで、いいなと思ってます。

– それでは今、実際にどういったお仕事をされているのか、どういったところにこだわりとか、やりがいを感じるか、というのを教えていただけますか。

竹田:僕は今、“敵のプログラム” に関わっていて――。入社前に「何やりたい?」って聞かれたときから、ずっと「やりたい」って言ってたことなんです。ゲームに出てくる敵キャラクターに、自分が “こういう動きをさせたい” って思って組んで、それが実際そのとおりに動いてるのを見ると、すごく気持ちいいというか、「楽しいな」と思いますね。

ただ、ゲームデザイナーから「こういう敵を作ってほしい」って依頼されて作るんですけど、そこで「自分だったらこうしたい」みたいな意見を “もっと言うべき” っていう話もあって、それがまだ「自分には足りていないな」ってすごく思ってて、いま悩んでいることですね。

– “これからの目標” でしょうか。

竹田:そうですね。言われたことに対して、ちゃんと自分で「もっとこうしたほうがいいんじゃないか」っていう意見を言えるようになりたい、っていうことと。あと将来的にはプロジェクト内のアプリケーション側の――例えばプレイヤー班だったらプレイヤーの、敵だったら敵の仕事を、メンバーに振り分けつつ、自分も大きな “重要な敵” を作る、みたいな――。

– リードしていくような立場に。

竹田:そうですね。そうなれたらいいな、と思っています。

– 尾崎さんはいかがでしょう。

尾崎:今はゲームの描画処理、“グラフィック周りの処理” を担当させてもらっています。グラフィック処理は前々から――もう専門学校時代からずっと「やりたい」と思ってたことなので、“配属されてすぐにそれを担当させてもらえた” ということにまず、すごいモチベーションが上がりました。

自分が組んだ描画の結果が「以前よりも良くなったな」って実感できたときや、アーティストの方に「良くなったね」と言われたり、社内の全体会議のプロジェクト進捗報告で自分の組んだ処理がちゃんと動いてる映像が流れたりするのを見ると、やりがいを感じます。

 “こだわり” に関しては、まだうまく見出せてなくて。アーティストの方や上司に「こういうところをお願い」って言われたことを、学びつつ実装するのでいっぱいいっぱいで、その上で “自分らしさ” を出したりとか、「こういう描画処理をしたらもっとクオリティが上がりますよ」っていう提案をできるところまでは、うまくいけてないですね。

今後はそういったことを自分から提案したり、「新しいものを作らなくても、現状のものに機能追加したらできますよ」みたいな、コストの削減も提案できるようになれたらいいなと。そこがグラフィックプログラマーとして目指す、次の段階ですね。

– なるほど。描画処理というと、シェーダーとか。

尾崎:そうです、シェーダーです。あとはMaya側のシェーダーを描いたりとか。

– “クオリティを上げる” というのは、軽くするといったことだけでなく、新しい表現なども。

尾崎:そうですね。アーティストの方の意見を汲んだ上で、さらに「こういった表現でもっと良くなりますよ」って提案するのもそうですし、負荷削減もそうですし。あと、“アーティストの人が触りやすいパラメータを用意する” っていうのもそうですね。

– 学生時代から、そういうことに面白さを感じていた?

尾崎:そうですね。グラフィック周りは特に “やった結果がすぐに分かる” んで。しかも、以前と今を比べた上でどれだけ良くなったかも目に見えて分かりますし。技術的なところでも、良くするだけじゃなくて、かつ、軽くしなきゃいけないんで、そういった内部の処理を考える余地があるのが楽しいところですね。

– なるほど。山田さんはいかがでしょう。

山田:僕はなんだろう――アプリが8割、システム2割みたいな。「なんでもやらせてください」って言ったんで、先輩がいろんな仕事をくれて、たまにあふれそうになる(笑)。最初は人がちょっと足りていなくて、タスクがあふれかけてた “ギミック” 担当に配属されました。

ギミックに配属されて「いいな」と思ったのは――ギミックって “企画にもアーティストにも関わる” んで、背景の方も含め、かなり多くの方と話す機会があることで。もう配属された初日からいろいろ発注をしたりだとか、話し合いをしたりだとかが頻発して。

いきなり初日から10年目とかのベテランの先輩に仕事を頼みに行って、それをもらってまた次の人に別の仕事を頼んで、それを組み合わせて仕事をする――っていう状態で、ハードだったんですけど、慣れていくうちに話すのも楽しくなってきて。「クオリティを上げるためにコミュニケーションを取るのは大事だな」と思って、よく話すようにはしています。ちょっと作っては話して、ちょっと作っては話して、みたいな感じで、大きな手戻りがないように。

それとシステム面もたまに少しだけ――ブラウザ関係だとか、使ってないデータを消す処理だとか、作ったものをサーバーに上げる際の処理だったり――っていうのをやらせてもらったりしています。

– 特に “面白い” と感じる部分はあったりしますか?

山田:システムの仕事をやってるときは、面白いっていうよりかは “うまくいったときの達成感” みたいなのが大きいです。で、アプリの仕事をやってるときはやっぱり “自分がやったものが目に見えて反映される” っていうのが面白くて――さっき尾崎くんも言ってたんですけど、社内での発表のときに「ここ僕が作ったギミックだ」とか「あそこで降ってる隕石は僕がやったんだぜ」みたいなところが出てくるのは、すごく達成感もあるし、楽しい、うれしいところでもあります。

– 発売されたら、お客さんからも反応が来るようになりますからね。

山田:そうですね。やっぱりフィードバックをもらえるのはうれしい。僕のやってる “ギミック” って、先ほども言ったんですけど、アーティストだったりゲームデザイナーの人だったり、いろんな人と関わるんで、いろんな人に見てもらって、“いろんな人からの意見をもらえる” っていうのは、すごくいいところだな、と思います。

– なるほど。今後の目標は?

山田:やっぱり今教えてくださってる先輩の知識を少しでも早く吸収して、いち早く近づくことですね。その先輩が忙しいときに、「それ俺でもできますよ」っていうのを言いたいです。

– 頼りになる。

山田:そう、“頼りになる先輩” に早くなりたい。

– 宇佐美さんは。

宇佐美:今している仕事は、主に “開発ツール” です。いろんな人が触る、ゲームとして欠かせない部分のツールを今は作ってますね。プログラムの変更点がなるべく少なくなるように話をしたりとか、「今後、こんなのが必要になりませんか」とか、そういうのを前もって決めておいて、最終的に作ったあとにも、「一応こういうのもできるようにしときました」っていうのをやっておくことが “こだわり” なのかなって思うところです。
“やりがい” は――今のところ、ガッツリそのツールが使われてるんですけど、処理を書いたときにそれがうまく思ったとおりに動けば、もちろんそれがやりがいになります。

あと実際にそのツール全体を組むのはプログラマーの先輩だったりするんで、そういう人たちに「ありがとう」とか、「助かってるよ」とかって言われたりすると、よかった、って思いますね。仕事なんで当たり前のことしかしてないんですけど、その当たり前のことが “やりがい” になったりとか、自分の “うれしさ” っていう、プラスの方向に気持ちが動くっていうのは、すごく “プログラマーならでは” なのかなと。それはシステムでもアプリでも、どちらでも共通なのかなと思っていて――僕も「どっちもやりたい」とは思ってるんで、その辺りは「いろいろやらせてください」って言ってます。

– 開発ツールは、エンドユーザーが目の前にいますからね。

宇佐美:そう、だから作ったら「こんなのを作りました」っていうのはもちろん言って、「もうちょっとここをこうしたほうが――」とか言われたときに、すぐ対応したりすると喜ばれたりするのが “やりがい” というか、次のモチベーションになっているかな、って思ってます。

– なるほど。今後の目標は?

宇佐美:山田も言ってたとおり、“頼られるプログラマーになる” のが一番いいのかなと思っていて。仕事を振られるときに、“こいつならやってくれる” とか、“こいつのほうが早いから、取りあえずこいつにここはやってほしい” とか言われるようになるのが目標ですね。

– 指名付きで仕事を任される。

宇佐美:そうですね。なれるか分かんないですけど、プログラマーのリーダーとか、仕事を自分で割り振ったりすることも任されるような立場とかになれれば、勉強にもなるし、いろんな仕事に関われたりして楽しいかな、とは思ってるんですけど。

– なるほど。大川さんはいかがですか。

大川:自分は今、アプリケーションの部分で “敵の処理” を主に触ってるんですけど――ゲームデザイナーの人とやり取りをしていて、「今、自分が実装しようとしているもの」が “何の目的で使われるのか” とか、“なんでその機能がほしいのか” っていうのをちゃんと聞き出すようにしていますね。それをしないと結構、“求められてるものと違うもの” を組んでしまって、「こういう変更を加えてほしい」って言われたときに対応できなくなるんで。ちゃんと最初に意図を聞き出して、「こういうことが将来的に起こりそうだな」とか予測して、それをできるように組んでおく、っていう部分が、一番やりがいとか、こだわりとかを持ってやってるところだと思います。

– 作っていて楽しい部分はありますか。

大川:やっぱりゲームデザイナーの人と話していて「こういうことをしたいんだけど」って言われたときに、「それでしたら、こういう選択肢とこういう選択肢があって、それぞれメリットとデメリットがあって、こっちは工数がこれだけ掛かって、こっちは工数がこれだけ掛かって――」って言えるところですね。

– 選択肢を提示して。

大川:で、「どっちがより求められる形なのか」という話をちゃんとできるように。

– より “望んでいる方向” を向けるように。

大川:そうですね。あとはゲームデザイナーの言っている内容をちゃんと吟味して、今のゲーム全体の思想、“こういう方向性で進めている” というのにちゃんとやり方が見合ってるのかどうかとか。“その考え方とこの機能はかみ合ってるのか” っていうのをちゃんと考えるのが結構楽しいですね。

– なるほど。ただ達成するんじゃなく、全体で求められてるものが何かっていうのをまず把握して。

大川:「このゲームだったら、こんなに詳細なパラメータは必要ない」、「もうちょっと簡単に選択できるほうが妥当だ」みたいなことを考えたりとか。

– なるほど。今後の目標は。

大川:そうですね。今やってる “企画とのやり取り” については、今後もそういうのを「ちゃんと続けていきたいな」っていうのが目標なのと――まだアーティストの人たちとのやり取りは全然ないんで、いずれそういう人たちと話すときはどんな話し方をすればいいのかな、とか。あとは「全然自分の担当じゃない部分の企画に関しても目を通して、気になった部分とかを突っ込んでいけるようになりたい」っていうのが目標ですね。

– そういえば尾崎さんは結構、アーティストの方と話をされているのでは。

尾崎:そうですね。逆に僕の場合、ゲームデザイナーの方と全然話ができてなくて。アーティストの方とのやり取りが一番多いんで――大川くんみたいに、関係ないところでも自分から企画書を読んで「ここ、どういうことですか」とか、意見を出せるようになるのがベストなのかなって。

– なるほど。どちらも他セクションとはいずれまた関わるようになっていくでしょうし、お互いに情報交換してみてもいいかもしれませんね。――では最後に、これを読んでくれている就活生に向けて、応援やアドバイスなどいただけますか。

竹田:「本気で頑張ってもらえればいい」って僕は思ってますね。僕は専門学校に通ってたんで、大学とか、他所の専門学校は分からないんですけど、学校の先生とか先輩とかは、自分がちゃんと「本気でやりたい」って言えば、もう、めちゃくちゃサポートしてくれると思うんで。

「就活どうしようかな……」とか「作品制作どうしようかな……」って、“めちゃめちゃ不安になって悩む” っていうのは、もう無しにして、全力で頑張ってくれれば、必ずどこかには就職できるんじゃないかな、と思います。で、あわよくばプラチナゲームズに来てくれて「一緒に仕事ができればいいな」って思ってるんで。全力で、本気で頑張ってください。

尾崎:これは僕の就活と、会社に入ってからの経験を踏まえてのアドバイスなんですけど――プラチナゲームズでは自分が「こういうことをやりたい」っていう発信をちゃんと続けてたら、きっとそういうところを担当させてもらえると思うんで、ゲームプログラミングの中でも「こういったことをやりたい」っていうのを学生のうちに見つけてください。そこをしっかり伸ばしてうちに来れば、きっとやらせてもらえると思うので。頑張ってください。


山田:
ザッキー(尾崎)がほとんど会社のことを言っちゃったんで、全体的な感じで。僕は就活すごいダルかったんですけど――しんどくて、スーツも着て、汗かきながら電車乗って――今、すごくしんどいと思うんですけど、でも、そのしんどい1~2年……そうは言っても “1~2年” なんで。それを頑張れば、あと何十年も「いい会社で働ける」と思ってやるべきかなと。今、すごい “しんどい” と思うんですけど、しっかり頑張ったら、あとでその分の成果が返ってくると思います。

宇佐美:これはネガティブに聞こえちゃうかもしれないんですけど、ゲーム業界はもう、どんどん、どんどん、いろんな新しいコンシューマー機が出たりして、“常に勉強” なんで、「学生時代だけ勉強しとけばいいわ」っていうんじゃなくて、「就活生でもしっかりと勉強をしていかなきゃいけない」っていうことは頭に入れておいてほしいなと。どのみち会社に入ってからも勉強は続くので、それまでにいろんなことに挑戦して、今のうちに “勉強していくことに慣れておく” のもいいんじゃないかな、と思っています。で、もしプラチナゲームズを志望してくれるのであれば、一緒に働けることを楽しみにしてるんで、一緒に頑張っていきましょう。

大川:自分もそうだったんですけど「就活、面倒くせえな」って思ってると思います。ただ、会社って今後、長い付き合いをしていく場所なんで、一番自分に合ったところを頑張って見つけてもらいたいなと。――あと遠方の人は面接のときに夜行バスとかで来ると、始まる前からすごい疲れちゃうんで、“面接のときは飛行機を使う” ことをお勧めします。

– ちょっと値段は張るけれども。

大川:値段は張るけれども。本当にもう、夜行バスとかで揺られていくと、面接が始まるまでにヘトヘトになっちゃうんで。

– コンディションの管理も大事、ってことですね。

大川:頑張ってください。



いかがでしたでしょうか。座談会もすでに4回を数えましたが、当たり前のことながら1人として似たような人生はなく、なかなかに波乱万丈な展開もありながら、しかし “最後まで諦めない” という点は全員に共通していたように感じます。私も進行役を務めながらではありますが、1人の読者としても興味深く楽しませていただきました。

さて、今年度の座談会も次回で最終回となります。新人――……ではないサウンドセクション座談会! 入社して5年になるサウンドデザイナーとミュージックコンポーザーのお二人をお呼びして、就活の体験談やサウンドのお仕事に関するさまざまなことを聞いてきましたので、ぜひ楽しみにお待ちください。
それではまた!



2020年新卒 会社説明会 予約受付中!
≫≫ [PG MYPAGE]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪
≫≫ [リクナビ2020]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪

※プラチナゲームズにご応募いただくには会社説明会への参加が必須となります。
※当社専用採用ページ[PG MYPAGE]にて、当社説明会をご予約済みの方は、リクナビから重複してのご予約はご遠慮ください。リクナビから説明会をご予約・ご参加いただいた方には後日[PG MYPAGE]を案内いたしますので、ご安心ください。
※席数に限りがありますので、重複してのご予約はご遠慮ください。
※一部職種についてはすでに満席となっている回もありますが、キャンセルが出る場合もありますので、随時ご確認いただければと思います。


◆バックナンバー
→プラチナゲームズの新人ゲームデザイナー座談会! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート1! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート2! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人プログラマー座談会! 前編はこちら

TAG

一覧トップに戻る

プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート2!(前編) 1~2年目のアーティストに直撃!学生時代の活動や、ポートフォリオの作り方、会社選びの基準は?気になる話を直接聞いてみた!

