わーい、ついに0から敵キャラクターモデルを作ることになりました!オオタです!ずっとやりたかったのです!

念のためですが、今までも貴重な仕事を担当させて頂いておりますので、この時期まで新人がないがしろにされるなどはありませんご安心を!
むしろ、え?そんな重要なヤツを!?なハードな内容ですからご安心を!(笑)
で、今回の記事はモデル制作の仕事に絞った内容です!参考になるかな? 

今までは引き継ぎやクオリティアップがメインで、構造を考えるのも含めて全くの0から作るというのは初めてです
構造というのは、どの位置にいくつ骨を入れるかというキャラクターの骨格組みのこと。

別に人によって入れる骨組みの数が大きく変わることはありませんが、例えば足の無いキャラクターを作る場合だったら?腕がたくさんあるキャラクターだったら?胴がすごく長いキャラクターだったら?
そしてさらに厄介な物の例として、薄い膜などで手足などが繋がっているキャラクターだったら?
どのように入れたらいいのかな?関連つけたら扱いやすいのかな?めり込まないかな?自分で考えないといけません。
いちいち細かく上司や先輩に尋ねてはいられませんので、教えてもらったこととこれまでやってきた経験(まだまだ少ないけれども)を基にガンバルノデス!

 

今回は、モデル制作がモーションにどのように関わるかのお話をしてみようかなと思います。

現実にいる生き物をモチーフにしたキャラクターを作った時の話です。私の場合は、「カエル」でした。
私が作ったのではなく、先輩から修正込みで引き継いだものだったのですが。
「カエルはカカトに二か所関節がある」など普通の人は知らないところまで正確に作ってあり、「うほぁ凄い!」と感動。モデルもデザイン画に限りなく正確で美しい!

しかしモーション担当からの指摘は、「首があまり回らない、背骨の位置があまりよくない」でした。
図鑑と比べて見ても、頭も背骨も位置は正確なのに…ダメなの…?
というかカエルってそもそも首はあまり回らないし、体のほとんどはジャンプ力を生むための骨盤のフレームなので柔軟にねじれたりしないはず。

しかし、そんなことを言っていたら

「鳥獣人物戯画では、二本足で歩かない生き物が生き生きと歩き、走り回っているでしょ、
モーションマンの仕事はそういうこと(みたいな内容だったと思う)」と言われてハッとしました。

 

ゲーム中で動き回るのは、現実のしがらみでガチガチになったキャラクターではありません。
生き生きとしたアニメーションをつけてもらう為、「現実ではここまで曲がらない、現実ではここには骨は無い」ところだったとしても、
時にはそれが必要とされるのです

モデラーの仕事って、モーションデザイナーのイメージを注ぎ込む器を求められていたんだと痛感しました。
その為に、どんな曲げ方をしても美しく対応できるあらゆる準備を施しておくべきなのだなぁと。
実物はそうじゃないからなどというのは関係なかったのです。

 

私は実はモーションデザイナーに凄く憧れていました。もちろんキャラクターモデラーだってとっても憧れていたし、配属されて嬉しかったけれど、
心のどこかで「モーションデザイナーかっこいいなぁ」なぁんてずっと思っていたのです。(今の職種には凄く満足してます>< )

しかし、そんな憧れのモーションデザイナーの頭の中に素晴らしい動きのイメージがあったとしても、
私たちモデラーの作った器がそれについてこられなければ意味が無いのだなぁ

新人モデラーがベテランモーションデザイナーに自主的に貢献出来ることなんてそうそうないと思ってます。
ここにこんなにたくさん制御用サブ関節いれてみました!!!!と勝手にやって持って行っても「いらんよ」となったら無意味なので笑
せめてでも自由に思い通りに動きが付けられるモデルを出していきたいなと思います。

 

以前にも書いたと思うのですが ベテランモデラー勢の作ったモデルのメッシュのキレイさは異常なのです。
なぜか。メッシュがキレイなら、仕上がり・作業のし易さを含めてたくさんの恩恵を受けられるから。

曲がった時のラインの綺麗さも回転に対する柔軟さも、作業管理のし易さも結構ここに依存していたり。
だからこんなにキレイなんだ!そしてだからこんなに私の作ったメッシュは汚いと指摘されたんですねー。

 

すごい、ここにきて教えられたことが全部繋がってきましたね。お前は何を聞いていたんだというツッコミはスルリとかわしたい^^

頭ではわかっているつもりでも実は出来ていないことだって、失敗を通してその必要性を痛感することで自然と身についてくるものだと思うので
貴重な失敗を大事にしたいです。という話でしたおしまい。 毎度毎度長くてすみません。ご、ご清聴ありがとうございました