2019.03.08

ICHIでございます。前回に引き続き、今回も新人アーティスト座談会をお届けいたします。

ただし! メンバーは総入れ替えとなっており、エンバイロメントアーティスト2名に、コンセプトアーティスト、UIアーティストを加えた4人にお話を伺ってきましたので、前回とはまた違った視点からの体験談が聞けることでしょう。アーティストを目指している方も、そうでない方も、お楽しみいただける内容になっていると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。


渡辺:コンセプトアーティストの渡辺です。よろしくお願いします。

– 出身と、学生時代にどんなことをしていたのか教えていただけますか。

渡辺:出身は新潟県。新潟県から東京の美大に入って、プラチナゲームズに。大学ではデザインを勉強していたんですけど、ゲームに関係するような分野ではまったくなくて。あまり人付き合いもできるほうではなかったから、そういう話をできる人が意外と少なくて、多少寂しい思いをしました。

– “デザイン” というのは、どういったジャンルの?

渡辺:……プロダクトデザイン……話さなきゃいけないですか?

一同:そんなに嫌?(笑)

渡辺:恥ずかしいですもん。美大に入って「プロダクトデザインをやります」って言い始めたころから、実はすでに「向いてないかもしれないな」って思い続けながら学び続けていて、結局プロダクトデザイナーにはなれなくて――。なれなかったというか、本当になりたかったのは元々ゲームクリエイターだったのかもしれないけど、ちょっと後ろめたい気持ちがまだ残る、みたいな。

– では、そのあたりの話は後ほどあらためて(笑)。好きなゲームは?

渡辺:好きなゲームは『エースコンバット』シリーズです。ただ、僕がやりたいのはSFとか、フィクションの世界を作り出す仕事だったので。就職先としては、やっぱり世界観とかがイチから作られたゲームが多いプラチナゲームズが良かった。コンセプトアーティストの仕事も多いみたいでしたし。

小俣:エンバイロメントアーティストの小俣と申します。出身は東京で、大学も東京の美術関係の大学で、4年間、デザイン学科でグラフィックを中心に勉強してました。あまり真面目な学生というわけじゃなくて、1~2年のときに取れるだけの単位を取って、3~4年はほとんど大学に行かないで、『CGWORLD』さんとかが開いていた無料のセミナーとか懇親会みたいなのに入り浸ってるような感じでしたね。

大学では何も考えずにデザイン学科へ入ったんですけど、しばらくするうちに “コンセプトアート” とか “映画業界” のほうに興味を持って。初めは全然、ゲーム業界に入る気はなくて、ずっと「映画業界で何かしたいな」みたいな感じで絵を勉強していたんですけど、だんだん、映画だと “かっこいいルックをひたすらつくっていく” だけっていうのが――。それがやりたいことではあったんですけど、ゲームだとかっこいいルックだけじゃなくて、そこに “遊び” っていう要素を足していったりできる。映画だと “ストーリーがあって、それに沿って” っていう感じなんですけど、ゲームだと「プレーヤー1人1人にいろいろ委ねられているところの “大元” をつくれるのがすごい面白いな」、「ゲームのほうがいろいろ冒険ができそうだな」と思って。

それで大学3年の終わりか大学4年ぐらいに「ゲーム業界を目指そう」と思って、いろいろなところのインターンシップを受けにいったりとか、「ゲームにおける “アート” とは何だ?」みたいなことを考え始めた感じです。

– もともとゲームは結構プレイされてたんですか。

小俣:結構、海外のゲーム、特にNaughty DogとかUbisoftとかのゲームが好きで。『The Last of Us』を初めてやったときに、「うわ、なんだこの映画みたいな――でも映画でもなくて面白いな。こういうのを作りたいな」って思ったのがゲーム業界を目指したきっかけですね。もともと「エンターテインメントに関する職業に就きたいな」というのは高校のころからずっと思っていて。高校から大学2年ぐらいまではずっとバンドをやってました。

秋山:かっこいい。バンドマンから急に。

小俣:別にバンドマン――ミュージシャンになりたいっていう気はなくて、その “ライブ感” みたいな、「演奏してみんなが盛り上がってる、楽しい!」というのがすごい好きで。

– パートは何を?

小俣:ベースをやってました。“陰で支えてる” みたいなのがかっこいいなと思って。

– 仲間に飢えていた渡辺さんとは対照的な(笑)

小俣:でも私はわりと、「グループでチーム組んで何かやろうぜ」っていうよりかは、1人でいろんなところへ勉強しに、個人的に突撃してるタイプでしたね。

渡辺:僕ももっと突撃できたかもな……。

– 渡辺さんは、ゲームはもともとよく遊んでいた?

渡辺:僕はゲーム、すごい好きでした。小中学校、ずっとゲームをやってました。ただ、絵を描くようになってからは「絵を描いているとゲームをやる時間ねえな」と。大学4年ぐらいに “いい作品を作るには、ゲームをやる時間を惜しんで作り続けなければいけない” みたいな現実に直面して、「ゲームをやってる暇ねえわ」って。

– 美大に入るときには “ゲーム業界に行こう” っていう気はなかったんですね。

渡辺:そうですね。正直、確かに僕、絵には自信ありましたけど、でも僕より絵がうまい人なんてそれこそ星の数ほどいるし。映画、ゲーム、アニメ、そういったところは何よりも “絵のうまさ”、知識とかよりもとにかく “絵のうまさが重要” で、「僕みたいな、雑学ばかり蓄えているような人間が “絵だけで勝負” みたいなところに行っても相手にされないだろう」と考えて。それで「やっぱプロダクトデザインだよな」って思いながらやってましたね。

小俣:私、その考え、少し違う気がするぞ(笑)

秋山:うちもむしろ反対やと思うな。

小俣:絵がうまいのは、プレゼンのときに有利な武器にはなるけど、やっぱ “どれだけ知識の引き出しを持っているか” のほうが、私は強いと思うな。

渡辺:いや、実際そうなのよ。俺は当時の意識として、「もっと絵うまくないと駄目だよな」って思っていて――でも実際プラチナゲームズに入ってコンセプトアートの仕事をやってみたら、「絵がうまいだけじゃしょうがないよね」っていう(笑)。

– “当時は” そう思っていた、ということですね。

渡辺:そう。「絵がもっとうまくないと、そっちの業界では通用しないぞ」みたいな。

– それで美大ではプロダクトデザインでいこうと思って。

渡辺:そう。

– でも途中でやっぱりゲームのほうに。

渡辺:そう。現実世界を相手に物を作ってもあまり楽しく思えてなかったんで、そんなので面接とか行っても、何もしゃべれないんですよ。「もうプロダクトデザインやっても、たぶんあんまり楽しくないんだろうな」って思いながらプロダクトデザイン系の就活を続けて、結局どこにも行けなくて。

– 本当に就活の途中だったんですね。

渡辺:でも実際、就活に失敗して大学院に行ったんで、就職浪人みたいな感じでしたよね。非常に幸運なことに、親もお金を出してくれたから、そこで時間をもらって考えて。――いや、幸運でしたよ。本当に幸運に恵まれた人生を歩んでます、僕は。親に心の中で毎日、謝りながら生きてるから。「お父さん、お母さん、大学院まで行ってしまってごめんなさい」と。

– それで「やっぱりゲームだな」と。

渡辺:その決断をできてからは僕、結構充実したと思います。

秋山:自分を見つめ直す期間だったんですね。

曽山:良かったね。

小俣:大事、大事。

– 曽山さんは。

曽山:エンバイロメントアーティストの曽山です。出身は鹿児島です。基本的に操作が分かりやすいゲームが本当に好きなんで、『戦国無双』シリーズとかはもうめちゃくちゃ好きです。逆に海外のゲームとかは、もう操作するボタンが多すぎて分からないので、結構大変で。プラチナゲームズに入社したら、洋ゲーを好きな人が多すぎるんで、最近は海外のゲームもするようになりました。

– 面白いのありました?

曽山:最近『アサシン クリード』シリーズを始めて、「暗殺楽しい~」と思いながら(笑)――今までそういうゲームをまったくしてこなかったんで。『戦国無双』シリーズとかは必然的に自分から前に出て戦っていくゲームだったんですけど、『アサシン クリード』シリーズは “隠れないといけない” っていうところに新しい面白さを感じて、最近はそれをひたすらやってます。

– 学生時代はどんなことを。

曽山:学生時代は一応、今と同じくエンバイロメントを。もともとは “キャラクターデザイナー” になりたくて――。でも先生とか周りの話を聞いていると、「キャラクターデザイナーは志望者が多すぎて競争率が高いから、別のところを狙ったほうがいいんじゃないか」って。そういう考えで選ぶのもどうかと思ったんですけど、でも実際に背景制作をやってみたら「 “自分がつくりたい世界を自由につくれる” っていうのがすごくいいな」と思ったので、ゲームのエンバイロメントアーティストの道を選びました。「映像制作でもいいじゃん」という考え方もあるとは思うんですけど、映像は “決まったカットでしか世界をつくれない” ので、そこに縛られたくないと思って、ゲーム会社にしました。

– 学校はどういう学校でした?

曽山:専門学校です。音楽とかデザインとか、ゲームと混合してる学校だったんですけど、自分はゲームの学科で、ひたすら背景を毎日作ってて。1年生のときはとにかく土曜日も日曜日も学校に来て作ってたりするぐらい、すごい好きでしたね。

在学中最後の作品。UE4で制作したので歩けます!(曽山)

– じゃあ学校に入ろうとしたときから、ゲーム業界に行こうと。

曽山:――思ってたんですけど、親には言えなかったです。というか、自分がまず “ゲーム禁止家庭” 。

小俣:分かる(笑)

秋山:一緒、一緒! 分かる? 一緒(笑)

曽山:小学校のときに “夜中に布団かぶってゲームしてしまった罪” を背負って(笑)。――それで目が悪くなってしまって、親から「ゲーム禁止!」っていう流れで――「ゲーム会社に行きたい」とは言えなかったです。

– でも、専門学校進学のときには「願書」とか出すわけじゃないですか。

曽山:そうですね(笑)。やっぱ途中から親も、もう気付いてたらしくて。

– 「ゲーム学科」、って書いてあるわけじゃないですか(笑)

一同:(笑)

曽山:そうですよね(笑)。その時点で普通に自分も気付くべきだったんですけど、そのときも何も言われなくて。でもそこはゲーム学科だったんですけど、“イラストも描く学科” で、もともと自分は絵もすごい好きだったので、たぶん親はそれで許してくれてたのかな? と。――でも最近、普通に家で妹がNintendo Switchで遊んでて、「あれ? ゲーム禁止じゃなくなってる」っていう(笑)――そういうことになってたんで、「あ、自分は許されていたんだ」って気付いて、やっと今ここに、堂々と「ゲーム会社に入りました」って親に報告できた、っていう感じです。

– 曽山さんのおかげで解禁されたのかもしれないですね。――秋山さんは。

秋山:ユーザーインターフェース(UI)アーティストをやっています、秋山と申します。出身は岡山県で、大学は京都にある芸大に行っていました。そこから今、大阪に来てます。もともと私が「ゲームクリエイターになりたいな」と思ったのは小学生のときで、イラストを描くことは好きだったけど、そもそも「ゲームクリエイターってどういう仕事をしているんだろう?」ということが高校を卒業するまで結局分かんなくって。じゃあ「なんでもできる学校にいこう」と思って、CGもVFXもやるし、音楽も作るし、映像もやるし、みたいな学科に行って――そこでいろいろ学んだ結果、「自分にはグラフィックが向いてるな」と。

その頃ちょうど大学の先生に「実は “UIデザイン” っていうのがあるんだけど」みたいな話を聞いて興味を持ったのがきっかけで、UIアーティストを志願しました。好きなゲームは、『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』がすごく好きで、もう大好き。

曽山:新作(リマスター)出る!

秋山:うん、そう! めっちゃうれしい(笑)

曽山:やるしかないね。

秋山:やるしかない。――でも親は、ゲームに対して厳しくて。年に3つ買ってもらえたら御の字ぐらい。だから『ポケットモンスター』シリーズと『ファイナルファンタジー』シリーズしかずっとやってこなくて。高校のときはデザイン系で制作に忙しくて、寝る時間もなかったから、大学3回生になるまで6年間まったくゲームに触ってこなかったです。そこで「ゲーム業界を目指すならゲームをやらなきゃ」っていうことに気が付いて(笑)。友達と「あんなゲームあるよ、こんなゲームあるよ、新しいの出たよ」って交換しながらいろいろやりました。

学生時代の制作物。宇宙人ハンドリアンがじゃんけんをするという架空のゲームUIを制作しました。『ホーム』が家ではなくUFOになっているのがポイントです(秋山)

– なるほど。皆さんの学生時代までのお話を伺いましたが、就活ではどんな取り組みをされました?

渡辺:インターンシップとポートフォリオですよね。それが全て。

曽山:インターンシップ、私はほぼ行ったことなかった。

渡辺:いや…… “インターンシップ行かない” とか、舐めプ*か?
*「舐めたプレイ」の略。主に対戦ゲームなどで手を抜くなどして余裕をかますこと。

一同:(笑)

秋山:私の周りでも “企業研究大事” って言われてたけど、何を研究していいのか分からなかったから、「とりあえずインターンシップで企業の人に顔を覚えてもらって仲良くなろう」と思って。

曽山:なるほどね~。

小俣:大事、大事。

– インターンシップはどういったところに?

渡辺:行けるところは全て。一番最初に行ったインターンシップはスマートフォンアプリ制作の会社だったんですけど、そこで僕、プログラマー・プランナー・デザイナーの「3人タッグでゲームを作る」っていうのを初めて体験して、「やっぱ楽しいよな」って。大学でも “みんなで共同して物を作る” っていうのは楽しいよね、っていうのがずっとあったんで。そのときの体験から「ゲーム業界でも通用するんじゃん?」って思って――まあ通用しなくっても、そこからはもう進むしかなかったと思うんですけど――。

それでほかの会社のインターンシップにもバンバン行って。年が明けたころからはコンソールのゲーム会社のインターンシップもぼちぼち始まってきたので、プラチナゲームズも含め、行けるところは全部応募して。で、面接が4月ごろから始まって……という感じでしたね。

イラストはゲーム業界を目指し始めてから本格的に描き始めて、飛行機はその主な題材です(渡辺)

– 他の方は?

秋山:行きました。

曽山:実はプラチナゲームズのインターンシップだけ行きました。

– あ、みんなプラチナゲームズのインターンシップには参加されてた?

小俣:そうです。

– どうでした? プラチナゲームズのインターンシップは。

小俣:ほかのところと違って、すごくワイワイ「うわ、楽しい~!」みたいな感じで行えたインターンシップだったかなと思います。

秋山:ほかの企業は “お客さま接待” 的なところが多かったけど、こっちはむしろフレンドリー感が感じられて、そこで急に好感度がグッ、って上がりました。

小俣:確かに “社員の人と気軽に話せる” っていうのはたぶんこの会社ぐらいだった。

秋山:相談とかをしたときに、真剣に一緒に考えてくれるのはプラチナゲームズしかなかったから。結局ここに決めた。

– 就活作品、ポートフォリオはどうしてました?

秋山:3回生ぐらいからポートフォリオ作ってて、でも見栄えが悪かったんで、中身は変えないまま何回も作り替えながら、「新しく作り替えてきました、どうですか」って見せにいってアドバイスもらってました。

– 作品自体は変えずに、ですか。

秋山:変えてません。

– レイアウトを。

秋山:レイアウトを変えたりページの順番を変えたりだとか、“どうやったら自分の「ユーザーインターフェイスにいきたい!」っていう気持ちが伝わるかな?” ということを考える意味でもいい経験になりました。

– あえてレイアウトだけを変えていたところに、こだわりがあった?

秋山:そうです。作品自体を作り始めると――それはまた “違う” 気がして。学生生活の過程で新しく作ったものは入れていきましたけど、“就活のために作品を作るのは違う” かな、って感じでした。

渡辺:ポートフォリオのレイアウト、構成次第で見た人が受ける印象も変わってくるから。

– “レイアウトが重要だ”というのはどういったところから?

秋山:“情報の伝え方” が大事かなと思ってて―― 作品のタイトルもそうだけど、“どんなツールを使ったのか”、“どの程度時間を掛けたのか” っていうのと、“作品のどんなところを見てほしいのか”。作品を載せるときにたまに制作過程とかを載せてる方がいるんですけど、過程よりも出来上がった作品のほうが見たいし―― “作品と、必要最低限の情報” かな。あと、ページの構成とかも含んだ「ポートフォリオ自体もまた作品」で、それも自分自身を伝える「名刺がさらに詳しくなったバージョン」って思うから、そこを作り込む必要があるな、と思ってやりました。

– 渡辺さん、レイアウトや構成については。

渡辺:そうですね。“何を伝えたいか” とか――業界的にもプロダクトデザインとはちょっと違うところがあったんで、その辺は苦労しました。でも、だいたい同じだと思います。プロダクトデザインのころに、そういうポートフォリオの全体の構成については何回も話を聞いていて。――僕はあんまり有能じゃなかったんで時間かかったんですけど、なんか “作曲するみたいに作る” って言って。

秋山:作曲?

曽山:深いね。

渡辺:ポートフォリオに1個の作品を載せるじゃないですか。その1個の作品をプレゼンテーションするために、その作品をだんだん――説明とか前置きとかで盛り上げていって、最終成果物で、ドン、って一番盛り上がって、それを作品ごとに繰り返す。そんな感じで、本当、プレゼンテーションなんで、「伝わるようにするにはどうすればいいのか」っていうのはたくさん悩みましたね。

– 小俣さんはいかがですか。

小俣:いや、なんか今の渡辺くんの意見にすごい同意で。自分の「もう1個の履歴書」みたいな――。むしろこっちが「本ちゃん(本番)の履歴書」。

秋山:そうだね。

小俣:送ったポートフォリオを見てもらってるときは、自分がその場に居てプレゼンはできないんで、“いかにその1枚の中でその絵をプレゼンしていくか”、とか。あと、応募者も “何千人” みたいな感じでいっぱいいるはずだし、机の上に大量のポートフォリオを適当にパッ、ってページ開いて、それをサーッ、って通って見ながら、「あ、この子いいね、この子いいね、この子いいね」みたいに選ばれると思うんで、そのときに “いかにその人の目に入るか” 、“どのページを見ても目に入るか” みたいなのをすごい考えたりとか。

――あとは、めくっていくときに、“どこに一番自分の自信があるものを持っていくか”、とか、“飽きさせないポートフォリオはどうしたらいいのか”、みたいなのはすごい気を使って作ってた……んですけど、私このプラチナゲームズ向けのポートフォリオ、全然間に合わなくて、すごい雑なものを送ったんで(笑)

一同:(笑)

曽山:ぜひとも見たいな(笑)

秋山:でもこの場にいるっていうことは、作品に力があったから――。

曽山:そうそう(笑)。そこはね。

渡辺:「どのページを見ても目に付くように」とかいうのをマジに受け取ると、本当、全てのページにみっちりと詰め込みたくなるんだけど、でもそうすると結局、ちょっとおしゃれじゃなくなっちゃって、魅力がなくなるから。結局、作品そのもののクオリティを上げることが大事で。作品のクオリティが高ければ、今言ったように「あ、こいつ絵うまいじゃん」みたいに目に留まるから。やっぱり作品のクオリティが大事。

– レイアウトは起承転結を付けていく上で大事だけど、“どこを開いても目に入る” というのは作品自体のクオリティが大事だと。

渡辺:そうですね。結局、作品がうまければ目に留まるし、それが一番だと思います。“本当に自分の自信のあるものだけを載せる” ことで、それはできるんじゃないかと。

– 小俣さんは、送る会社に合わせてポートフォリオを作っていたんですか。

小俣:そうです。結構、会社に合わせて「こういうの好きだろ」みたいな(笑)対応とか。ちなみに私がよく言われたのは、「君、本っ当、これ好きなんだね」みたいな感じで――もう自分がとにかく好きなもの、「私はこれが好きだ、これが描きたいんだ!」みたいなものを詰めて送ってた、っていう感じです。――で、何回か見てもらってる会社には、自分が好きなものも入れておくんですけど、「いや、こういうのも描けますよ?」みたいなのもちょっと添える、みたいな(笑)

一同:(笑)

曽山:あるある。あるわ~(笑)

秋山:味を変える(笑)

曽山:確かに。

– それを相手の会社のカラーに合わせてチョイスしたり。

小俣:ちょっとチョイスしたりとか。でも基本的には “自分が一番好きなものを一番濃く” してましたね。

– ちなみにプラチナゲームズに対してはどういうコンセプトで?

小俣:インターンシップとか、そのあとの作品アドバイス会でもいろいろ見てもらったりしていたので、なるべく “一番直近で描いた自信のある作品” を数点送った、っていう感じでしたね。

– すでに何度か見てもらってるから、最新のアップデートを見てもらおうと。

小俣:そうですね。

学生時代に描いて、ポートフォリオにも収録したアート。描いている絵の雰囲気にあった音楽をかけながら作業してます。特に、ポスト・クラシカルが熱いです(小俣)

– 曽山さんはいかがですか。

曽山:自分も結構、小俣さんと一緒で、“好きなものを詰め込む” みたいな。作品も “クオリティを見られる” っていうのもあるとは思うんですけど―― “自分が何が好きで、何を作りたいのか” すら分からなくて、そこで落ちる人が結構いて、いくらうまくても「何に対して情熱を持ってやってくれるのか、分からない」とかで採ってもらえない人も多い、ってよく聞いてたので。作品のクオリティうんぬんはもう “自信あるものを載っけるんだから当たり前” で、それプラス、自分の「ここ好きだぜ」をぎゅっとポートフォリオに詰めて。それで結構、「君、ここが好きで、すげえ楽しく作ったでしょ」みたいなことを言われることが多かったんで、自分はそういう作り方をしてました。

– こだわっている部分は、やっぱり “自分の好きなものをいかに伝えるか” っていうことですか。

曽山:そうですね。もちろんそれでレイアウトの工夫とかも必要だな、と思います。いくら作品がうまくても、「レイアウトが見づらい」とか「いつの時代だ」みたいな感じだと見てもらえないのかなと。

– ありがとうございます。それで志望する会社ですが、皆さんどうやって選んでいました?

渡辺:SFができる会社。本当、“全部自分で作れる会社”、みたいな。

– “全部” というのは。

渡辺:世界観からそこに登場するアセットやら何やら全部自分らで考えて、“現実から何も持ってくるものがない作品” を作ってる会社がいいな、って思って。あと、アクションゲームが好きで。SFでもファンタジーでも、とりあえずアクションゲームを作っていて「僕が好きなものを作れそうだから、プラチナゲームズに来た」っていう感じです。

– 「やれることがいっぱいありそうだぞ」と。

渡辺:そうそう。

小俣:私はまず、あまりスマートフォンのゲームが好きではないので、「コンソール向けのゲームを作ってる会社がいい」っていうのと、あとはいわゆる日本の “萌えキャラ” みたいなのがあんまり――見るのは好きなんですけど、それを仕事にして絵を描いたりだとか、何か作るっていうのは嫌だったんで――その(萌えではない)中間か、完全にもうフォトリアルなものを作ってる会社がいい、っていうのと。

あと一番大きかったのは、“チャレンジをさせてくれる会社” 。やっぱり大きい会社になってきたりすると、「いろいろリスクがあるから――」みたいな感じでいろんなことをやらせてもらえなかったりとかすると思うんですけど、私は「新しいことをやったりとか、若手でもガツガツいけるような会社が絶対いいな」と。“会社の歯車の1個としてひたすら同じものを生産” みたいなことはしたくないな、って思ったので、そうじゃない会社をいろいろ探して受けてましたね。

曽山:会社、特になんも考えてなかったなぁ……。意図してたわけではないんですけど、自分のアートスタイルが “ちょっとリアル寄り” になってたので、「自分のアートスタイルはこの会社の作風と合うかな?」という視点で選んでました。プラチナゲームズは第一印象が結構、「普通の会社だとコレ許されないだろう」っていうことを平然とやってる(笑)、“その企画を許してくれる会社だ”、っていうのがゲームとかを見てて、すごい感じ取れたので、「そういうとこ、すごい好きだな」っていうのが一番の理由だったんですけど。

秋山:私は自己紹介で言ったように『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』が大好きで、その好きな作品を “超えたい” と思って。それで、新人の言い分にも理解を示して色々やらせてもらえるような、さっき小俣さんが言ったような「 “若手でもガツガツいける会社“ ってどこだろう」と考えたら、プラチナゲームズだな、って。

– そのときのプラチナゲームズに対する印象は。

秋山:フェチに対するこだわりがすごい(笑)

– フェチ。

秋山:そこもすごい好感度が高くて。ベヨネッタのあのお尻のラインだとか、2Bのお尻も大好きだし。「あ、分かる、このフェチポイント分かる~!」っていうところがすごく多かったのも印象的でした。

曽山:お尻の話しかしてない(笑)

小俣:プラチナゲームズ作品ってニッチな部分が多くて、それも日本的でニッチな部分が結構、世界でも受け入れられて、「すごい」って言われてて。「ちゃんとこういうニッチなものも伝わるんだ、受け入れてもらえるんだ。そういうものを作れるこの会社、すごいな」って、『NieR:Automata』が出たときに、すごく(笑)

秋山:「プラチナゲームズに決まったよ~」って友達に報告したら、「え、お尻の会社!?」って言われて(笑)。印象が。

– 否定できない(笑)。渡辺さん、そのときのプラチナゲームズの印象は。

渡辺:「大きさのわりに立派なもん作ってんじゃん」って感じで。

小俣&曽山&秋山:上から~(笑)

渡辺:正直な話、コンセプトアーティストになりたくて、「このぐらいの大きさの会社だったら僕でもなれるんじゃ?」っていうのが、決してなかったわけじゃあない。それにあんまり大会社だと「僕、ここでやっていけるのかな」とか思わないこともなかっただろうし。――基本的に僕は「まだまだダメだな」と思ってやってるんですけどね。

– この規模感ならいろいろやらせてもらえる。

渡辺:そう、この規模感なら。いや、さすがに僕もちょっと言うのが非常に憚られる言葉使いますけど、いい踏み台になりそうだなって。

秋山:……なんて言った?

曽山:もう1回どうぞ。

秋山:聞いてなかった。

渡辺:「いい踏み台になる。」

一同:(笑)

渡辺:――これちょっと掲載できないね。これちょっと、校正入りますね、この言葉。

曽山:逆に踏まれるほうになるよ(笑)。次の新人の踏み台になる。

渡辺:あ、僕が踏み台になったらどうしよう。来年、僕よりやばいやつが入ってきたら、うれしいけど、つらいと思う……。

– 大型新人が入ってきたら(笑)

渡辺:大型新人が入ってくるのは、僕はすごくうれしい。「あ、こんなやついるんだ」って思えるし。僕、才能は好きなんで。でもつらいことになるでしょうね(笑)

– 曽山さんは、いかがでしたか。プラチナゲームズを知った当初の印象は。

曽山:もう本当に、すごい “暗い会社” だなって。

– “暗い” ?

曽山:作ってるゲームもなんか暗いイメージ。

秋山:あ、“ダークファンタジー” 的な意味で?

曽山:あ、そうそう。

秋山:(笑)。びっくりした。なんかネガティブ、陰キャ的なものかと。

曽山:作風がダーク寄り……血みどろとかじゃないですけど、そういう意味で、最初は「自分には合わないな」と思ってましたね。SFとかも多かったけど、自分はそこまでSF好きでもなかったんで。でもそのあとに『NieR:Automata』とかが発表されて。ファンタジー寄りの作品も作れるんだったら、ちょこっとSFとかもやってみたい気持ちはあったので、「どっちも作れるんだったら、もうこの会社に行くしかない」っていうことで、自分は決めました。そこでちゃんと印象が変わりました。

– ほかの皆さんもインターンシップや会社説明会に参加して、プラチナゲームズの印象は変わりました?

秋山:むしろ “インターンシップに行って、やっとプラチナゲームズの名前を知った” っていう感じでした。

曽山:確かに。

秋山:『ベヨネッタ』は前から知ってたんですけど――ショートヘア*のベヨが、担任の先生にそっくりだったんで(笑)
*『ベヨネッタ2』登場時。

渡辺:担任の先生すごいな!(笑)

秋山:体型もベヨで、本当に。

小俣:めっちゃセクシー(笑)

秋山:それで「プラチナゲームズって何作ってるんだろう――ああ、ベヨの開発やってたんだ」っていうことで知って、インターンシップに行って、「あ、いい人ばっかりじゃん」って好感度が上がって。

曽山:全体的なゲーム会社の印象として、“そこまで作品とか見てくれてない” というか――以前も見せたんだけど、「初めて見る作品だね」みたいなことを(笑)言われる会社も普通にあったんですけど、プラチナゲームズだけは本当に、学校へ来てくださったときに作品を見せて、「へえ、いいね」みたいな会話をして、その後インターンシップに行ったときにも新しいの見せたら、「あ、新しいの入ってるじゃん」みたいな感じで “覚えててくれた” っていうのが――。そこで「すごくいい会社だな」っていう印象に変わりました。

小俣:私も秋山さんと一緒で、プラチナゲームズの作ってるゲームは知ってたんですけど、“パブリッシャー側の作ったゲーム” だとずっと思ってて。本当にゲーム業界の知識とかなかったんで、「パブリッシャーとデベロッパーって何?*」みたいなところも(笑)
*パブリッシャーはゲームの開発資金を出して、流通や宣伝を行い、デベロッパーはパブリッシャーからゲームの開発を請け負う。パブリッシャーがデベロッパーを兼ねた自社開発の作品も多く、また開発をデベロッパーに委託していてもデベロッパーの名前があまり表に出ない作品も多いため、一般には開発元がどこであるかまでは認識されにくい。ちなみにプラチナゲームズはデベロッパー。

– 『ベヨネッタ』はセガだし、『NieR:Automata』はスクウェア・エニックスだし――。

小俣:――そう思ってたんですけど、インターンシップに行って「あ、この会社が! そういうことだったんだ~」みたいな感じでプラチナゲームズを知りましたね。大きく印象が変わったことは特になくて、“すごい楽しい会社”(笑)。上司の人ともコミュニケーションがすごく取りやすくて、わりとセクション間を越えたりだとか、プロジェクトを越えて気軽に質問しにいけたりとか、他愛のない話とか――意外とそこから得られる情報って大きかったりするんで(笑)――いい雰囲気で、話しやすいです。

– 渡辺さんは。

渡辺:あまりよく覚えていないですけど、インターンシップで交通費を出してくれたのはうれしかったですね。出してくれないところとかも、あったんで。

秋山:そこ?(笑)。

曽山:いや、でも結構あるよ。出してくれないところ。

渡辺:あと、最近まで信じられなかったけど、『VANQUISH』、『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』……いろんなゲーム作ってますけど、「本当にこんな小さい会社があれを作ったのか?」みたいな。

秋山:渡辺くんさっきからいろいろけなしまくるよね(笑)

渡辺:でも正直な話、まったく信じられなかった。僕が『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』を初めてプレイしたときは「プラチナゲームズ、そんな大層にロゴを載っけるほど何かやってんの?」みたいな感じだったけど、「本当に、本当に作ってたんだ、この会社が――!」って(笑)

– ちなみにプラチナゲームズを受験して、なにか印象に残ったことはありますか?

小俣:1次面接のとき、結構ほかの会社だと「では自己紹介をどうぞ」とか履歴書見ながら言われて、ガチガチだったんですけど、プラチナゲームズでは普通に「最近調子どう?」という感じで(笑)本当すごい。インターンシップとかで何回かお会いする機会があったんで、そのおかげかもしれないんですけど、フランクな感じで “リラックスして話せた” っていうのが、「この会社、珍しいな」と。

渡辺:インターンシップでゲームエンジンに触らせてもらえたのはうれしかったですね。あれは結構大きかった。

秋山:確かに。感動した。

渡辺:ほかの会社でもエンジンを触らせてくれたところはありましたけどね。でもこれはうれしかった。

小俣:確かに、1日であそこまでいろいろ触らせてもらえるの、なかなかなかったですね。1日だとやっぱり座学みたいな感じで――最後にポートフォリオを見せ合う、みたいな流れがだいたいどこの会社でも多かったので。1日であれだけアーティスト系全部のセクション、実際に触らせてもらって、作って、実機に出して、「おお~、楽しい!」みたいなのは、この会社ぐらいだった感じです。

秋山:面接に行ったときに、入室したら「よろしくお願いします」って言うじゃないですか。私の場合、「あ、お久しぶりです」っていう言葉から始まったんで、そこでもう心はしっかりつかまれて(笑)。後半も20分ぐらい時間が余って、「ラーメンどこ行きました?」みたいな話をしたりとか――めっちゃフランクな面接だったな、っていう印象です。

– 入社してからはどうでした? 大阪に来てみて。

渡辺:いや、大阪は非常に住みよいと思います。非常に住みよい。ただ、展示会が東京に比べて非常に少ないのは……でも京都は近いから……。

曽山:分かる。分かる。

渡辺:来週も京都に行きますよ。

曽山:いいね。

渡辺:1人で早朝に行って、お寺の境内に入って、ひたすら歩いて、正午には帰る、みたいな。先週から始めた習慣なんですけど。

秋山:まだ習慣じゃない(笑)。3カ月続いてから言ってよ。

– 先週。――まだ1回しか行っていない。

一同:(笑)

小俣:これで三日坊主だったら笑う(笑)

渡辺:いや、違う違う。今週末は本当に――先週、この日曜日に行ったときは、7時ぐらいに家を出て正午に帰ってきた感じだったけど、「これは素晴らしい」と。雨上がりの木漏れ日差し込む山の中をひたすら歩いて、高山寺に行ったんですけど。

小俣:いいぞ(拍手)

渡辺:ありがとう。高山寺に行って、まあ台風の被害*で奥には行けなかったんだけど――でもずっとひたすら歩いて――写真もたくさん撮って。
*この座談会が実施されたのは2018年秋。

– 京都に行きやすいのがいい。

渡辺:そう。京都に行きやすくて、淀川もあって、梅田も便利だし、いろいろあるし。

小俣:新人とか学生とかお金のあんまりない人には、すごい住みやすい。ご飯も高くないのにおいしいお店がいっぱいあったりして、いいな、って思ったんですけど――やっぱだんだん、“展示会が少ない” とか、勉強会とか、東京だと「クリエイター同士で集まりましょうよ」みたいなの、結構頻繁にやってるんですけど、関西はあんまりないな、みたいな。そこは最近、少し不満点(笑)

渡辺:ビッグサイトも遠い……やっぱり東京に住むしかないのかな、と思ってしまうこともないこともない。

小俣:京都が近くて500円ぐらいで行けるのは強い。

渡辺:そう。京都に行かなければ、大阪に住んでる意味の――多少は失われている。

– 多少は(笑)。ありがとうございます。曽山さんはいかがです?

曽山:いや、逆に2人とも「わがままかよ~!」って思うぐらい――九州在住の人にとっては、まずビッグサイトなんて夢のまた夢だから(笑)。イベント全然ないっていうけど、こっち来てすごい毎日のようにイベントとかあって、逆に自分はすごい幸せです。

梅田スカイビルの広場では、四季折々のイベントも。

秋山:私は京都にいたときから月1回ぐらいのペースで大阪に来てたんですけど、来てみたら、京都よりも交通の便がすごく良くて、隣の県に行こうと思えば簡単に高速道路もあるし、電車もあるし、バスもあるし、いろんな手段であちこち行けるのはすごく便利だなと思います。あとさっき言ってたように、近くのグランフロント大阪なんかでたまにイベントもあるし、ゲームの勉強会みたいなのも――たまにですけど、歩いて10分もしないところにあるんだ、っていうのはすごく大きいなと思います。

小俣:確かに車がなくても全然生活しやすいっていうのはすごくいいなと思いました。自転車さえあればどこへでも行ける、みたいな。

(後編につづく)


2020年新卒 会社説明会 予約受付中!
≫≫ [PG MYPAGE]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪
≫≫ [リクナビ2020]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪

※プラチナゲームズにご応募いただくには会社説明会への参加が必須となります。
※当社専用採用ページ[PG MYPAGE]にて、当社説明会をご予約済みの方は、リクナビから重複してのご予約はご遠慮ください。リクナビから説明会をご予約・ご参加いただいた方には後日[PG MYPAGE]を案内いたしますので、ご安心ください。



◆バックナンバー
→プラチナゲームズの新人ゲームデザイナー座談会! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート1! 前編はこちら

TAG

一覧トップに戻る

プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート2!(後編) 1~2年目のアーティストに直撃!労働環境や新人研修の内容、後輩へのアドバイスは?気になる話を直接聞いてみた!

2019.03.08

→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート2! 前編はこちら


– プラチナゲームズ社内の印象はどうでした?

秋山:入社してもっと良くなった印象。やっぱりいろんな人、いろんなセクション関係なくお話しできるのはすごい楽しいな、って思ってて。サークル活動もそうだし、同期もすごく仲のいい人がいっぱいいて、休みの日でも飲みに行ったり、っていうのはすごく恵まれた環境だなと思ってます。

渡辺:会社の雰囲気について絶対に伝えたいのが、「この会社の労働環境は結構良くなってますよ」っていうこと。ネットとか見ると、昔の話しか載ってないんで。当時の印象が非常に根強く残っていると思います。これはちょっと大きくPRしていただきたい。

– そうですね。ぜひここで。

渡辺:僕、就活をやっていたときの印象からしても、そういうことを会社が言っていても、「言わされてるんだろう」みたいな、そういうふうにどうしても思ってしまっていたけど――。

– そういう先入観で見ますからね。

渡辺:やっぱり何かそういうものを発信していってほしい。説明会とかで、しっかり伝えてほしいなと思います。

– 小俣さんは、いかがですか。

小俣:そうですね。“いろんなことにチャレンジさせてくれる会社” を探して、プラチナゲームズを選んだんですけど、実際に入社して働いてみて感じたのは、「やっぱりそのとおりだったな」みたいな。わりと新人の意見も聞いてくれるし、なんか勝手にわちゃわちゃって作って、「これどうですか?」みたいなことしても、「ああ面白いじゃん、いいよ」みたいな感じで言ってもらえたりとかする。“新人の声を聞いてくれる会社” ですごいな、って感じてますね。でも “いいところが逆に悪いところでもある” ということもあるんだろうな、というのは、最近うっすら(笑)

– たとえば?

小俣:クラッシュ&ビルドがすご過ぎて、締め切りギリギリなのに、面白さをテコ入れするために大暴走して新しい要素も入って――。

一同:(笑)

小俣:そういうのも場合によっては必要なんだろうな、と感じたりはするんですけど――なかなか匙加減が難しいんだろうなって。

– 裏と表みたいな感じだと。

小俣:そうですね。あとはそれこそ、さっきも話に出てたんですけど、セクション間を越えて話を聞いてもらえるし、他愛もない話も一緒に楽しく話してくれたりとか、1の質問をしたら10ぐらいの情報を返してくれたりするので、それはすごくうれしいなって思いますね。ほかの会社の結構長期のインターンシップに行ってたときは、わりとみんな職人気質というか、話し掛けても「え、何?」みたいな感じというか、あんま話し掛けないで、みたいな感じの人が多かったんで。すごいフレンドリーに話してくれるっていうのは、働きやすいし、“分かんないことを分かった振りして働かなくて済む” んで、その辺はすごくいいな、って思います。

– 曽山さん、どうでした?

曽山:まずインターンシップ自体にほとんど行ったことがなくて、“会社” に対するイメージもよくある一般的な……“大量のデスクの前でみんなキーボードをカタカタしながら画面に向かってる” って感じだったんで、プラチナゲームズへ来て、まず “仕切りがない” っていうところに驚いて。しかもずっと座ってるわけでもなく、常にどこかのセクションの人のところに行って「ここをこうしよう」みたいな会話が毎日頻繁に起きてるんで、そこは結構イメージと違ってました。本当に入社前は「これやっといて」「はい」カタカタ、で1日を終える、みたいな感じだとずっと思ってたんで、そういう意味ではすごくいいイメージに変わったというか。良かったです。

プラチナゲームズ開発フロアの様子。

– 入社してからは新人研修などもありましたが、印象に残っていることはありますか。

渡辺:アーティストの全職種をやれた*ことです。全ての技能――キャラクターモデリング、コンセプトアート、エンバイロメント、VFX、UI、アニメーション、シネマ――。それがすごく楽しくて。もう、僕が “どの職種に行くか” っていうのを決めるための大きな手助けになったと思います。あれは本当に大きかった。
*あくまで2018年の研修内容であり、毎年同じ内容とは限りません。

– 実際、それで自分が一番 “やりたい” と思ったところに行くことができた。

渡辺:“行くことができた” というか、“悩むことができた” っていうのが大きくて。僕は本当に、コンセプトアートをやりたくてプラチナゲームズに入ったんですけど――もう「コンセプトアート以外あり得ない」みたいな。でも実は結構、頭の中で妄想していたこともあって、“映画のカット割り” をやりたい、と思っていたのが研修で体験できたり、あと、エンバイロメントで3DCGソフトを使ってステージを作ったりとか、そういう “実はやってみたいと思っていたこと” も含めて、一通り体験して “迷うことができた” 。それがすごく大きかったですね。

小俣:“全職種をやらせてもらえる” っていうのは――ほかの会社で言われたことなんですけど――「ポートフォリオが2Dのアートで来た人は、その2Dのアートでしか採らないし、会社は “会社に足りない枠” を探しているわけであって、今まで2Dしかやったことがない子に、じゃあモーションお願いします、なんていうことはあり得ない」とのことでした。会社に入ってから、そういう転職っていうか、「セクション間を異動するなんてほとんどない」、みたいな話を聞いてた中で――プラチナゲームズは全部の職種やらせて、「どうだった? 何に一番興味持った? どんなことやってみたい?」みたいに “聞いてもらえる” っていうのはすごい、いいなって思いました。あと、全部の職種をやることで、私、今までVFXのイメージって―― “爆発” 、みたいな(笑)

一同:(笑)

小俣:――そういう印象しかなかったんですけど、実はVFXって画面の結構大きい範囲のクオリティをコントロールしているというか。ほかのセクションがいろいろ仕事を重ねていって100%にしたものを、“120%、150%にする仕事がVFX” なんだな、っていう。今までそんなに興味なかったんですけど、研修を受けたことでVFXにもすごく興味がでてきて――自分はVFXセクションじゃないけど、「ちょっとやりたいな」と(笑)。あとやっぱり全部のセクションをやることで―― “業務の一連の流れを、実際に自分たちで体験する” ことで――ほかのセクションに対して “こういう仕事をしたら、次にこういう仕事がしやすいんじゃないか” とか、“どういう仕事をしたらいいのか”、みたいなのが見えてくる。もっと的確なことを言えたりとか、ほかのセクションのことを考えた意見が言えるようになるので、すごい、「めちゃめちゃ良かったな」って思ってます。

新人研修の締めくくりに行われた、社内向けの成果物発表会。

曽山:“全部やらせてもらえた” っていうのもよかったんですけど、私は “同期のなかで役割をシャッフルして、それぞれ他の人にアートディレクターになってもらう*” っていうのが最初に体験できて良かったな、と思いました。やらないで実際の業務に入ってたら “他のセクションの先輩たちと、どう接していくべきなのか” すらもたぶん分からなくて、そこで悩んで病んでたかもしれないので。そういう意味では逆にまだ話しやすい同期の間で最初にやったから、それで「こんな感じでやっていくんだな」っていうことを知れたのは本当に良かったなと思います。

– コミュニケーションの土台をつくるきっかけになった。

曽山:そうですね。その点が一番。

秋山:なんかもう3人がほとんど言ってくれたんですけど―― “会社の中で各セクションがどう動いてるのかを理解する一助になった” っていうのと、あと、同期はどんなものが好きなのか、っていうお互いのプロフィールを知る上でもすごく役立ったな、っていうふうに感じてます。

– お互いのことがよりよく分かる。

秋山:どこにこだわり持ってるか、みたいな。それが見えたので、すごく楽しかったです。

– では、今どういったお仕事をされているのか、その中でどういったところにこだわりを持っていたり、やりがいを感じるか、についてお話しいただけますか。

渡辺:僕、就活中の自分に1個、伝えたいことがあって。―― “コンセプトアートはPhotoshopしか使わない” 。

曽山:それいつも言ってる(笑)

渡辺:もう本当に。僕はアートの仕事を経験するにつれて、もっといろんなツールの使い方とかも「勝手に覚えていくんだろうな」と思っていたけど、実際には “本当に自分が自主的に使おうと思わなければ、一切そういうものに触れることはない” 。でも必要だと思うから自分で勉強しなければいけない。

– 人によって “自主的にやってる” ということですね。

渡辺:そう。やらなきゃいけないからみんな勉強してると思うんです。でもコンセプトアートって本当に絵しか使わないんだ、“自分で勉強しないと次のステップにはいけない” んだなと。そこはちょっと誤算というか、そんなところはありましたね。
 あと、業務上でプロダクトデザインの知識は生かせることは生かせるけど、ゲーム特有のモノ、例えばNPCのデザインだとか、そういったところまでいくと、やっぱり足りない知識が出てきて、新人だからこそ許されるような時間の掛け方をすることになっちゃう、というか……――結構、時間が掛かって。だから勉強してる、っていう感じです。

– 今はどんな仕事を?

渡辺:今まさにNPCのデザインで……僕が慣れていなかったせいで、時間が掛かっていて。ディレクターから伝えられた要件を自分勝手に解釈するのではなく、そこに「どういう意図があるんだろう?」ということを考えたり訊ねたりだとか、そういう “必要なこと” をやらなかったせいで時間が掛かりました。

学校やインターンシップで作るのはやっぱり結局、“自分が作りたいもの” だから。「これを作れ」と言われて、「はい、作ります」と言って、「 “本当に求められているもの” を作るのは結構難しいな」と。そういう “学校では学べない” 知識の吸収が、自分の目に見えるスピードで進んでいる、っていうのはやりがいがある。

コンセプトアーティストとして実際に働いていても、勉強したいこともあるし、やりたいこともあるし、目指したいところもあって、それを失わなかった、っていうことには僕もほっとしてるし、それが一番のやりがいですね。

小俣:今やってる仕事は――ゲーム自体がだいたい出来上がってきているので、その中での見た目、ビジュアルのクオリティアップの手伝いとかをしていて。主にゲーム内に出てくるアセットを作ったりだとか、インテリアマップの中のショーウインドーのレイアウトをしつつ、ライティングとかレンダリングとかの勉強をしていたりと、“仕事をしつつ勉強もしつつ” といった感じですね。今まで知らなかったいろんな情報が大量に――聞いたこともないカタカナがぶわーっと頭の中に入ってきてるんで、日々、あっぷあっぷしながらも、そのあっぷあっぷしてたり、分からないことがいっぱいある、っていうことに幸せを感じています(笑)

学生時代に難しくて挫折した本――何言ってんのかワケ分かんな過ぎて「なんじゃこりゃ」、でも「たぶん大事なんだろうな」という本だったんですけど、今その内容が「1人でも読めるぞ」と。完全に把握した、ってわけじゃないんですけど、ちょっとずつ「何を言ってるのかが分かる」っていうのが、すごい喜び、って感じですね。

あとは、エンバイロメントで “物理を考慮した、フォトリアルなもの” はどうやって作るのか、といったことを先輩からいろいろ教えてもらってるんで、街中を歩いてるときがすごい楽しい(笑)。「これきっとこうなんだろうな、ああなんだろうな」って。「わあ、テクスチャー!」みたいな感じで(笑)。なので忙しいのが楽しい、って感じでやってます。

渡辺:「本当にコンセプトアーティストになって良かったのかな……」って、今みたいなことを聞くと思うんですよね。

小俣:どうした?(笑)

渡辺:いや、「本当に僕は小俣さんの知らないことを学べているのか?」っていう。

小俣:(笑)

渡辺:僕はいつも思ってるんですよ。「コンセプトアートに小俣さんが来たら僕の居場所は残ってんのかな」みたいな。だって僕本当に、一応、自分でも勉強してるけど3DCGの知識なんて全然もう、まだまだなんですよ。だから、僕の全然知識がないところに来て「僕の仕事を取っていくんじゃないか?」みたいな――。

– 人が成長してるのを見ると。

渡辺:人が成長してるのを見ると、僕は非常に焦ります。

– それもあって “いろいろ学ばなきゃいけないんじゃないか” という思いがあるわけですね。

渡辺:ありますね。

曽山:それいつも長い話になるんで(笑)。――私の今の仕事は、背景の1つのステージで、それなりに大規模なところを任せてもらっていて。それに準じて「細かいところも全部曽山さんがやってね」みたいになっていて、まだどこから手を付けたらいいのか分かんない感じなんですけど――皆と同じように、いま本当にいろいろ分からないことがありながらも、そこを少しずつ教えてもらったりして解決していく過程が、すごい楽しい。新しいツールもどんどん――もう3つか4つぐらい使いながら勉強しつつ、業務していくっていう――そういう忙しさがすごくいいし、いま一番楽しくてやりがいがあるところだと思いますね。

あと、エンバイロメントアーティストはコンセプトアーティストの意見もくみ取らないといけなくて。コンセプトアーティストと会話してて「あなたが目指してるのはこれでしょう?」と思って作った部分を、「そうそう、これこれ!」みたいに言ってもらえるときがたまにあると、すごいうれしいです。意思疎通がやっとできて、このプロジェクトの意味合いをやっと理解したから、それを “狙って作れた” んだっていう――。すごいちっちゃな満足感だと思うんですけど、結構それで自分は感動したりうれしかったりするんで。それは日々の仕事の原動力みたいになってます。

秋山:つい最近まで “フォントテクスチャーの作成” という作業をしてたんですけど、ようやくプロジェクトの世界観に合わせたオリジナルフォントが出来て、先日ディレクターからもオッケーをもらえました。ほかのセクションの方にも「こんなものが出来ました」っていうのを見せる機会ができて、周りの方にも「かっこいい」って言ってもらえて――もう、すごくうれしいです。あとは作ったものを、ほかのセクションの人にも渡せるようにデータ化したり――「この世界観を、もっとかっこよくするぞ」っていう思いを形で伝えられて、今はとにかく楽しいです。

– フォントができたら、もういろんなところで使われますからね。

秋山:そうですね。楽しいです(笑)

最近の個人的な制作物。ハンドルネームから2つの文字を組み合わせて制作したモノグラムです。名刺やワックススタンプに使えるよう、展開することを想定して制作しました。仕事の中で資料の集め方や活かし方を知り始めてから、自主活動が楽しくなりました(秋山)

-ちなみに実際仕事をしてみて、学生時代に持っていた印象と違ったところはありましたか?

秋山:“ゲーム会社” っていうもの自体がまず “奇人変人の集まり” だと学生のころは勝手に思ってて、きっとサーカスみたいな―― “楽しい人たち” がいっぱいいるんだろうな、と思って入ってみたら、「あ、会社じゃん」と思って。自分がゲーム会社に対して、勝手に妄想してたんだなと思って。

– どんな状況を想像していたのか……。

秋山:やばそうな―― “常識がぶっ飛んでるような人たち” がいっぱいいるんだろうな、っていう。

– “厳しい” とか?

秋山:そう。そういう厳しい方面でもそうだし、楽しい方面でも、なんか「波、激しそうだな」っていうイメージが勝手にありましたけど、なんか「みんなちゃんと考えてる」って。

– ちゃんと考えてる(笑)

秋山:「ちゃんとみんな人間だ」と思って。

一同:(笑)

– 言い直すほどにボロが出てくる……――曽山さんは。

曽山:一番は、“相手がいる” っていうことかなと思ったんですけど。

– “相手” というと。

曽山: “お客さんがいる”、“買ってくれる人がいる” っていう意味合いで。今までは、ただ “自分が満足するものを作りたい” っていう考えで作ってたんですけど、それじゃうまくいかないことが結構出てきていたので、やっぱり「 “相手がいる” ということを一番に考えなきゃいけない」ってところが一番難しい。

– それは大きい要素ですね。

曽山:自分の中では一番大きい。そこを忘れて注意されたことが何回かあったので、これから徐々に覚えていかないといけないな、と思います。

– なるほど。――ではそろそろ、まとめに入ります。今の自分の目標は。

渡辺:僕、基本的に仕事というか、「自分が何を作れるようになるか」っていうのがすごいウェイトを占めているから――そうだな、一番短い目標は「3DCGの技術を自分の生産ラインに完璧に組み込めるようにする」こと。2番目はちょっと飛躍するけど、“何かしらの監督” はしてみたいですね。監督っていうのは、アートスタイル、デザインとか、他の人に指示を出して指揮して、その評価をするっていう仕事をやってみたい。

– アートディレクター的な。

渡辺:そうですね。

– 小俣さんは、いかがですか。

小俣:今、一番身近にある小さい目標は、どんなことでもいいから「ちっちゃい信頼をいっぱいつくっていく」。“この人にこれを任せておけば大丈夫” とか。例えば本当にちっちゃいことですけど、“この人は絶対遅刻しないで、ちゃんと早く来る” とか。そういう「いろんな人からの信頼を積み重ねていく」っていうのを小さい目標に働いている感じですかね。

– 大きめの目標はありますか。

小俣:そうですね――あとはやっぱりゲームって “エンターテインメント” で、はたから見たら正直「ゲームって、何のためになるんだよ」みたいに、たぶん思われていると思うし、実はうちの母親はずっとこういう業界に来るのを反対していたので、親に黙って就活して、もう全部、事後報告で、「就職先が決まりました、大阪行きます」っていう流れで。だからしばらく口きいてもらえなかったんですけど(笑)

秋山:結構、直近の話やん。

小俣:そうですね。だったんですけど、「エンターテインメントとして最高のものを作りたい」、「毎回最高のものを出し続ける」っていうのは大きい目標の中にあって。――最近、大阪でも地震とか台風の影響があったんですけど*、そういう中で落ち込んでいるときに、別にテレビだけじゃなく、持ち歩けるゲームとかで「わっ、楽しい」って思えるものとか、その人の人生のちっちゃい隙間でもいいんで、“心に刺さるもの” を作り続けていきたいな、っていうのは、働き続ける中でずっと目標です。
*この座談会が実施されたのは2018年秋。

– 良い目標ですね。曽山さんは。

曽山:自分も似たような感じなのかな。「あなたしかできない」とか、すごい頼りにされるとか、居場所をつくるとか、そういうのが今のところの第一目標だなと思うんです。今は単純に「新人だから話してもらえる」「新人だからこそ許されている」のを少なからず自分は感じるので、自分から仕事を取りに行って、それで「やっぱりおまえに任せといて良かったわ」みたいに言われる人になっていきたいな、って。もちろん仕事の面でもそうなんですけど、コミュニケーションとかの面でもそうなれたら、一番いいかなって思います。

秋山:私も今は先輩から仕事をいただいて、それを消化しているだけなんですけど、自分でも仕事を見つけていきたいな、と。あと、社内でUIアーティスト向けのマニュアルがあるんですけど、それが新しく入る人にあまり優しくない書き方に感じたので、それを直して次に来る新人に備えたりだとか、今はそういうことに邁進したいなと思っています。

– “自分で仕事を見つける” というのは。

秋山:例えばゲームの中に「こういうものがあったら格好いいんじゃないか」とか。「これがあれば賑やかしに使えるんじゃないか」とか、「これがあれば他のところでも使い回しができる」っていう提案だとかを、どんどんしていきたいなと思っています。

あと小俣さんがさっき言ってたように、いろんな人のほんの一瞬の時間でいいから、「人生の賑やかしの1つになりたいな」というのと。時代を超えても――例えば10歳ぐらい年が離れた人でも “同じゲームをやっている” っていうだけで会話ができるんですよ。そういうコミュニケーションの助けになっていけたらいいなと思います。

-では最後に、この記事を読んでいる就活生に向けてメッセージをいただけますか。

渡辺:もう僕、書いてきましたから。この5つ。(紙を叩きながら)

曽山:多い(笑)

渡辺:この5箇条、この5箇条をぜひ伝えたい。
 『就活は1人ではつらいです。情報がまったく入ってこないからです』これが1つ目。
 2つ目。『友達と一緒にインターンシップにたくさん応募してください』。

– “友達と一緒に” というのがポイントですか。

渡辺:それがポイントです。それがポイント。

曽山:さみしがり屋かな。

秋山:本当だよ(笑)

渡辺:そんなんじゃないですよ! みんなと一緒に行ったほうが、いろいろ情報交換もできるし、心の励みにもなるし。

3つ目。『面接は練習してください。ポートフォリオも早く作ってください』。面接は特に練習しないと、意外と “普通の面接” をする会社がとても多いので。

4つ目。『作品を作ったら、気に入ってもらうためのプレゼンを周りの人たち相手に行ってください』。プレゼンっていうのは非常に大事なので。
で、5つ目。『自分の作品については誇って、しかし自分自身については驕らないでください』。自分の作品に自信を持っても、あなた自身は驕らないでね。これが5箇条です。

– 今、自分自身でも実践している。

渡辺:自分の作品については誇っても、自分のことは驕らずに。「僕の作品は素晴らしいけど、僕自身は全然まだまだなんで、すいません」。こんな感じですね。

学生時代の作品の一つとして「一つの物語、キャラクター、アセット、敵、シーンアート」を一つの作品としてまとめた本(写真上)を作りました(何回も見開いてもうボロボロ・・・)。100ページくらいの分量で、これは仕事で絵を描く上で学ばなければならないことの土台になりました。ポートフォリオ(写真下)はゲーム業界用に7回くらい刷新しました(渡辺)

– 小俣さんは。

小俣:やっぱり “知識の収集が将来的に自分を助ける” っていうのは最近感じていて。私が社内で「すごいな」って思う人たちって、例えばSFが好きだったら “その範囲はすごく知ってるけど、それ以外は知らない” とかじゃなくて、SFもすごく詳しいし、それ以外のことも全体的に引き出しを大量に持っていて、何を聞いても「これってこうだよ」とか、自分が作ったものに対して「これって内部の構造こうなってるから、こうじゃない」とか――知識の幅が広過ぎて驚くので。

社会人になると勉強する時間を取るのがだんだん厳しくなってくるので、学生のうちにいろんなものに興味を持って、いろんなものを体験してみて、知識の収集をちゃんとして “蓄えておく” っていうのが非常に大事だなと思います。じゃないと知識の引き出しが少ない状態で、“1つの場所で全部バッてさらけ出しちゃったら、あとはもう何も手持ちがない” みたいになってしまう。それはまずいな、って最近感じたんで、それが一番の、就活生に向けてのメッセージ。

あと渡辺くんも言ってたんですけど、「いかに自分の作品をプレゼンするか」。自分の作品を一番分かっているのは自分だけなんで、「どうすれば、ちゃんと自分の伝えたいことが届くのか」という見せ方を考えること。それと、“会社で働いてものを作る” となると「ここ、もうちょっとやりたいな」って思っても、締め切りに合わせてスピーディーに毎回ぽんぽん作っていかなきゃいけないし、“長時間かけて自分の作品を見つめる時間” とか、“丁寧に作っていく” ってことがどんどん無くなっていくんで、学生のうちに1作品でもいいから、“時間を掛けてじっくり自分の作品と向き合っていく機会” は絶対どこかでつくったほうがいいんじゃないかなって。

– 学生のうちにそういうことをやっておいたほうがいいよ、ということですね。

小俣:そうですね。「仕事だからスピードペイントしなきゃ!」みたいな感じで――ぱぱぱぱって “短時間で大量に出す” みたいなことって、それも確かに大事なことではあるんですけど、働いてからでも全然できることで。働いている中で取れないのは “1つの作品と見つめ合う時間”。学生のうちにそういう時間をつくったかつくってないかでは、たぶんそこで得られるものとか、今後生きてくるものとか、こういうときどうしたらいいんだろう、ってときに対処できるものが変わってくると思うんで、そういう時間は取っといたほうがいいんじゃないかな、って思いますね。

曽山:いろいろあるんですけど、一番は「自分の好きなものをとことん突き詰めて、それを作品に出してほしい」って思います。「いろんな知識が必要」というのも確かにあるとは思うんですけど、好きなものを突き詰めていくと自動的に「周辺の知識を持ってないと、突き詰められないじゃん」みたいになると思うので。とりあえず “本当に好きなもの” をまず探して見つけて、そこをどんどん突き詰めていって、「誰にも何も文句言わせない作品」っていうのが1個だけでもできたら、十分だと思います。それを頑張ってほしいな、と思いました。

秋山:セルフプロデュースの場だから、楽しんでやったらいいんじゃないかな。“なりたい自分を演出できる場” 、だと思うので。

– 演出ですか。

秋山:ポートフォリオをしっかり準備して、面接行くときの服装だとかメイクだとか、そういうので、“短い中で、いかに自分をプレゼンテーションできるか” というのを考える。そういうのを考えていくのが「今後の仕事にもつながっていくんだ」って思うと、楽しんでやったほうが得なんじゃないかな、って最終的には思いました。――最初は就活で体調を崩したりとかもしたんですけど。病院に行ったりだとか……。

– “体調を崩した” っていうのは、風邪とかではなく?

秋山:ではなく、就活のストレスでした。病院に行ったら「そういえば今、4回生だよね。就活は?」って聞かれて、「ちょうど先週、内定出ました」って言ったら、「じゃあもう治ると思うよ」って言われて(笑)

渡辺:良かったね。

秋山:本当に治った。内定のおかげで本当に体調良くなりました(笑)

渡辺:特効薬もらっていたんだね。

秋山:そうそう。

小俣:確かに就活をある意味、“楽しみながらやる” っていうのは大事かなって思いますね。

渡辺:それは……相当難しいけど。

秋山:難しいけど、でもそういうふうに気持ちを切り替えることを意識しておかないと、たぶん今後もしんどい。どこに行っても、たぶんしんどい。

渡辺:そこで最低限の自信は持っておかないと――見失っちゃう。

秋山:うん。



以上、パート1と併せて総勢8名からなる新人アーティストの座談会をお届けしました。
各々のポートフォリオの作り方や考え方、アドバイスなども多く、参考になった部分もあったのではないでしょうか。そしてゲーム業界が得体の知れない魔窟のように見えて尻込みしていた方にとっても、実際の職場の雰囲気を知る一助となったのであれば、これ幸いであります。

さて、次回の座談会は、なんと新人プログラマー5人!でお届けします。ゲーム会社のプログラマーを目指している方には必見の内容になるかと思いますので、ぜひ期待してお待ちください。
それではまた!


2020年新卒 会社説明会 予約受付中!
≫≫ [PG MYPAGE]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪
≫≫ [リクナビ2020]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪

※プラチナゲームズにご応募いただくには会社説明会への参加が必須となります。
※当社専用採用ページ[PG MYPAGE]にて、当社説明会をご予約済みの方は、リクナビから重複してのご予約はご遠慮ください。リクナビから説明会をご予約・ご参加いただいた方には後日[PG MYPAGE]を案内いたしますので、ご安心ください。

◆バックナンバー
→プラチナゲームズの新人ゲームデザイナー座談会! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート1! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会パート2! 前編はこちら

TAG

一覧トップに戻る

プラチナゲームズの新人アーティスト座談会(前編)! 1~2年目のアーティストに直撃!学生時代の活動や、就活の体験談、ポートフォリオはどう作った?気になる話を直接聞いてみた!

2019.03.01

大変お待たせしました。ICHIでございます。
今回はフレッシュマン座談会の第二回、新人アーティスト座談会をお届けしたいと思います。アーティストと一口に言っても、その中にはさまざまな分野が含まれていますが、今回はアニメーター、VFXアーティスト、コンセプトアーティスト、キャラクターモデリングアーティストと、すべて違った職種のメンバー4人に集まってもらいました。さあ、それぞれどんな経歴や考え方を持っているのか? 違いは? 共通する部分は? などなど、お楽しみいただければ幸いです。


– まずは自己紹介からお願いします。

藤宇:藤宇です。出身は大阪で、学生時代は地元の専門学校で、アニメーター志望としてゲーム業界で働くために自主制作やゲーム作品作りなどをして、そのままプラチナゲームズに入社できた形です。好きなゲームは最近だと『シャドウ・オブ・モルドール』とか、あと『Marvel’s Spider-Man』も少々ハマっていたり。主にアクションゲームを好んでプレイしていたんで、アクションゲームを作りたくてプラチナゲームズに入社しました。

増尾:増尾と申します。出身は大阪の北部で、京都の美術大学に進学して、もうゴリゴリのアナログで日本画を専攻してました。好きなゲームは任天堂の『ピクミン2』です。あと、『とっとこハム太郎』シリーズや、『ファイナルファンタジーVIII』。アクションだったら、『大神』がダントツで好きです。

本間:本間です。出身は名古屋市で、東京の美術大学で4年間、油絵を専攻してました。ファインアート、立体作品もやったりして、基本は私もアナログで――でも、もともとデジタルで絵を描いたり、ゲームもすごい好きだったんで、2年生のころ「やっぱりゲーム会社に行きたいな」と思って、こちらに来ました。一番好きなゲームは『サイレントヒル2』です。あれは本当に世界観が大好きで、ゲーム会社を目指したきっかけですね。アクションゲームだと『Bloodborne』が好きです。

劉:劉です。中国の西のほうの蘭州という町から来ました。大学のときは中国で2Dアニメーションをやってきて、日本に来てから初めて3DCGを触りました。ゲームは『ぼくのなつやすみ』が好きで、あとは『American Truck Simulator』っていう、ひたすらトラックを運転して荷物を運ぶっていうゲームが好きです。アクションだったら、昔のものが好きで――『鬼武者』とかですね。

本間:懐かしい。

劉:あと、『アサシン クリード』シリーズ。設定が好きです。

蘭州は色んな面白い建物が混ざった街です(劉)

蘭州と言えば、手打ち牛肉ラーメンだ! ちなみに東京の神保町には「馬子禄(マーズルー)」という、本場から日本に上陸したお店もあります!(劉)

– ではさっそく、ゲーム業界で今の職種を目指した経緯について、順にお聞きしたいと思います。

藤宇:ゲーム業界を目指す大きなきっかけになったのは、高校時代の就職活動で。工業高校で、みんな工場関係への就職活動をしてたんですけど、その際に――。もともと機械が好きだったんで、機械に携わる仕事に就こうかな、とも思っていたんですけど、それよりもゲームとかアニメとかのフィクションを作る仕事――ゲーム業界に行きたいな、と思い直して。「もう就職活動をやめて、専門学校へ行きます」って。

増尾:知らんかった……。

藤宇:アニメーター志望になったのは専門学生の1年生のときで、ゲーム業界に入るのを目指すうえで「ある程度いろんなジャンルのことを一通り体験する」という授業がありました。2D、3Dモデリング、背景、と触っていくなかでモーションも触る機会があったんですけど、モーションが一番楽しかったんですね。プレイヤーの目に入ることが多かったりとか――。動きで人を楽しませるのが好きだったのかな。小さいころから習い事でダンスもやってたんで、かっこいい動きで人をわあわあ言わせるのが好きだったのが、たぶんずっと根本にあって、アニメーター志望に落ち着いたんだと思います。

– 増尾さんがゲーム業界を目指したきっかけは?

増尾:1人っ子だったんで、小さいころから1人で遊ぶことが多くて。そのときにRPGのゲームとかが、もうぴったりだったっていうか、一番お世話になった。で、絵も本当に物心がついたころからずっと描いていて、もう美術以外を生業にするつもりはなくて。それで美術を活かせる職種で、“本当に一番好きなもの” を考えたら――。自己表現するための画家活動とかではなくて、自分が小さいころにめちゃくちゃお世話になって、すごい影響も受けた「 “ゲーム” を作っていきたい」っていう気持ちがあったから、ゲーム業界を選びました。

– 美大に入ったときの志望はまだ「ゲーム業界」ではなくて、「絵の仕事」だったんですか?

増尾:2割ぐらいはそうだったんですけど、そもそも美大を志望するときに「某大手ゲーム会社は美術大学生を採る」っていう噂を聞いていて。

– そんな噂が(笑)。高校のときにですか。

増尾:高三の受験のときですね。そのときにちょうど、美術展を観に行ったんですよ。そこで日本画を初めて観て、「これ、すごい!」って。もう本当に、ものすごく感銘を受けたんですね。「私もこんなきらきらした岩絵の具で絵を描きたい」っていう気持ちが、ぼんっ、て出てきて。それに “ゲーム業界も志望できる日本画”、「わあ、すごい、これ、行くしかない!」と思って、美大に進学して日本画を専攻しました。

本間:私の場合は親も結構ゲーム好きで、小さいころからファミコンとかPS1、PS2をずっとやっていて。そうやってずっとゲームと一緒に過ごしてきたんで、当たり前のように「ゲーム会社へ行きたいな」って小さいころから思ってたんです。それに自分自身、絵を描いたり、世界観を妄想したりするのがすごい好きで……それで「自分の理想の世界とか、自分がつくりたい世界をつくるにはどうしたらいいんだろう」って考えていた先に、“ゲーム” があったんです。自分がその世界の中で歩いたり、走ったり、攻撃したり、戦ったりできる――まさに “世界がつくれる業界” やな、って。それで、小学校か中学校ぐらいから真剣に「ゲーム会社へ行きたい」って、ずっとそれを目指して絵を描いてました。まぁでも、自分の技術が追い付かなかったときのために、高校では商業科で会計の勉強もしていたんですけども(笑)

– 保険掛けて(笑)

本間:そうなんですよ(笑)。保険掛けて、情報処理とかExcel、Wordとか、そういう勉強もやっていて。
 でも “商業高校から美大に行く”っていうのは基本的にあり得ない話で、すごい大変でした。先生に「美大へ行きたい」って言ったとき、「正気か?」って言われて。「だったら、うちの学校には美術の先生がいないから、自分で頑張りなさい」って。そんな感じでしたね。

増尾:うわ……。

本間:それで、美大で油絵を学びつつ――。油絵は、私も感動しちゃったから。私の場合は美大受験のために通ってた予備校の恩師がすごい油絵作家で、本当にそれまで油絵は触ったことも見たこともなかったんですけど、その先生に油絵を見せてもらったり、油絵についてどんどん触れていくうちに「めっちゃ面白いな、この画材」ってなっちゃって。それで油絵科を専攻したんです。油絵って感情表現とかが、すごくしやすいんですよね。抽象画とかはやっぱり――あの質感が非常に独特で、なんかこう、私のねちゃねちゃした、どろどろした感情をまさに表わせる(笑)

一同:(笑)

– ゲームを作るのに油絵が役に立つぞ、みたいな考え方は?

本間:私の場合は、ゲームが好きな理由に “世界観” があるんですけど、その世界観というのも、何か匂いがしたり、独特の質感があったり、すごくリアルにその世界を感じられるようなものだったり、人間の五感に障るような怒りとか、憎しみとか、恐怖感――。感情をゲームで感じられるような世界観がすごい好きで。油絵もそういう感情表現が非常に豊かで、同じようなものが根底に流れている気がするし、そういうところで感情を揺さぶったり、表現したりすることを学ぶのは、ゲーム作りにも役に立つんじゃないか、とは思っていました。

– なるほど。それで美大に進学して。

本間:美大に進学後はゲーム会社に入るために、学校で油絵を描きつつ、家では自主制作でデザインを勉強したり、キャラクターの絵を描いたり、背景の絵を描いたり――Photoshopとかを使ってアート制作、っていうスタイルで生活していました。

– 就職活動も結構早めに。

本間:もう大学2年から、ゲーム会社に照準を合わせてやってましたね。

劉:僕は小さいころから “ゲーム好き” だったっていうのはもちろん、ゲーム業界を目指したもう1つの理由としては、ゲームを遊んだ人に「あっ、このゲーム、めっちゃいいな」って感じてもらいたかったからなんですよ。例えばディズニーのアニメを観てすごく感動したとき、僕は「この映画を作った人たち、本当にいいな、そういう人になりたいな」と思うんですが、同じように誰かが自分の作ったゲームを遊んですごく感動してくれたら――。そういうふうになりたいな、と思ってゲーム業界に入りましたね。本当に、“遊ぶより作るほうが好き” なんです。

– そのなかでも、絵を描くことがよかった?

劉:小さいころからずっと絵を描いていて、でも僕の高校には美術の授業がなかったので、美大を受験するために別の学校にも毎日通ってました。大学では「ゲーム作りを仕事にするために一番近道なのは、たぶんアニメーションだろうな」と思ってその学科を選びました。工業、インダストリアルデザインとか――そういう学科はあんまりゲームとは関係ないなと思って。

– そのときはもう、日本を意識していた?

劉:そうですね。本当にそれは全部、“日本に来るための道筋をつくるため” っていう感じだったんですよ。高校のときからそうだったので、大学を卒業したら、すぐ日本のゲーム会社の中国分社に入りました。「もしかしたら日本に行けるかな?」と思ったんで。でも働いてみたら、ちょっと違っていて――。制作をメインにしていたんですけど、例えば1カ月分の作業で何か作っていたとしても、それがどんなゲームのどこの部分なのか、みんな知らないんですよ。周りの人も「PS4って何だ?」って知らないぐらいで働いてる感じだったんです。

本間:すごいな……。

劉:「これはやっぱり違うな」と思って、仕事を辞めて――もともと、昔から「日本に行きたい」って言ってたんだし、それを忘れちゃ駄目だなと思って、仕事を辞めて日本に来ました。

– それで日本に来て、まずは3DCGを学んだ。

劉:最初は日本語が分からなくて、まず日本語学校に通わないといけない、っていう状況になってしまったんです。で、1年間ぐらい日本語学校に通って。普通は2年間通うんですけど、僕はもうすでに一度大学を卒業して、ちょっと働いてもいますし、「卒業するまで通ったら30歳近くになっちゃう」と思って、途中で辞めました。

増尾:へえ、知らなかった。

劉:それから3DCGの専門学校に入りました。専門学校も2年と4年のコースがあったので2年コースを選んで。期間は短いんですけど、「頑張ったらなんとかできるだろう」と思って。3DCGは本当にそのときに初めて触り始めたんですが、「やっぱり楽しいな」って、毎日ずっとやってました。

– それで皆さん、就活ではどんな取り組みをされたんでしょうか。

藤宇:僕の場合は、専門学校が就活に力入れていて、年に2回ほど企業の人を呼んで行われる学内作品展示会がありました。「こういう作品を作ってて、ゲーム業界を目指してます」って業界の人と話せる機会だったので、そのおかげが大きいです。もちろん、そこでちゃんとした成果物が出せてこそなんですけどね。

– 成果物というのは――。

藤宇:ゲームの作品です。それが勝負のしどころでしたね。ほかの子たちと比べると、僕らはゲームの作品への力の入れ具合が違ったかなと思います。在学中の4年間、ずっと学内のコンテストや、学外のほうでもいくつか賞をもらいましたが、人に恵まれたところもあって、ゲーム作品での賞が多かったですね。

– “人に恵まれた” というのは、作品制作のチームですね。

藤宇:そうです。学内の同じ学年の子たちと作りました。プログラマーの子がすごく優秀でしたね。ただゲーム作品で “賞を取った” っていうのはアドバンテージにはなると思うんですけど、最終的には個人の能力で判断されるんで。僕の場合はアニメーター志望1個に絞っていたのもあって、“デモリール” というムービー作品を作ってましたね。先生からは就職の可能性を少しでも広げるために、モデリングの作品も用意したほうがいいんじゃないか、って言われたりもしたんですけど、どうしてもアニメーターとして就職したかったんで、最終的には――。

– 自分の意思をつらぬいた?

藤宇:そうですね。最終的にはもうモーションのムービーをバン、って力を入れて作って、プラチナゲームズから内定をもらった流れです。

– 増尾さんは。

増尾:まず、就活作品なんですけど、うちの大学は――あんまり就活の「し」の字もないような。

本間:分かる(笑)

増尾:もう各自「自由に作家になれ!」。

本間:美大はそうだよね。

増尾:就活担当アドバイザーの方も1人しかいなかった(笑)。就活用の授業もカリキュラムも一切なかったんです。その分自由に、自分の作りたいものに集中できる環境だったんで、突貫工事でデジタル作品をたくさん作るよりは、“4年間頑張ってきたアナログ作品を一番に見せる” 、っていうポートフォリオ構成で行こうと。――でも! それだと怖かったんで(笑)

一同:(笑)

増尾:「“ゲーム会社” はちょっと……この構成では見てくれないかもな」と思ったので、不慣れながらもペンタブを触ってみて――。突貫工事なんですけど、一応デジタル作品もちょっと入れて出しました。

– 藤宇さんとはまったく逆な感じで(笑)

増尾:逆ですね(笑)でも、リアクションは結構いろいろで、アナログ作品をちゃんと「あぁ、いいね」って見てくれる人もいれば、「デジタル作品がないとちょっと分かりづらいんだよね」っていう人もいて、もう本当にいろいろだな、っていう感じでした。

– ゲーム会社の人のリアクションが?

増尾:そうですね。全部ゲーム会社です。で、一番、“食いつきが良かった” っていうか、笑いを取れたのがサークル活動のページで。『テニスの王子様』のミュージカルサークルなんですけど……。

– ミュージカルサークル。

増尾:アニメキャラクターのコスプレをしてミュージカルを踊る、っていう――。

本間:めっちゃ楽しそう(笑)

増尾:自己紹介のつもりで入れたサークル活動のページが、とってもわいわい喜んで見てもらえたという感じですね。

– いま流行りの2.5次元ってやつですね。

増尾:はは。

一同:(笑)

– 乾いた笑いが(笑)。ゲーム業界以外にはまったくエントリーしなかったんですか?

増尾:もう本当にまったくしませんでした。あまりにも思い詰め過ぎて、「もうゲーム業界に入れなかったらニートだな」っていうぐらい(笑)。それぐらいの感じでした。ゲーム会社がよかった。

大学在学中3ヶ月ほど山に登って描いたクレヨン画です。身長の3分の2ほどのキャンバスに、山の地面を拡大して描いています。土、草、花びら、落ち葉や小石、ダンゴムシ……。それらを照らす暖かい木漏れ日を描きました。ミニマムな世界を拡大して描くことで、“身近だけど見落としがちな美しいものを再発見する” をテーマに制作していました(増尾)

大学の日本画制作室です。在学中はデジタルのデの字もない環境で絵筆を握っていました(増尾)

– 本間さんは。

本間:私は東京の美術大学だったので、毎日のように企業説明会があって。2年のころからそういう企業説明会に行って、企業のデザイナーさんとか先輩のポートフォリオを見たりしながら「どうやって就活していけばいいんだろう」とか「自分の進路はどうしよう」とか、ずっと考えてました。最初のうちはアプリ系、スマートフォンのゲーム会社を目指していたんですよね。たしか「給料がいい」とか、本当に単純な理由で(笑)。アプリ系すごい儲かるらしいんだよな~、みたいな話を聞いて、「じゃあ取りあえずアプリ系を目指すか」ぐらいの気持ちだったんですけど(笑)

一同:(笑)

本間:まあ理由としてそれよりも大きかったのは、アプリ系って開放的な人が多くて、すごく話しやすいんですよね。“デザインについて” とか就活のアドバイスを結構していただきました。でもそのうちに「自分の作りたいものって本当は何なんだろう」って、大学3年ぐらいのころにようやくちゃんと見つめだして。自分が本当に好きなゲームはアプリ系じゃないし、そもそもコンシューマーの奥深い世界観や、1つの遊びをすごく追求できて人を感動させられるようなものがつくりたい、っていうのが根底にあったから、「やっぱり自分はコンシューマーゲームじゃないと駄目だな」って。ようやく3年生の終わりのころに気付いて、それからはコンシューマー向けにポートフォリオも全部作り変えて、今までの作品も整理したりしましたね。で、私は話すことが得意ではないんですけど、何回も同じ企業説明会へ行ったりしていると、何回も同じデザイナーさんとかに会ったりするんですよ。そうするうちに企業の中の人と自然にコミュニケーションを取れるようになって。それで「この会社はどんなふうだ?」とか「この会社の人とは結構しゃべりやすいな」とか「風通し良さそう」とか、そういうのを判断して――。最終的にプラチナゲームズの説明会は5回ぐらい行ったんですけど(笑)

– 5回も!?

一同:(どよめきの声)

本間:学内説明会に何度も行って、普通に外の説明会にも行って、担当の社員さんとかに「また会ったね」とか「また来たの?」みたいな(笑)

– 1つの会社の説明会に5回行く人はなかなかいないでしょう。

本間:でも、中の人としゃべって今の自分のことを聞いてもらったり、逆に会社のことを聞いたりできるっていうのはすごい大事だから。学内説明会にいっぱい行ってたのはすごく良かったな、って思いますね。やっぱ人と……しゃべることが大切やな、って思いました(笑)

– 5回も行けば、さすがに大概分かりますよね。

本間:そうですね。「あ、ポートフォリオ変わったね」とか言われたり(笑)。

一同:(笑)

本間:「これいいじゃん」っていう。

– 毎回見てもらって。

本間:そうですね。“自分を知ってもらえるきっかけ” を作れたんで。それでプラチナゲームズの面接のときも面接官が5人いて、「5人もいる、どうしよう」とか思ったけど、「……あれ? 全員知ってる顔だな」となって、普通に(笑)

– いつもどおりな感じで。

本間:わりと普通に話してしまって楽しかった思い出ですね(笑)。面接は楽しかったです、そのおかげで。

増尾:すごいな。普通5対1って緊張するよ。

本間:それで私の場合、いろいろポートフォリオに入れてたんで――。すごい幅広く、世界観も入れるし、キャラも入れるし、なんかこう……美少女、メカ、みたいな(笑)そんなポートフォリオだったから、「何がしたいの?」っていうのはすごく訊かれて。会社に入ってちゃんと自分のやりたいことを見つけられるか、っていうのはずっと確認されたな。

– “スマホアプリ系からコンシューマー向けに作品を変えた”というのは、どのように。

本間:コンシューマーは主に3Dの作品が多く作られているので、いわゆる三面図とか、“実際に3Dにします” っていう体で作品作りを変えていって――。それまでは “キャラ絵” みたいな、いわゆるソシャゲのカードイラストみたいなのばっかり描いてたんですが、そういうのではなく「このキャラはどういう動きをするのか、どういう性格で、構造はどうなっているのか――」とか、“ちゃんとゲームの中で動くことを想定したポートフォリオ” を作っていきましたね。あとはやっぱり、私はキャラとか世界観にすごい思い入れがあるので、「コンセプトアーティストになりたい」っていうことを伝えたかった。

– 最初から決めていた。

本間:――そうなんです。だから、なるべくそういう裏設定みたいな、“キャラを掘り下げられるような” 設定とか、アイテムとかを散りばめたポートフォリオにしていましたね。

形態変化する敵のネタ。プレイヤーとのサイズ感や攻撃方法のラフなどを入れていました(本間)

-なるほど。――劉さんは。

劉:僕は学校が2年制だったし、しかもその学校、1年目は全然CGの授業がなくて、Webデザインとか、プログラム、C++とか……そういう授業が中心だったんで、作品作りに使えたのは、本当に最後の半年だけだったんですよ。

本間:すごいね。

劉:なので、みんなの分厚いポートフォリオを見ていたら、「これはできないな」って。「これと正面から戦ったら、もうボコボコに負ける」と思ったんで、“1個1個の作品をちゃんと念入りに作り込む” ことにしたんです。僕、日本のこういう1個1個のものを極めて作っていく感じの “職人の精神、職人文化” が好きなので――結局ポートフォリオの全部を合わせても、4つか、5つぐらいの作品しかなかったですね。でも、本当に1個1個を極めようと。ハードサーフェスのモデリング、メカ系だったらちゃんとメカの感じを出して、人だったらちゃんとリアル風に作ったりとかして――面白いのはその中に1点、CGで作った “自画像” があることで。ポートフォリオにそれを入れて、見た人が「めっちゃ作り込まれてるモデルだな」と思ってくれたら、細かく見るでしょう? それで――僕の顔が、どんどん記憶に残っていったらいいな、って(笑)

– 刷り込んでやろうと(笑)

増尾:すごい策士(笑) めっちゃ似てたね。

本間:あれはすごいよね。

自画像の作品。作っている途中で色々迷走しました(笑)(劉)

劉:でもそれは初めてのリアル系のCG作品だったんで、本当にもうどうやって作るのかも分からなくて、ゼロからソフトの勉強をしたり、本を読んだりとか、徹夜して――。学内で就職活動のプレゼンテーションがあるので、そのときに出そうかなと思ってたんだけど、1週間しかなくて……本当に、1週間まったく寝ないで作って、そのイベントの前日に、やっとできました。

– 反応はどうでした?

劉:やっぱりみんな見て「これ、面白いな」って。

– 自画像は実物と見比べたくなりますよね(笑)

劉:そう、そうですね。しかも僕、その作品に「これ、だ~れだ?」っていうタイトルを付けていて(笑)。――作ってる間に気付いたんですが、自分の顔って、本当に一番身近な顔なのに、“全然知らない” んですよ。どうなってるのか、本当によく見ないと分からない。で、それをきっかけに毎日、鏡を見てました。
 あと僕、就活は結構な冒険だったんですよ。同じクラスのほかの人は、20社~40社ぐらい応募したりとか、何十社も受けたりしてたと思うんですけど、僕は別にゲーム会社ならどこでも良くて日本に来たわけじゃなくて、最初から「プラチナゲームズに入りたいな」と思っていたので、そのほかには大手の4社だけ――全部で5社しか応募してなかったんですよ。そもそも落ちることを考えてなかったんです。「落ちたらそのとき考えよう」みたいな感じでした。

(中編につづく)


2020年新卒 会社説明会 予約受付中!
≫≫ [PG MYPAGE]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪
≫≫ [リクナビ2020]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪

※プラチナゲームズにご応募いただくには会社説明会への参加が必須となります。
※当社専用採用ページ[PG MYPAGE]にて、当社説明会をご予約済みの方は、リクナビから重複してのご予約はご遠慮ください。リクナビから説明会をご予約・ご参加いただいた方には後日[PG MYPAGE]を案内いたしますので、ご安心ください。



◆バックナンバー
→プラチナゲームズの新人ゲームデザイナー座談会! 前編はこちら

TAG

一覧トップに戻る

プラチナゲームズの新人アーティスト座談会(中編)! 1~2年目のアーティストに直撃!会社選びの基準は?会社説明会や面接の体験談などなど、気になる話を直接聞いてみた!

2019.03.01

→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会! 前編はこちら

– 就活では劉さんみたいに最初からプラチナゲームズ、と決めていた方もおられるようですが、そうでない方は何を基準に会社選びを?

藤宇:僕の場合は、学校が企業の人を呼んでくれる機会がいっぱいあって、そこでプラチナゲームズの方含め、いろんな会社の方とお話しできました。それで具体的に応募したいな、と思ったときには「コンシューマーゲームを作ってるところ」と気持ちが決まっていましたね。

やっぱりコンシューマーゲームをずっとプレイしていたんで――スマートフォンの場合だと、タッチできる部分の大きさとか、ゲーム性のほうで “できることの幅” が限られる気がして。受けた会社のうち複数社から内定をもらって、プラチナゲームズからは最後に内定をもらったんですけど、そのときに選ぶ基準にしたのが “ゲームのジャンル” でした。アクションゲームが好きだったんで。プラチナゲームズ以外の会社は結構いろいろなジャンルのゲームを作っていて、例えばもしそれで “RPGを作る” ことになったとしたら、そこで本当に自分のやりたいことができるのかな? とか思ったりもしたので、最終的にはやっぱり “アクションゲーム” という道に絞ってプラチナゲームズに決めた形です。

– 最初は特に決めてなくて、学校が呼んでくれたところから見ていたけれども――そこからコンシューマーにしよう、そのなかでもアクションゲームがいい、というふうに絞り込んでいった。

藤宇:そうですね。結構学内で説明会とかをしてくれていたんで、そこでもいろいろと知ることができて、勉強になりました。

– なるほど。増尾さんは。

増尾:まず、プラチナゲームズのことは『大神』っていう――「 “自分の好きなゲーム” を作った人たちがいる会社」として知っていました。就活のときに会社選びの基準としたのは “好きなゲーム”。ダントツで「好きなゲームを作ってる会社が絶対にいいな」と。―― “自分が惹かれたものを作れる集団” に憧れた、っていうのが大きくて。それでプラチナゲームズも含め、いろいろ見てたんですけど、たまたまプラチナゲームズのインターンシップ募集を目にして、「じゃあ行ってみるか」とエントリーしました。それでインターンシップで対応していただいた社員の方が、とにかくすごくいい人で……。一介の学生のポートフォリオに、ものすごく長い時間をかけて、本当にいろんなアドバイスとか、ガツガツ言ってくれたんです。そのおかげでポートフォリオがすごい良くなった、っていう手ごたえもあって、もう感謝しかない。あと、熱意。学生に対する熱意も、100%で出してる人たち。「この人たちと一緒に作るんだったら、私も100%で頑張って作りたい、一緒になって100%でメラメラとやっていきたい」っていう気持ちが湧いてきて、プラチナゲームズを選びました。あと、うわさで “プラチナゲームズはものすごく厳しい” と聞いて――。どっちかと言えばスポ根寄りの…… “普通の3倍はお仕事がもらえる” というか。

– “もらえる”(笑)

劉:ネットで調べたら、似たような話が出てくるよね。

増尾:そう、そう。で、就活のときに合同説明会とかで隣に座ってる人と「どこを目指してるの?」みたいな話から入って、「プラチナゲームズ、めっちゃ厳しいらしいで」「へえ」みたいな(笑)。そういう話を聞いて――。やっぱり “厳しいところで叩き上げられてこそ、人は強くなる” っていう考えが私にはあるんで、「そういうところがいいな」って。“いい意味で厳しく” してほしかった。

藤宇:僕の印象としては、大手と比べるとプラチナゲームズは人が少ない分、1人1人がしっかりしてそうだな、という。大きい会社だとどうしても人が多い分、やるところがすでに決まってたりとかするので、ほかの人との会話も少なくなって、人間関係が薄くなるんじゃないかな、と思ってたんで。実際プラチナゲームズの人と話したり、調べたりした感じでは、人同士のつながりがほかの会社よりも強くて、よく話せる会社なのかな、という印象でした。

劉:本当、そういう大きい会社だったら、自分がやってることしか知らないんですよ。視野がめちゃくちゃ狭くなって。それで僕も人数が少ないほうがいいなと思います。

– 劉さんは、もともと候補を絞って就活されてたんですよね。

劉:はい。本当に昔から「プラチナゲームズに入りたい」と思っていました。でも実際、就活で内定をいろいろもらったら悩んだんですよ。プラチナゲームズの内定は一番最後だったんですけど、その前に2つ、大手から内定をいただいていて、1週間ぐらい悩みました。お給料もそうですけど、これからの自分の進む道が会社によってまったく違っちゃうんじゃないかな、と思ったんで。そんなとき、プラチムゲームズの説明会で印象的だった言葉を思い出したんです。プラチナゲームズは「少数精鋭」。その言葉が好きなんですよ、僕は。大手だと、例えば毎年100人入ったりとかするじゃないですか。僕は “100人の中の1人” じゃなくて、“10人の中の1人” がいいな、って。あと、会社がちっちゃい規模なら、ちっちゃい船みたいな感じで、機動性が高いと思いますよ。すぐ曲がれますし、止まるときもすぐ止まれます。大きい船だったらもちろん安定するんで、波に強いんですけど、なかなか曲がれないし止まれないだろうと思って。それでプラチナゲームズに決めました。あともう1つ、全然理由にはならないかもしれないですけど、ちょっとうれしいことで――ほかの会社で今の職種だったら “デザイナー” とか言うじゃないですか。こっちは “アーティスト” 。

増尾:アーティスト。そうそう。

劉:格好良くない?(笑)

増尾:分かる。言い方が違うよね。

本間:“アーティスト” で(コンセプトアートや、モデリング、モーション、UIなど)全部のセクションが1つにまとめられているっていうのはすごい、「独特でいいな」って思ってたところなんです。

劉:うれしいですよね。

本間:結構ほかの会社だとモデラーはモデラー、デザイナーはデザイナーって完全に分業されちゃってるから、たぶんプラチナゲームズみたいに “全種類の研修をする” とかはないですよね?

– そういえば2018年度の新人研修では、全員がアーティスト職の全セクションを体験したそうですね。

本間:うん。だからそこはすごくフラットでいい。

劉:「名刺に “アーティスト” って書いてある! うれしいな」って(笑)

藤宇:モーションは、プラチナゲームズ公式サイトの職種紹介だと “アニメーター” と “シネマティックアーティスト” の2つに分かれてて。僕はずっと “ゲーム中(プレイアブル)のモーションデザイン” をしたかったんで、「職種紹介の時点で分かれてるんだったら、“アニメーター” を志望すれば絶対ゲーム中のモーションを触れるじゃないか」と。それもプラチナゲームズを選ぶ理由に。

– そこは逆に分けて書かれていることで仕事を選びやすくなったと。本間さんはいかがでした? 会社を選んだ基準は。

本間:コンシューマー志望に完全に移行したときに、やっぱり一番大事だと思ったのは、自分が一番感動してきたゲームは “世界観が面白いゲーム” だったんで、まず第一にそこがクリアできること。あとはやっぱり “アクションゲーム” ――『Bloodborne』とか『モンスターハンター』とか『サイレントヒル』とか、基本的に自分で殴ったりしたいタイプなんで、“気持ちいいアクションを作っているゲーム会社” に行きたいな、と。そう思って絞ったら、プラチナゲームズともう1社だけになって、本当に2社しか受けなかったんです。最終的にはプラチナゲームズに入社したんですけど、やっぱりプラチナゲームズはまず多様な世界観――『メタルギア ライジング リベンジェンス』とか『ベヨネッタ』とか――デベロッパーだし、オリジナルタイトルも含めて、いろんな世界に幅広く携われるのがいいな、と思って。もう1社の方は結構同じような世界観の作品が多くて――それはそれですごくこだわりがあって奥深く、感動する物語なんですけど――でも同じようなものをずっと作るのもいいけど、まずはいろんなものを経験したいな、と思ってプラチナゲームズに来ましたね。で、やっぱり “アクションの気持ちよさ” がすごくあるんで。“触り心地がいいゲーム” っていうのは本当に作ってても気持ちいいし、それがすごく大事だなって思います。

-なるほど。ここまでにプラチナゲームズの会社説明会の話も何度か出ましたが、印象はいかがでした?

藤宇:ゲームを作ることにプライドというか、「ほんまにゲームを作ることに意識を向けてるな」と感じました。他の大手ゲーム会社の説明会では、「IP(知的財産)を作る」みたいな言い方をしてて、ゲームの内容より「ずっと愛されるキャラクターを作っていこう」っていう空気で。そのあとにプラチナゲームズの会社説明会に参加したら、「キャラクターも大事な要素なんで絶対要るけど、ゲームの内容や面白さで勝負をしている」という印象を受けて、そこに共感しました。



– ――増尾さんは。

増尾:今、就活生の「プラチナ厳しいらしいよ」みたいなうわさの根源に心当たりっていうか、思い出したんですけど、たぶん説明会で見た映像で「うちの会社は厳しい」と――。

劉:言ってましたね。

増尾:だから、たぶんみんな知ってるんだと思います。「これがうわさの」っていう(笑)。でも、すごい楽しかったですね。私は登場した人の言っていることがすごい “しっくり来た” っていうか、もう、「そりゃそうだよな、そうなるよな、よっしゃ頑張ろう」みたいに。「私もそう思う」みたいな。そういう感じでした。あとは、アーティストの職種別質疑応答で説明をしてくださった社員の方がまた、やつれてなくて(笑)。“元気そう” だった、っていうのもすごくポイントが高かった(笑)。「歯車として消費されるんじゃなくて、生き生きと働けるんだ」みたいな。

– そういうところも見てるんですね。

増尾:“健康そう” みたいな。大切だと。(うなずきながら)

本間:大切。

– 本間さんは5回も参加して。

本間:そうですね。やっぱり単純に風通しが良さそうなイメージが。説明会の映像もそうなんですけど、全体的にちゃんと “言いたいことをズバッと言える会社” なイメージがあって、フラットで。だから “いいものを作るためにみんなが研鑽していく” というか、「1人1人がゲームデザイナー」っていうあのフレーズがすごく良くて。アーティストだからアートだけ描いてる、というのではなく、“ゲームの面白さをより良くするために働いている” 会社だな、っていうのがすごく感じられたんで。私は単純に「世界観が面白いゲームを作りたい」って思うんですけど、でも実際自分がやってきたゲームは世界観だけじゃなく、もう本当にゲームをより良くするために全ての要素が絡み合った、だからすごく面白いゲームが多かったんで。そういうものを作れる会社はやっぱりそうやって風通しが良くて「みんながゲームを作るんだ、ゲームデザイナーになるんだ」、ぐらいのノリがある会社だと思ってプラチナゲームズを選びましたね。

– 劉さんはいかがですか。

劉:僕、説明会のとき涙が止まらなかったんですよ。「ゲームをつくろう。」というプロモーションビデオが上映されたんですけど、その中に僕が今までずっと思っていた一言があって――。“僕たちは誰よりもゲームを愛し、誰よりもゲームの楽しさを知っている” という言葉。これを聞いたときもう、なんかもう――なんて言うんですかね――「僕、このために日本に来ました」っていう瞬間が。この何年もの努力が、本当に――仕事辞めて日本に来て、違う国でいろいろ大変だったんですけど――「来ました」、っていうタイミングだったんです。なので、“もう間違いない、ここです” ということをそのときすごく強く感じました。
あと印象深かったのは、「本当に今まで僕が自分の中で想像していた “プラチナゲームズ” とまったく一緒だったな」と感じたことで。

– ――中国にいたときから。

劉:そうですね。もちろんアクションゲームに対する情熱だったり、会社の雰囲気――「たぶんこうだろうな」と想像していたとおり、実際に説明会へ行って話を聞いたら、「やっぱり間違いないな、一緒だな」と。ピッタリきた瞬間でした。

– 皆さん、面接などで印象深かった出来事はありますか。

藤宇:僕はプラチナゲームズの最終面接を受けたとき、既に大手の内定をもらっていたんですが、そこの内定承諾の回答期限があと1日か2日ぐらいだったんですよ。なので、最終面接で社長に向かって「すみません、ちょっとほかの会社の都合があって、早めに結果が欲しいんです」と(笑)。もう正直に、そのとき「プラチナゲームズが締め切りに間に合ったらプラチナゲームズを取る気でいる」っていうのも、同時に言ったんですよね。

– ぶっちゃけましたね(笑)

増尾:すごいな、よく言ったね。

藤宇:で、それで面接が終わった際に――たぶん「案内の人を呼びますね」って言って出ていったんでしょうけど、そのとき僕は「アンケート持ってきますね」と聞き間違えてて、「アンケートするのかぁ」と思って。

一同:(笑)

– ここで。このタイミングで(笑)

藤宇:終わったあとにすぐ(笑)そういうのあるのかな、と思って。そしたら入ってきて、「じゃあ、結果を言います」って言って。あれ? と思って。

– アンケートじゃないなと。

藤宇:そう。アンケートでもないし、もう結果くれるんですか、みたいな感じで――「内定です」。え? 本当なんですか、みたいな。もう気分、ぐわー! って上がりましたね(笑)

– 本当にすぐに返事もらえた、っていう。

藤宇:そこはもうすごく記憶に残ってます。最終面接の直後に内定通知をすることはあまり無いみたいですけど、僕はすぐにもらえて嬉しかったですね。

– 本間さんは。

本間:私は一次面接の面接官が5人いたんで、最初めっちゃ緊張してたんですけど、見知った顔がいたのでちょっと気が抜けちゃって、あるキャラクターの説明をする際にすごい “やらかして” しまって。面接のテンションじゃなくなっちゃったんですよね。もうみんな完全に大爆笑しちゃって――。

– いったい何を。

本間:ポートフォリオに追加した作品で、あるキャラクターがいたんですけど、「前のポートフォリオには無かった新しい作品だね、説明してほしいな」って言われて。そのキャラクターが “馬と寄生虫の合体したクリーチャー” だったんですよ。それで「これ寄生虫なんだ?」っていう話になって、「すごい、この寄生虫がどうやって寄生するの」って聞かれて、「こちら―― 尻穴(けつあな)から入って」って言っちゃって(笑)。それまで順調だったのに(笑)

一同:ケツアナ(爆笑)

– たぶん今のテンションと同じぐらいで(笑)

本間:そう。本当に言っちゃって、それで「え? けつあな?」って真顔で(笑)。真顔で面接官から聞かれちゃって、「あっ」ってなって、「違うんです、こちらの後ろの穴から――」って言っちゃって。

– 後ろの穴(笑)。もはや……もはやフォローのしようも。

本間:もうなんか(笑)。そこから完全に糸が切れちゃって、逆にわりと和やかな雰囲気になって。

– 結果オーライ。

本間:結果オーライだったんですけど、逆に面接官の人に “そんな状況になっても笑って流してくれる” 大きな器があって良かったなって。――いや、思い出すだけで今でも震えますよ。あれは。そのときの印象が強すぎて、それ以外は本当に覚えてないです。

増尾:そのポートフォリオの絵、めっちゃ見たい。説明されたやつ。

本間:あれ見るたびに、ちょっと胃がざわつくんだよな、本当に……。

– それで皆さん実際に入社して、大阪に来て住んでみていかがでした?

本間:大阪めっちゃ住みやすいな、って思いますね。

– 出身は名古屋でしたっけ。

本間:
名古屋から東京、それから大阪なんですけど、東京にいたころ、やっぱり人が多すぎて。人混みとかがうっとうしくて、イライラしたし、うるさいし。大阪ぐらい適度に人がいて落ち着いているぐらいのほうが、個人的にはすごい住みやすくて。

増尾:落ち着いてるんだ!?

本間:落ち着いてるよ、全然。

劉:大阪のほうがうるさいよ(笑)

本間:ええ? 新宿駅とか、もう――。

劉:まあ確かに。

本間:東京は人が居過ぎる、というか本当に大阪ぐらいの “適度に何かある場所” ぐらいが私にはちょうどいい。あと映画館がいっぱいある。歩いて行ける距離にいっぱい映画館があるのはすごくいい。あと京都が近い。

増尾:それね。

本間:そう。京都近いの、いいよね。住みやすいです。

劉:僕は日本に来てから3年間ずっと東京の中心地――、新宿とかの周辺に住んでいて、そこで日本に慣れてきました。そこはそもそも日本に来る前の、日本に対する印象どおりだったんですけど、大阪に来たら「若干違う?」って感じました。今、大阪に住んでてすごくいいのは、まず「家賃が安い」ということです。本当にめっちゃ広い部屋に住めますし、あと買い物でスーパーとかに行っても、東京よりもずっと安いし、いろんな生活費が下がりました。でも、本間さんはさっき「大阪が静か」って言ってたんですけど、僕は逆に「大阪のほうがうるさいな」って。

本間:たぶん私が言ってるのは “下町感” だと思うんだよ。“下町の穏やかさ” っていう。

劉:僕はそんなに大きい声でしゃべることがあまり好きじゃないので、中国で大きな声でしゃべってる人が多いのは嫌でした。「東京は静かでいいだろうな」と思ってて。

本間:確かに、六本木とか――。

劉:新宿もそうだし、友達と外を歩いてても、ちょっとだけの声でお互い聞こえます。ですけど――、先週友達が大阪に遊びに来て。2人とももう中国レベルの音量でしゃべっても全然違和感がなくて――。それはそれで大阪のいいところかもしれないですね(笑)人によって感じ方は違う。

– その友達は中国からの?

劉:中国からで、今は東京に住んでいます。逆に僕が今、大阪のこの雰囲気に慣れてて、「この人、なんでこんな声ちっちゃいの?」って思いました。「もっと大きな声でしゃべれ、聞こえない!」っていう(笑)

増尾:もう大阪の色じゃん(笑)

– 藤宇さんと増尾さんは大阪出身ですけど、遠くから出てこられる方に向けて、アピールしたいことは。

増尾:最初に言いたいのは、「別にボケなくてもいいし、ツッコまなくてもいい」っていうこと。話にオチも求めてないですし!(笑)

本間:いや、ずっとそこだけは「何が不安ですか」って聞かれたときに、「ギャグセンスないと生きていけないんじゃないかな」って(笑)

– その話自体が大阪人のギャグでは(笑)。騙されてますよ!

増尾:そうなんですよ。もう鉄板ネタみたいになってて(笑)。別に一家に1台たこ焼き器もないし、お好み焼き毎日食べないし!

劉:本当に?

増尾:本当だよぉ!!(笑)

劉:世界観がひっくり返された。

藤宇:外の人が大阪へ持っているイメージとは、実際違う――。

本間:結構そういうイメージはあって心配してたけど、“思ってたほどそうでもない” っていうのは良かった。

劉:――思い出しました。たぶん大阪は東京よりこういう人間関係とか、作りやすいかもしれないです。やっぱり大阪の人、関西の人は “なんかノリがある” んですよ。すぐ話が盛り上がって笑ったりとかできるんで、そこは東京とすごく違うところです。

本間:確かにノリはいいよね。

劉:そうそう。

増尾:「ばんっ(撃つフリ)」ってやられたら、「あっ(死んだフリ)」ってなるよね。

劉:ほら、これですよ(笑)。これが関西のいいところ、大阪のいいところです。

– ありがとうございます(笑)。

(後編につづく)


2020年新卒 会社説明会 予約受付中!
≫≫ [PG MYPAGE]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪
≫≫ [リクナビ2020]アカウントをお持ちの方はこちら ≪≪

※プラチナゲームズにご応募いただくには会社説明会への参加が必須となります。
※当社専用採用ページ[PG MYPAGE]にて、当社説明会をご予約済みの方は、リクナビから重複してのご予約はご遠慮ください。リクナビから説明会をご予約・ご参加いただいた方には後日[PG MYPAGE]を案内いたしますので、ご安心ください。



◆バックナンバー
→プラチナゲームズの新人ゲームデザイナー座談会! 前編はこちら
→プラチナゲームズの新人アーティスト座談会! 前編はこちら

TAG

一覧トップに戻る